« ケニアその9 | Main | カンサットワークショップ »

ケニアその10

1月26日

Kilimanjaro_dawn
5時起床。
キリマンジャロの夜明けを見ようと、ルームメイトといっしょに目覚ましをかけて、がんばって起きる。
宿泊したホテル、Amboseli Sopa Lodgeの食堂からは、いつもその姿が見える。
外に陣取って、夜明けを待つ。

真っ暗な中、だんだんと鳥の声が聞こえてくる。

そして、キリマンジャロがその姿を現してくる。薄ぼんやりと輪郭が見えたかと思うと、それからは早かった。台形の上半分は白く雪をかぶったその姿。何度見ても見飽きることがない。ここの人たちにとっては、たぶん当たり前の風景。毎日、こんな山が見えたらいいのに。

Niwatori
食事のあと、ナイロビに出発。朝が早かったせいもあって、バスの中で熟睡。

途中、普通のバスの屋根にニワトリがたくさんぶら下がっているのを見て、誰かが声をあげた。

「生きてる!」

新鮮なチキンを供給するためだろうか。羽をばたつかせているニワトリは、足のところをしっかりとゆわえられて、逃げることもできず、バスで運ばれていた。

Slum1_1
ナイロビに到着。
これから、本ツアーの最後のハイライトとも言うべき、スラム街の見学。
ここにも国連が入って、スラムの生活改善活動をしている。UN-HABITAT(国連人間居住計画)の建物が建っている。まずは、その建物に入って、説明を聞く。

国土交通省から出向中という若い方もいっしょに回ってくださる。彼のお給料は外務省から出ているそうだ。
「海外で仕事をしたいっていったら、ここに・・・」とのこと。

そして、いざ、歩いてスラム見学。
300万人のナイロビ市民のうち、180万人がスラムの住民だという。といっても、戸籍がしっかりしていないし、実態の把握がきちんとできているわけではなさそうだ。

Slum_yaoya
最初は「美容院」があったり、「八百屋」があったり、まあそれほどでもなかったのだが、歩いていくうちに、あまりのゴミの量に、ちょっとめまいがしてきた。たとえていえば、「夢の島」に掘っ立て小屋がたくさん建っていて、人が住んでいる、という感じだろうか。

川だったというところにも、ゴミが散乱。ビニールやプラスチックは、土に返らないので、そのままゴミとなる。いたるところゴミの山。そして、粗末なトタンの小屋が広がる地域のすぐ向こうに、立派なお屋敷がたくさん立っている。本当の「格差社会」というのは、こういうのを言うのだろうか。

Slum3
「排水のシステムがないんです」
トイレも整備されていない。伝染病があっというまに広がりそうな素地があるそうだ。

木にビニール袋がたくさんかかっている。

「どうして、こんなに木にビニール袋がかかっているんですか?」と案内してくださった方に聞いてみた。

「風が吹いてビニールが飛ばされたのがそのままになっているんです。トイレがないので、夜にビニール袋をトイレがわりに使って、朝、そのへんに捨てるんです。だから、あのビニールは汚いです」

「そうですか・・・・・」と言うしかない。
歩いているのがだんだんつらくなってくる。

Slum_antenna_1
『ナイロビの蜂』という映画を見ていたから、まさしくこの同じスラムを私は映像として見る体験をしていた。

けれど、映画で見るのと、こうやってそこを歩くのとはまったく違う体験だった。映像で切り取られた現実と、自分が身をおく現実は、いつもどこか違っている。

スラムの中でも貧富の差がかなりあるらしい。
映画館もあるし、テレビのアンテナもたくさん立っている。

Slum2_1
子供が寄ってくる。
この笑顔。子供らしい笑顔だ。
こんな笑顔の子供たちがいるなら、きっと、ここには未来がある。

以前、ある方の講演会で聞いたことを思い出した。その方が難民キャンプで働いていたとき、子供が顔に怪我をして、かなりの出血だったことがあったそうだ。

「そしたら、先輩がそれを見て、アーハッハハハって笑うんです。その子供の家族は、これからやせた土地へいって、開墾して暮らしていかなければならないんです。ものすごく大変な生活を送ることになるわけです。怪我なんて、笑い飛ばすくらいじゃないと生きていけません。大人が笑うと、子供もでへへっと笑います。怪我をしてかわいそうだという顔をしたら、子供はかわいそうな存在になります」

きっとそうだ。
スラムに住む人たちをかわいそうだと思えば、かわいそうな存在になってしまう。彼らは「お気の毒」な存在ではない。あたわったところで、精一杯生きていく人たちは、決してかわいそうではない。「かわいそう」と思うことで、彼らを「かわいそう」にしてしまうのではないか。

そう思ったとき、自分の中で、何かが動いた。
言葉にはまだできないのだが、確かに何かの手かがりが見えたような気がする。

Slum_map

この地域の衛星写真がUN-HABITATのオフィスの壁にはってあった。
私が宇宙関係だというと、「衛星写真はとても大事です。これのおかげで、いろいろなことがわかります」と言ってくださった。こんなところで、衛星の大切さをわかってくださる方に出会えるなんて。

しかし、その写真一枚が100万円とのこと。スラム支援にはあまりにも高い値段だ。

ケニアの学生衛星ができて、それが写真をとって、必要なデータを必要なだけ供給できるようになったらいいのに、などと夢想する。

小さなところからでも、きっと少しずつ善き未来はできていく、と信じよう。

|

« ケニアその9 | Main | カンサットワークショップ »

「旅行・地域」カテゴリの記事

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

Comments

はい、ぜひぜひぜひ、いってください!
今日、NHKの番組で、ケニアの象の番組をしていて、キリマンジャロも美しく写っていました。象には何組かの家族がいて、縄張り争いをして、小象誘拐事件まで起こるとか。。。あのゾウさんたちだったのかしら、などと思えるのは幸せなことです。

Posted by: Rei | 2007.02.19 at 12:35 AM

いつか、キリマンジャロを見てみたいです。

Posted by: Hiroshi Akatsuka | 2007.02.18 at 07:54 AM

エコ松様

報告書作業、ご苦労さまです。どうぞよろしくお願いいたします。このような写真でよろしければ、どうぞお使いください。(バカチョンのデジカメで撮ったものです)

Posted by: Rei | 2007.02.17 at 12:59 AM

レイさん、本当にお写真うまいですね。
「報告書」で使わせていただきます。
このブログから取れましたので、送付依頼は取り消します。
この土日で加工してみて、
もし何か支障があったら、ご連絡します。

Posted by: エコ松 | 2007.02.16 at 05:18 PM

赤塚様

たくさんコメントをありがとうございます!
機会があれば、アフリカにぜひおでかけくださいませ。

Posted by: Rei | 2007.02.15 at 12:58 PM

子供の笑顔がとてもいいですねw

Posted by: Hiroshi Akatsuka | 2007.02.15 at 06:33 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/6542/13889849

Listed below are links to weblogs that reference ケニアその10:

« ケニアその9 | Main | カンサットワークショップ »