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夢の扉、再び

今年のUNISEC総会は日曜日だった。
もう第5回目。設立総会をいれると6回目。

当然雨だと思っていたが、雨は朝に少し降っただけだった。
200名もの参加をいただいた。その4分の1は東海大だというから、その巨大さに驚く。東海大は、今年は学生理事も出したし、衛星も始めるというし、ロケットは100キロ到達を目指すというし、相当に気合がはいっている様子。

総会はいつもどおり30分でささっと終了し、あとは活動報告会と大懇親会。

活動報告会は、講演と各団体の今年の目標やら、学生プロジェクトの採択結果など、盛りだくさん。

仕切りは新しい学生理事
「新人なので初々しい」と言いたいところだが、すでに貫禄ありで、余裕の運営。近頃の若い者は、度胸があってすばらしい。

講演では、3人の講演者が登壇。北大の永田先生、東大の中村さん、それに総務省の田野様。
新しい宇宙開発の道を切り拓こうとしている人たちと、できる限りサポートしようとする人たち。
それぞれの持ち場で最高のパフォーマンスができるといい。

永田先生には、打ち上げを間近に控えているカムイロケットの話をしていただいた。相変わらずのスリムさは、学生さんとあまり変わらない。毎日一キロ泳いでおられるとかで、ますます身が引き締まってこられたようだ。ちょっと見習わねば。

TBSのテレビ番組「夢の扉」の取材のため、製作ディレクターさんがカメラをかついで来られていた。カムイロケットは、一度登場したのだけれど、打ち上げ延期になったので、再登場するらしい。

ディレクターの柳瀬由紀子さんは、笑顔がくっきりと印象に残る素敵な女性。
昨年の打ち上げ延期のとき、感情移入してしまって、とても苦しい想いで、「泣きながら」編集されたそうだ。

「宇宙戦艦ヤマト」世代なので、永田先生や植松さんとはヤマトの話で盛り上がったとのこと。
今年の打ち上げがうまくいくことを、心の底から祈っておられるのが伝わってくる。

メディアの方がそんなふうに思ってくださるのは、きっと永田先生や植松さんや、関わっている学生さんや植松電機の社員の方々の熱意が伝わっているからだと思うけれど、「青空に向かって飛んでいくもの」を、人間という生き物は好きなのではないのだろうかと思ったりもする。

以前、スペースシャトルの打ち上げを見に行ったとき、「感動しました」といったら、「Why?」と聞かれ絶句したことを覚えている。感動したから感動したのであって、理由など必要ない、とそのとき思ったのであった

永田先生のご講演の中で印象的だったのは、失敗を重ねる中で、元に戻ってやりなおそうとしたとき、2年前にできていたことができなくなっていて、愕然としたというところだった。大学の技術開発の難しさが凝縮されている。学生がどんどん入れ替わってしまう中で、技術伝承は難しい。

これは、各大学の共通の悩みであるが、ここで、永田先生は決心する。大学じゃなくて、会社として技術開発をしたい、と。そして、自分は経営はできないから、植松さんに泣きついた・・・。

そうしてできたのが、カムイスペースワークス、なのだそうだ。

こうしたいと思っても、永田先生お一人では、決してできなかったこと。
植松さんがいたから、できたこと。

この二人のコンビが巻き起こすことは、たぶん外からはメカニズムが見えにくい。一人ではありえないことが、二人なのでスイスイといっている・・・それ以上のケミカルが働いているのだろうけれど、それが何かはおそらくご本人たちにもわかっていないだろう。

この先に何があるのかわからないけれど、時の流れの中で、すべては通過点。どのようになろうとも、それは通過点なのだから、かまわない。大きな分岐点であろうと、ただの通過点であろうと、過ぎてしまえば、過去。だからこそ、ひとつひとつ、一歩一歩を大切にしたいもの。その通過点には二度と戻れない。

そのときそのとき、精一杯考えて、決めたことなら、そこから未来は開けていく、と思う。

その後の発表を聞いていると、「精一杯やっている」活動がひしめいていて、ちょっとゾクゾクした。こんなに意欲が高い優秀な若い人たちが全国各地にいて、それぞれにがんばっているというのが、信じがたいくらいだ。

北大の混沌系研究室の学生代表の松島さんの発表が傑作だった。
「北大といえば、カムイと思われがちですが、僕たちは衛星をやっています。北大はロケットだけじゃないんです!それを言いたくて北海道から来ました」

彼らは、カムイロケットに関わっている学生さんと同じ北大生。
北海道工業大学といっしょに衛星を作っている。
もう、一機目(HITSAT)は宇宙へ行っている。

けれど、「夢の扉」の取材は彼らのところには来ない。

So What?

真実はいつもシンプルだ。
注目されようがされるまいが、己の信じることをやりぬくと、最高の充足感を得られる。
どんなに注目されてももてはやされても、自分のハートからずれていると、空しさだけが残る。

人の評価でなく、自分の中心にあるハートの部分で感じることを大切にしたい。

カムイロケットの中心にある価値はなんだろう。

打ち上げに向けての調整をしつつ、関係者のハートも、同じベクトルを向き始めるのだろう。

そして、関係者全員のハートが一点に集まる瞬間が来る。

8月4日早朝。
お天気がよいことを祈ろう。


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レイランドに法律家

台風が接近して大雨だった土曜日、レイランド開店。

本日のお客様は、法律関係の方々。

クラスターローンチのロケットはまだ見つかっていないが、実行することになれば、お金のやりとりが発生するので、契約書が必要になる。契約書を作るには、その根本の考え方をしっかりさせないといけない。

というわけで、弁護士の卵様やら、中央省庁のエリートの卵様(すでに孵化しているかも)やら、商法の世界では有名なK先生など、豪華メンバーにお集まりいただいた。ミーティングは大学でみっちりとして、その後、雨の中を歩いていらしていただいた。こんなに法律関係の方がお越しになるなど、初めてのこと。

たたき台を作ってくださったのは、その昔、UNISECの前身であるUNISAT時代に、初めての板倉コンペ(カンサットのカムバックコンペ:2002年)のときにお世話になったロケットボーイズのメンバーの一人。当時は学生だったけれど、今は弁護士の卵様。びしっとスーツで登場された。

(私は台風用に長靴で登場。もっとちゃんとしてくればよかった。。。ボロは着てても心は錦、といつもの呪文を唱える)

あのときから5年。
あのころ、たくさん宇宙関係の団体が出来たのだった。UNISECもできたし、HASTICもできたし、学生団体もたくさんできた。法律関係の皆さんは、SDFというところで大活躍をされていた。

5年の間に、いろんなことがあった。
たくさんの出逢いがあり、卒業されていく方々との別れがあり、再会があり・・・。 
大学が宇宙開発のプレイヤーになるなんて、誰も思わなかった時代があったことなど、今の学生さんたちは知らないだろう。

卒業生がUNISECの会員になって、サポートする側に回ってくれているのを見るのは、嬉しいことだ。そうして、若い人たちは何と早く成長するのだろう。たくさんの悩みや喜びを経て、どんどん大きくなっていってほしい。

いつも応援している。
私のこのスタンスは、たぶんずっと変わらないと思う。

人生は自分で切り開くしかない。誰かがかわりに生きてくれるということはありえない。けれど、応援してくれる人たちがいるだけで、どれほど救われることか。応援しあう仲間がいるだけで、どれほど勇気づけられることか。

多くの人たちに、そんなすばらしい出逢いを持ってもらえれば、と思う。

本日のメニュー

(まずはビールで乾杯!)

スモークサーモンのマリネ
生春巻き(チキンのタイ風サラダ、春雨ときゅうりのサラダ、エビ、しその葉、水菜、レタスなどを好きにはさんで)
紅茶ブタとコンニャクの辛子醤油
ビーフのガーリック酢漬け
ニラ豆腐

ここで、元SDFの皆さんは後輩の就職祝いとやらで退場。
これからがいいところなのに、残念。
先に肉じゃがを出してあげればよかったとちょっと後悔。ゆっくり煮たので、味はきっとしみこんでいるはず。先に言ってくだされば、先に出したのに。。。

残った4人で、お酒を変えて、深い話に入っていく。すべてオフレコ。

(ここから日本酒でしっとりと)

カリスマ豆腐
肉じゃが
枝豆入りさつま揚げ
蒸し鶏のゴマソース
白いごはん
おつけもの
梅干
日本茶(谷中の茎茶)

(さらに赤ワインで盛り上がる)

チーズとクラッカー


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夏のカムイロケット

カムイロケットが、8月4日早朝に打ちあがるとの連絡をいただいた。

HASTICの伊藤先生からのご連絡だが、カムイスペースワークスブログでは、カムイロケット開発者の永田先生じきじきのコメントが読める。日経BPにも紹介されている。

今度は高度10キロメートルをねらっていて、初めての洋上回収だそうだ。

カムイロケットが衛星の軌道投入をできるようになったら、世界は変わる。少なくとも、大学の衛星開発は大きく変わる。好きなときに好きなところに打ち上げができるようになれば、超小型衛星が打ち上げの主体になれる。もしコストがそれほど高くなければ、海外から学生たちがキューブサットを抱えて千歳空港に降り立つことになるだろう。

そうはいっても、宇宙は遠い。突破しなければならない壁がたくさんある。衛星打ち上げに使うには、軌道投入ができなければならないが、その前に、解決すべき技術的課題がたくさんある。そんなに簡単なことではない。

けれど、それにチャレンジしようという人たちがいる。
そのことだけでも、すばらしいことではないだろうか。

本番の打ち上げに向けて、それはそれはたくさんの努力がなされていることと思う。
たくさんの人たちの想いと献身的な努力が、実を結びますようにと祈らずにはいられない。

そして、大きなプレッシャーを背負いながら、それをプレジャーに変えてしまう永田先生の強さに拍手を送りたい。宇宙開発技術者は、プレッシャーをプレジャーに変えるコンバーターを心の中に創っていく必要がありそうだ。

「夏のカムイロケット」が、今度は実現しそうだ。

打ち上げ成功を、心よりお祈り申し上げます。

===
HASTICのホームページは、最新ニュース以外は消されていってしまう仕組みのようなので、ここにそのまま転載しておく。

HASTIC TOP NEWS  (2007.7.12)
気象観測用ロケットCAMUI 打上げ実験のお知らせ

 異常燃焼の頻発により平成18年3月と7月に相次いで実施見送りとなった実用気象観測用小型ロケット「CAMUI型ハイブリッドロケット」の打上げ実験を、8月4日早朝、北海道大樹町で実施します。この打上げ実験は、平成16、17年度経済産業省「地域新生コンソーシアム研究開発事業」に採択された「ハイブリッドロケットによる成層圏観測、微小重力環境提供事業の創出」プロジェクトで開発された無火薬式小型ロケット「CAMUIロケット」の打上げ環境におけるエンジン作動実証実験と超音速飛行環境における詳細な飛行履歴の取得を目的として、到達高度10 km規模で実施するものです。
 実験場所までのアクセスは狭い未舗装路のみで、駐車スペース(15台)も限られています。実験に支障が生じないよう、取材頂く場合には必ず申込書により事前に取材申込みを頂けますようお願い申し上げます。一般の方の見学も可とします。


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還暦祝い

日曜の午後、新丸ビルの6階にある高級タイ料理屋さんへ。
最近は、電車にも乗らない生活をしているので、日曜の午後に、華やかな都心に出かけるなんて、ちょっと心が浮き立つ気分。東京駅も丸の内のあたりも、すっかり様子がかわってしまって、きれいになっている。

根津くらぶの山田先生の「還暦祝い」。

お顔も身のこなしも若々しくて、まったく還暦のようには見えないのだけれど、戸籍上の年齢はそういうことらしい。
100人くらいの人が集まって、盛大なお祝い会。料理教室の生徒さんも多数参加。

日本料理の根津くらぶの先生が、なぜタイレストランでお祝い会をするのか。
先生は、本格派の日本料理店をタイにオープンするのに協力されておられる。なんでも、タイでは、日本料理が人気らしい。その関係で、このお店とはご縁があるそうだ。

パーティは2時から4時まで。
東京駅を眼下に見下ろすロケーション。

高級そうなお召し物に身を包んだ方々が続々と到着。
そして、すばらしくおいしいタイ料理が並べられている。タイ料理も大好きなので、嬉しい。

おいしい料理と楽しいおしゃべりだけで十分に楽しいのだけれど、特別ゲストが何気なくいらしていた。

Mikky
ミッキー・カーチスさんとそのお弟子さんでミッキー・せんべいさん。
素敵な演奏を聞かせてくださった。
カーチスさんはハーモニカ、せんべいさんは津軽三味線。

ミッキーカーチスさんは、「今、69歳。ロックです」などと軽くおっしゃる。若い人は、彼が誰なのか知らないらしいけれど、知っていようといまいと、その場でノリノリの演奏ができるのは、やっぱりすごい。

最後に、還暦を迎える六本木のおすし屋さんや数名の方々に、バラの花束が贈られた。色はもちろん真紅。

Parents
そして、先生のご両親への感謝の言葉。
還暦を迎えて、ご両親が健在という幸せな人はあまり多くないだろう。
先生のご両親は、とても若々しかった。

幸せな場に招いていただいて、幸せな時間を分けていただいて、感謝。

パーティが終わってから、料理教室で知り合った方々といっしょに二次会へ。
「お茶でも」のつもりだったが、彼女たちは、建築業界関係者。
当然のように、「ビールでも」になっている。

そのせいかどうなのか、アルコール消費量が尋常ではない。お祝い会で、しこたま飲んだと思うのに、二次会でもビールを5杯は飲んでいる。グラスは決して小さくない。

午後4時過ぎから9時過ぎまで、楽しいおしゃべり。
日ごろ、こんなふうにおしゃべりする機会はめったにないので、とても楽しかった。

「根津くらぶ」が作ってくれる友達の輪。
大切にしたい。

誰もが幸せになろうと一生懸命生きている。
幸せになるのは、たぶん、そんなに難しくない。

誰かに幸せをもらおうとすると、幸せは来ない。
自分が幸せを作るんだと決めたときから、
自分は今幸せになるんだと決めたときから、人は幸せになる。

そんな気がする。


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渇すれども・・・

月に一度、書道を習っている。

墨をすり、筆を持ち、背筋を伸ばして半紙に向かうことが、こんなにも楽しく心落ち着くことだとは、子供のころは知らなかった。

大人になって、わかることがたくさんある。
その年代にならなければ見えないこともたくさんある。

最近は、パソコンばかりで、字を書くことはあまりないし、あったとしても横書きばかり。
縦書きのかな文字は美しい。
下手は下手なりに、その美しさの一端をかいまみては嘆息する。
こういう時間を持てることが、どれほど幸せなことかを知っている自分を見つけて、嬉しくなる。

本日の初級のお手本。

やる気になれば 何でもできる

何か一つ今すぐやりはじめてみよう

もう少しお上手な方のお手本

渇すれども、盗泉の水は飲まず

暑けれども、悪木の陰に息わず(いこわず)

    陸機の言

なんというタイムリーな言葉だろう。
どちらも、今、私が一番必要としている言葉かもしれない。

そうだ、盗泉の水は飲むまい、悪木の下では休むまい。
そして、何かを始めよう。

。。。しかし、問題は、盗泉の水なのかどうなのか、悪木なのか良木なのか、見分けるには能力がいるということだ。水は水だし、木は木だ。よいものなのかどうなのか、判断する力が必要だ。

その判断力、目利きの力が、自分にあるだろうか。

眼力のなさを補うのは、たぶん、コミュニケーション力。
少しでも変だと思ったら、聞いてみる勇気。

そのうち、霧は晴れてくる。
霧が晴れたあとの景色が美しいとは限らないけれど、前へ進むには、晴れたほうがいい。

よき水を飲み、よき木陰で休み、清清しい心で、十分に英気を養って、大きく前進したいものである。

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クラスターローンチ

打ち上げロケットを探している。
来年打ちあがる予定のH2Aのピギーバックに選ばれなかった衛星たち。光と影は、いつもどこでもあるらしい。

クラスターローンチ(いくつかの衛星をいっしょにして打上げること)にして、どこか海外のロケットであげてもらえればいい、などと甘く考えていた。

しかし、ロケットが見つからない。
見つからないというのは本当ではなく、見つかっているのだが、値段が折り合わないのである。

ちょうどよい時期に見つかったのはよいけれど、「60万ユーロ」っていくらだっけ。。。

電卓をたたいて、ゼロの数を数えてひっくり返る。

「い、一億円、、、」

宝くじでもあたらねば、とても打ち上げは無理。10個いっしょに打上げたとしても、キューブサット一個の打ち上げ費用だけで1千万円。大学の研究室で出せる額ではない。

最近、ロシアはたいそう強気で、値段をどんどんあげてきている。しかも円がこんなに弱いときている。

日本のロケットがもっと充実していれば、と思ってしまう。
日本語で作業ができて、輸出手続きをしなくていいというだけでも、日本の衛星を日本で打上げる価値は高い。何よりも、ノウハウがどんどんたまっていく。

衛星の鍵は、ロケットだ。
どんなに衛星をがんばって安く作っても、打ち上げ費でひっくり返ってしまう。

しかし、20もの大学が、衛星を打上げたいと切望しているのであるから、ここはなんとしてもロケットを探さねばなるまい。

というわけで、ロケットを探している。探せなければ打ち上げはない。打ち上げがなければ、作ったものはいつまでも衛星になれない。

さて、ここからは、議論の分かれるところだろう。某新聞の方にも電話でいろいろ聞かれたけれど、そのときにははっきりと言えなかった。

しかし、この状況にあっては、やはり大きな声で言おう。

2000億円もある宇宙予算のうち、0.1%くらい、大学生の宇宙開発支援に使ってもらえないものだろうか。たった0.1%の予算で、どれくらいすばらしいことができることだろう。

H2Aに載せていただけることになったのは、すばらしい。しかし、先日のパリのエアショーだけで30数本の受注があった(数字は又聞きなので、要確認)というアリアン(400億円もするのだが)などと違って、H2Aは打ち上げ自体が少ない。情報収集衛星には載せてもらえないから、次はいったいいつになるのかわからない。そうこうしているうちに、学生さんたちは卒業してしまう。

H2A搭載が可能であろうとなかろうと、1億円で打ち上げスロットを毎年確保したい。

MHI(H2Aの製作会社)が打上げてくれるのであれば、1億円をMHIに支払う。今後、GXが打ちあがるのであれば、GXに支払ってもよい。新しい固体ロケットがあるのであれば、そこに支払ってもいい。(安定打ち上げができるようになるまでは、リスクが大きいので無料にしていただきたいが)

それだけで、学生さんたちの頑張り具合がどれほど違うことか。
がんばれば打上げてもらえると思うだけで、どれほど力が入ることだろう。
そうして、打ち上げることに無上の喜びを感じる人が多く関わることで、ロケット開発側にも、どれほど目に見えない力を与えることか。

学生の宇宙開発は、試行錯誤が可能で、しかも手が多い。
大学ごとに違うやり方でやってみることが可能。
技術革新をどんどんやれる環境が、宇宙開発の世界にも必要だ。コストが高い世界なので、プロの世界ではなかなかやりにくいけれど、学生の世界ではどんどんやれる。

残りの1億円で、衛星開発やロケット開発ができるポスドククラスの優秀な人材を雇用し、彼らが思い切り仕事ができる場を創る。プロのエンジニアスタッフが10人いれば、相当なことができる。ここでは、ペーパーワークは極力少なくして、実際の開発作業にあたってもらう。彼らがプロマネになって、学生たちをひっぱっていけば、相当に大きなプロジェクトもできるだろう。

そんな世界が作れないものだろうか。

たった0.1%の投資で、人材は育ち(根性と実力のあるエンジニアになっているはず)、革新的な技術開発が安価にでき、宇宙開発に興味を持つ人たちが、指数関数的に増えていくのである。真剣に打ち込む家族や友人を見て、「何がそんなに嬉しいの」と思う人たちが増えていくのはまちがいない。自分の息子や娘や兄弟姉妹がやっていれば、ちょっと応援してやろうかという気にもなるだろう。

現在、UNISECの予算は、年間で1000万円程度。そのうち、宇宙予算から頂いているのは800万円程度。これで、400人以上いる学生さんたちの活動をサポートし、事務局を運営しているのである。人件費もそこから出しているのである。そして、驚くほどの成果をあげている。そのことは、誇ってよいことだけれど、いかんせん、打ち上げには費用がかかる。

みんなが手弁当でがんばってできるところと、そうでないところがある。

衛星の軌道投入に関しては、そうでない。学生さんたちがバイト代を集めても、1億円集めるのは難しいだろう。

宇宙予算の0.1%を、次世代の教育に使わせていただきたい。

夢を夢みるのでなく、夢を現実にすることを堅実にやっていける若い人たちを、社会はどれほど必要としていることか。そうやって育った人たちは、すぐに社会の中堅となって、世の中に貢献していくのである。

これほど費用対効果の高い投資を私は知らない。

こういったことを、誰に言えばよいのかわからないので、とりあえず、このブログに書いておく。

いつかこういう世界が出現したとき、ニヤリとする日を楽しみに、日々精進していこう。

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