ロケット職人の夢
カムイロケットの開発物語がテレビで放映された。
TBS系の「夢の扉」ではなくて、日テレ系の番組だ。
NNNドキュメント「宇宙に1番近い町工場 ロケット職人の夢」。
「町工場」という言葉とか「ロケット職人」という言葉に、ちょっと違和感を感じながら見たが、STV(札幌のテレビ局)のスタッフが、そうとうに丹念に取材をしたんだろうなーというところが、随所に見られてよかった。
8月4日の打ち上げの瞬間を、ちょっと高いところから撮影しているのが、とてもいい。なるほど、この絵が撮りたかったのだなーと納得。この目線感覚はプロならではのもの。
植松電機の社員、鈴木さんがクローズアップされて取材されている。
アメリカ出張の場面も出てくる。ということは、アメリカまでくっついていって取材したのだろう。アメリカで、ロケットは大人気。子供に取り囲まれて、日本語でサインをしている場面が、なかなかいい感じに撮れている。
鈴木さんは、先日、いろいろおしゃべりしたので、こうしてテレビで拝見するのは不思議な感じ。
8月半ばに安中さん・五十地さんと3人で、JAXAさんのコズミックカレッジリーダー養成講座に参加のため、上京された際、拙宅にてご接待。いろいろお話が聞けて楽しかった。
夜は、早い時間には体が液体しか受け付けないという特異体質(?)の鈴木さん。ビールは受け付けてもらえた様子。
まだ26歳の若さだが、19歳のときから、植松社長(植松さんのお父様)に鍛えられていて、経験は十分。根性も十分。それに、4人のお子さんのパパ。お子さんの名前が、ロケットにかかわりはじめたころから、宇宙っぽくなっているのが楽しい。「星(あかり)ちゃん」など、ちょっと素敵すぎる命名。
元、ラーメン屋さんだったというのだが、どこにいても、できる人はできる。まかされる人はまかされる。そして、そういう人がいなくなったら、店はつぶれたりもする。
ラーメン屋では、先輩は決して調味料の割合など教えてくれない。どうやって覚えたかというと、もとの量をはかっておいて、使ったあとの量を調べて、ひとつひとつ自分のものにしていったという。そして、半年で、すべての仕事をマスターした。
植松電機に入社できたのは、専務と誕生日が同じだったから、と笑う。
8月17日生まれ。「わー、いいな」と読める。
もちろん、冗談だろうけれど、何が人生を決めるかはわからない。
資材の調達や管理は、ラーメン屋さんのときの経験が生きているという。
「ラーメン屋とおんなじなんですよー。在庫チェックして、必要なものを注文して・・・」と屈託がない。
「神様はいると思いますか?」という質問に対して
「いると思う」と力強い答え。
でも、その理由がふるっている。
「仕事でうまくいって、家に帰ったら、家が大変なことになっているんですよ。だから、神様はいると思う」
8月4日のカムイロケットの打ち上げが終わって、帰宅したら、お子さんがおたふくかぜ。疲れたといっている間もなく、すぐ車で病院へ。寝たくても寝られない。幼い子が4人もいれば、次々といろいろなことが起こるだろう。
けれど、それをマイナスに考えないところがいい。
植松電機の方々は、特別な人でなく、普通の人だという。
本当にそうなんだろうか。
もしかしたらそうではなくて、「それをするために必要な人たちが、何かの力で集められた」、のかもしれない。
そう思えるようなグループが、あちこちにできていったとき、すばらしいことが起こる、と思う。
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Comments
再放送が8日24時30分からあるようです。(ただし、CS放送みたいですが)http://www.ntv.co.jp/document/
CSが見られるようでしたら、ぜひどうぞ。
Posted by: Rei Kawashima | 2007.09.03 10:04 PM
うーん、観てみたかったです。
Posted by: 赤塚 洋 | 2007.09.03 09:57 PM