北九州の鳳龍
北九州へ。
九州工業大学に呼んでいただき、学生さんたちと楽しい時間を持った。
噂に聞く「黒い飛行機」スターフライヤーを利用。羽田空港のはじっこにカウンターがある。ゲートが「1」番。
椅子は黒の革張り、客室乗務員は黒のスーツ。びしっときまっている。コーヒーサービスはタリーズのコーヒーだそうだが、カップも黒。こころなしか、カップが小さめ。
椅子に埋め込まれた画面で、ビデオを見る。
なぜ雷が発生するかという、科学番組。雷の原因は宇宙線だということを知って、ちょっと感動。行きの飛行機でこんなおもしろい番組を見られるなんて、ラッキー。
1時間40分の空の旅はあっというまに終わり、ふと気づくと、海。
晴天のときの海は、文句なしに美しい。
空港からはバス。バスからの景色がまた、文句なく美しい。
紅葉もなかなかいい感じで、行楽気分。いやいや、今日はこれから講演。
小倉駅でお昼を食べてから、JRで移動。九大の平山先生に駅でばったり、と思いきや、我々の「講演」を聞きにいらしたとのこと。九大から学生さんも来られるとのこと。
九工大前駅という名前の駅があって、そこでおりる。いい感じの商店街をぬけると、すぐに門があった。
学生さんが迎えにきてくださっていて、道案内をしてくださる。なんと親切な方々。
向った先は、図書館。
ここに広めの講義室のようなものがあって、そこが会場。
会場の入り口で、アマチュア無線家の方に会う。大学衛星の世界では有名な方。衛星からのデータをとってくださる方々が、日本全国のあちこちにいらっしゃる。リアルにお目にかかる機会はあまりないので、実際にお会いするのは楽しい。
今回の講演は、超小型衛星に取り組んでいる学生さんたちを「チアアップ」してほしいとのこと。
そうはいっても、皆さん、技術的なことを聞きたいに違いない。
技術的な質問に答えられる自信は皆無なので、キューブサットを二機も打上げ、今は超小型衛星事業化プロジェクトに取り組んでいる中村友哉さんをいっしょに呼んでいただくことに。私の読みはピタリとあたり、中村さんは講演とその後の学生さんとの懇談会、さらにはその後の懇親会にて、大活躍。
九工大が開発している衛星は「鳳龍」というスゴイ名前。中華料理屋さんかと思ったが、大学のマークがこれなのだという。
ということは、東大だったら銀杏衛星、北大だったらエンレイソウ衛星ということか。
それはさておき、鳳龍は、まだBBMも完成しておらず、麗しいイメージ図も作ってもらえていないが、モックアップはできている。「宇宙用材料暴露試験」を超小型衛星でやろうとしておられる。宇宙用材料をむき出しにしておいて、その変化をカメラで撮影するのだそうだ。技術的には相当にチャレンジングなミッション。
2009年が開学100周年の年だそうなので、2009年に打ち上げたら、すてきな記念事業になりそうだ。
九工大には、「宇宙環境技術研究センター」というすばらしい設備が整っている。
どれくらいすばらしいかというと、日本の宇宙機関の方までが、この施設を借りて実験をするのだそうだ。
おみやげに、「キューブサット物語」と「上がれ!空き缶衛星」を寄贈させていただいた。
また、キューブサットで撮影した写真を使ってデザインしたTシャツも寄贈。
プロマネとサブプロマネの二人がさっそく着てくださった。
頼まなくてもちゃんとポーズをとってくれるあたりがなんともいい。
今回、我々を呼んでくださったのは、趙先生。
10数年前に国際宇宙大学で学んでいたとき、お世話になった方だ。
そのときと何も変わっていないように見えるのだけれど、責任の重さは当時とは比べ物にならないだろう。
夜は楽しい懇親会。
小倉の夜には、九大の方々もご参加いただき、四方山話に花が咲く。
いつのまにか、日本のあちこちで、「衛星開発」だの「ロケット開発」だのが、行われるようになっている。
少し前には信じられなかった世界が、今、広がりつつある。
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