大阪のカレーうどん
週末は関西へ。
土曜日は大阪でシタールのレッスン、日曜日は神戸で法事。秋の土曜日は、神戸は観光シーズンらしく、ホテルがなかなかとれず、しかたなく大阪に泊まる。
しかし、おかげで、たいそうおいしいカレーうどんに出会った。大阪という街は、なぜこうも食べ物がおいしいのだろう。目に入るすべての店に入りたいという欲求がムラムラとわいてくるのをおさえて、ホテルへ。
そのカレーうどん屋さんは、西中島のあたりにある小さなお店。チェーン店のようだ。
私の中で、カレーうどんのランクはそれほど高くなかった。しかし、一日にしてランクは急上昇。まず、カレーうどんの定義を変えねばなるまい。うどんにカレーがかかっているのが、カレーうどんと思っていたが、ここの店のは違う。カレーの中にうどんがある。
うどんは手打ちでしこしこ。うどんがおいしいのは当然として、カレーがまたおいしい。とろとろのカレーには、これまたとろけんばかりのビーフの塊。そしてなにやら不思議なトッピング。玉ねぎをカリカリに炒めたものだろうか。うーむ、おかわりがしたいと思うくらいのおいしさ。680円也。
人は自分がどれほど恵まれているか、失うまでわからない。
大阪人は、たぶん、自分たちがどれほど食の面で恵まれているか、きっと気づいていない。
しかし、この食文化もレベルの高い飲食店も、魔法のようにできたのでなく、大阪人がこれまで培ってきたものの上にある。
大阪では、「まずい店、遅い店、(質に比べて)高い店」はすぐに消える、らしい。
裏表のない大阪人は、そういう目にあうと、二度と行かないばかりか、知り合いのすべてにその情報を伝える。そうすると、その店に行く人はすぐにいなくなる。そのサイクルを何代にもわたってやってきていると、まずい店は存在を許されないし、おいしい店もますますの努力をするようになる。
厳しい目、肥えた舌、伝達能力の高い口、そして、シンプルな行動が、あの食い倒れ文化を創ってきたのだろうか。おいしいものが食べたいという欲求の強さが、このような文化を創ったのだろうか。
つまらぬ「思い込み」が壊れていくのはなんと気持ちがいいことだろう。
11月11日は、カレーうどんのmy常識が打ち破られた記念すべき日。大阪の食文化とその担い手の方々に感謝。これからもいっそうおいしいものを生み出して育てていっていただきたいものだ。
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