日大地上管制局から
日大の学生さんたちは強い。
こんな状況なのに、まわりの人たちに気を使い、感謝を表せるなんて、すごい。SEEDSのブログを読むと、不覚にも涙が出てきてしまう。
宮崎先生には、ついこの間、UNISECの総会のときに、SEEDSのご発表をいただいた。どんなにかこの日を待っていたかが伝わってくるすばらしいお話だった。そして待ちに待ったその日に受け取った最悪の結果。
以下、UNISECのメーリングリストに投稿された木下さんのメール。ご本人の許可はいただいていないが、転載させていただく。
UNISECの皆様こんばんは。
木下延昭@日本大学地上管制局です。本日4時43分(日本時間)に行われました、"SEEDS"を含めた14機のCubeSatと4機の小型衛星、計18機の衛星の打ち上げは、ロケットのトラブルにより、失敗に終わりました。現在、トラブルの原因はわかっておりませんが、8月末までには詳しい報告書が上がってくる予定となっております。
非常に多くの方々に支えられて、今回の打ち上げまでこぎつけましたが、失敗に終わり非常に残念(悔しい)です。できることなら、落下したSEEDSを自分の手で回収しに行きたいです。
SEEDS開発のために努力を重ねてきた先輩方のことを思うと、くやしくて仕方ありません。。。
自分たちの地上局で自分たちの衛星のテレメトリをとりたかった。僕には、今の気持ちは、これ以上、言葉では表現できません。しかし、
SEEDSには、予備機があります。どうにかして、この予備機を今度こそ、「人工衛星」にしたいです。絶対に。皆様、これからも、日本、そして、世界のCubeSat開発にご支援いただけますようよろしくお願いいたします。
木下さんは、現在修士課程の2年生。
SEEDS製作に関わった最後の学生さんだ。
彼の卒業前に、予備機を打ち上げてくれるロケットはないだろうか。
「本当だったら」、今頃、たくさんの笑顔と忙しく立ち働く人たちでいっぱいのはずだった日大地上管制局。
「本当だったら」、今頃、ロシアでウォッカの洗礼を浴びてひっくりかえっているはずだった宮崎先生たち。
「本当だったら」、今頃、夜のパスを受信して、情報交換に忙しくしているはずだったアマチュア無線家の方々。
・・・・でも、本当に、ロケットは打ち上げに失敗したのだ。どんなことをしても、もう戻らない。
キューブサット物語の続編は、苦い経験を経て、どんな風に展開していくのだろう。
すべてのことは善きことにつながっていると信じるのが難しいときもある。
今はかなりしんどいけれど、それでもやっぱりそう信じよう。
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