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日本文化と科学

土曜日に銀ブラ。歩行者天国になっているのも忘れていたほど、久しぶり。

銀座で行われた「日本文化と科学が出会う」というシンポジウムに出席。
ぎりぎりに行ったら、かなり満席だったが、運よく前のほうに席を見つけてすわる。

司会者は紋付はかまのいでたち。「日本文化」らしくていい。

「文化資本」「生活の質」といった内容の基調講演。お金はあっても心豊かとは限らない。貧しい国でも、幸福度が高い国もある。資生堂の福原義春名誉会長のご講演。たとえば、ブータンでは、GNPでなく国民の幸福度を高めることに力を注いでいる。子供が観光客のところに寄ってきて、何かをねだるということはなく、逆にお菓子をくれるのだという。

すばらしいことだ。そういう国の人たちは幸せだろう。しかし、ブータンと違って経済力のあるこの国で、お金さえあればできるのに、ということがたくさんあるNPOの運営をしていると、お金がなくて心豊かに過ごすことの難しさに直面する。貧しても鈍しない精神力を保つにはエネルギーがいる。

笙の演奏がプログラムに入っていたので、楽しみにしていた。宮田まゆみさんのすばらしい演奏にうっとり。本当に美しい音色だった。体全体に染み入ってくるような音。ホンモノを生で聴くのは初めて。感激。

そう思っていたら、その後の大橋力氏のビデオ講演で東洋音楽と西洋音楽の違いを解明。人の耳は、20キロヘルツ以下の音しか拾えない。西洋の楽器は、拾える音を中心に音が出るように作られている。それに対して、東洋の楽器は、もっと高周波の音を出しているそうだ。笙などは、100キロヘルツくらいまで出ている。そして、脳科学の研究の結果、おもしろいことがわかっている。

聞こえない音を聞いていると、脳が活性化して、いい状態になる。聞こえる音だけを聞いていても、あまり脳は活性化しない。CDでは、聞こえる音だけを拾っているそうだ。ライブがいいのは、きっとそういった「聞こえない音、つまり振動」を体で感じ、受け止めることができるからだろう。

竜安寺の石庭のなぞに挑むハルト・バン・トンダーさん。なぜ、石庭を見ると心が落ち着くのかを、科学的に解明した。科学的説明などなくても、いいものはいい、ということでよいのではないかと思ったりもするが、世の中には科学的にこうだといわれると、簡単に納得する人が多いのも事実。応用範囲を広げられるのも確か。

からくり人形のデザイナーの夢童由里子さん。愛知万博にもこの方の作品が多数出演。コンピュータ制御のからくり人形の製作者は、ご自身もお人形のように美しい方だった。彼女が作る人形のほっぺには、「日本人であることを忘れないように」、すべて桜の花がついている。

納豆研究で砂漠の緑化を夢見る原敏夫さんもユニーク。納豆は余り好きではないが、25年前にオーストリアの留学生に納豆研究をやりたいといわれてから、この道25年。今は、薬だと思って、ビールで流し込んでいるとのこと。納豆のネバネバ成分が保湿剤となって、化粧品として製品化されている。もっと安いものを開発して、砂漠に緑を作りたいという。

携帯電話に使われている日本の伝統技術を紹介した小澤淳さんによれば、携帯電話には和紙の技術や金箔の技術が生きているのだという。

時間がなくてパネルディスカッションはほとんどなし。
観客席に毛利衛夫妻がすわっておられ、コメントを求められた毛利氏が一言。

「先端科学技術をやっていると、文化的なところが鈍くなります。ヒューストンのクリアレイクというところ(NASAがある)には、おいしいレストランは一軒もありません。宇宙食も食べられれば何でもいいんです。限界ぎりぎりのところに挑戦し続けていると、感性のようなところは鈍くなって、潤いのない人生といえばいえます」

「これまでは、過去の伝統から、使えるものを探して、科学技術に生かそうという姿勢だったと思うが、これからは、逆で、新しい文化を創るために科学技術は何ができるか、と考えていくべきではないかと思います」

科学技術はすでに一つの文化になっているのだという主張。
日本文化から科学技術に使えそうなものを使うのでなく、科学技術が新しい日本文化を創るのに何ができるか、という問い。

科学技術を宇宙開発に置き換えてみると、ひらめくものがある。感性を高めて、自由な発想ができるようにしておこう。

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Comments

和田様、

司会、お疲れ様でした。また、ご指摘ありがとうございました。本文、訂正しました。

バリ島での文化交流、素敵ですね。ぜひまた情報をお知らせください。

Posted by: Rei | 2005.05.22 at 01:59 PM

その司会者です。数年前、世界未来学会(米国ワシントンDCで開催)にて、和服姿でプレゼンして以来の格好でした。妻からは司会が目立ちすぎるにはよくない、といわれたましたが、自分がプロデュースしたイベントなので、独断専行しました。

大橋力さん(別名、山城祥二さん)のプレゼンで、20ヘルツ、100ヘルツとありますが、20キロヘルツ、100キロヘルツのことです。

今夏は、バリ島での文化&学術交流を企画しています。

Posted by: 和田雄志 | 2005.05.22 at 01:12 PM

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