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カンサット本脱稿

初代カンサットを作った学生たちの奮闘を描いた「上がれ、空き缶衛星」の最終ゲラのチェックを終え、出版社に送った。6月に刊行の予定。すでに、新潮社の6月刊行案内にも載っている。

初稿を書きあげてから、諸事情があって編集者が二回交代したために、二回全面的に書き直しをしたのだが、結果的に深く考えることができて、よかったと思う。

今回の仕事で恐れ入ったのは、新潮社の校閲者。本のよしあしが決まるのは、編集者の腕次第というのは知っていたが、校閲者の役割についてはたぶん理解できていなかった。プロの校閲者というのはここまですごいものなのかと、初めて知った。誤字脱字を直すというようなレベルのものでなく、全体をくまなく読み込み、整合性がとれるようにチェックしてくれる。こういうプロの手を経て、原稿は磨かれていき、お金を出して読んでいただけるものになるのだと、いまさらながらに納得する。

かつて、通訳会社で仕事をしていたとき、通訳者と「英語ができる人」の違いは、ピアニストと「ピアノが弾ける人」の違いだと説明していたけれど、物書きと「文章を書ける人」の違いも、やはりあると思う。WEBができて、誰でも何でも自由に発信できる時代だからこそ、文章でお金を頂くプロは技を磨かなければならないだろう。ともあれ、伝えたいことがあって、それをきちんとした形にして伝えることができるのは、本当にうれしい。すばらしい素材と環境に恵まれたからこそできたことで、感謝してもしきれない。

宇宙は、どこか遠くにあるのでなくて、私たちが生きている場所が宇宙の中にあるのだけれど、実感としてなかなか持ちにくい。学生たちが衛星を作ったという事実は、私たちが勝手に遠くへ追いやってしまった宇宙を、すぐそこまで引き戻してくれたように思う。でも、それは魔法のように起こったのではなくて、一人ひとりが、地道な作業を丹念に繰り返し、挫折を乗り越え、岩のようだった壁を突き崩して、やっとできたことなのだ。

次の本の計画も練っている。カンサットは、宇宙へは行かなかった衛星(つまり衛星ではなかった)だけれど、キューブサットは、実際に宇宙へ行って、今も高度820キロメートルのところを周回中。宇宙からたくさん写真を送ってきてくれている。キューブサットの開発物語を書きたい。


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