初めての道産子衛星
初めての道産子衛星がそのうち誕生しそうな気配。
宇宙研で振動試験を終えたばかりというEMを見せていただいた。HITSAT(Hokkaido Institute of Technology Satellite)という名前。
キューブサットの仲間なので、小さくてかわいらしい。けっこう丈夫そうなアンテナが二つ。
見せてくださったのは、北大の戸谷先生。
白い手袋をはめて、何重にもくるまれた中から、大事そうに取り出す顔が嬉しそう。
道工大のO野さんは、学部の四年生だが、もう一ヶ月も相模原に宿泊して、各種試験の準備にあたってきた。大変だったのだと思うけれど、本人は屈託がない。
「好きでやっていることですから」とあっさり。
「やりなさい」と言われてやることと、「やりたい」と思ってやることは、なぜこうも違う結果を生み出すのだろう。人の心のダイナミズムと、それがまわりに与える影響を考えると、本当に不思議。
お二人とキューブサットの写真を撮らせていただいた。
「いやー、僕たちだけが写っていいんでしょうか」と、ちょっと照れ気味の戸谷先生。
みんなで作っている衛星なので、そういう言葉が出てくるのだろう。気持ちはわかるが、ほかにHITSAT関係者はいなかったのでしかたない。それに、主役は真ん中にいるキューブサットだ。二人と比べると、本当に小さいのがよくわかる。
TEAMという言葉に、「I」はない、とよく言われる。
一人ひとりが「私」を捨てることによって、「TEAM」は生きてくる。皆が我をはっていては、TEAMはうまく機能しない。本当に大切なことのために、自分ができることを「我を忘れて」真剣にすれば、TEAMは一つの生命体のようにしなやかに動き出す。
しかし、「私」を捨てるのは、実はとても勇気がいることである。封建時代のように滅私奉公が当然という時代ならともかく、現代の日本のように、中途半端な個人主義礼賛の風潮があるところで、「私」を捨てて、何かにのめりこむのはなかなか難しい。
「好きでやっていることですから」といえる人は、「私」を捨てる価値のあることに出会えた人であって、それはある意味で、本当に幸運な人なのである。
幸運な人がこれからどんどん増えていくような予感がする。
そのとき世界はどうなるだろう。楽しみだ。
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