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銀行融資

銀行融資を受けることになった。
家のローンではなくて、こちらはNPOが政府系機関から頂いている受託研究のため。八百万円の予算を三月までに「消化」(この言葉使い、一般市民には受け入れにくい)しないといけないのであるが、後払いなので手元にお金はない。NPOなので資本金もないから、キャッシュフローの面からみると、常に「死の谷」の底であえいでいる状態なわけである。

誰しもお金の問題と無関係ではいられない。自立できる経済力が必要だ。ひしひしと感じる。

お金を借りようにも、銀行だと三期分の決算書を求められるので、設立まもないNPOは融資も受けられない。理事から拠出金を募っても限界がある。

あるシンポジウムでそのあたりをつっこんで聞いたことがある。
中央省庁の役人はおっしゃった。
「そんなものは、前払いができるはずだから、担当者に相談して、そうしてもらいなさい」と。

しかしながら、運よく前払してもらえたとしても、通常は3割程度。7割は自己資金で回さないといけない。あるいはどこかの企業に手数料をたくさんお払いしてバッファーになってもらわないといけない。今回は前払いはしていただけないことが確定した。

困り果てて、いろいろ伝手を頼って探していたところ、ある信用金庫さんが融資してくださることになった。ありがたいことこのうえないのだが、融資を受けるための提出書類の山。連帯保証人の理事長と副理事長は、信用調査ということで、細かな個人情報を提出しないといけない。それでなくても忙しい中で、ペーパーワークが増えるのは痛い。

いっそ、活動をやめてしまえばよいのではないか。そんな悪魔のささやきが耳元で聞こえる。そんなにしてまでやろうとしていることは何なのか。その先に何があるのか。誰のために、何のためにやっているのか。

未来は見えないものなのだ。見ようとすれば、必ずといっていいほど、悪い未来が見えるだろう。なぜなら、巷には悪い情報のほうが圧倒的に多いからだ。善事は一里も走れないのに、悪事は千里を走るのだから、善事に勝ち目はない。悪い情報に基づいて未来を見れば、もちろん悪い未来が見える。

だから、未来は見てはいけない。
未来は作るものだ。よき未来は今、ここで作るしかないのだ。
不満を口にしてもしかたない。理不尽なことを嘆いても何も変わらない。ひとつだけ言えるのは、今ここでしていることは、確かに未来に影響を与えているということだ。こういう未来を作りたいと思ってやっていることは、きっとそういう未来につながっていく。

お金で苦労するのも経験としては大事だと思う。本当にお金の大切さを知るいい機会を頂いたわけなので、やはり感謝すべきだろう。そして、もっと大変なご苦労をされておられる方もいらっしゃることを思えば、この程度のことでへこたれてはいけないと思う。けれど、金策に走り回るよりももっと建設的なことに時間と力を注げる環境があればと切実に思う。


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