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コスモトーレ、お披露目

HASTICの無重力落下実験設備のお披露目会。
ここは、北海道の赤平市。植松電機の敷地に50メートルくらいの高さの塔がたっていて、それが、日本で二つしかない無重力実験設備の一つ。お値段は一回3万円とのこと。3秒間の無重力状態が保てる。破格の安値という。

1年前に見たときは、塔だけができていて、すごいスピードで落ちてくるカプセルをどうやって受け止めるのか、衝撃をどうやって吸収するのか、模索中だったような記憶がある。

それが実際に使えるようになった。カプセルの直径720ミリよりほんの少し(5ミリくらい)大きい筒にすっぽり入って止まる。白い筒は地面を少し掘った中からまっすぐ天に向かって立っている。筒の中の空気が圧縮されてクッションになって、無事に受け止めることができる。簡単そうだが、実はこれはけっこう難しいらしい。時速100キロの衝撃を吸収するのだから、半端ではない。

無重力実験塔の設立に最初からかかわり、技術指導をしてきた北大の藤田先生によれば、
「実現したのは、植松電機さんの技術力」だそうだ。

当日は、植松社長(植松専務のお父様)が背広姿で、ネジを締める姿も見えた。若手社員の方は、衆人環視の中で作業をされていて、緊張されたことと思う。テレビ局も来ていたし、お祝いに駆けつけたのはたぶん80人くらい。

この塔を作ってから、会社の敷地内にある植松さんのお宅では、テレビの映りが悪いらしい。ちょうど電波の通り道に建ててしまったからだそうだ。

「おかしい、どうしてテレビの映りが悪いんだろう。アンテナの向きが悪いのかな」
「あれ?電波の通り道に高い塔がある。誰だ、あんなところに、あんな塔を建てたやつは!」
「あ、オレだった・・・ゴメン」

冗談のような独り言が、植松家では聞かれるらしい。

主導権を持つということは、こういうことだ。自分で決めて自分で実現したら、その結果は自分で受けとめる。
結果を受け止めきれるかどうかわからないとき、それでも前へ進むかどうかの決め手になるものは何だろう。

勇気なのか、信念なのか、「夢」なのか、挑戦者魂なのか、使命感なのか、あるいはまったく違う何かなのか。

ロケット開発は衛星開発とは少し違っていて、常に主導権を持てる。衛星は作ってから宇宙へ行くのにロケットの助けが必要だが、ロケットは作ればいける。

主導権を持つロケット「カムイ」の開発も順調という。

たくさん打ち上げて実験ができる環境を作れるといい。ハイブリッドロケットは安いそうなので、ポンポンあげて信頼性を高める方法を取れるといい。せっかくトライアンドエラーという方法が取れる値段なのだから、そうできるといい。

アメリカの砂漠で、何百ものロケットがポンポンと打上げられている様子と比べると、たった一発を打上げるためにしなければならない根回しと調整が、開発者にはやや気の毒に思える。そして、その一発を何が何でも成功させないといけないという、「いつもの宇宙の」期待もちょっと重い感じがする。

技術開発に携わる人たちが、まわりの思惑や調整仕事から自由になって、技術開発に集中できるような環境を作るだけで、開発の速度は倍になるような気がする。身軽にならないと飛び立てないと思うのは、素人の余計な心配か。

塔の愛称は「コスモトーレ」、ロゴも公募して決まった。HASTICの伊藤専務理事が、懇親会でそのシールを大切そうに配ってくださった。真っ赤なシール。私も一枚頂いた。

見学や実験に行かれる方に、ランチのオススメ。
相当においしいおそばやさんが近くにある。そば10割というおそばを出してくれる。おみやげに買って帰ろうかと思ったが、そういうことはしていないとのこと。
「お持ち帰りいただいても、たぶん、うまくゆでられないですよ」とお店の方。

お店の名前を失念。
「小川デェス」という不思議な看板が、お店の看板の上にかかっていたのは覚えているのだが。今度行ったら、チェックしよう。

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