東海大から望む富士
週末は東海大へ。UNISECのワークショップ。遠いと聞いていたのだが、東京から1時間半程度。それほど遠い感じはしない。
美しいキャンパスだった。緑豊かな広大な敷地に建物が点在している。ディズニーランドに匹敵するという広さのキャンパスには構内循環バスなどというものまである。アメリカの大学に来たような錯覚を覚えながら、会場へ向かう。
東海大の学生ロケットプロジェクトチーム(TSRP)が仕切るプロジェクトは、安心感がある。まず間違いなく成功するだろうという気持ちを抱かせる何かを、彼らは持っている。UNISEC加盟団体の中でもっとも人数の多い団体なのだが、学部1年生から全員が責任感を持って、自分の役割を果たすべく動いているように見える。しかも、そうするのが嬉しくてしかたない、というように見えるのである。礼儀正しいのは言うまでもない。先生たちの指導もよいのだろうけれど、たぶん、先輩から後輩への指導が行き届いているのだろう。
そんな彼らが事務局になって行ったワークショップは、準備周到で抜けがなく、温かな気配りとおもてなし精神のあふれるものになった。駅から会場まで歩いて20分程度なのだが、バスの手配をしていただいていたり、お茶の用意があったり、プラカードを持った案内係が必要に応じて現れたり、きめ細かな配慮がなされていて感心した。
そして、肝心の発表のときは、同時にパソコンを7台接続できるシステムが構築されていて、接続を待つ気まずい時間はほとんどなく、実にスムーズに進んだ。このシステム構築者は、ひどい風邪をひいていて、マスク姿でのサポート。この方は、ネット関係に強く、ウイルス対策は万全なのだが、風邪ウイルスの対策にまでは手が回らなかったらしい。
自分たちが実際にやっていることを発表するのは、普通の学会発表とは何かが違う。1年間の不眠不休の活動内容をわずか20分に凝縮して発表するので、力がこもる。発表は、参加者が全員で採点して、ベスト団体を選ぶという仕掛けなので、聞くほうも真剣。どの発表も、秋田大の秋山先生に「こんなに力のこもった発表ばかりだと、肩がこる」と言わせしむるほどに、密度の濃い内容。秋山先生のブログで中継をしていたらしく、臨場感あふれるレポートが、一日目、二日目ともアップされている。
その夜は大懇親会の後、学内の施設に宿泊。部屋の名前が不思議にその人にあっていて驚く。
北大の永田先生は、「北斗」。九大の八坂先生は、「阿蘇」。
私は「富士見」。
東海大の西の方角に富士山はくっきりと姿を見せる。しかし、晴天だった土曜日(10日)にみそこなったために、結局、富士山は見られずじまい。
それでも、富士はそこにあるのだ。
雲でさえぎられて見えないだけで、そこにあるのは変わらない。見えないからといって、消えたわけではない。富士があるのを知っていれば、見えなくてもそこにあることを信じられる。
見たものは、その瞬間の真実を映し出しているかもしれないが、次の瞬間には違う真実が見えるということもある。とすれば、真実とはいったい何なのだろう。
目には見えないものを見る「心の眼」。心静かにしていると、すっと見えてくるものがある。表面的に見えることにこだわらず、心の眼で見えるものを大切にしたい。
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