« ドロシー・マクレーン講演会 | Main | MITエンタープライズフォーラム »

韓国宇宙事情

韓国の宇宙機関や大学を回ってきた。短期間だったが、収穫は大。やはり、現地に行って、話すに限る。
以下、メモと雑感。取り急ぎ。

4/13(火) 
SaTReCi (サトレック・アイと読む)へ。テジョンの郊外。
Choi会長が迎えてくれる。広々とした美しいオフィスは、自社ビルだという。ここで衛星も作る。
70歳くらいのChoi会長(しかし、若々しい)以外は、30代、ほとんどが海外で博士号を取った優秀な若手。十数年前、「この分野では、君が韓国の宇宙をひっぱるリーダーになるんだ」というミッションを持たせて、世界中に送り出したのだという。会社概要の説明をうかがってから、中を見学。「写真をとっていいですか?」と聞くと、「うちは政府関係じゃないからどこでも自由にどうぞ」政府関係の研究所「SaTReC」から飛び出したベンチャー会社の心意気。2000年1月に設立。社長は30代。日本にもこういうのが早くできないだろうか。

地球観測衛星を主に作っている。200キロ程度の衛星でも、解像度は2.5メートルを狙う。IPOはしない予定。コマーシャルベースにのる製品がないのが理由。もし、それができたら、別会社を作るという。

ランチを、Choi会長と、二人の若手重役といっしょにいただく。ちょうど、国会選挙の直前で、Choi会長の政治談議を聞く。この国の世代間の意識の隔たりはかなり大きいようだ。若い世代は、「違う見方を持っているが、何も言いません」

午後、KAIST(Korean Advanced Institute of Science and Technology)へ。ここは、他の韓国の大学とは違って、科技庁にあたるところから資金が出ているので、裕福。キャンパスも広く、学生は、授業料は不要で、食費が支給されるなど、経済的にも恵まれている。しかし、学生は全く感謝しないのだという。高校時代からスポイルされているので、どうしようもないとのこと。2000人ほどの学生が学ぶ。航空宇宙では、電気工学、物理学のバックグラウンドの学生が多い。

KAISTから車で五分くらいのところにKARI(Korea Aerospace Research Institute) がある。衛星とロケットに関しては、2015年までのロードマップができていて、ポスターになってあちこちにはってある。小さいなりにビジョンがある。SaTRecは、KARIのリサーチ事業部のようなもの。SatReci は、それをきらって、飛び出して独立でやっている。とはいうものの、宇宙だけでは食べていけない。防衛がらみの仕事もかなりもらっているようである。韓国では、軍事と宇宙は特に違和感なく、共にやっているらしい。国家年間予算の25%が軍事費に使われているというから、軍事予算は潤沢にあるのだろう。

夜は、KAISTの先生たちと食事。

4/14(水)
午前中KAIST。UNISECのパンフレットも配布し、ほんの30秒ほど、説明もさせてもらった。
昼は、先生たちと食事。一人三百円くらい。味噌汁、豆ご飯、キムチ三種の献立。ヘルシーでおいしい。
午後、SaTRecへ。宇宙研で6年間勉強したという若い方が説明してくれる。アドミもいれて40人ちょっとで、4億円の予算でやっているのだという。衛星を作る部屋は、雑然として作業していた。FMを作るときには、まず大掃除をしてからなんですよと笑う。

近くのハイキングコースのような寺へ行く。KAISTの学生二人がガイドをしてくれた。屋台のチヂミを食べる。これは最高。夜、ソウルへ車で移動。KAISTの先生が運転するスポーツカーの後ろにちょこんと乗せて頂く。夜は、タコ料理。ほとんど深夜になって、ホテルに到着。なぜかジャグジーつきの大きな風呂がついている。文句はないので、ゆっくり手足を伸ばす。

4/15(木)
この日は、選挙のため、すべてお休み。キョンボックンというふるい都の王宮へ。のどかな公園。
ミョンドンは銀座というか新宿というか、すごい人出で歩くのもままならない。エネルギーがあふれていた。カルビをたらふく頂いた。菜食主義はいったいどこへいってしまったのか。旅行中は一休み、かな。

夜、また移動。今度は、ヨンピョン(龍平)のリゾートホテル。なんと、冬のソナタのロケ地ではないか。なかなかいいホテルでご機嫌。

4/16(金)
朝六時に目覚ましがなった。かけた覚えはないのだが、なった。スキー場へ散歩にいく。戻って朝食。干しスケソウダラのスープとご飯。10000ウォン。けっこう高い。

11時から、KSAS(The Korea Society for Aeronautical and Space Sciences)の年会。全員起立して、国家斉唱がある。軍服姿の方の挨拶もある。ハングルなので、全くわからない。
お昼は、KSASのボードメンバーと食事。午後、江陵(カンヌン)へ。案内されるままに、楽しませていただいた。懇親会には三十分遅れてしまった。韓国では立食は好まれないそうで、椅子にすわって洋食。ほとんどすべてのものはおいしいが、コーヒーは薄い。エスプレッソでちょうどよいくらい。

午後、ドライバー兼ガイドをしてくださったKAISTの先生と話す。朝鮮戦争で祖父母は殺されたという。しかも、「敵軍」ではなく、「突然共産党になった友軍」に、裕福な地主だった彼らは殺されたのだそうだ。その報復のためか、おじは警察に入り、友人を含む50人以上も殺したという。歴史を背負って、人は生きている。

|

« ドロシー・マクレーン講演会 | Main | MITエンタープライズフォーラム »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

旅行・地域」カテゴリの記事

宇宙」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 韓国宇宙事情:

« ドロシー・マクレーン講演会 | Main | MITエンタープライズフォーラム »