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永久欠番

スペースシャトルの打ち上げ成功。断熱材がどうこうという懸念はあるけれど、まずはよかった。
この晴れやかなニュースを、私は弔電の文章を考えながら聞いていた。打ち上げのほんの少し前に、かつてお世話になった上司の訃報を聞いたからである。

いつか別れはやってくるのだと、わかってはいる。しかし、その別れがいざやってくると、どうしていいかわからなくなる。こういうとき、社会の常識はありがたい。遠方なので、お葬式に参列はできないから、弔電だ。そして、しばらくはその「仕事」をすることで気を紛らわせることができる。

この方には、本当にお世話になった。大きな人だった。海外経験が長く、アラブのほうで仕事をされていたせいか、物の見方がいつも複眼的だった。わがままな部下の世迷いごとに近い戯言を受け止める寛容さをお持ちだった。

この方がいなければ経験できなかった多くのことがあった。横浜にご縁ができて、4年近く仕事をすることになったのも、この方のおかげだった。

「どんなに大きな悩みがあっても、目の前の瑣末なことをしないといけない」とか
「どんなにすばらしい人に出会っても、いつか別れるものだ」とか
「お金は使わないと、使い方を覚えない」などと、
彼なりの人生訓があって、淡々と、でも楽しげに生きておられた。

たくさんの楽しい思い出がよみがえる。クラブ活動のように楽しい会社生活だったと思う。それを一番底で黙って支えてくれていたのは彼だったのだと、いまごろになって気づく。

その人がいなくなっても、ご縁は続く。当時の同僚と会えば、彼はきっと存在感をもって、会話の中に現れるだろう。そして、彼だったら、こう言うだろうという発言を、誰かの口を借りて、きっとしてくれるだろう。

永久欠番。

自分もいつかそうなる日がくる。誰しもそうなのだ。
年齢性別職業に関わらず、その日は確実にやってくる。

だからこそ、一日一日を大切に、ひとつひとつのご縁を大事に、今この瞬間をいとおしんで過ごしたい。

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