キューブサット1歳の誕生日
6月30日は、キューブサットの1歳のお誕生日だったので、ささやかなお祝いをした。ホンモノは宇宙へ行ってしまっているので、地上に残っているエンジニアリングモデルにケーキをさしあげて(?)、ろうそくをたて、記念撮影。
1年前のこの日、研究室はロケット打ち上げとそれに続く衛星放出の瞬間を待って、緊張の糸がぴーんと張っていた。あのときの緊張と感激と高揚。今でも忘れることができない感覚だ。
一年たったこの日、学生たちはそのときと同様に、実に真剣に誕生日を祝った。写真撮影のときなど、ケーキの角度や背景に妙にこだわり、準備が整ってから、電気を消して、「はい、ポーズ」。出来上がった写真には、たぶん、ローソクがちょこんとのったケーキとキューブサットがうつっている。背景は、一年前の打ち上げロケットの写真だ。
ショートケーキが18個あって、好きなのを上の学年からとっていくことにしたときのこと。ドクターの一番上の学生が、促されて選んだのは、なんと、写真撮影に使った、ろうそくの蝋がとけて落ちたイチゴショート。彼の思い入れの強さがこういうときにわかる。
一体感。それは、キューブサットとの一体感であり、チームメイトとの一体感であり、アマチュア無線家たちとの一体感であり、直接に関わってはいないけれど関心を持ってくださる多くの人たちとの一体感なのだった。
コーネル大学から「誕生日カード」がEmailで届いた。彼らもこの1月に打ち上げるらしい。1歳の誕生日を迎えたキューブサットは、見知らぬ多くの人たちに確かに何かのメッセージを送っている。
おめでとう!キューブサットたち。
「宇宙でどんどん友達ができるといいね」とつい言ってしまいたくなる何かを、あの小さな衛星は持っている。
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 母の言葉(2016.01.21)
- いつか、誰かのために(2012.05.21)
Comments