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パエリアの夜

Paella
パエリアを作った。

UNISECの新旧学生理事の皆さんやOBの皆さんが、ミーティングのために集まってくれたので、拙宅で「ご接待」。おいしいものを囲んで話すと、いい結果が出るのはいつものこと。椅子が足りなかったので、事務所から持ってきてもらった。そうか、「最大収容人数」というのは、こうすれば簡単に突破できるらしい。

今週二回目のお食事会。
一週間に二回して、数名がかぶっているので、メニューはかぶらないように気を使う。

今回のメニューはこんな感じ。

豆もやしとわかめときゅうりの和え物
ポテトのざく切りサラダ
練り製品のサラダ
紅茶ブタとコンニャク
ササミの紫蘇チーズはさみフライ
カリスマ豆腐
パエリア

パエリアは、エビアレルギーの方がいらっしゃるので、エビなしで。
これは、作っている間じゅう、いいにおいがしているのが、また別のご馳走。
皆さん、喜んでくださって何より。

その後に用意していたパスタまでは到達せずにお茶とお菓子。

8人のお客様は、家が遠い順にぱらぱらとお帰りになる。

これから、UNISECはどんな方向へ行くのだろう。

「作って、打上げて、動かす」という基本をはずさず、地道にやっていくのが私はよいと思うけれど、そうでない考え方もあるだろう。

UNISECの創立から関わっているメンバーは、いまやマイノリティ。学生さんたちは、ほとんど入れ替わっている。2001年に筑波で行った最初のワークショップは、いまや神話。あのときに感じたエネルギーは、ますます大きくなっているように思う。

衛星を打上げたい大学の調査をしたら、20大学が手をあげるすごい時代になった。

新しい学生理事になって、また新しい時代が開かれていくのかもしれない。
「学生がUNISECの運営に関わるべきだ」と主張する新しい世代からは、「もっと学生に期待してください」という力強い言葉が出てくる。

学生が卒業して、UNISECのスタッフになるような道が開かれていくといい。
それには資金源が必要。ここは、夢を見る場ではない。現実の目標を達成していく場だ。

「宇宙?夢があっていいですね」という言葉に対して、ずっと居心地の悪さを感じてきた。甘い夢などない。ここにあるのは、建設的な現実。現実をひとつずつクリアしていく中で見えてくる新しい道。それを探しながら、丹念に織り上げていこう。そうして、いつか、「そうか、これを創っていたんだね」と言える日がくるといい。

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昭和史

こういう本をもっと早くに読みたかった。
中学生くらいのときに読んでいたら、どんなによかっただろう。
すぐ近くの歴史を、あまりにも知らなかった自分に気づいて、愕然とする。

半藤一利さんの「昭和史」。
1926年から1945年、つまり終戦の日までの歴史を、きわめて平易に解説してくださっている。
読み進むうちに、己のうちにもありそうな、「日本人のパターン」が見えてくる。

なぜにかくも「根拠のない自信」を持てるのか。
なぜ、状況を客観的にみないのか。
なぜ、世界の常識を学ばないのか。
勢いに流されてしまうのはなぜなのか。

歴史をきちんと学んで、同じような過ちを繰り返さぬようにしたい。そのためにはどうすればよいのか。

むすびの章が秀逸。
昭和史の二十年の教訓が実に簡潔に述べられている。
たいそう役立ちそうなので、書いておこう。

1)国民的熱狂を作ってはいけない。それに流されてはいけない。時の勢いに駆り立てられてはいけない。

2)最大の危機において、日本人は抽象的な観念論を好み、具体的な理性的な方法論を検討しようとしない。自分にとって望ましい目標をまず設定し、実に上手な作文で壮大な空中楼閣を描くのが得意。ものごとは自分の希望するように動くと考える。

→ 松浦晋也さんのブログの記事「夢の残骸」を読むと、最大の危機ではないけれど、ああこれかと思える。

3)日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害。小集団エリートが絶対的な権力を持ち、そのほかの部署でどんな貴重な情報を得てこようが、一切認めない。

4)国際社会のなかの日本の位置づけを客観的に把握していない。主観的思考による独善。

5)ことが起こったときに、対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想。その場その場のごまかし的な方策で処理する。時間的空間的な広い意味での大局観がまったくない、複眼的な考え方がない。


どこにも根拠がないのに、「だいじょうぶ、勝てる」を繰り返し、まずくいったときには「底知れぬ無責任」。

。。。とても歴史には思えない。現在の情況そのものではないか。

歴史はしっかり見なければ見えないというが、現在の情況もおなじこと。

しっかりと見よう。

この昭和史には続きがある。
戦後の昭和史を、これから学ぶ。

読みたい本が自由に読めることの幸せ、学べる喜びに感謝しつつ。

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新しい道

新しい道を創る。

口で言うのはたやすいが、実際にそうしていくのは大変なこと。

小型衛星という新しい世界を創ってきた方のお話をじっくり聞く幸運な機会を頂いた。

マーティン・スィーティング氏。 (敬称にSirがつく)
1950年生まれというから、今、50代の半ばというところか。

日本で歩いていて全く違和感のない、小柄な英国人だ。
スプートニク以来、大型化の一途をたどってきた人工衛星の世界で、80年代に誰も見向きもしなかった小型衛星の世界を切り開いてこられた。

Personal Pain (個人的な痛み)とSacrifice(犠牲) という言葉が、話の中によく出てきた。

開発途中の失敗や遅れは、感情面で大きな痛みを個人に与えると同時に、それを取り返すために物理的な痛みと犠牲を個人に強いる。時間も家族も趣味も、ほかのことすべてが「犠牲」となる。

そして何よりも、新しい道を歩もうとするとき、孤独に耐えなければならない。まわりじゅうが「バカなことをやっている」と言っても、自分は信じ続けなければならない。そして、その結果を引き受けなければならない。

だから、宇宙の世界で新しい道を進もうとする人には、「悪いことは言わないからやめておきなさい」とアドバイスするのだそうだが、ご本人はいまだにやる気満々。チャレンジ精神にあふれている。

次のターゲットは月らしい。
「宇宙探査のコストを下げるために」、小型衛星を使って月探査を行うのだそうだ。
「2010年にペネトレーターミッション、2013年には軟着陸」をするとのこと。

「朝8時から夜2時まで」仕事をするのを続けてきた彼は、もうすっかりそういう体になっているらしい。
食事は一日一食でOK、ベッドに入ったら30秒で熟睡できるワザを身につけ、そして競歩のごとくに早足で歩く。

世の中にはスゴイ方がいらっしゃるものだと思いつつ、いろいろと学ばせていただく。
私の場合は、おやつをいれると、一日5食くらい食べているので、ちょっと減らさねばと思ったりする。

ついでに手相も見せていただいた。こういうときにはたいそう役立つスキルである。どんな手相だったかは個人情報なので、言わないでおこう。

今、小型衛星よりもっと小さな超小型衛星の事業化を進めている。
優秀な学生さんたちが、優秀なエンジニアとなったときに、存分に力を発揮できる場を創りたい。

そう想いながらも、亀の歩みのごとくにのろのろとしている。
四方八方、高い壁に囲まれているように感じるときがよくある。

そんな中で、たくさんの勇気とヒントが頂けたのは、本当に嬉しく、ありがたいこと。

高い壁にはドアがついているかもしれないし、抜け穴があるかもしれない。押せば倒れるかもしれない。
東西ドイツの壁のように、ある日、壊されるかもしれない。

新しい道は、前向きに歩くに限る。

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