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きらりちゃんの思い出

ナノジャスミンのPDRの後のお茶のみ話第二弾は、きらりちゃんのこと。

<きらりちゃんとの思い出>

きらりちゃんのことは、パパからではなく、一ヶ月だけ週に2回、目に見えない糸電話ならぬ「光電話」で遊んだという方にお話をうかがった。

きらりちゃんは、 2005年8月24日、カザフスタンのバイコヌール生まれ。
光衛星間通信実験衛星(OICETS:オイセッツ)という長い名前を持っている。何万キロも離れたところを高速でブンブン飛んでいる衛星同士の通信を光を使って行うという実験にチャレンジして、見事成功したのだという。(普通は電波を使う)

Crl002
そして、衛星と地上の間での通信にも成功した。
きらりちゃんとの通信ごっこに参加していたのが、NICTの木村さん。地上にある1.5メートルの大きな光アンテナ(実は望遠鏡)から「きらりちゃーん!」と呼びかけると、きらりちゃんがそれに気づいて、声のしたほうに向かって、「なぁに?」と地上に答えてくれるという仕組み。動画を送って、きらりちゃんに見てほしかったけど、東京は天候不順が多くそこまではできなかったとのこと。しかし、通信品質が十分に使えるのもであることを世界で初めて確認できた。

ところで、この通信ごっこがどれくらい難しいかというと、「1キロ離れたところにある五円玉の穴を通る」くらいなのだそうだ。しかも、衛星は高速で飛んでいるし、光は曲がるから、綿密に計算をして、どこにどのように当てればいいかを予測しないといけない。

「夜の10時くらいに集まって、11時半とか1時にきらりちゃんが来るのを待つんです」(注:脚色あり)

そういえば、その実験が行われていたという9月には、木村さんがいないことが多かったような。きらりちゃんからの光が初めて受かったときには、「ウワー!」と深夜に歓声があがったとのこと。深夜に騒ぐなんて、ご近所迷惑もいいところだが、まあ大目に見てあげよう。

きらりちゃんのパパの一人(普通、衛星には、たくさんパパとママがいる)、豊嶋さんなどは、おうちを離れて一人旅をしているきらりちゃんが、パパの呼びかけに、すねないで返事をくれた時、思わず目がウルウルしてしまったとか。でも、素直にウルウルできない豊嶋パパは、その後のスパークリングワインの祝杯でワーワー騒いでごまかし、かげでそっと涙をぬぐったそうな。

きらりちゃんが生まれる前にはいろんなことがあって、とっても難産だった。生まれるかどうかも危ぶまれていた時期があった。きらりちゃんが生まれるために、たくさんの人たちが手を尽くしてくれた。だから、こんなふうに無事に生まれて、活躍しているきらりちゃんと直接やりとりができただなんて、パパたちにとっては、涙なしには語れないお話らしい。

「だって、絶対最初は無理だろうって言ってたんです」

そんなことを話すとき、木村さんの顔はふにゃふにゃと嬉しそうに崩れる。
きらりちゃんは、ほんの一ヶ月の間に、たくさんの思い出を残してくれたらしい。

きらりちゃんは、まだまだ元気盛りなのだが、お守りは大変だったらしく(お金がかかるのかな?)、運用は11月で終了してしまった。もっともっといろんなことをしてきらりちゃんと遊びたかった木村さんは、残念そう。

こういうのがスイスイうまくいくようになると、周波数取得の苦労はいらなくなるのだろうか。衛星ビジネスの一番のネックといってもいいのが周波数取得。光通信ができれば、その心配はなくなる。ただ、光通信の弱みは、曇っていると通りにくいこと。でも、いつも通信しなくてもいいお仕事もあるだろうから、そういうときには大手を振って使ってもらえるかもしれない。

きらりちゃんが残してくれたものは、きっと大切に使われて、パパたちや遊んでくれた人たちが、ウルウルを隠しきれないようなことにつながっていくに違いない。

(注:写真は、NICTのGOLEMプロジェクトフォトライブラリページから、許可を得て転載したものです。この写真のときは、アルゴンレーザ(波長0.5μm)というのを出していて、はっきり目で緑に見えたそうですが、きらりちゃんとの時は、目には見えず、カメラでのみ撮影できるものだったそうです。ビデオ画像あり。)

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Comments

モハさま

コメント、ありがとうございます。私も初めて知ったことばかりで、ウルウルしております。れいめい君もがんばってるみたいですね。きらりちゃんもまだ若い(?)のだから、もっとがんばってくれるといいんですが。スピーフィ君にはまだ乗ったことがないので、乗るのを楽しみにしています。

Posted by: Rei | 2006.11.25 09:03 PM

はじめまして、JAXA岩本さんのブログではいつもコメントしておりますモハと申します。
きらりちゃんの誕生秘話楽しませていただきました。そんな苦労があったのですね。
一緒にくっついていったれいめい君はまだ元気に活躍しているようです。
今年の相模原公開で、お仕事中のところを見学させてもらいました。
といっても地上局ですが(笑)。

そういえば、つくばと秋葉原をいったりきたりしている「スピーフィ君」もこの双子と
同じ誕生日なんですよね。時々利用してます。

Posted by: モハE501 | 2006.11.25 05:33 PM

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