Children's express
さわやかな秋晴れだった日曜日。
Children's Express という団体で、お話をさせていただいた。ジャーナリズム活動を通して子どもたちに、自分たちの意見を社会に伝える力と機会を与えることを目的とするNPOだ。
子供の前で話すのは初めてのことで、やや緊張。しかし、「未来のジャーナリスト」たちは、興味を持って話を聞いてくれた。こんなに小さいのに、賢いことこのうえない。鋭い質問にたじたじとなりながら、どうやったらわかってもらえるだろうと、言葉を必死で探す。
カンサットの話を中心に、「中国文学を専攻していたのに、なぜ宇宙工学の世界へ」という、よく聞かれることをお話した。私が宇宙の世界に近づいたきっかけは、平和の希求である。そのきっかけは、英会話のクラスで突然おとずれた。
私が大学で学んでいたのは中国語であり、英語をまともに学び始めたのは、社会人になってしばらくたってからのことである。英会話のクラスで、「第三次世界大戦は起こると思うか」がテーマになったことがあった。私は「もちろん、ノー」と答え、国際政治学のバックグラウンドを持つカナダ人の先生に向かって、「人類は二回も世界大戦を経験して、もう十分戦争の愚かさについて学んだと思います」などとナイーブな意見を述べたのであった。
その先生に「国際政治」の実例を次々と出され、第三次世界大戦が起こらないほうが奇跡かもしれないと、私は思い始めた。それは困る。どうしたらいいんだろう。そのときだった。インスピレーションのように「宇宙だ」と思ったのである。
宇宙という離れたところから見ることで、違う可能性を見ることができるのではないかと思ったのである。そのこと自体、ナイーブであったかもしれないが、ともかく私はそれからというもの、その直観にしたがって道のないところをずっと歩いてきた。レールの上を走るならどんなに楽だろうと思うことがなかったわけではない。なぜわざわざ、大変な道を選んで歩いているのか、ときどき不思議になる。
しかし、「宇宙の視点」を持つことは、相対化・客観視・複眼思考につながると思う。相手を倒さなくとも自分は幸せになれるということに気づくことが、戦いを回避する第一歩なのではないだろうか。
私の子供たちへのメッセージ。
「美しい地球に住む幸せな宇宙人になろう!」
地球は宇宙の中にあるのだから、みんな宇宙に住んでいる宇宙人、なのだと思う。
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