« 新しい道 | Main | パエリアの夜 »

昭和史

こういう本をもっと早くに読みたかった。
中学生くらいのときに読んでいたら、どんなによかっただろう。
すぐ近くの歴史を、あまりにも知らなかった自分に気づいて、愕然とする。

半藤一利さんの「昭和史」。
1926年から1945年、つまり終戦の日までの歴史を、きわめて平易に解説してくださっている。
読み進むうちに、己のうちにもありそうな、「日本人のパターン」が見えてくる。

なぜにかくも「根拠のない自信」を持てるのか。
なぜ、状況を客観的にみないのか。
なぜ、世界の常識を学ばないのか。
勢いに流されてしまうのはなぜなのか。

歴史をきちんと学んで、同じような過ちを繰り返さぬようにしたい。そのためにはどうすればよいのか。

むすびの章が秀逸。
昭和史の二十年の教訓が実に簡潔に述べられている。
たいそう役立ちそうなので、書いておこう。

1)国民的熱狂を作ってはいけない。それに流されてはいけない。時の勢いに駆り立てられてはいけない。

2)最大の危機において、日本人は抽象的な観念論を好み、具体的な理性的な方法論を検討しようとしない。自分にとって望ましい目標をまず設定し、実に上手な作文で壮大な空中楼閣を描くのが得意。ものごとは自分の希望するように動くと考える。

→ 松浦晋也さんのブログの記事「夢の残骸」を読むと、最大の危機ではないけれど、ああこれかと思える。

3)日本型のタコツボ社会における小集団主義の弊害。小集団エリートが絶対的な権力を持ち、そのほかの部署でどんな貴重な情報を得てこようが、一切認めない。

4)国際社会のなかの日本の位置づけを客観的に把握していない。主観的思考による独善。

5)ことが起こったときに、対症療法的な、すぐに成果を求める短兵急な発想。その場その場のごまかし的な方策で処理する。時間的空間的な広い意味での大局観がまったくない、複眼的な考え方がない。


どこにも根拠がないのに、「だいじょうぶ、勝てる」を繰り返し、まずくいったときには「底知れぬ無責任」。

。。。とても歴史には思えない。現在の情況そのものではないか。

歴史はしっかり見なければ見えないというが、現在の情況もおなじこと。

しっかりと見よう。

この昭和史には続きがある。
戦後の昭和史を、これから学ぶ。

読みたい本が自由に読めることの幸せ、学べる喜びに感謝しつつ。

|

« 新しい道 | Main | パエリアの夜 »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

」カテゴリの記事

Comments

赤塚さん、
コメント、ありがとうございます。

エコ松さん
ぜひぜひ読んでくださいませ。

Posted by: Rei Kawashima | 2007.06.07 at 10:38 PM

半藤一利さんの歴史を見る目は確かです。

Posted by: Hiroshi Akatsuka | 2007.06.06 at 08:32 PM

持ってました。この方好きなので。
でも未読です。
次に読もうかな。

Posted by: エコ松 | 2007.06.06 at 04:35 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



« 新しい道 | Main | パエリアの夜 »