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神楽坂の夢一夜

ちょっと遅い「お誕生会」を大学時代の同級生二人が開いてくれた。
登別温泉での同窓会には私は行けなかったが、彼らは楽しみまくったらしい。行けなかった私に同情票、といったところか。

新しい地下鉄大江戸線の牛込ナントカという駅で待ち合わせ。牛込ナントカは二つあって、私は間違った駅に15分前について待っていた。待てど暮らせど来ない二人。よくよくみたら、駅名が違っている。

7分遅れで無事に到着。ご愛嬌だが、パンクチュアル・レイとしてはちょっと不覚。
神楽坂の奥まった静かなところにある一軒家。一日に一組しかお客をとらないという料亭。こんな店が本当に存在していたのだ。接待が仕事(?)みたいな商社マンの友人に感謝。

ゆったりした広い和室に三人だけで座る。高級そうな掛け軸に、これまた高級そうな和服姿のおかみ。
本当に東京の真ん中かと思うほどに静か。贅沢な時間と空間。

日ごろ、学生さんたちと「学生食堂」なるところで食事をしている私は、場違いもいいところ。しかし、カメレオンのごとくにあっというまに場にとけこむ術を身につけているので、おいしく楽しくお食事をいただく。

おいしいビール。どこか外国産らしい。緑色のビン。でもこんなもので驚いてはいけない。

「ウチのワインはいかが?」
といわれ、よくある「ハウスワイン」かと思いきや、そこの料亭のラベルがはられたワインが運ばれてきた。スペインで作ってもらっているそうだ。私の好きなディープなレッド。これはおいしい。

本日のお献立

ザーサイと鶏肉のあえもの。
ひじきの煮物。
いわしのおさしみ
タイの焼き物
茶碗蒸し(マツタケ入り)
レンコン、こいも、にんじんの炊き合わせ。

ここで「揚げ物」が出るはずだったが、おなかがいっぱいだったのでとばしてご飯へ。

サービスでいくらのしょうゆ漬け
そして。。。。まつたけご飯!

三人のために三人分だけ、土鍋で新米を使ってていねいに炊きあげてくださったものでおいしいなんてものではない。全員がおかわりをして、すっかり全部食べてしまった。

おかみが気のきいたおしゃべりをしながらデザートに柿をむいてくれる。この人は、なんて人を居心地よくさせるんだろう。すっかりくつろいでお茶を頂く。

夢のような気分で、おかみに外まで送っていただいて、「下界」に降りる。飯田橋の駅までくると、もうあたりはすっかりいつもの雑踏。

あれはきっと夢だったのだ。
お店の名刺をいただいたけれど、それは木の葉で、あの場所に戻るときっと竹やぶか何かが生えているに違いない。

と思うような夜。こんな夜もたまにはいい。


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