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大型旧新人

新人が入ると、歓迎コンパが開かれる。新人は芸を見せるように言われる。ここで、どのような芸を見せるかは、実はかなり重要だ。なぜなら、キャラがそこで決定してしまう。キャラが決定すると、そのように周りが扱うので、本当にそういう人なのかどうかとは無関係に、そのようなキャラの人格ができあがっていくからである。

中須賀研究室の新歓コンパに参加。
今年も多芸多才な人材が集結。芸も達者だし、性格もよさそう。

歴代天皇の名をすべて暗記しているという歴史大好き青年には脱帽。歴史が好きだという人は多いが、彼のように、史実と天皇の名前がすぐに連関して思い起こせるという人は少ないだろう。こういう宇宙工学者が出てくるのもいい。

フレッシュ感は感じられない「大型旧新人」のS氏。戻ってきた理由がふるっている。

「戦闘機パイロットは、戦闘機に乗れなくなったからといって、輸送機のパイロットにはなれないんです。戦うために戻ってきました」

最初のカンサットのプロマネを経験し、キューブサットに最初から最後まで関わってきた彼の大学生活は、変化に満ちていたに違いない。毎日が新しいことへの挑戦。

高くそびえたつように見える壁を、しっかり見極めて、乗り越える。一瞬一瞬、全力を出してその場を生き抜き、同時に次の手を考える。己の能力をすべて使い切り、仲間と知恵を出し合い、最適な解を常に求め、迅速に行動する。

そんな「戦闘機乗り」のような生活を味わうと、決まりきった航路を飛ぶ「輸送機パイロット」の生活では満足できなくなるのかもしれない。

お金では買えないものは、確かにあるらしい。
皆さんのこれからの活躍がおおいに期待される。

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追突事故

ある学習塾が、保護者向けの雑誌を出すことになって、それにキューブサットを取り上げてくださることになった。巻頭はノーベル賞の小柴先生インタビューで、それをあけると、学生たちの衛星開発モノが出てくるらしい。光栄なことである。

その取材をお手伝いすることになって、本郷で取材をしてから相模原の宇宙研まで車で移動。滅多に車に乗ることはないうえに、絶好のドライブ日和でウキウキしていた。渋滞もなんのそので、同乗者たちと楽しくおしゃべり。

ガクンという衝撃。赤信号でこちらは停車しているところに、タクシーが追突してきた。こちらの車は高級ベンツで、運転していた方は、ちょっと目立つ体格。タクシーの運転手さんは震えている。お気の毒に。

同乗していたプロのカメラマンがおもむろにカメラを取り出して、現場撮影をする。ぶつけられたベンツは、同じところを修理したばかりだそうで、こちらはもっとお気の毒。

何もしていなくても、誰にも悪意がなくても、こういうことは起こる。ちょっとした間の悪さ、ちょっとした不注意で起こってしまう。怪我がなくてよかったけれど、ムチウチは後になって出てくるらしい。外傷はすぐにわかるけれど、見えない傷のほうがたちが悪い。

「今年は当たり年ですよ」などと、意味のない慰めの言葉をつぶやくけれど、こういうとき前向きになるのは難しい。

こちらは取材の時間もあるので、警察に行くのは後回しにして、相模原へ向かう。気持ちを切り替えるのも大切。ファミレスに入って、ちょっと気分転換をしてから、宇宙研に向かう。

取材は楽しかった。キューブサット開発者が三人就職しているので、一度にインタビュー。小学校時代の話など、こんなことでもなければ聞くこともない。三人三様の子供時代。そして、未来を語ってもらった。

衛星製作・打ち上げを通してみた宇宙工学の醍醐味は、「しびれる経験ができる」という一言に凝縮されるようだ。彼らの一言一言を、原稿に紡いでいく楽しみ。

いつか彼らが描く未来が現実になるときがくるといい。
たくさんの物語が生まれそうだ。

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インド料理で反省会

本日、ナノジャスミンの検討会。5時間にわたって、熱い検討と議論が繰り広げられ、おおいに得るところがあり、華々しく進展した、らしい。私はその場にはいないので、反省会でのコメントを鵜呑みにする。

恒例の反省会はインド料理。
根津駅そばのサルタンというお店。
ここはウェイターもコックさんもみんなインドの方らしい。インドの音楽番組のようなものが大画面でずっとかかっている。味はそれほど辛くなく、おいしい。ジャスミンチームの皆さんはどこへいってもそれなりにその場にはまるから不思議。

小林行泰氏が例によって、デジカメで写真を撮影しまくる。彼が写真をとるまで、料理には手をつけてはいけないという不文律があるらしい。しかし、このおびただしい量の写真が、将来、日の目をみることがあるのか否かは不明。整理されずにひたすらたまっていっている様子もあるが、日本版「刑事コロンボ」のようなこの方のことだから、きっと何か妙案をお持ちなのだろう。

このジャスミンチームの皆さんは、物理学者といってもいい方たちなのだが、お話をうかがうに、物理学を理解するアタマには二通りあるらしい。つまり、式で考える人と、イメージで考える人と。そして、前者が圧倒的にメジャーで、後者はマイノリティなのだそうだ。

ジャスミンチームの中では、矢野太平氏と小林氏がイメージ派。郷田直輝氏と山田良透氏は式派。イメージ派は、アタマの中に三次元構造があって、そこでいろいろ考え、それを式に変換する。式派は、あの難解な物理の式を、あいうえおのようにやすやすと操り、そこで思考をめぐらし、その結果をイメージ化する。そして、主流は式派。物理学は式で表せてナンボの世界らしい。

そんななかで、イメージ派の矢野氏がスクスクと育ってこられたのは、よき理解者である郷田氏に出会えたところが大きい。二人はかれこれ13年くらいのつきあい。京大で学部を終えた矢野氏が、勧められて阪大大学院に進み、そこで出あったのが郷田氏。5年後、二人はともに天文台に移ってきた。偶然のことで、当時は別の部署にいたそうだ。

「今は、あうんでわかりますけど、最初は何を言っているのかわかるまで一時間くらいはかかりましたね」と笑う郷田氏。

「信頼関係ですよ。矢野くんが言うことは聞く価値がある、ということを体験として持っているから、突拍子もないことを言っているように思えても、ちゃんと聞いてみようと思うわけです」と山田氏。

ナノジャスミンプロジェクトは、何をどうすればよいのか、というところから考えていく必要があるそうだ。矢野氏の「アタマの中の三次元イメージ」による発想力に期待しよう。

矢野さんは、マジメな人である。とにかくマジメである。どれくらいマジメかというと、高尾山ハイキングに行くとなったら、ハイキングの練習をしてしまうような人なのである。100メートル以上の移動には車を使うという噂の彼は、坂道にめっぽう弱いのだがなんとか山頂まで上ろうと練習に励んでいるらしい。ケーブルカーというオプションもあるので、きっと大丈夫だろう。

そんなマジメな彼のアイディアが閃く場所は、風呂でもなく車の中でもなく、やはり机の前だそうだ。この件についての彼の解釈はこうだ。

「式派の方々は机に向かうと式に縛られるので発想する暇がないのです。だから風呂などの時、式の呪縛から開放されて発想するのだと。。。」

矢野氏は机の前でもカリカリと式を使って研究はしていないそうで、丸の絵や線を引いてお風呂に入ってるかのごとくにボーっとしているらしい。

郷田氏と山田氏は、学生時代の先輩後輩。そして、彼等が院生時代に、大学院生が集う「天文・天体物理若手夏の学校」の校長先生と事務局長という間柄でもあった。知られざる話はたくさんあって、二人はなんと、あのGRAPEプロジェクトにもおおいに貢献したそうだ。その夏の学校にお呼びした講師のお一人が、若手へ講演をしたのが契機となって、後日、他の先生に話をもちかけたのが発端となったので、その場を創ったゴーダ・ヤマダコンビ(なんとなくインド風の響き)は実は陰の立役者(?)なのだそうだ。

何かを創める人は、人生で何度かそういう機会を得たり、立ち会ったりするものらしい。創めることがミッションになっている人の人生は楽しくもあり、険しくもある。でも、うまくしたもので、そのタイプの人たちには、険しい道のりを楽しく歩めるコツが自然に身についてくる。

中須賀研究室側は、辣腕のプロマネ酒匂氏が東大の助手として戻ってきて、このプロジェクトを担当することになった。ジャスミンチームに欠けているものを持っているように見える酒匂氏の活躍も楽しみである。一見普通の青年のように見える新人研究員の菅沼氏の特異な才能も、じきに顕在化してくるに違いない。

ビバ!ジャスミン!

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ウイルスバスター

ウイルスバスターにやられた。
パソコンが動かなくなって、ウイルスにやられたかと思っていたら、なんとウイルス退治のソフト、ウイルスバスターにやられていたのだ。

パソコンなしの週末は快適だった。朝ごはんより先にパソコンの電源を入れる生活は、きっとどこか狂っているのだ。大事な用事がある先には電話をいれる。人間の声同士で話すのは、やっぱりいいものだ。朝からいい気分。

しかし、やはり仕事にはパソコンが必須なので、復旧にかかる。事務所のパソコンでトレンドマイクロ社のホームページを開き、復旧方法を確認。セーフモードで起動し、うんたらかんたら。なんとかやってみる。直ったようだ。

今回の事件で、いろんなことを考える。
ウイルスを退治するためのソフトが、パソコンをおかしくしてしまう。かといって、ウイルス対策をしないのは不安だ。そういうことが世の中にはたくさんありそうだ。

使うべきか、使わないべきか。
使ったから安心というものはなくて、常に自分で考えて使う、というところがポイントなのだろう。

今回の原因は、チェックを怠ったところにあるらしい。この「チェックを怠った」といわれている社員の方は、いまごろどんな気持ちだろう。本当にお気の毒に。こうなったのは、たぶんいろんな原因があって、「一人が怠った」というようなものではきっとないのだろうが、原因探しよりも犯人探しに力をいれる傾向が強い中では、悪者を作り上げて、事件は忘れ去られていきがちだ。

ここから何を学ぶか。
自分が「狂ったウイルスバスター」になっていないかどうか、確認することの重要さ。間違いに気づいたときの対処のしかた。何が原因だったのかを徹底的に探る姿勢。

どれもこれも、謙虚さと思いやりが底にありそうだ。

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ゴッホ展

金曜の夜に美術館へ行く。なんというおしゃれな生活。
一度やりたいと思っていた。

チャンスは突然やってくる。
ちょっとしんどいことがあって、とても夜まで仕事をする気にならなかった。誰かに会う気もしないし、約束もない。思いついて、ゴッホ展へ行くことにした。

人が多くてゆっくり見るのは難しいけれど、それなりに落ちついて一枚一枚鑑賞。まわりがざわついていても、絵と自分だけの世界に浸ってうっとりできるコツが東京に住んでいると身につくらしい。

年代によって違っている作風は、耳を切り落としてしまうほどの狂気の中で絵を描き続けた画家の生涯を語ってあまりある。ほんの38年しか生きなかった彼の作品は、一世紀たった今、海を越えてこんなに愛されている。彼の肖像画に対峙したとき、つい、御礼を言ってしまった。

私が一番好きなのは、アルル時代の絵。緑あふれる風景描写もいいし、町並みを描いたのもいい。

一枚くださると、もしも言われたら、『夜のカフェテラス』という作品がいい。ゴッホ展のポスターにも使われている。ポスターでいいからほしい。

ヨーロッパによくある石畳の町並み。外にテーブルが置かれて、人々がくつろいでいる。空には星が瞬いている。典型的なヨーロッパの町のどこにでもある風景。ブルーとイエローが効果的に使われている。自分のヨーロッパでの思い出とも重なって、見ていると胸がキュンとなる。

こちらはそんな思いで見ているこの絵を、彼はどんな気持ちで描いていたのだろう。このころ、彼は作品にもなっている「黄色い家」を作って、ゴーギャンとともに芸術に打ち込もうとするのだが、お互いに歩み寄れない芸術論の違いなどがあって、苦しみ、狂気の世界に入っていく。耳を切り落とすという事件を起こしたのも、このころだという。

晩年の精神病院の中庭の絵が切ない。自ら望んで入ったという病院で、絵を描くことは許されていたのだという。

芸術家は、普通の人が踏み込めない線を越えたところに入っていき、何かをそこで見るのだろうか。そこでつかみとったものを絵筆や音などで表現するのだろうか。狂気から戻ってこられる人と、そうでない人はどこが違うのだろうか。

そんなことを考えながら、地下鉄に乗る。
金曜の夜の、ほんの一時間の芸術鑑賞。悪くない。またいつかやってみよう。


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根津くらぶ

「割烹レイランド」をやっていると吹聴していたら、「いきますよ」、という声がかかった。ちゃんとお客さんとして、お客さんを連れて、のことらしい。ありがたいことである。

しかし、しかしである。

割烹レイランドは、自宅台所で割烹着を着た私がおもてなしをする場。

「割烹着を着ているから、割烹だもんね」と勝手に名づけただけなのだ。ああ、言葉をもてあそぶと、ちゃんとつけが回ってくる。そして、冬が終わり、鍋料理ができなくなった今、おかみがシェフを兼ねるメニューにも困ってきた。もう少しあったかくなったら、小さなベランダで焼肉でもできるのだが、まだ夜は冷える。

だから、「いつ、営業してるんですか」とマジメに言われるとひるむのである。

困ったときには常にチャンスが潜んでいる。
今のチャンスはなんだろう。そうだ、料理を習おう、と思い至った。この単純な思考回路はすばらしいと自画自賛。やはり習うなら、おもてなし料理だろう。

「根津くらぶ」という、隠れ家みたいな料理屋さんがあって、そこで料理教室をしているというのをちょっと前に聞いていた。さっそく電話して、申込み。数日後に、私はそこの生徒になっていた。

8,9人の小さな集まりに、女性のシェフが先生役。この方がまたとっても素敵なのだ。包丁さばきはもちろんのこと、盛り付けのときの手つき、水を切るときのしぐさ、凛とした立ち姿など、すべてが絵になっている。

生徒さんたちは、全員女性で、主婦のベテランのような方も多い。
あれよあれよというまに、豪華な食事ができあがり、たいそうおいしく頂いて帰宅。

わかめと筍のお寿司
揚げカレイ(骨までパリパリ)
ささみと三つ葉のわさび醤油
ソラマメの翡翠煮

献立はこんな感じ。
一ヶ月に一度の料理教室で、「割烹」になれるとはもちろん思っていないけれど、おもてなしがほんの少し粋になっていくことを期待しよう。

水は一滴ずつコップにたまっていけば、いつか溢れるときが来るのだ。進歩は少しずつ。

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中宮寺とベルリン博物館島

ぽかぽか陽気に誘われて、ふらふらと外へ。そのまま上野公園のほうに歩いていったら、看板が出ている。東京国立博物館の特別公開。4月17日が最終日。今日ではないか。

迷わず、博物館に入る。中宮寺の国宝、菩薩半跏像にお会いできた。小さな幸運にホクホク。

美しい菩薩様だった。お顔だちは知的で優しくて、スタイルは抜群。お寺では見えない後姿も拝ませていただいた。両目からたてに光が広がっているようにも見え、うんと近くでお顔をじっと見つめることができた。

1000年を超えた存在というのが信じられない。こういうのを見ると、昔の人はなんとすばらしい技術を持っていたのだろうと思う。そして、「とき」というものの不可思議さにひたる。

庭園も開放しているという。それも、この日が最終日。桜はほとんど散ってしまっているが、新緑がまぶしく、ゆったりした気分で土の上を歩く。都会では土の上を歩くことが贅沢になってしまっている。ベンチにすわって一休み。のんびりリラックスして、道行く人を眺める。

そして、同じ博物館の催し「ベルリンの至宝展」へ入る。ベルリン国立博物館というのは、シュプレー川の中洲に作られているのだそうだ。100年かけて作られた博物館島。戦争でダメージを受け、美術品も散逸してしまっていたが、ベルリンの壁が崩壊してから、世界遺産の登録を受けたそうだ。

川が氾濫したらどうするのだろうなどと余計な心配をするのはやめて、数々の収蔵品に見とれる。ボッティチェリの「ヴィーナス」は本当に美しい。

東京国立博物館はなかなかのもの、というのが本日の感想。
本館の日本の展示もいい。順路のとおりに動くだけで、日本の歴史がわかる(ような気がする)し、目にも美しいものがたくさんある。岸田劉生の麗子像も展示されていたので、じっくりと見てきた。

美しいものをたくさん見て、いい気分で帰宅。
世の中には、美しいものがたくさんあって嬉しい。願わくば、自分も美しいものを作る美しい人になりたいものだ。いますぐできることから始めよう。まずは、ガラクタ整理。

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Dice-k星からの使者

20億円を払って宇宙へ行こうとしておられる榎本大輔氏が来訪。
この方は、堀江氏と同じように宇宙への情熱を持った方だが、
方法論が違っているらしい。

有人宇宙開発を自力でやるという意気込みの堀江氏に対し、
榎本氏は、むしろ作ったものを行かせるほうにご興味がある様子。
宇宙旅行は、主催者ではなくて旅行者として参加し続けるらしい。

超小型衛星にもいたくご興味をお持ちで、自分で半田ごてを持って
作ってみたいと盛んにおっしゃる。クリーンルームに
鎮座するキューブサットXI-V(7月打ち上げ予定)を見てからは、
衛星開発が彼の中でにわかに現実味を帯びてきたらしく、
熱の入り方が違う。

私がこの方にお会いするのは、これが二回目。
一回目は、漠然と「宇宙人」のように見えたが、二回目は、
「Dice-k星人」のように見えた。
Dice-k.comというのは、ダイスケをもじってつけた会社の名前で
香港を本拠に活動しているそうだ。

「Dice」はさいころ。東大のキューブサットのXI(サイ)
という名前も、もとはさいころからつけられた。
この偶然が楽しい。

高校を出てすぐに日本を飛び出し、国境をらくらくと
越えて活躍する国際派の彼は、しかし、こういうのである。

「日本人だって、自分の金で宇宙へ行く奴がいるんだと
世界に知らせて、大和魂を見せたい。悔しいじゃないですか。
外国に牛耳られてばっかりじゃ」

大和魂という言葉がこの方から出てくるとは思わなかった。
この方と話していると、たまたま地球に、しかもこの日本という国に
何かのミッションを持っていらしている方のように思えるのである。

ゲームクリエイターから、ビジネスの世界に飛び込み、現場で学び、
持ち前の頭の回転の速さと運の強さで巨万の富を獲得した若き成功者。

それだけではない何かがあるようにも見える。
そのようにできる秘訣は何かと聞くと、答えが振るっている。

「DNAだと思います」
この答えは、身も蓋もない。
誰の何をも解決できそうにはない。
しかし、必死で努力してそうしたわけではなさそうなので、
やはりDNAのなせる業なのかもしれない。

そして、そのDNAを受け継いでいる2歳のお坊ちゃまの話をなさる。
「まだ2歳なのに、かっこいい車とそうでない車が
わかるし、めちゃくちゃメカ好きなんです」

このときの顔は、目じりがさがったパパの表情になる。
「二号機、三号機を作ったら、もっとよくわかると思う」
というから、Dice-k星人は増え続けるようである。

秘書の山口さんは、さらりとした色気の持ち主で、笑顔がとても魅力的。
この方もDice-k星からやってこられたのだろうか。
あるいは、もともと地球人で、Dice-kワクチンを打たれたのだろうか。

いずれにせよ、旧来の宇宙開発にはなかった発想と実行力を
併せ持つ人たちが生まれつつあるのは確かだ。
それが変化のトリガーを切実に求めている
宇宙開発の世界にプラスに働くと、すばらしいことが起こりそうだ。

榎本氏の宇宙旅行の実現とご無事を、まずは祈ろう。

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野菜畑

Think the Earth が主催している集まりに初参加。といっても、その前のミーティングが長引いて、参加は懇親会から。狂牛病の話は聞き損なってしまった。結論だけを他の参加者の方から聞くところによると、フグにあたるよりは少ない確率だが、まだ危ない・・・らしい。

懇親会の会場のレストランがとても素敵。
オーナーの奥様のご実家が農家で、そこでとれる野菜をふんだんに使った「村祭り風」の献立。もともとプロバンス風のお店だったそうだが、旬のほうれん草を使った白和えが山盛りになっているあたりがもうたまらない。味ももちろんだけれど、作り手の愛情が感じられて、本当においしく、楽しく頂いた。

そこで野菜も売られていて、買って帰る。家で料理して、またまたおいしく頂いた。市場で売れないものは農家では通常捨ててしまうそうなのだが、捨てられるところにもおいしいものがたくさんあるらしい。これはなにやら暗示的。

日ごろ捨て去ってしまっていることがいかに多いか。そして、その中に価値を見出す目利きがいかに少ないか。

ある人には不要なものが、別の人にはとても有用なものであることも少なくない。リサイクルセンターはそういうところから始まったのだろう。

今、ガラクタ整理にいそしんでいる。かつては大事だったけれど、今はそれほど大事ではないというものがかなりある。この作業がけっこう楽しいから不思議。片付けが一段落したら、快適生活が待っているに違いない。

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男の子たちのロケット祭り

春とは思えない冷たい雨の中、新宿へ。

恒例になったかのような「ロケット祭り」。いつも大入り満員の大盛況。今回は、ペンシルロケット50周年で特別バージョン。特別ゲストもいらっしゃるとのことで、平日なのに多数の参加者。宇宙研ロケット班長だった林紀幸氏に加え、ペンシルロケットを糸川博士とともにつくっていたという垣見恒男氏がゲストとしてご登場なので、雨の中、他の義理と義務を振り捨てて駆けつけた方も、十分その甲斐はあったと思う。

あさりよしとお氏と松浦晋也氏は壇上にすわってはいるものの、口を挟む間もないほどにゲスト二人のトークが炸裂。

「キューブサット物語」の販売もすることになっていて、編集者がたくさん運んでくださっていた。
おかげさまで、完売。ありがたいことだ。読者の方とお話する機会はあまりないので、こういう機会は嬉しい。

この会場には、女性は少なくて、ほとんどが「男の子」。年齢や職業に関係なく、「男の子」が集まっているという感じ。外ではバッチリ仕事をしている方々なのだと思うが、ここでは、みーんな「男の子」の顔になっている。ネクタイをしめていても、ヒゲがはえていても、顔には「男の子」の輝きがあふれる。

私としては、こういう場に、やや違和感がないわけではないのだけれど、「男の子」たちのおかあさんになった気分で座っている。そのせいか、サインしながら、おかあさんめいた言葉が出てしまう。「この子たちがみんな幸せになりますように」というような。

男の子のおかあさんというのは、こういう気分なのだろうか。大笑いするのも、身を乗り出して聞くのも同じなのだけれど、どこか「男の子」にはなりきれない自分を感じながら、そういう自分を楽しむ。

残した仕事があって、終了後の打ち上げには参加できず、ちょっと残念。こういうときに備えて、仕事はさっさと片付けるに限る。肝に銘じておこう。


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桜祭りと宇宙の講演会

インド大使館の桜祭りへ。
呼吸法を教えていただいているところがチラシ配りをするというので、お手伝いにうかがった。こんなことをするのは本当に久しぶり。手の高さにさりげなくもっていくと、たいていの方が受け取ってくださる。フェスティバルのプログラムだと思った方も多かったようだが。

隣でインド料理レストランのチラシを配っている女性がいた。次の用事があって急いでいるという。一枚配るも二枚配るも同じだから、いっしょに配りましょうかと言ってみた。

「そんな、とんでもありません」
といっていたが、結局、そちらのチラシを託された。そのかわり、お店におきますからといって、大量にこちらのチラシを持っていってくださった。

ほんの少しの譲り合いと助け合いで、お互いがハッピーになる。ただそれだけのことが、ときにとても難しいのはなぜなんだろう。

お昼は食券を買って、屋台のインド料理を頂く。いろいろあるが、ドーサを選んでみた。クレープのような軽食。中に豆を煮たのが入っていて、上にカレーソースのようなものがかかっている。さすがにおいしい。これは700円也。100円のチャイもとてもおいしくいただく。

少し風が吹くだけで、見事な桜吹雪が青空に舞う。桜の花びらもいっしょに口に運ぶ。インドと桜。不思議な取り合わせのようだが、違和感はない。本当に美しいものは、どこへ行っても美しく、どんなものとでも見事に調和する。

午後、ペンシルロケット50周年の講演会へ。秋葉先生・的川先生に松浦晋也氏。JAXA批判の中での的川先生が痛々しかった。「こういう立場でなければ、同じことを言うかもしれません」という前置きの後、先日発表された長期ビジョンがなぜあのような総花的なものになったのかという事情を淡々と話された。立場をふまえて言葉を選びつつ、誠実に話そうとされる彼を見ていて、学ぶところが多かった。

宇宙開発が「本当に美しいものになって、どんなものとでも見事に調和する」ようになる日を夢見て。

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内之浦,開放か?

東海大でロケットを打ち上げているグループが日本航空宇宙学会で発表をした。大樹町での打ち上げ実験結果もいれて、よくまとまっていたプレゼンテーション資料は、実は前日の夜というよりは当日の朝にできあがったらしい。

その帰りにUNISECの事務所に寄ってもらって、いろいろおしゃべりをした。ここは、民間アパートの1階で、晴れた日には、2階に布団がほしてある。

来てくれたのは、修士2年の和田さん、学部4年の野畑さんと山本さん。
彼らの仲間同士の会話はまことにほほえましい。プロジェクトを通して、心から相手を認め合えた者同士だけができる、ずばずばしたやりとりは聞いていて気持ちがいい。

後輩の成長を目を細めて語る和田さんと、先輩はすごいと思いつつも、「いないほうがやりやすいです」と照れ隠しに言ってしまう後輩たち。その後輩たちは、すでに下の学年の学生から「いないほうがやりやすいです」といわれ始めているらしい。

一年の違いがプロジェクトでは圧倒的な差になるのがすごい。そして、プロジェクトを経験することが、「別人」のごとくに人を変えてしまうらしい。急激に成長する若者たちは、見ているこちらにまでエネルギーを伝えて、元気にしてくれる。

学生たちとJAXA理事の懇談会のようなものがあって、その中で出てきた「射場がほしい」という要望に、内之浦を開放してはどうかという案があるという。「前向きに検討して、来年くらいには」という話らしい。内之浦から学生ロケットが飛び立つ日がくるとはすばらしい。

宇宙開発の世界も、少しずつ変わり始めているのかもしれない。
よき未来を創るための道のひとつに、宇宙開発が数えられるようになったら、本物だろう。

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ホンダの飛行機

日本航空宇宙学会の年会があって、参加した。
論文賞が二本、技術賞が二本、授与された。ホンダ・ジェットの開発者が「技術賞」を受賞。藤野道格氏が講演。

胸がすくような開発物語だ。飛行機を作りたいという熱意を持った人たちと、それをサポートする会社。国の補助金や技術支援は一切受けず、単独開発したという。さすがホンダ、と思わせてくれる。

ネットでいろいろ調べると、ホンダが最初に軽飛行機開発宣言をしたのは、1962年のことだそうだ。宣言の主は、もちろん創業者の本田宗一郎氏。それ以降に生まれた若い技術者が創業者の想いを知ってか知らずにか、作りたいと提案して、本当に作ってしまった。

1997年からはじめた開発は、6年で実を結び、2003年には見事、飛行に成功する。エンジンはお手の物だろうけれど、車と飛行機では勝手が違うだろう。そんな中で、つくった飛行機は、高性能でお値打ち価格。小型飛行機の需要が多いアメリカからの引き合いがけっこうあるそうだ。

グロービスのマーケティングのケーススタディの初回は、ホンダのモーターサイクル。1960年当時、アメリカに存在していなかった小型モーターサイクルの潜在市場を見抜き、なかった市場を作ってしまったのがホンダであった。当時の「アウトロー」がコワイ格好で轟音を立てて乗るバイクから、善良な市民が乗る安全な乗り物に変えることに成功したホンダは、ハーレーやらBMWやらを押しのけて、トップメーカーになる。

それができたのは、マーケティング力もあるけれど、技術力だと思う。技術者自身がほれ込むような、本当にいいものを作ったら、これを何とか売りたいと思うマーケッターは必ず現れる。逆はない。凄腕のマーケッターがいても、いい製品がなければ売れないのだ。売ろうとしたら、マーケッターは詐欺師のテクニックを持たなければならない。

ホンダの小型飛行機が米国の空を席捲する日も近そうだ。また、新しいホンダの神話が生まれ、マーケティングのケーススタディが書かれるのだろうか。

楽しみがまた一つ増えた。


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当たれ!空き缶衛星

エイプリルフールに楽しい話があちこちで見られた。
ユーモアのセンスは素敵。ただの笑い話では終わらない本質的な指摘が隠されているところもさすが。

「上がれ!空き缶衛星」のパロディとも言うべき「当たれ!空き缶衛星」。

帯が傑作。
「壊す決心と根性があれば、きっと当たる! 冷血デブリ系ドキュメント」

ホンモノの帯はこうだ。
「熱い思いと仲間がいれば、きっと上がる! 熱血理科系ドキュメント」

なんと、未使用のカンサットにプロジェクトタイルを衝突させるという冷酷無比(?)な破壊試験をして、卒論を書いた学生が九大にはいるらしい。

超小型衛星の世界も、スペースデブリ(宇宙ゴミ)の問題は避けて通れない。
しかしながら、この小さな衛星ばかりが目の敵にされるのは、あまり公平ではないように思う。大型ロケットも大型衛星も、等しくデブリになるのである。しかも、もっと大きなゴミになるから、破壊力も半端ではない。

これは宇宙の環境問題みたいなもので、構造は地上のものとよく似ているように思う。「人工物」が出てきた瞬間に、それまでの秩序は壊れるのである。しかし、それが壊れているのか、ただそうある道を進んでいるのかの見極めは難しい。何かが壊れるとき、新たな突破口が開かれようとしていることもよくあるわけなので、現状を守ることが、単純に正しいとは言い切れない。

エイプリルフールならではの、万博ほら吹き放談が、ある掲示板に。痛烈な皮肉を内包しているようなのだが、なんともユーモラス。

万博の価値は、どれだけ人を集めたか、ではなくて、どれだけ人の意識を変えたか、という目に見えないところで決まるような気もする。しかし、その中で仕事をして多忙を極めている方々に、そこまで期待するのは期待しすぎかもしれない。外にいるからこそ考えられることもある。そして情報がゆがめられずに交換されていくとき、何か変化が起こる。

その潤滑剤の一つが笑いとユーモアであろう。世界中でみんなが吹き出すような楽しい冗談が交換されているといいと思う。

いやなこともうっとうしいことも、笑い飛ばしてしまって、ネガティブな感情をゼロにしたところで、どうすればいいかを真剣に考えていけばいい。

笑う角には福来る。とにかく、思いきり笑おうではないか。


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キューブサット物語映画化か?

本日4月1日。

「キューブサット物語」の映画化が決まった。配役は未定だが、学生役はオーディションが行われる予定で、 ホンモノの登場人物の味を一番良く出せる新人を起用の予定という。本人が出たいという希望があって、演技の訓練を受ける意欲があれば、それも考慮される。

なんてことになったら、楽しそう。
もちろん、これは冗談。エイプリルフールだから書ける。

一年に一度のこの日を思い切り楽しもう。うそから出たまこと、冗談から駒(ひょうたんから駒?)、というのもあるかもしれないから、冗談はくれぐれも人を幸せにするようなものに限ろう。

本日4月1日。

懐かしい顔が帰ってきた。

「上がれ!空き缶衛星」で強烈なキャラを発揮し、「キューブサット物語」でも主要登場人物であったS氏である。違和感なく、すっと戻ってこられた。この人がかもし出す、ずっしりとした安定感・存在感はさすがである。

もう一人、三年間のお勤め(企業へのお勤めである)の後、もっと勉強したいという殊勝な方も戻ってこられた。

これは、冗談ではなくて、本当のこと。
新旧の人が行き交う中で、何か新しいものが生まれそうな予感。

Happy April Fool's Day!

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