UNISECな人材
UNISECの学生団体であるUNISONの2005年度代表二名が決まった。初めてのミーティングを土曜午後に行った。この二人は、全く違っているが、それぞれに熱い。所信表明を読むと、彼らが日ごろ、いかに物事を真剣に考えているのかが、伝わってくる。
尾曲邦之さん(東工大)の所信表明から引用。
私は,そもそも人は宇宙開発そのものにロマンを感じるのではない,とすら思っています.宇宙開発が魅力的であるのは,宇宙開発に携わる人が魅力的だからなのです.
魅力的だった人が輝きを失っていくのは、なぜなのか。最近、この人はなかなかいいと思っていた人が、宇宙以外の業界へと転職していくのを見るにつけ、何かが違っているのかもしれないと思う。しかし、それだけ広がりが出るということかもしれないし、きっとよき方向に向かっているのだろう。
再び、引用。
現在までのUNISECの活動を振り返ると,「理想はあるのだけれど,なんとなく前に進まない」現状が見えてきます. つまり,得られるメリットが,「何のためのメリットであるのか」という点です.確かに,規模が大きいほど,また研究室間での協力が大きいほど,メリットはあるでしょう.しかし,誰かが一方的に恩恵を受けるだけのメリットであれば,それは真の意味での協力ではないと言えます.
「UNISECに入ったら、どんなサービスが受けられるんですか?」と聞かれることが多い。会費を払うんだから、その分のサービスがほしい、というわけだろうか。
お金を出して、モノを買うという消費社会の発想で考えてしまうと、UNISECは成立しない。少なくとも、毎年のワークショップの信じられないほどの盛り上がりと熱気はありえないし、ボランタリーに仕事を買って出る人たちも現れないだろう。
UNISECは、いわゆる学会とも違うし、協同組合とも違う。なにやら新しい場が育っているようにも見える。そして、こんなに世代を超えて真剣な交流ができるところも珍しい。
学生たちの真剣な活動に対して、サービスをすることで得られるものがどんなに心を豊かにしてくれるかは、後になればわかる。今年からは学生会員からも、1000円程度だけれど、会費を徴収することにした。「UNISECは、支援してくれるところ」という甘えを払拭し、金額の多寡ではなく、自分は、その組織を支えている大切な一人なのだという意識を持っていただければと願っている。
何かがほしければ、まず自分が持っているものを出すことだ。自分は何も持っていないと言うのであれば、たぶん、ほしいものもないのだろう。答えがほしければ、質問を出さなければならないし、アドバイスがほしければ、自分の状況を話さなければならない。
歩行ロボットを作るときに、「前につんのめるようにしたら歩けるようになった」という話を聞いたことがある。何かを出すことでバランスをくずすと、前へ進めるのかもしれない。
同じところでジャンプし続ける人生も悪くないが、前へ進む人生では、変わっていく景色を楽しめる。「UNISECな人材」は、どんなふうにして前へ進んでいくのだろう。変わり続ける景色の中で、変わらないものが確かにあるように思う。そんなことがわかってくるのも、楽しい。
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