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師走の学び

師走。
お掃除らしきものをちょっと丁寧にやってみる。日ごろ気づかぬところがけっこう汚れている。最近のお掃除グッズは高性能なので、ずいぶんと楽に汚れが落ちてピカピカになる。

本日の学び。

ものごとは、ほどよい強さで行うのがよろしい。

掃除機をかけるとき、強力パワーにしておけばいいというものではない。
敷物を強力パワーでしようとすると、あまりの吸引力に、敷物が吸い込まれてしまってうまくいかない。弱にすると、ホコリだけを吸って、敷物はそのままでいい感じでできる。

相手によって、強弱をつける必要があるということかもしれない。

こんな簡単なことを、なぜ今まで気づかなかったのか、不思議。
弱だとエネルギーをあまり使わずにすんで楽だということも発見。

これまで私は、何事につけ、「強」を選んで、ブワーっと巻き込んできた気がする。しかし、目的が掃除であるならば、敷物やカーテンを強力に引き込む必要はまったくないのである。

目的は何かをしっかり考えて、ほどよい強さがどのあたりなのかをはかるバランス感覚を養いたい。

そして、来年は素敵な年にしよう。
師走で走っている一人ひとりの2007年がうんと素敵な年になりますように!

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祝!カムイ打ち上げ成功!

23日の未明に打上げられたカムイロケットは、二本とも成功したようで、ヨカッタヨカッタ。吹雪の中を無事に帰還されたのも、本当にヨカッタ。

23日の午前2時から24日の午前2時まで、長い一日を過ごした皆さんは、クリスマスイブの朝をどんな気持ちで迎えただろう。植松さんは、酔いがさめぬままに目覚めた様子。ブログの文章も千鳥足。

永田先生の書き込みによれば、植松さんのこういう姿を見たのは二回目。一回目は、異常燃焼のため打ち上げ延期を決めた日のことだという。

この二人、なんともいいコンビに見える。
互いの人生や生き方を変えるような出逢いは、人生の中でそんなにあるわけではない。心の底から信頼しあい、支えあえる人を得られた人はすばらしく幸運だといっていい。

以下、永田先生のブログへの書き込みから転載。「BC」の定義が傑作。

植松さんと出会ったのは2004年の4月。まだ3年も経っていないのに、凄く濃密な時間を過ごしてきたことを実感します。青年会議所の皆さんからCAMUIロケットと関わる前の植松さんの話を聞くと、この出会いは神の采配だったような気がします。因みに僕は1998年にCAMUIロケットが誕生した以前のことを "BC" と呼んでいます。紀元前の意味ですが、"Before Christ" ではなく、"Before CAMUI" です。人生においてそのくらいのインパクトがこのロケットには有るような気がします。

H2ロケット8号機が打上げに失敗して以来、旧NASDAの研究予算がH2の信頼性向上に集約されるようになり、大学に流れる研究予算が大幅に削減されました。これを機に経産省系の予算獲得を目指して産学連携チームの構築を考え始め、赤平に宇宙好きな電気屋さんがいるらしいという情報を頂いてコンタクトを取ったのが出会いのきっかけです。当時はアビオニクス(航空電子機器)系の企業を探しており、植松さんにはその担当をお願いしました。「いいですけど、僕はどっちかというと機体の方をやりたいんですよねえ」という返事だったように記憶しています。会社にお伺いしたら工場が並んでいてびっくりしたものです。

私が永田先生に出会ったのは、2002年の4月。大学の衛星グループとロケットグループを合併して、UNISECを作ることになったときのこと。当時には考えられなかったことがあちこちで起こっている。

今日はクリスマスイブだが、世間のクリスマス的イベントとは無縁。
おかげで、カムイロケットの成功をしみじみと味わい、お祝いすることができた。

北海道の真ん中にある、小さな町、赤平(あかびら)。
私が生まれ育ち、そして二度と戻ることはないと思っていたその町で、カムイロケットは製作され、燃焼実験も行われている。

永田先生の口から「赤平」の名前を聞いた日の驚きは、今も忘れない。そして、カムイロケットはアメリカのベンチャーと提携するなど、次から次へと驚きの種を提供してくれる。

「カムイロケット物語」のエピソードはどんどん増えている。
これからどうなっていくのか、楽しみ。
この本を書きたいな。

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カムイ、23日に打ち上げ

カムイスペースワークスの最初の打ち上げが、12月23日に行われる。
というと、もうあさって。

HASTICの伊藤先生からはプレスリリースを、カムイスペースワークス(CSW)社長の植松さんからはメールをいただいた

赤平の植松電機には、カムイチームとHITSATチームが集まり、どたばたと準備をして、睡眠不足の皆さんを車に乗せて、大樹町までひた走る。CSWのブログも開設されたとのこと。今、無事に到着したらしい。


以下、植松さんのメールから引用。

現在、カムイスペースワークスでは、CANSATの支援を事業の最初の柱にしようかなと思っています。 CSWは、50mの落下試験塔(横風の影響がない)、大型ジェットラジコン機による250mまでの安価な放出実験、 そして、カムイロケットによる1000mから4000mまでの打ち上げ試験、の3つを輸送手段として提供しようと思っています。 この三つを一社で提供できるのは、CSWだけじゃないかと思います。

新型カムイロケットは、絶好調です。
実は今回の機体は、φ120mmですが、エンジンはワンサイズ下のφ100です。
φ120にぴったりフィットするエンジンを作ると、その到達高度は、 4000m~6000mになると予測されます。
また、技術進歩により、エンジン部分も含めて、ほとんどの機体を複合材で作ることが出来るようになりました。すなわち、モデルロケットのカテゴリーに入れてしまえるような状態です。これで、「金属弾」とか呼ばれないようになります。

火薬も使わない、機体はプラスチック製、なんて安全(っぽい)。
これによって、海外での打ち上げも出来るんじゃないかなともくろんでいます。
来年のXprizeCupあたりを目標にしましょうかと思っています。

23日には、秋田でロケットガールズ養成講座の公開講演会が開かれるそうだ。

最近、雪国が熱い。先日の東北大のワークショップも寒かったのだが、皆さんの発表は熱かった。

南のほうも、相変わらず熱いみたいで、今日も某放送局の某地方局から、「衛星打ち上げについて」いろいろと問い合わせがあった。地名を聞けば、どこの衛星のための取材なのか明らか。しかし、知らぬふりをして、いちいちお答えする。

作って、打上げて、思い通りに動かす。

宇宙開発の基本はここにある。ここを忘れた宇宙開発は、いまのところありえない。
魔法はない。近道もない。ひとつひとつやっていくしかない。そして、成功の保証はない。

それでも、やりたいという人たちがこんなにもたくさんいる。
そのことに意味がある、と思う。

まずは、23日の打ち上げが成功するように祈ろう。

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カムイスペースワークス誕生!

UNISECワークショップで、永田先生から耳寄り話を聞いていた。

カムイはいよいよ会社としてスタートするのだそうだ。
明日、赤平で記者会見を行うとの連絡をいただいた。

二度の打ち上げ延期を経て、永田先生たちは、一から出直した。その結果、カムイロケットのエンジン君は「教育の甲斐あって」、ずいぶんと信頼性があがったそうだ。

「思うとおりに燃えてくれる、いい子になりました」

最初のお客さんは、はこだて未来大学。学生さんたちが作ったカンサットを打ち上げるそうだ。お値段は二機あげて125万円。

カムイスペースワークスの社長は植松さん。
「大学の先生が経営するのは難しいので、経営はプロにまかせます」と永田先生。

明日はH2Aの打ち上げもある。
未来は少しずつ、でも確かに開かれていっているらしい。

楽しみだ。

以下、プレスリリースを許可を得て転載。
====

平成18年12月11日
報道関係者各位

宇宙開発ベンチャー企業「(株)カムイスペースワークス(略称:CSW)」
設立記者会見のご案内

(株)植松電機専務取締役 植松 努
北海道大学大学院工学研究科教授 永田 晴紀


 このたび,北海道発宇宙産業の創造に寄与することにより宇宙開発の夢を北海道民全体で共有できる財産とし,同時に地域社会に支えられた新しい宇宙開発の姿を我が国に実現することを目的として,以下のようにベンチャー企業を設立いたします.

(1) 会社名: 株式会社カムイスペースワークス
(2) 本店所在地: 079-1101 北海道赤平市共和町230番地50
(3) 出資者: 植松 努,永田晴紀
(4) 代表取締役: 植松 努
(5) 会社設立の目的:
① 宇宙関連機器の研究開発及び製作販売
② 宇宙関連の実験装置の研究開発および製作販売
③ 宇宙関連の実験の請負
④ 教育教材の研究開発
⑤ 宇宙関連機器のリース
⑥ 宇宙関連機器の修理整備

本ベンチャー企業の初業務として,12/23(土)に北海道大樹町で予定されているCAMUI型ロケットによるはこだて未来大学のCANSAT(空き缶サイズのモデル衛星)打上げ実験業務の実施を,NPO法人 北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)から受注します.

つきましては,以下のように株式会社カムイスペースワークス(CSW)の設立記者会見を開催致しますので,是非ともご来臨いただけますようお願い申し上げます.

日 時: 平成18年12月16日(土)14:00~
場 所: 植松電機株式会社(北海道赤平市共和町230番地50)
趣旨説明: 植松 努(株式会社カムイスペースワークス代表取締役)
永田晴紀(北海道大学教授・CAMUI型ロケット開発者)
伊藤献一(北海道大学名誉教授・HASTIC副理事長)


【問合せ先】
植松電機専務取締役 植松努
(Tel: 0125-34-4133,E-mail: nyg1t10@seagreen.ocn.ne.jp)
北海道大学教授 永田晴紀
(Tel: 011-706-7193,E-mail: nagata@eng.hokudai.ac.jp)

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大学と企業

UNISECワークショップの後、いろいろな方からお便りをいただいた。

アキュートロジックの山内みち恵さんからのメール。

山内さんは、週末にわざわざ仙台までいらしてくださって、二日間完全参加。学生討論にまで参加してくださった。

その彼女の感想。
あまりに的を射ているので、ご許可を得て転載させていただく。


UNISECワークショップは新鮮な驚きでした。
大学と企業とは明らかに立ち位置が異なり、
我が社のミッションは何であるべきか今考えています。
超小型衛星の存在を知ってから、我が社でも作ってみようかと話していました。
しかし、ワークショップで超小型衛星の開発に御苦労を
重ねられている様子を見て、これを後追いするのは賢くないと判断しました。
我が社の売りであるカメラ向け画像処理に特化するのが良いと。
「競争しないで差別化する」という事が、我が社の経営方針にあります。
それぞれの強みを伸ばすべく協調していきたいと思います。

学生さんが口々に資金の少なさを訴えているのが気になりました。
「秋葉原の部品で人工衛星が作れるといっても
その部品代にさえ困っている」と。
しかし、コストを下げる努力こそが
超小型衛星という技術革新を生み出した訳です。
一般消費者が自由にできるお金は少ないのですし、
お金のない状況が斬新な手法や
消費者の喜ぶ商品につながるケースは多く見られます。
超小型/小型衛星や小型ロケットの開発は
宇宙開発の敷居を下げ、
企業/個人の宇宙に関する関心を
確実に拡げることができます。

失敗を恐れず果敢に挑戦し続ける学生さんを見て、
会社に入ると冒険ができなくなるということも改めて感じました。
技術進化のためには、なりふり構わぬ本能的な好奇心が必要です。
しかし、給料を貰っている以上、
社員として採算を考えるべきというのも道理であり、
失敗には臆病になります。
せめて学生さん達の努力を
社会全体の技術水準向上に繋げていく手助けができればと思います。

一般人にとって宇宙はまだ他人事です。
宇宙旅行は高価で危険も伴います。
人工衛星を地上から操るというスタイルであれば
誰もが参加し易いと思います。
在籍期間が限られている学生さんにとって、
超小型/小型衛星開発は「通過点」にならざるを得ないかもしれません。
企業であれば10年20年というスパンで
技術蓄積を計画しやすいというメリットもあります。
世の中全ての者が共有できる喜びや驚きを創り出していくことが
企業の使命だと考えています。

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雪のち晴れ

週末は仙台へ。
UNISECのワークショップ。

「牛タン食うぞー」と言って乗り込んだ方もいらっしゃると漏れ聞いてはいるものの、それは番外編。

本編については、秋田大学の秋山先生がすでに実況放送ブログをアップされている。パソコンを開いてずっとパシャパシャやっておられたのは、これだったらしい。すばらしいレポートに感謝。

新幹線から見える景色はどんどんと寒そうになり、いつのまにか雪景色になった。仙台駅を降り立つと、雪が真横に降っている。傘は役にたたない。

東北大は山の上だから、たぶんもっと寒いはずと覚悟を決めて、大学に向かう。

10時には、全国各地から集まった学生代表の会議が開かれ、11時半からは教員ミーティング。20名を超える教員の皆さんが続々と集まってくださった。お昼を食べつつ、盛りだくさんの議題をこなす。来年は、船橋の日本大学で開催することになった。来年は、SEEDS2号機をインドから打ち上げというし、日大のブログは相変わらずおもしろいし、ちょうどいいタイミングかもしれない。

そして、いよいよワークショップ。

私は雪国の生まれだから、雪には慣れているが、仙台は雪国とそうでないところとの境目。雪国ではありえない建物の配置(トイレに行くのに外に出ないといけない)に驚きつつ、寒さ(エアコンが不調だったらしい)に震えつつ、学生さんの発表を聞く。

あまりに寒かったものだから、二日目はホカロンが全員分用意された。ホストの東北大の皆さんの暖かな心遣いに感謝。暖かな飲み物がいつも飲めるようにという配慮も嬉しい。

懇親会は、前日にオープンしたばかりという学内の施設。なかなかおしゃれ。しかし、15分で食べ物が「蒸発」してしまうのには、慣れていても、やはり驚く。しかし、すべては次のよきことのために起こるのである。

その後、「牛タン食うぞー」の某先生や筑波大の未成年女子学生たちと仙台のおいしい牛タン屋さんへ。懇親会であまり食べられなかったからこそ、ここの分厚い牛タンをたっぷりおいしく頂けるわけだ。麦飯にとろろにテールスープ。至福。

二日目は晴天。気持ちのよい青空が広がった。仙台は二回目だけれど、前も雪だった。ここは雪が降っていないときは、こんなに美しい景色だったのだと改めて認識。

今回は裏番組も充実。これだけのメンバーが一堂に会することはめったにないので、ここぞとばかりに、周波数やら地上局やら、必要に迫られている人たちはミーティングを開く。会って話すと理解度が違う。今回は総務省から周波数担当の方がいらしてくださっていたので、手続き関係のこともバッチリ。

OB組織(UNISASという名前)もできて、学生とOBとの交流もはじまりそう。今回は、OBが三人きてくださった。一人は某J○X○の方。捻挫をされたとのことで、松葉杖をついての登場。ご苦労さまです。一人はたいそう美しくなって、まばゆいばかりの女性エンジニア。もう一人は、学生時代とほとんど変わっていないように見えるが、実は中央省庁で活躍中のバリバリのキャリア。

大学を超えて、学年を超えて、業種を超えて、つながりができていくといい。宇宙開発は本当に厳しい世界だけれど、支えあう仲間がいることで、どれほど救われることか。

学生討論に導入したFuture Search。
15人のモデレーターさんは、それぞれに個性的にチームをひっぱってくれたので、同じテーマで討論して、まったく違う15の提案が出てきた。
皆さんのクリエイティビティに乾杯!
このうち1つでも具体的なアクションにつながっていけば嬉しい。

ワークショップは、雪のち晴れだった。
雪の後だから晴れが嬉しいのだ。
ずっと晴れている砂漠にいたら、晴天はちっとも嬉しくないだろう。

雪もよし、雨もよし、曇りもよし、晴れもよし。
大切なのは、そのときしかできないことをしっかりとすること。
そのときに起こったことを恵みと思って受け取ること。

そんなことを考えながら、笹かまぼこを買って東京へ戻ってきた。いっしょにいった方々が、ずんだ餅や「萩の月」を買ってこられたので、翌日は、「仙台物産展」のごとくであった。再び至福。


個人的な番外編。

大学時代の友人が仙台の公民館で青少年教育関係の仕事をしていて、なんとUNISECワークショップに参加してくださった。子供向けの宇宙関係の講座のようなものができないかと構想中だそうで、さっそく東北大学の熱い学生さんをご紹介。

素敵なことがあちこちで起こっていくといい。


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アルケミスト

スウェーデンからお客様。Swedish Space Corporationの方。
東北大と千葉工大の方々がミーティングをされるというので、同席させていただいた。

スウェーデンは極に近い地理的条件を上手に生かして、衛星運用ビジネスではちょっと知られている。ホテルやレストランなども完備していて、世界中から衛星運用のために人がやってくるそうだ。まだ衛星を打ち上げてはいないそうだけれど、強みを知り、それを生かした宇宙開発に取り組んでいるあたり、さすがだ

大学衛星はお金がないので、このサービスを利用できるかどうかはわからないが、どこで何がつながってくるかわからない。

ミーティングが終わってから、お茶でもさしあげようと、お時間のある方々を事務所にお招きする。皆さん快くいらしてくださって、狭いながらも楽しいオフィスはあっというまに満員。皆さんがコーヒーとおっしゃる中、スウェーデンのお客様は日本茶がよいとのこと。なんとなく嬉しいのはなぜだろう。

日本の伝統菓子といって、「かりんとう」をお出しする。

彼女といろいろ話をする。ちょっとした偶然が楽しい。

ブラジルの作家でパウロ・コエーリョさんという方がいらっしゃる。ちょっと不思議な作風で、ファンが多い。かくいう私もその一人。童話のようでもありファンタジー小説のようでもあるが、たぶんもっと精神性に富み、深く、そして愛に満ちている。

彼の作品に、「アルケミスト」(錬金術師)という本がある。

話しているうちに、彼女が、その本のことを知っているかと聞いてきた。私が言ったことで、その本に書いてあることを思い出したのだという。

宇宙業界の方と、この本の話をしたのは初めてのこと。話ができる人が現れたことに驚いた。そういったら、彼女は「わかるわ」と一言。

主人公は羊飼いだった少年。宝をさがして旅に出る。そして、多くを学び、愛を知り、宇宙とつながり、宝をさがしあてる。こう書いてしまうと冒険小説みたいだが、一つ一つの言葉に深い意味があって、短い小説なのに、私は読み終わるのにとても時間がかかった。

主人公はアルケミストに会って、砂漠の旅を導かれる。最後のほうにアルケミストが実際に金を作る場面がある。そのとき、アルケミストは、少年にできるのだということを見せたかった、という。

「できるのだということを見せる」

この一文に、私はとても惹かれる。
本当にそうだ。できるのだということを見せられないアルケミストは、アルケミストでなくてただのほら吹きだ。

本の中で、アルケミストが少年に言う。少年が風になれなければ殺されてしまう場面だ。

「その時は、おまえは夢を実現する途中で死ぬのだ。それでも、自分の運命が何か知りもしない何百万人よりかは、ずっと良い死に方なのだよ」

続けて言う。
「しかし、心配することはない。普通、死の脅威は、自分の人生について、人に多くのことを気づかせてくれるものだ」

もうダメだと思うとき、知恵が湧き出してくることがある。あるいは授けられるといってもいいかもしれない。

明日から、東北大でUNISECワークショップ

UNISECの活動の中で、「ただの学生」が「すごい学生」に変わるのを何度も見てきた。
「普通の先生」が「すごい先生」になるのも見てきた。

今年は過去最高の180人近くが参加と聞いている。一人ひとりが「すごい人」になっていく場にいられるのは、本当に幸せなことだ。

明日はかなり早起きをして、仙台に行く。たくさんの元気な顔に出会うのが楽しみだ。

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