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Dice-k星からの使者

20億円を払って宇宙へ行こうとしておられる榎本大輔氏が来訪。
この方は、堀江氏と同じように宇宙への情熱を持った方だが、
方法論が違っているらしい。

有人宇宙開発を自力でやるという意気込みの堀江氏に対し、
榎本氏は、むしろ作ったものを行かせるほうにご興味がある様子。
宇宙旅行は、主催者ではなくて旅行者として参加し続けるらしい。

超小型衛星にもいたくご興味をお持ちで、自分で半田ごてを持って
作ってみたいと盛んにおっしゃる。クリーンルームに
鎮座するキューブサットXI-V(7月打ち上げ予定)を見てからは、
衛星開発が彼の中でにわかに現実味を帯びてきたらしく、
熱の入り方が違う。

私がこの方にお会いするのは、これが二回目。
一回目は、漠然と「宇宙人」のように見えたが、二回目は、
「Dice-k星人」のように見えた。
Dice-k.comというのは、ダイスケをもじってつけた会社の名前で
香港を本拠に活動しているそうだ。

「Dice」はさいころ。東大のキューブサットのXI(サイ)
という名前も、もとはさいころからつけられた。
この偶然が楽しい。

高校を出てすぐに日本を飛び出し、国境をらくらくと
越えて活躍する国際派の彼は、しかし、こういうのである。

「日本人だって、自分の金で宇宙へ行く奴がいるんだと
世界に知らせて、大和魂を見せたい。悔しいじゃないですか。
外国に牛耳られてばっかりじゃ」

大和魂という言葉がこの方から出てくるとは思わなかった。
この方と話していると、たまたま地球に、しかもこの日本という国に
何かのミッションを持っていらしている方のように思えるのである。

ゲームクリエイターから、ビジネスの世界に飛び込み、現場で学び、
持ち前の頭の回転の速さと運の強さで巨万の富を獲得した若き成功者。

それだけではない何かがあるようにも見える。
そのようにできる秘訣は何かと聞くと、答えが振るっている。

「DNAだと思います」
この答えは、身も蓋もない。
誰の何をも解決できそうにはない。
しかし、必死で努力してそうしたわけではなさそうなので、
やはりDNAのなせる業なのかもしれない。

そして、そのDNAを受け継いでいる2歳のお坊ちゃまの話をなさる。
「まだ2歳なのに、かっこいい車とそうでない車が
わかるし、めちゃくちゃメカ好きなんです」

このときの顔は、目じりがさがったパパの表情になる。
「二号機、三号機を作ったら、もっとよくわかると思う」
というから、Dice-k星人は増え続けるようである。

秘書の山口さんは、さらりとした色気の持ち主で、笑顔がとても魅力的。
この方もDice-k星からやってこられたのだろうか。
あるいは、もともと地球人で、Dice-kワクチンを打たれたのだろうか。

いずれにせよ、旧来の宇宙開発にはなかった発想と実行力を
併せ持つ人たちが生まれつつあるのは確かだ。
それが変化のトリガーを切実に求めている
宇宙開発の世界にプラスに働くと、すばらしいことが起こりそうだ。

榎本氏の宇宙旅行の実現とご無事を、まずは祈ろう。

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