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地震と宇宙開発

新潟で大地震が起こり、多くの方が被害にあわれた。余震がまだ続いていて、どんなにか不安で恐ろしい思いをされていることかと思う。被災者の方々にはお見舞いを、ボランティアの方々には感謝と応援を申し上げたい。

それにしても、突然の惨事の前に、人の力はいかにちっぽけなものかと改めて思う。

日本人の自然に対する意識の変遷が興味深い。
自然と人間がどんな関係であれば、人間はより幸せになるだろうか。これをずっと調査しているところがある。それによると、「自然を征服する」というのと「自然に従う」の項目は1968年くらいを境に劇的に変化しているそうだ。以前は「自然を征服する」ことによって、人間は幸せになると考える人が大多数だったのが、「自然に従う」ほうが幸せになると考える人がいまや半数を超えるらしい。

自然に従うということは、どういうことなのだろう。少なくとも、地震がきたらなすすべもなく死んでいくことではあるまい。

今回の地震で、全体の状況がこれほどまでにつかめないものなのかと驚いた。そして、本来ならかなり貢献できているはずの「宇宙」がまったく役にたっていない。こんなとき、上から写真をとれていたら、どこが土砂崩れになってどこの道路が寸断されているかなど、すぐにわかったかもしれないのにと残念でならない。

神戸の大震災のとき、フランスは人工衛星でいちはやく被害状況をつかみ、救助犬を送ることを決めたそうだが、日本の意思決定者たちは衛星からの画像も入手できず、状況の深刻さが理解できていなかったので、つれなくお断りしたという話も聞いている。(出所が明らかでないので、私の思い違いかもしれない。その際は、どなたか教えてください)

日本は、いま、気象衛星もなく、災害監視衛星もない「宇宙先進国」なのである。住んでいる人たちを守るのにもっと貢献できる技術があるのに、もったいない。システムとしてバックアップを何重にももっておけば、災害を防ぐことはできないかもしれないが、起こってからの対応はもっとやりやすかったのではないかと思う。飛行機やヘリコプターなどとともに、衛星も防災システムのひとつとしてきちんと組み入れていざというときに備える必要があるのではないかと思う。

台風に火山噴火に地震に津波に洪水。
日本は自然災害の多い国なのである。「自然に従う」ためには、まず自然を知らなければならない。そのための予防や調査や保険にもう少し力を入れる時がきているのではないだろうか。

被災地の皆様も、ボランティアの皆様も、風邪などひかず、早く当たり前の日常が戻ってくるように、祈りたい。

そして、こういった一連の騒ぎで献血が不足しているらしい。血が足りなくて手術ができなくなる人が出てくるかもしれない。これも一種の「二次災害」かもしれない。

お寒い現実は、より深く考え、よき未来に向かって何かを大きく動かすための力として与えられたものと、前向きに考えたい。

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