渇すれども・・・
月に一度、書道を習っている。
墨をすり、筆を持ち、背筋を伸ばして半紙に向かうことが、こんなにも楽しく心落ち着くことだとは、子供のころは知らなかった。
大人になって、わかることがたくさんある。
その年代にならなければ見えないこともたくさんある。
最近は、パソコンばかりで、字を書くことはあまりないし、あったとしても横書きばかり。
縦書きのかな文字は美しい。
下手は下手なりに、その美しさの一端をかいまみては嘆息する。
こういう時間を持てることが、どれほど幸せなことかを知っている自分を見つけて、嬉しくなる。
本日の初級のお手本。
やる気になれば 何でもできる何か一つ今すぐやりはじめてみよう
もう少しお上手な方のお手本
渇すれども、盗泉の水は飲まず暑けれども、悪木の陰に息わず(いこわず)
陸機の言
なんというタイムリーな言葉だろう。
どちらも、今、私が一番必要としている言葉かもしれない。
そうだ、盗泉の水は飲むまい、悪木の下では休むまい。
そして、何かを始めよう。
。。。しかし、問題は、盗泉の水なのかどうなのか、悪木なのか良木なのか、見分けるには能力がいるということだ。水は水だし、木は木だ。よいものなのかどうなのか、判断する力が必要だ。
その判断力、目利きの力が、自分にあるだろうか。
眼力のなさを補うのは、たぶん、コミュニケーション力。
少しでも変だと思ったら、聞いてみる勇気。
そのうち、霧は晴れてくる。
霧が晴れたあとの景色が美しいとは限らないけれど、前へ進むには、晴れたほうがいい。
よき水を飲み、よき木陰で休み、清清しい心で、十分に英気を養って、大きく前進したいものである。
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Comments
コメントありがとうございます。
眼力と判断力ももちろんですが、それを受け入れる勇気、のようなものも必要かな、と思う今日このごろです。人は、見たいものを見、聞きたいものを聞くところがあるみたいです。。。
Posted by: Rei | 2007.07.06 06:58 PM
「渇すれども、盗泉の水は飲まず
暑けれども、悪木の陰に息わず(いこわず)」
何て見事に、昨今の社会の有り様を映し出した表現でしょうか!!
清泉や良木を装った輩のなんと多い事か?
この世の中を少しでも良識ある世界に変えていくには、真実を見る眼力と見識ある判断力が必要なのですね。霧が晴れた後に、一服のオアシスが広がれば、人は希望を持って頑張れるかもしれませんね。
Posted by: Kawasan | 2007.07.06 03:11 AM