ワイン没収
K島さんがドイツに出張して、M原さんはしばらく一人でお仕事。
メールで少しやりとりはするものの、ほぼ問題なく時がたち、ゴールデンウイークに突入。M原さんは、この後、週休8日(?)体制に入るので、K島さんとはその後に会うことになる。
さて、そのK島さん、ドイツ出張も終わり、そろそろ帰り支度。
M原さんががんばってくれているので、おみやげは彼女の一番好きなものを、と考えた。M原さんが好きなものはいろいろあるが、やはり、間違いないのは、あれでしょう。
というわけで、チョコレートとクヌート(今ドイツで大人気の白熊の赤ちゃん)のマスコットもどき(やっぱりメイドインチャイナだった)のほかに、M原さんへの特別のお土産を買い込んで、いざ空港へ。
チェックインはスイスイといき、荷物検査の列に。
「リキッドは持っているか」の問いに、つい、「はい、ワインがあります」と答えてしまったのが敗因であった。
「これは持ち込めません。チェックインしてください」
「はあ?ワインの瓶がわれたらどうしてくれるんですか?」
「知りません。とにかく規則ですから、持ち込めません」
テロ対策とやらで、機内に持ち込める液体の量が制限されているらしい。本当のテロリストだったら、そうなれば粉末にするとか何か考えるだろうから、ほとんど意味をなさないと思われるのだが、いったんできたルールには忠実に従う人が優秀とされる社会では、そんなことを言っても無駄。
K島さん、トボトボ外に出て、必死で対策を考える。
受付カウンターに行って、訴える。
もう普通の荷物は出してしまっているから、クッションになるようなものは何も持っていないのである。カバンもないのである。
「通常の荷物として扱われますから、割れるかもしれませんね」などと、まったく助けにならないことを、受付の気のよさそうなお兄さんは言ってくれる。
「いや、だからそこをなんとか、通してくださいよ。このワインは、大事なんですから」
「規則ですからねー」
そういわれれば、壁にちゃんとポスターがでかでかとはってある。しかし、このサイズではアルコール類は機内に持ち込めないということではないか。ワインを買ってほしくないんでしょうか、この国は。
そうこうしているうちに、もう出発時間がーーー!
K島さん、腹を決めて、あきらめることにした。いくつかの選択肢が瞬間に頭をよぎる。
ここのカウンターにワイン瓶をたたきつけるのはどうだろう、いや、返り血ならぬ返りワインをあびそうだしなあ。。。このまま手荷物にして送ってはどうだろう。瓶が割れて、誰かの荷物がぐちょぐちょになっても悪いかなあ。。。
そして、結論は、慈悲深い女神のごとくになったのであった。
「わかりました。このワインはあなたにさしあげますから、どうぞ飲んでください」
受付のお兄さんは、
「親切は嬉しいですが、そういうことは禁じられていますからー」
しかし、K島さんは、受付カウンターにM原さんへのお土産ワインを置き去りにして、後ろ髪をひかれながら、泣く泣く荷物検査の列にならんだのであった。
あのワインは今頃どうなっているのだろう。
せめて誰かが飲んでくれているといいけれど。。。。
日本発の飛行機も同じような規制があるらしい。海外の皆さんは、日本酒のお土産は、当分は期待しないほうがよさそうだ。
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