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異星の踏査

「異星の踏査」というスゴイ名前の展示が、東大の博物館で行われている。秋田大の某先生のお勧めに従って、行ってみた。(「異星の探査」と思っていて、失礼いたしました。ご指摘くださった方、ありがとうございます。)

ちょっと見てきたのだが、これはなかなかお勧めである。
「アポロからはやぶさへ」というキャッチフレーズの意味はよくわからないのだが、要するに、人類が他の星へいって探査しているのだということらしい。小さな空間にぎっしりとエッセンスがつまっている。これで無料なのだから、お得感は最大級。大学の博物館、恐るべし、といったところか。

ロケットや火星の映像をまず楽しむ。よく見ているものなのだが、こういうふうにしつらえてあると、ちょっといい感じに思える。「月の石」の展示もある。

月面探査機かと思う車がおいてあって、よく見ようと思ったら、「セコム」と書いてある。見学者が中に入らないように監視するためのものらしい。すぐにボランティアのやさしそうな女性が飛んできて、「すみません、中にお入りになれないんですよ」と申し訳なさそうにおっしゃる。

このあたりはまだまだ前座。はやぶさの展示があって、それから、目玉は「彗星の塵」。スターダスト探査機が取ってきたものなのだそうだ。

しかし、、、ガラスケースにおさまっているのは、白いケシゴムに恐ろしく細いガラス管が3本ささっているもの。まったく、塵など見えない。小さすぎて肉眼では見えないらしい。「なーんだ」と思うのは早計で、ちゃんと顕微鏡(?)で見ることができる。

画面にうつった「彗星の塵」は、なんだか虹色にきらきらとして、とてもきれいだった。「結晶体」になっていると書いてあったが、そのせいなのか、「塵」と呼んではいけないような輝きを持っている。

いっしょに行った方々と、精神的な満腹感を共有しつつ、感想を述べあう。これも楽しい時間。

「異星の踏査」以外の通常展示物もせっかくなので見る。
植物の進化の展示でちょっとインスピレーションをいただいた。

Adaptive Radiation(適応放散)とConvergence(収斂)。

キク科トウヒレン属の植物は、環境に適応して、どんどん形が変わっていく。ルーツは同じでも、それぞれの環境に適応して、まったく違う植物になっていく。多様化の方向。

一方、水生植物の場合、ルーツが違っていても、水の中で生きやすいように同じような形になっていく。もともとは全く違うものなのに、見たところは似たものになる。収斂の方向。

いかに環境が生物に影響をおよぼすか、というところは驚くべきであるが、これを人間社会にあてはめて考えると、ちょっとぞっとする。

健全な社会では、多様化の方向が許されるし、歓迎されると思う。

UNISECは、それぞれの地方で、それぞれの強みを生かして、それぞれの大学が独自にやっていくという方向で始まった。当初から多様化の方向を目指している。

環境が厳しいとき、生き抜くために収斂の方向に行くのはいい。けれど、通常の状態で、収斂の方向にいくとしたら、そこに明るい未来を見つけるのは難しい。ひとりひとりが持っている力が発揮できないような状況になっているということだからだ。

熱帯雨林のように、多様な植物が繁茂して、全体として豊かな森になっていればいい。

流れに沿って泳ぐのは、「死んだ魚だけ」。
懸命に泳ぐ人たちを応援したい。そして、それは自分自身が同じように懸命に泳ぐことによってのみ、可能なのだということを肝に銘じたい。


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Comments

ありがとうございます!
さっそく訂正いたしました。
ぜひ、いらしてくださいませ。

Posted by: Rei Kawashima | 2007.10.30 at 04:43 PM

つまらないツッコミですが「異星の探査」ではなく「異星の踏査」のようです。

誤:探査
正:踏査

それにしても面白そうな展示の紹介ありがとうございます。期間中に行けたら是非観に行きたいと思います。

Posted by: GNUE(鵺) | 2007.10.30 at 12:48 AM

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