刷りたてのキューブサット物語
「キューブサット物語」の見本ができてきた。
発売は23日だが、先に少しだけ送っていただいた。最初にページをめくるときのドキドキ。読者の皆様より先に本を手にできるのは著者の役得。ちょっと快感。
おかげさまでいい感じに仕上がっているように見える。表紙は紺。帯は銀。帯には二つのキューブサットのカラー写真が載っている。帯は、水色にするという案もあった。水色バージョンも別の味わいがあって、悪くなかった。手元にある「幻の水色の帯」バージョンは大事にとっておこう。
カバーをはずした表紙がまたいい。原寸大のキューブサットの設計図。編集者のアイディアで、原寸大のキューブサットをいれようということになった。設計図は東大中須賀研と東工大松永研からご提供いただいた。松永研のキューブサットは、立方体に四本足がついている。分離機構の設計段階でこういうデザインになったそうだ。中須賀研のは、真四角。こちらの分離機構は足が必要なかった。両者の設計思想の違いがくっきりとわかる。
それにしても、小さい衛星だ。こんな小さい「子」が遠い宇宙へ行って、一人で一生懸命電波を出して地球の私たちと交信しているなんて、信じられない。太陽フレアにもまけず、けなげに一生懸命生きているキューブサットたち。もうそれだけで私など感動してしまうのである。
今回の本は写真満載。
一枚一枚に思い出があるであろう写真。他人にとっては、ただのスナップ写真かもしれないが、写っている本人にとっては何よりも重要な一枚かもしれない。
がんばって成功するより、楽して成功するほうが価値があるような世の中の風潮があるけれど、写真一枚から思い起こされる感情の量、すなわち個人にとっての感動の重みを比較すれば、どちらに価値があるかは明らかであろう。そして、がんばれる環境、がんばりたいと思える目標、がんばれる力、ともにがんばる仲間を持ちえた人は、結果に関係なく、幸せだといっていいと思う。
そういう幸せな人がどんどん増えていくといい。幸福の総量には上限はないし、ゼロサムゲームでもない。未来はいつも閉鎖系ではなく、開放系で考えたい。100人いれば100人の、1億人いれば1億人分の幸せがあるはずだ。
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