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枕草子とキューブサット

携帯電話に、母から電話。留守電にメッセージがはいっていた。まずめったにないことなので、一大事かと思ったら、キューブサットのことだった。

「キューブサットの記事が朝日新聞に出ているって、枕草子の先生から電話があった」とのこと。

枕草子の先生とは、彼女が通っているカルチャーセンターの日本古典文学講座の先生で、とても素敵な女性。その方が母に送ってこられるお葉書は、まさに「文(ふみ)」と呼ぶべきもので、季節ごとの心配りがなんともいいのである。もちろん、達筆。

その、たおやかな先生は、かつて、
「キューブサットのサットってどういう意味ですの?」
と母に聞いたらしい。私の答えをそのまま受け売りした母に、
「サットお返事をいただき、ありがとうございます」と返すのも、心のこもったお葉書で、なのである。
(これは掛詞であって、駄洒落ではなさそう)

電子メールでも電話でもないコミュニケーション。こういうときの流れ方、間合いの取り方。粋。

そのようなゆったりした方が、朝日新聞に出ていたXI-Vの記事を食い入るように読んでくださって、電話をくださったというのだから、ありがたい。

もしも、いま、清少納言が生きていたら、キューブサットのことをなんと形容するだろう。

やはり、「うつくしきもの」だろうか。

そんなことを考えるのも楽しい。
キューブサットがつむいでくれる小さな縁は、静かに、しかし確かな手ごたえとともに広がっている。


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祝!XI-V受信成功!

受信成功!

最初のパスは夜9時過ぎだった。

息をひそめて待っていたのだが、うまく取れないままにXIーVは行ってしまった。ドイツの大学のキューブサットはすでに受信しているとの連絡が入っている。あまり条件のよくないパスだったから、と言い聞かせてみるものの、やはりちょっとつらいものがある。

次のパスは10時45分。
軽口をたたきながら、不安な顔を誰も見せないようにして、待つこと1時間ちょっと。

AOSの時間が近づくにつれて部屋に緊張感が漂う。ごくりと生唾を飲み込みながら、全身を耳にして待つ。

受信してくれている他大学とチャットで交信を続けていた永井さんが叫んだ。

「道工大が受信しました!」

衛星は北のほうからやってくるので、北海道は早く取れる。ああ、取れたのだと少し安堵して待つ。

あの音が聞こえた。2年前に同じ音を聞いたとき、大歓声があがった。そのときとはやや違う、もっとじんわりとした喜びが部屋中に広がっているのを感じつつ、私は机の上にあがって、高いところからビデオで皆さんの様子を撮影。

ああ、本当によかった。

次々と、各大学から受信成功の報が届く。

みな、CWを聞きながら、アルファベットに変換している。電圧などの重要な情報もCWで聞き取れるようになっている。直前の特訓の成果はあっただろうか。

「4ボルトですね」
「よし、いいぞ」

どうやら、XI-Vの健康状態は良好らしい。日陰を飛んでいるので、ちょっと心配だった。明日の朝には日向に出る。太陽光が衛星のお食事なので、光があたらないと欠食児童になってしまう。

パスが終わって、解析をしつつ、乾杯の用意。うれしそうなみなさんの顔。かけつけてくれたもともとの親たち(OBの皆さん)も誇らしさと嬉しさとで顔がゆるむ。

プロマネの船瀬さんがコメントを求められた。TBSの「夢の扉」の取材カメラが向けられたその前で、ずっと平静だった彼が揺れた。

涙。

あとで取材をさせていただいたら、涙には十分すぎるくらいの理由があった。XI-Vがこうやって元気に宇宙を飛んでいるのは奇跡的な幸運だったといっても過言ではない。この理由については、また後ほど、ご本人の了解を得てからにしたい。

二回続けての成功は、一回目がまぐれではなかったことを示している。新しい宇宙開発への道が、また大きく開かれたと思う。

新しき 星の始めの 初パスの

今日降る波の いや重け吉事

初パスが来る前に研究室に届いた電報の文面。XI-IVのときに菅平で最初の受信をした小田靖久さんは、いま東海村で研究中。地上局ネットワークの構築にも尽力している。その彼が送ってくれた。こういうセンスと心遣いは彼ならではのもの。

新しい星を作った学生さんたちの努力と奮闘に、心からの敬意を表したい。


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打ち上げ成功!

ロケット打ち上げは成功した模様。SSETI-Expressのニュースで、信号キャッチの一報。

We have signals from Express - Everythink looks nominal and the spacecraft is responding. First telemetry down: Battery voltage=24V, OBC Temperature=5 degrees C.

大急ぎで書いたらしくて、Everything が Everythink になっている。

XI-Vは、このESAの教育用衛星SSETI-Expressに搭載されている。打ち上げのビデオもこのサイトで見られる。

前回と違って、ロシアに誰かがいっているわけではないので、現地の状況はまったくわからない。ストリーミングに少し時間がかかるので、こちらのカウントダウンよりやや遅れてリフトオフ。歓声があがる。この瞬間は本当に不思議である。マスコミ関係者も多数いらしてくださっていて、いっしょにその瞬間を待つのであるが、その瞬間には、立場を忘れて成功を祈る気持ちになるらしい。

ただいま、中須賀研究室では、「お兄ちゃん」衛星のXI-IVのパスを使って、XI-V運用のリハーサル中。CWの聞き取り訓練をしつつ、それぞれが担当の役割を果たせるべく、準備に余念がない。

9時過ぎに日本上空に来るそのときに備えて、体制を整える。

卒論やら修論やら、それぞれいろいろすることはあるのだろうけれど、今はここに集中する。4年生は、卒論の締め切りが11月28日だそうで、あと一か月に迫っている。しかし、ここには普通の研究室とは違う時間の流れがあるらしく、4年生の片岸さんはすでに余裕の表情を見せている。このようなことは、中須賀研究室では普通のことのようで、「一日は24時間。24時間×30日は・・・けっこうありますねえ」などという会話がかわされる。

今晩9時過ぎに最初のパスが日本上空を通る。どきどきしながらパスを待つ。ロジスティック担当者はピザを注文している。

「外に食事にいっているあいだに、(受信したという)連絡がきたら悔しいですからね」

今回は、九州大学、東京工業大学、日本大学、北海道工業大学の4大学もいっしょに受信してくれている。

どうぞ、電波がちゃんと来ますように。

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XI-V、打ち上げ準備中

本日、XI-Vがいよいよ宇宙へ飛び立つ予定。

午前10時に全体ミーティング。だんだんシリアスな表情になっていく皆さん。
初めて打ち上げを経験する学生と、前に経験した学生とでは、何かが違う。見たり聞いたりするのではなく、身をもって経験することでしか得ることができない何かが確かにある。

宇宙研で、網展開実験を同時に行っており、そちらも重要な局面。中須賀先生はそちらに詰めていて、不在。しかし、もともと学生たちがやってきたプロジェクトなので、先生の不在はあまり問題にはならないらしい。

2年前の打ち上げのとき、プロマネをしていた酒匂さんは、あのとき学生だったけれど、今は助手。要所要所でびしっと決める。

今回のプロマネは船瀬さん。2年前より、ひとまわりもふたまわりも大きく見える。

あるテレビ番組の取材をずっと受けていて、今日も取材スタッフが朝からいらしている。番組制作会社のスタッフの方々は、衛星製作にうちこむ学生さんたちと何か通ずるものがあるらしく、共感を持って取材をしていただいている。夜でも昼でもどこでもかけつけ、映像を撮る。映像の撮り直しはできないので、とにかく撮るのが大事なのだそうだ。

朝から降っていた冷たい雨もあがり、太陽も顔を出してきた。

打ち上げが成功して、XI-Vの元気な産声が聞こえますように。

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XI-V、明日打ち上げ

いよいよ、明日27日に、XI-Vが打ち上げられる。

何度も延期になったので、アナウンスをするのも今日まで待ってしまった。

ロケット打ち上げ予定時刻    15:52:26
XI-V分離予定時刻            17:37:26
XI-Vの初めての日本上空通過予定時刻 21:09:45

今回は、アマチュア無線コミュニティに、「最初に受信してくださった方には、Tシャツプレゼントします」とお知らせしているので、世界中の皆さんが取ってくださるのではないかと期待している。

XI-V打ち上げシーンは、WEB上のストリーミング放送で見ることができるそうだ。今は、模様がうつっているだけだが、当日はロケット打ち上げが写る予定。


また、応援メッセージをさいめーるステーションで募集している。XI-IVが撮影した写真を使ってデザインしたTシャツのプレゼントもあるので、ぜひ一言メッセージをどうぞ。


すでに、続々と応援メッセージが届いている。
XI-IVは「お兄ちゃん」で、XI-Vは「弟」という一般のイメージができているのがなんとも楽しい。

お兄ちゃんは、まだまだ元気で、明日もちゃんと運用をする。

明日、10時から学生さんたちは、「第二子」の誕生に向けての準備をする。

願わくば、今度こそは延期にならず、ちゃんと宇宙まで打ち上げてもらえますように。


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究極のカムバック

福岡の九大新校舎の広々とした場所で、CanSatのカムバックコンペを行った。10月22日土曜日のことだ。グラウンドになる予定地とのことだが、カムバックコンペのための場所といっても過言ではないほどの絶好の場所。

九大の航空宇宙学科のプロジェクト室で準備をする。新しい九大の場所は、交通の便はあまりよくないけれど、景色は最高。勉強や研究にはもってこいの環境だ。高い天井にはクレーンの設備もあり、開発中のQTEXもここならできそうな感じ。

この一週間というもの、ずっと晴れていたのに、この日に限って雲行きがあやしい。風も強い。これでは気球をあげられないかもしれない。どんなにがんばっても天気には勝てない。板倉コンペの苦い思い出が脳裏をよぎる。

いつものカムバックコンペと違うのは、海外の学生が多数参加していること。IACの学生プログラムの一環として、カンサットプログラムをすることにしたら、たくさんの学生が応募してきた。IACの会議の場で学生たちが実際のものづくりをするというのは、いまだかつてなかったことだ。一週間で作るのは無理だから、日本の大学チームが作ったものを持っていって、最後の仕上げをいっしょにするという趣向。

ヨーロッパやカナダの派遣プログラムで来日した学生たちは、日本旅館に泊まり、大喜び。好奇心旺盛な彼らは、納豆でももずくでも何でも食べてしまうのだそうだ。箸も上手に使うし、一昔前の「ガイジン」とはいささか違っている。

強い風にあおられながらも、気球をあげて、カンサットを落とす。雨で中断したり、強風で気球のまきとりができなかったり、あまりフレンドリーではないコンディションの中でのコンペ。勝ったのは、香川大チームと九大チーム。海外参加者は、賞品のUNISEC-Tシャツをもらってご機嫌。満面の笑みで記念写真。

賞金は、ある匿名希望の日本人の方が寄付してくださった1000ドル。偶然、500ドルの束が二つになっていた。まるで、二チーム分、用意してくださったよう。

今回、「究極のカムバック賞」をさしあげたいチームがあった。公式にはそんな賞はないのだが、「カムバックにもっとも力を使ったチーム」である。

日大3年生チーム。

強風にあおられ、どんどん遠くへ去っていってしまったカンサット。ずっと向こうの山の木にひっかかっているのを発見。それから2時間あまりの苦闘を経て、見事に回収に成功した。紐に石をつけて投げつけることを繰り返して、なんとか落としたのだという。

先輩から譲ってもらったというパラフォイルは高性能で、よく飛ぶ。このパラフォイルは、全部手作りで、見るとしつけ糸が残っている。「しつけ糸で縫って、それからミシンをかけて作るので、1週間は軽くかかる」という手のかかったパラフォイルは、こうして無事に戻ってきた。

落ちたときの衝撃で、カンサットの基板は割れてしまっていた。でも、そんなことよりなにより、戻ってきてくれてよかったという気持ちがメンバーの中にあふれる。

究極のカムバック賞。
次回は、本当のカムバック賞をねらってほしい。

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福岡で宇宙会議

福岡は住みやすい。住んだことはないけれど、転勤族の評判を聞くと、福岡について文句が出ることは、まずないらしい。私自身は数回しか行ったことはなく、通算しても1週間程度しかいたことはないのだが、確かに居心地のよいところだ。

街のサイズがちょうどいい。気候もよいし、ラッシュもあまりないし、食べ物もおいしいし、空港も市内から近いし、交通の便はいいし、海もあるし、山もあるし、文化もあるし、大学もあるし、まったく言うことはない。

そんな福岡で、大きな宇宙の会議が開かれた。International Astronautcial Congress, 略してIACである。千人を越える人が世界中から集まる。

UNISECは、IAC事務局のご好意で展示ブースを出させていただいた。
学生さんたちだけで展示物のアレンジを行い、当日の対応もすべて彼らが行った。お金をかけている企業ブースと比べると、もちろん派手さはないけれど、たくさんの学生が入れ替わり立ち代わり、説明要員としてブースに立ってくれたので、パワーというか、勢いのようなものがそこにはあったように思う。(これは欲目かもしれない)

展示会場でパネルディスカッションがあり、本音トークが炸裂。HASTICの伊藤先生と九州工業大学の趙先生は北と南で相当に過激。どちらも、地域から宇宙を目指す。最後のパネリストの的川先生のコメントが傑作。
「どなたからも、JAXAに対してこうしてほしいということが出てきませんでしたね」

私も論文を出していたので、発表の機会があった。まったく準備する時間が取れず、結局、前日と当日の午前中を使って何とか発表準備をした。前倒しでやろうと思っていたのだが、ぎりぎりになってしまい、反省することしきり。しかし、この論文を書いたおかげで、未来学のシナリオスタディを学びなおすことができて、よかった。やはり、実践は一番よい先生のようだ。

福岡のおいしいものといえば、とんこつラーメンにモツ鍋に鳥の水炊き。この短期間にすべていただけて、幸せ。
「長野」というお店の鳥の水炊きは、五臓六腑に染み渡る味であった。ヨーロッパからやってきた友人と、昨年までUNISECの学生で、今回は社会人としてUNISECと仕事をしてくれた方とごいっしょする。おいしい食事と楽しい会話。こういう場があると、いろいろなうざったいことが消えていって、元気になる。

インターネットが発達して、国際会議の意味も変わってきたように思うけれど、「胃袋のつながり」は、物理的にいっしょにいることで、とてもやりやすくなる。同じ味をともに味わうことで得る一体感。

幸せは胃袋から。つながりも胃袋から。

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銀ブラの夜

韓国薬膳「はいやく」という聞きなれない名前のレストランがある。
東銀座にあるその店を知ったのは、そこの料理長をしておられる方に出会ったから。

共通の知人といっしょに行く約束をして、その前にちらりと銀ブラ。雨の銀座もムードがあっていい。30分で髪を切り、ATMでお金をおろして、それから松坂屋の地下2階にある、しゃれたインテリアショップへ。ここのテーマは「オトナの女性のライフスタイル」だそうだ。高級でおしゃれなインテリアが並ぶ。お値段は見ないようにして、しばし目の保養。きれいなものを見ると目が喜ぶ。

東銀座の方に向かってゆっくり歩く。銀座四丁目の交差点で、ふいに立ち止まる。パッハルベルの「カノン」が聞こえている。私の大好きな曲のひとつ。細かい雨が降りしきる中、和光デパートの時計が夜空にぼんやりと浮かび、どこからかカノンが聞こえる。なんとも幻想的なこの情景に、思わず足が止まった。

忘れていたものを、ふいに思い出したときのような不思議な感覚。なぜか涙が出そうになる。
しばらくボーっと立っていた。そんなふうにしていても、誰も気にせず通り過ぎていってくれる都会の雑踏はありがたい。どこよりも一人になれる場所かもしれない。

約束の8時。
知人とその友人が入り口のところで待ってくれていた。二人とも多忙な業界の人間と見えて、待ち時間も無駄にせず、電話をかけまくっている様子。

軽くご挨拶をして、お店に入る。料理長自ら出迎えてくださって、王様の気分。エプロンをきゅっとしめた料理長の彼女は、さすがにさまになっていてカッコイイ。

コースで注文。ワクワクしながら料理を待つ。人工の調味料は一切使っていないという料理は、ほっとするようなやさしい味わいだった。といって、韓国料理のパンチもちゃんとあって、その絶妙なバランスが心地よい。薬膳というだけあって、どれもが体によさそうな料理で、しかもおいしい。

この人に出会わなければありえなかったと思うことはよくある。この人に出会わなければ、このお店とこの料理に出会うこともなかっただろう。一人銀ブラの終点に、楽しい食事が待っているのは嬉しい。

寒い雨の中、温かな気持ちになって帰途につく。胃袋は間違いなくハッピー。おいしいものをいただくと、胃が喜ぶのである。

久々の銀ブラの夜。目も胃も心も喜んでくれたみたい。いつも酷使しているので、たまにはサービスにつとめよう。これからも長いつきあいが続いていくのだから。


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スマちゃん設計会議

先週(10月6日)、スマートサットの1-bの概念設計のミーティングに出席した。
出席した大学は、7大学。12人+オンライン参加の1人。東大、東工大、東北大、日大、創価大、香川大、それに、道工大だ。

私の役割は、ここではアドミなので、契約や経理関係の説明をする。経理処理のしかたは、最初にきっちり言っておかないと、あとで大変なことになる。関係者がたくさんいる場合には特にそうだ。優秀なアドミの助っ人がいたら、どんなにか助かるだろうと、いつも思う。誰かいい人がきてくれないだろうか。きっちりしていて、気配りができて、きれい好きで、細かい作業が苦にならない人がいい。

先生の都合がつかなくて出席できなかった大学は、学生が代理できている。高度な技術用語が飛び交う真剣な場に身をおく彼らの表情はきりりと引き締まっている。口がぎゅっと結ばれ、眉間にしわを寄せて、一心にメモをとっている。こんなに若いときに、こんな場所にいられるなんて、なんと幸せな人たちだろう。

「キューブサットを作るのとは、わけが違いますよね」

皆が、そのことを認識している。自分たちのために衛星を作るのと、大きなプロジェクトの一部として衛星を作るのとでは、プレッシャーが違う。調整も大変になるし、気楽にひょいひょいとできるようなものではない。

「たいへんなのは明らかですので、それぞれ検討していただいて、おりたい大学は、おりてください」

まずは展開物の機構や構造を決めることになり、25日の夕方から、「大検討会」をすることになった。遠方の方も多いので、ホテルを確保して、深夜か朝方までみっちりとやることになりそう。

翌26日は、ドニエプルロケットのコスモトラス社がプレゼンテーション。その次の27日は、いよいよキューブサットXI-Vの打ち上げ予定が入っている。

この目白押しのスケジュールを見ると、何かの加速度を感じずにはいられない。最近、とみにスピードアップしているように思える。そのうえ、来週は福岡でIACが開かれる。

1ヵ月後に起こっているであろう状況を考えると、ワクワクする。あちらこちらで花開いていく物語のストーリー展開を想像するのは実に楽しい。

たくさんの心からの笑顔が満ち溢れていきますように。

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中国の宇宙開発

少し前に、宇宙作家クラブの例会で、中国の宇宙開発の話を聞いた。
講師は、JAXAの野田篤司氏。彼の軽妙な話術にかかると、重い話も難しい話も実に楽しく聞けるから不思議。最近は、ガンダム研究家としても活躍中とのことだが、今回のテーマは、ガンダムとは別。

4月にJAXA訪中団が北京に行ったときの話を中心にうかがった。技術力の確かな彼の目が見てくるところは、やはり違う。どこまで書いていいかよくわからないので、ここでは省略。

中国の宇宙開発は、実用的で、地道に堅実に技術を育てているというのが彼の感想。なんといっても、有人宇宙飛行に成功した国なのだから、技術も育つだろう。人の命がかかれば、当然、真剣さが違ってくる。日本の有人宇宙開発は、JAXAの長期ビジョンには書いてあるが・・・・。

NASDA時代を含めて、JAXAが公式に中国を訪問したのは、これが初めてのことだそうだ。熱烈歓迎ムードで、豪華なお食事がふるまわれたとのことで、ごっくん。

「反日デモ」が吹き荒れる真っ最中に訪中した野田さんは、衛星放送でNHKのニュースを見ながら、報道と現地の感覚の違いを感じておられたという。なんで、そんなに大騒ぎするの?というほどに現地ではあっけらかんとしていたそうである。

この感覚の違いは、興味深い。報道が大げさだったのか、その場にいても緊迫した空気を感じられないほどに平和ボケしているのか、はたまた、一部でのみデモが盛り上がっただけなのか。

一部の盛り上がりといえば、愛知万博。見ているだけだった阿呆には、踊っていた方々の感激があまり伝わってこない。同じようなことが、あちこちにありそうだ。さらにもっとふみこんで言うと、簡単に踊りの輪に溶け込める人と、その場で踊っていても、なにやら違和感を感じてしまって逃げ出したくなる人がいる。どちらの神経がまともなのか。

5年後は、上海で万博が行われるそうだ。北京ではオリンピックが、上海では万博が行われる。中国のプレゼンスが高まっていく中で、日本はいったいどうなっていくのだろうか。年間国家予算の10倍近くふくれあがった財政赤字を見れば、自分の権益にしがみつくことなく、全員が未来をしっかり見つめ、力をふりしぼって働かなければならないのは明らかであろうに、その危機感はあまり見えない。

この危機感のなさこそが、危機である、としたり顔で言うのはたやすい。

しかしながら、ここにチャンスがある。危機とは、「危ない」のと「機会」と両方があるのである。とすると、いま、日本は未曾有のチャンスに満ち溢れている国とはいえまいか。

このような時代に生きている我々は、まったくもって、ついているのである。この「ツキ」を生かさない手はない。


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