新しい道
新しい道を創る。
口で言うのはたやすいが、実際にそうしていくのは大変なこと。
小型衛星という新しい世界を創ってきた方のお話をじっくり聞く幸運な機会を頂いた。
マーティン・スィーティング氏。 (敬称にSirがつく)
1950年生まれというから、今、50代の半ばというところか。
日本で歩いていて全く違和感のない、小柄な英国人だ。
スプートニク以来、大型化の一途をたどってきた人工衛星の世界で、80年代に誰も見向きもしなかった小型衛星の世界を切り開いてこられた。
Personal Pain (個人的な痛み)とSacrifice(犠牲) という言葉が、話の中によく出てきた。
開発途中の失敗や遅れは、感情面で大きな痛みを個人に与えると同時に、それを取り返すために物理的な痛みと犠牲を個人に強いる。時間も家族も趣味も、ほかのことすべてが「犠牲」となる。
そして何よりも、新しい道を歩もうとするとき、孤独に耐えなければならない。まわりじゅうが「バカなことをやっている」と言っても、自分は信じ続けなければならない。そして、その結果を引き受けなければならない。
だから、宇宙の世界で新しい道を進もうとする人には、「悪いことは言わないからやめておきなさい」とアドバイスするのだそうだが、ご本人はいまだにやる気満々。チャレンジ精神にあふれている。
次のターゲットは月らしい。
「宇宙探査のコストを下げるために」、小型衛星を使って月探査を行うのだそうだ。
「2010年にペネトレーターミッション、2013年には軟着陸」をするとのこと。
「朝8時から夜2時まで」仕事をするのを続けてきた彼は、もうすっかりそういう体になっているらしい。
食事は一日一食でOK、ベッドに入ったら30秒で熟睡できるワザを身につけ、そして競歩のごとくに早足で歩く。
世の中にはスゴイ方がいらっしゃるものだと思いつつ、いろいろと学ばせていただく。
私の場合は、おやつをいれると、一日5食くらい食べているので、ちょっと減らさねばと思ったりする。
ついでに手相も見せていただいた。こういうときにはたいそう役立つスキルである。どんな手相だったかは個人情報なので、言わないでおこう。
今、小型衛星よりもっと小さな超小型衛星の事業化を進めている。
優秀な学生さんたちが、優秀なエンジニアとなったときに、存分に力を発揮できる場を創りたい。
そう想いながらも、亀の歩みのごとくにのろのろとしている。
四方八方、高い壁に囲まれているように感じるときがよくある。
そんな中で、たくさんの勇気とヒントが頂けたのは、本当に嬉しく、ありがたいこと。
高い壁にはドアがついているかもしれないし、抜け穴があるかもしれない。押せば倒れるかもしれない。
東西ドイツの壁のように、ある日、壊されるかもしれない。
新しい道は、前向きに歩くに限る。
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Comments
そう思ったときには、そのように歩いているんだそうです。よかったですねー。
Posted by: Rei Kawashima | 2007.06.03 11:22 PM
私も前向きに歩きたいです。
Posted by: Hiroshi Akatsuka | 2007.06.03 09:40 PM