鴨ネギの夜

鴨が葱をしょってきた。

いや、正しくは、富山のシェフが鴨を捕獲して、東京の根津くらぶにて鴨料理の会を開いてくださった。

Matsubara
このシェフ、富山の「清水亭」の松原隆一さんとおっしゃる。

鴨料理が楽しめるのは、鴨の捕獲が解禁となる秋から冬にかけてだけだそうだ。
網で捕獲する伝統技術があるそうで、銃で撃たれた鴨よりも、ずっとまろやかな味になるらしい。
どうやって捕獲するか、捕獲してどうするかなど、熱弁をふるってくださる。
こんなに情熱をこめて料理されたら、鴨も本望かもしれない。

Etsuko
この会の主催は、根津くらぶの山田悦子先生。
お料理教室もしておられるので、この日20人限定で集まったお客さんは、ほとんどがお料理教室関係者。
料理を習ってよかったと思うのは、ひとつひとつの料理がこんなにも手をかけられているのだということがよくわかったこと。その手間を知っていると、お料理はいっそうおいしく感じられる。

Sakizuke
鴨料理の前に、先付。
すでに美しく盛られて、私たちを待っていてくれた。
見ているだけで嬉しくなるようなお料理。
これはお正月風。もちろん、すべてが絶妙の味。
「自家製からすみ」(写真右端)など、思わずうなってしまった。。。

Sashimi
引き続いて、寒ブリの刺身。
うーむ、さすがにおいしい。
富山はお魚がすばらしくおいしく、さらに種類が多いところなのだそうだ。
鴨に行く前に、胃袋は満足してしまいそう。
これはすばらしくおいしいが、前座なのだと胃袋に言い聞かせる。これからが本番なのだ。

Kamo

そして、出てきた鴨。
塩とわさびと辛子大根が薬味としてついてきた。
とてもきれいな肉。
食べるのが待ちきれない。

Kamoyaki
鴨がねぎをしょってやってきた、という言葉はよく使う。
けれど、その本当の意味は、この鴨焼きを食べないとわからないに違いないと思う。

太いねぎをドンドンとまわりに置いた真ん中に、鴨の脂身をおいて焼く。そうすると、その脂がねぎに染みて、それはそれはおいしいねぎになるのである。
その同じ鍋で、鴨肉をさっと焼いてお好みの薬味でいただく。

うーむ、なんというおいしいお肉!
やわらかくてジューシーで、臭みはまったくない。

薬味はそれぞれに味わいがあっておいしいが、塩が一番自然でいい感じ。

Kamonabe

そして、鴨鍋。
しゃぶしゃぶの要領で、野菜を入れた鍋で、さっと鴨を熱して、表面の色が変わったくらいのところで頂く。これもまた美味。

同じテーブルになった方がたとおしゃべりを楽しみながら、すっきりした日本酒をいただきながらの鍋は、ことのほかおいしい。なぜか爆笑続きの私のテーブル。楽しいと胃袋の働きもよくなるに違いない。

写真は、せりの根をいれていただいたところ。野菜は、水菜、せり、極細のしらたき、ごぼうのささがき、ねぎの5種類。あとで「せりの根もおいしいのよー」と先生が各テーブルに配ってくださった。確かにこれはおいしい。普通は捨ててしまうところだが、新鮮なせりの根はなんともいえない食感で、満足度高し。

Norisan
スタッフののりさん。
今日も元気いっぱいにニコニコくるくる動いてくださる。
忙しい中でも、ちゃんとカメラ用ポーズはとってくださった。

最後の締めは、おそば。
鴨せいろのような感じになって、これもなかなかいける。

そして、お漬物に柚子のシャーベット。

お茶を飲んでほっと一息。

鴨ネギの夜。
言葉の本当の意味を、しっかりと胃袋で学んだ貴重な一夜であった。。。。

この夜を創ってくださった方々と鴨さんたちに、心から感謝。

次回企画は6月の「鮎祭り」らしい。楽しみがまたひとつ増えた。


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根津くらぶ年末バージョン2008

Flower今年最後の根津くらぶ での料理のクラス。

まるで春のような花が活けてある。赤いチューリップ。

お店にはいったら、目に飛び込んできて、それだけで嬉しくなるような不思議な効果。なんとも素敵。

料理教室の年末バージョンは、たいてい年越し蕎麦とおせち料理の何品か。今日は「鰊そば」。茶蕎麦(「青垣」という奈良のお品)を使用。

身欠き鰊を調理する。お蕎麦やさんの鰊はこうやって調理されていたのかと納得。

Etsukosensei蕎麦は悦子先生自らがゆでてくださる。この立ち姿がとてもしゃっきりとしていて素敵。カメラを向けたらポーズをとって、にっこり笑ってくれた。サービス精神が旺盛で、人をもてなすのが大好き。そんな人柄が伝わってくる。

Yugama柚子をくりぬいて作るいれものを「柚釜」というそうだが、なんともかわいらしい。

柚子の数が足りなかったので、今回は竹の入れ物を使用。いずれにしても風流でよろしい。

月に一度の料理教室は、私にとっては、「文化の日」。日本の心というと大げさだけれど、日本流のおもてなしの心を、胃袋で学ぶ。思わず、食器を洗うのも丁寧になったりするから不思議。

Sobaできあがった料理。

うーん、おいしそう。

みなさんでいただく。「蕎麦の替え玉」を所望したのは、私とあと一人だけ。ここの教室の皆さんは、わりと小食。

Tsukemonoここでは、おつけものも、芸術的にもりつけられる。もりつけてくださったのは、スタッフの「のりさん」。写真がちょっとぶれてしまったので、また今度いいのがとれたら、ご本人の了解を得てご紹介したい。

食器はどれも素敵。

「馬子にも衣装」というけれど、「料理には食器」なのだということを感じる。

そうして、パタパタと過ぎていった2008年という1年の、残り少ない日々をどんなふうにすごそうかと考える。 目標は「26日仕事納め」。多くの人にとって当然のことが、私や私の同僚たちにとっては、なかなか難しい。

旅行にいくとき、2週間の旅行だったら、けっこう長旅と思うだろう。

イタリアへいってフランスへいって、それからそれから、といくらでもワクワクしながら計画できるだろう。

日常の2週間だって、本当は長いはずなのだ。それをただ過ぎ去っていく時間にしているのは、ほかでもない自分。

残り少ないと思うのは、何かと比較しているから。誰かの人生と比較したり、これまでの経験と比較したりするのをすっぱりやめてみてはどうだろう。

比較するのをやめて、純粋にそのことをみつめれば、時間はたぶんたっぷりとある。 たっぷりある時間で、何をしようか。

年末ぎりぎりになる前に、このことに気づけてよかった。

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北京ダックランチ

北京に出張していた学生さんから、おみやげに北京ダックをいただいた。

これはというので、さっそく北京ダックパーティを企画。
夜は父が入院している病院にいくので、ランチの時間帯に設定。

北京ダックの袋をあけてみたら、味噌と北京ダック様が真空パックになっている。
春餅(北京ダックを巻いて食べる春巻きの皮のようなもの)をどうしようかと考え、ネットで作り方を調べる。
なんちゃって北京ダック」という、チキンで北京ダック風のものを作るというレシピがあり、そこに春餅の作り方が書いてある。

小麦粉とごま油とお湯だけでできると書いてあるので、作ってみることにした。
12時過ぎにごそごそと小麦粉をこねているのは、なにやら不気味であるが、けっこう楽しい。
レシピに書いてあるとおりにしたら、そのとおりにできた。嬉しい!こういうシンプルな喜びは大切。

そして、本番のランチ。
本場の北京ダックは、皮がパリパリでそれがおいしいのだが、電子レンジを使ったせいか、全体的にパリパリ感はないものの、それなりのものができた。ねぎの白い部分ときゅうりの千切りを添えて、味噌をたっぷり載せていただく。

春餅がやや不足したので、餃子の皮を焼いてみたが、やはり、「手作り春餅」のほうがおいしいとのこと。いやーよかった。

そして、なんとなんと、あの夕張メロン様がいらしてくださったので、ありがたく賞味させていただく。
本場の烏龍茶に山形のおいしいお菓子もいらしてくださり、おかげさまでたいそう贅沢なランチとなった。

「ほっこりする」時間。

「入院患者の家族」は、病気にのみこまれないように、病気のネガティブパワーをはねかえせるように、つとめて楽しい時間を持ち、きれいな花でも飾って、気持ちよく暮らすのがよい。

病人に前向きになれといってもなかなか難しい。とすれば、こちらが前向きになって、ポジティブなエネルギーを少しでもあげられるといい。そのためには、自分が幸せな気分でいることがとても大切になってくる。

たぶん、これは、どんなことにも応用できる。
しんどいことがあるのなら、何かしら楽しいこと、ほっとすることを見つけるといいかもしれない。

父が入院してから、切花をずっと買っている。
枯れかけたら、次の花を買って飾る。
それだけで、どんなにか心が休まることか。

そして、おいしくて楽しい食事をする。
普通でもそれは楽しいことだけれど、心がしんどいときには、それが本当に嬉しい。

すべては最善のタイミングで、全きことのために起こる。

そう信じていよう。

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根津くらぶ年末バージョン

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本日、お料理教室の日。

お料理屋さんの「根津くらぶ」が開いているお料理教室に通い始めて3年目。料理の腕はともかくとして、おいしいお食事を毎月一度いただいている。

年末バージョンの今日のメニューは、おせち料理の品がいくつかと、年越しそば。

年越しそばには、鶏肉をたれにつけたまま蒸したものに白髪ねぎを添える。

蒸すとおいしいのはわかるのだが、電子レンジでできれば簡単と思って、聞いてみる。

「チンでもいいですか?」という質問は、言下に却下。

手と時間をかけたものと、チンで楽して作ったものの味の違いは明らか。
確かに、蒸された鶏肉は、ふんわりとやわらかくジューシー。

「似て非なるもの」をどこまで許容するか、妥協するか。
どれくらい味が違うのか、一度試してみよう。

おせち料理5種。
タイの昆布巻き。黒豆。なまこの酢の物。紅白なますは白和え風。墨イカにウニをぬって焼いたもの。

料理教室の素敵なところは、「お勉強のあとのお楽しみ」が約束されていること。
皆さんでいっしょに頂く食事は、とても楽しい。

今年も12回、こうやってここでお世話になった。
月に一度の「文化の日」と、勝手に名づけている。

今年もあと10日。一日一日を大切に過ごしたい。

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レイランドに法律家

台風が接近して大雨だった土曜日、レイランド開店。

本日のお客様は、法律関係の方々。

クラスターローンチのロケットはまだ見つかっていないが、実行することになれば、お金のやりとりが発生するので、契約書が必要になる。契約書を作るには、その根本の考え方をしっかりさせないといけない。

というわけで、弁護士の卵様やら、中央省庁のエリートの卵様(すでに孵化しているかも)やら、商法の世界では有名なK先生など、豪華メンバーにお集まりいただいた。ミーティングは大学でみっちりとして、その後、雨の中を歩いていらしていただいた。こんなに法律関係の方がお越しになるなど、初めてのこと。

たたき台を作ってくださったのは、その昔、UNISECの前身であるUNISAT時代に、初めての板倉コンペ(カンサットのカムバックコンペ:2002年)のときにお世話になったロケットボーイズのメンバーの一人。当時は学生だったけれど、今は弁護士の卵様。びしっとスーツで登場された。

(私は台風用に長靴で登場。もっとちゃんとしてくればよかった。。。ボロは着てても心は錦、といつもの呪文を唱える)

あのときから5年。
あのころ、たくさん宇宙関係の団体が出来たのだった。UNISECもできたし、HASTICもできたし、学生団体もたくさんできた。法律関係の皆さんは、SDFというところで大活躍をされていた。

5年の間に、いろんなことがあった。
たくさんの出逢いがあり、卒業されていく方々との別れがあり、再会があり・・・。 
大学が宇宙開発のプレイヤーになるなんて、誰も思わなかった時代があったことなど、今の学生さんたちは知らないだろう。

卒業生がUNISECの会員になって、サポートする側に回ってくれているのを見るのは、嬉しいことだ。そうして、若い人たちは何と早く成長するのだろう。たくさんの悩みや喜びを経て、どんどん大きくなっていってほしい。

いつも応援している。
私のこのスタンスは、たぶんずっと変わらないと思う。

人生は自分で切り開くしかない。誰かがかわりに生きてくれるということはありえない。けれど、応援してくれる人たちがいるだけで、どれほど救われることか。応援しあう仲間がいるだけで、どれほど勇気づけられることか。

多くの人たちに、そんなすばらしい出逢いを持ってもらえれば、と思う。

本日のメニュー

(まずはビールで乾杯!)

スモークサーモンのマリネ
生春巻き(チキンのタイ風サラダ、春雨ときゅうりのサラダ、エビ、しその葉、水菜、レタスなどを好きにはさんで)
紅茶ブタとコンニャクの辛子醤油
ビーフのガーリック酢漬け
ニラ豆腐

ここで、元SDFの皆さんは後輩の就職祝いとやらで退場。
これからがいいところなのに、残念。
先に肉じゃがを出してあげればよかったとちょっと後悔。ゆっくり煮たので、味はきっとしみこんでいるはず。先に言ってくだされば、先に出したのに。。。

残った4人で、お酒を変えて、深い話に入っていく。すべてオフレコ。

(ここから日本酒でしっとりと)

カリスマ豆腐
肉じゃが
枝豆入りさつま揚げ
蒸し鶏のゴマソース
白いごはん
おつけもの
梅干
日本茶(谷中の茎茶)

(さらに赤ワインで盛り上がる)

チーズとクラッカー


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還暦祝い

日曜の午後、新丸ビルの6階にある高級タイ料理屋さんへ。
最近は、電車にも乗らない生活をしているので、日曜の午後に、華やかな都心に出かけるなんて、ちょっと心が浮き立つ気分。東京駅も丸の内のあたりも、すっかり様子がかわってしまって、きれいになっている。

根津くらぶの山田先生の「還暦祝い」。

お顔も身のこなしも若々しくて、まったく還暦のようには見えないのだけれど、戸籍上の年齢はそういうことらしい。
100人くらいの人が集まって、盛大なお祝い会。料理教室の生徒さんも多数参加。

日本料理の根津くらぶの先生が、なぜタイレストランでお祝い会をするのか。
先生は、本格派の日本料理店をタイにオープンするのに協力されておられる。なんでも、タイでは、日本料理が人気らしい。その関係で、このお店とはご縁があるそうだ。

パーティは2時から4時まで。
東京駅を眼下に見下ろすロケーション。

高級そうなお召し物に身を包んだ方々が続々と到着。
そして、すばらしくおいしいタイ料理が並べられている。タイ料理も大好きなので、嬉しい。

おいしい料理と楽しいおしゃべりだけで十分に楽しいのだけれど、特別ゲストが何気なくいらしていた。

Mikky
ミッキー・カーチスさんとそのお弟子さんでミッキー・せんべいさん。
素敵な演奏を聞かせてくださった。
カーチスさんはハーモニカ、せんべいさんは津軽三味線。

ミッキーカーチスさんは、「今、69歳。ロックです」などと軽くおっしゃる。若い人は、彼が誰なのか知らないらしいけれど、知っていようといまいと、その場でノリノリの演奏ができるのは、やっぱりすごい。

最後に、還暦を迎える六本木のおすし屋さんや数名の方々に、バラの花束が贈られた。色はもちろん真紅。

Parents
そして、先生のご両親への感謝の言葉。
還暦を迎えて、ご両親が健在という幸せな人はあまり多くないだろう。
先生のご両親は、とても若々しかった。

幸せな場に招いていただいて、幸せな時間を分けていただいて、感謝。

パーティが終わってから、料理教室で知り合った方々といっしょに二次会へ。
「お茶でも」のつもりだったが、彼女たちは、建築業界関係者。
当然のように、「ビールでも」になっている。

そのせいかどうなのか、アルコール消費量が尋常ではない。お祝い会で、しこたま飲んだと思うのに、二次会でもビールを5杯は飲んでいる。グラスは決して小さくない。

午後4時過ぎから9時過ぎまで、楽しいおしゃべり。
日ごろ、こんなふうにおしゃべりする機会はめったにないので、とても楽しかった。

「根津くらぶ」が作ってくれる友達の輪。
大切にしたい。

誰もが幸せになろうと一生懸命生きている。
幸せになるのは、たぶん、そんなに難しくない。

誰かに幸せをもらおうとすると、幸せは来ない。
自分が幸せを作るんだと決めたときから、
自分は今幸せになるんだと決めたときから、人は幸せになる。

そんな気がする。


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パエリアの夜

Paella
パエリアを作った。

UNISECの新旧学生理事の皆さんやOBの皆さんが、ミーティングのために集まってくれたので、拙宅で「ご接待」。おいしいものを囲んで話すと、いい結果が出るのはいつものこと。椅子が足りなかったので、事務所から持ってきてもらった。そうか、「最大収容人数」というのは、こうすれば簡単に突破できるらしい。

今週二回目のお食事会。
一週間に二回して、数名がかぶっているので、メニューはかぶらないように気を使う。

今回のメニューはこんな感じ。

豆もやしとわかめときゅうりの和え物
ポテトのざく切りサラダ
練り製品のサラダ
紅茶ブタとコンニャク
ササミの紫蘇チーズはさみフライ
カリスマ豆腐
パエリア

パエリアは、エビアレルギーの方がいらっしゃるので、エビなしで。
これは、作っている間じゅう、いいにおいがしているのが、また別のご馳走。
皆さん、喜んでくださって何より。

その後に用意していたパスタまでは到達せずにお茶とお菓子。

8人のお客様は、家が遠い順にぱらぱらとお帰りになる。

これから、UNISECはどんな方向へ行くのだろう。

「作って、打上げて、動かす」という基本をはずさず、地道にやっていくのが私はよいと思うけれど、そうでない考え方もあるだろう。

UNISECの創立から関わっているメンバーは、いまやマイノリティ。学生さんたちは、ほとんど入れ替わっている。2001年に筑波で行った最初のワークショップは、いまや神話。あのときに感じたエネルギーは、ますます大きくなっているように思う。

衛星を打上げたい大学の調査をしたら、20大学が手をあげるすごい時代になった。

新しい学生理事になって、また新しい時代が開かれていくのかもしれない。
「学生がUNISECの運営に関わるべきだ」と主張する新しい世代からは、「もっと学生に期待してください」という力強い言葉が出てくる。

学生が卒業して、UNISECのスタッフになるような道が開かれていくといい。
それには資金源が必要。ここは、夢を見る場ではない。現実の目標を達成していく場だ。

「宇宙?夢があっていいですね」という言葉に対して、ずっと居心地の悪さを感じてきた。甘い夢などない。ここにあるのは、建設的な現実。現実をひとつずつクリアしていく中で見えてくる新しい道。それを探しながら、丹念に織り上げていこう。そうして、いつか、「そうか、これを創っていたんだね」と言える日がくるといい。

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レイランドに花!

レイランドは、3月の最終週に2回もお客様があって、にぎやかだった。
報告書の嵐で、心が殺伐としそうな中で、ほっと一息つける楽しい時間。来てくださった皆さんに感謝。

忙しくて身動きできないときこそ、楽しい時間を作りたい。心がせわしないときこそ、つらいことや悲しいことがあったときこそ、楽しい場に身を置きたい。

最初のお客様はオトナの方々。最適人数の3名様にてご来島(レイランドは「島」なのであった。。。)。
3名様だと、私を入れて4名なので、ゆったりとすわれる。

お土産にいただいた「グルジアのワイン、赤と白」。
グルジアってどこだったかしらと思いながら、おいしくいただく。ちょっと変わったお味。

Flower
そして、ピンクのリボンをかけた素敵な花束をいただいた。
レイランドが一気に春になった感じがして、感激。
やっと私も、「花よりダンゴ」人生から「花もダンゴも」人生へと進化(?)できるのかもしれない。

お花の美しいことといったら、1週間たった今も、十分に楽しませていただいている。香りもよくて、部屋に帰るのが楽しみ。

メニューはこんな感じ。食道楽の皆さんにおいしいと言っていただけて、嬉しい限り。

ラタトゥイユとパン
トマトのサラダ
焼ブタ
エリンギとエビとレタスのオイスターソース炒め
牛肉のステーキ ガーリックソース漬け
チーズハンペンのバター焼き
チーズ(カマンベールとミモレット)
トマトと卵のスープ
炊きたての白いご飯
いぶりがっこ(沢庵をいぶしたおつけもの)
日本茶


二回目のお客様は、学生さんとOBの方々。
1年前からお鍋に来たいといっていた方にやっと来ていただけてよかった。
来てねといっているうちに卒業してしまった方もいて、何事も早いほうがいいと思った次第。
こちらは、どんどん人が増えて、最大収容人数の7名様でご来島。

久しぶりの顔もあり、よく会う顔もあるけれど、文句なしに楽しい時間。
就職した人、就職活動中の人、それぞれに悩みはあるのだろうけれど、おいしいものを真ん中にして皆で集まれば楽しさだけが引き出されるらしい。

こちらのメニューは、お鍋。(しかし、急いだせいか、思った味が出なかった。。。。皆さんにはまたいらしていただかねば。。。。)

「生協(の学生食堂)と違いますねー」とのお褒めの言葉をいただく。しかし、あの値段であの量のものを私が作れるかといえば、それは難しそうなので、ノーコメント。

生春巻き(以下のものを手巻にしていただく)
 タイ風チキンサラダ
 春雨のサラダ
 焼ブタ
 チキンの酒蒸し
 エビ
 たっぷりの野菜
牛肉のステーキ ガーリックソース漬け
大根の煮物
ニラ豆腐
ハンペンのバター焼き
ザーサイ鍋(最後はラーメンで)

「桜モンブラン」やアップルケーキなど、おみやげにいただいたデザートがとてもおいしかった。

終電を気にする方々は12時ちょっと前に帰り、近所にお住まいの方々は、それからしばらくおしゃべりを楽しんでから帰宅。

私は、後片付けをささっとして、お風呂にはいって、幸せな気分で眠りにつく。

レイランドは、ゼロになるところ。
鎧兜を脱ぎ捨てて、裸の自分になるところ。

そんな場を創ろうとすることで、私自身が素に戻れるのかもしれない、などと思う。

余計なものは捨てて、芯の「ほんとう」に出会おう。


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青の色

久方ぶりの優雅な日曜の午後。

知人と銀座でランチ。

日曜日の銀座なんて、本当に久しぶり。
明るい陽光を浴びて歩く銀座の目抜き通り。

華やか。
ああ、世の中にはこんなところもあったのだと、しみじみ思う。

怒涛の報告書シーズンに突入し、ほとんど生活にゆとりとか潤いというものがない今日このごろ。めったに会えない方からの突然のお誘いをいただき、嬉しく出かける。

カーヴ・エスコフィエ。
彩りも美しいフランス料理。
ランチコースはちょっとお得な気分。ゆったりとした時間を楽しむ。

久しぶりなので、四方山話を楽しむ。
一年ほど前に網膜剥離の手術を受けたという知人は、おもしろいことを教えてくれた。

手術したほうの目で見ると、青色が鮮やかな青に見えるのだが、手術していないほうの目で見ると、黄色っぽい青に見えるのだそうだ。両目で見ると、その中間くらいに見えるらしい。

同じものを見ていても、年齢によって、見え方は微妙に違うらしい。幼い子供が見ている空も海も、きっと私が見ているよりもずっと青いのだろう。

同じものが違って見えてくることの不思議を感じつつ、優雅な日曜日の第二部へと移動。


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大阪のカレーうどん

週末は関西へ。

土曜日は大阪でシタールのレッスン、日曜日は神戸で法事。秋の土曜日は、神戸は観光シーズンらしく、ホテルがなかなかとれず、しかたなく大阪に泊まる。

しかし、おかげで、たいそうおいしいカレーうどんに出会った。大阪という街は、なぜこうも食べ物がおいしいのだろう。目に入るすべての店に入りたいという欲求がムラムラとわいてくるのをおさえて、ホテルへ。

そのカレーうどん屋さんは、西中島のあたりにある小さなお店。チェーン店のようだ。
私の中で、カレーうどんのランクはそれほど高くなかった。しかし、一日にしてランクは急上昇。まず、カレーうどんの定義を変えねばなるまい。うどんにカレーがかかっているのが、カレーうどんと思っていたが、ここの店のは違う。カレーの中にうどんがある。

うどんは手打ちでしこしこ。うどんがおいしいのは当然として、カレーがまたおいしい。とろとろのカレーには、これまたとろけんばかりのビーフの塊。そしてなにやら不思議なトッピング。玉ねぎをカリカリに炒めたものだろうか。うーむ、おかわりがしたいと思うくらいのおいしさ。680円也。

人は自分がどれほど恵まれているか、失うまでわからない。
大阪人は、たぶん、自分たちがどれほど食の面で恵まれているか、きっと気づいていない。

しかし、この食文化もレベルの高い飲食店も、魔法のようにできたのでなく、大阪人がこれまで培ってきたものの上にある。

大阪では、「まずい店、遅い店、(質に比べて)高い店」はすぐに消える、らしい。

裏表のない大阪人は、そういう目にあうと、二度と行かないばかりか、知り合いのすべてにその情報を伝える。そうすると、その店に行く人はすぐにいなくなる。そのサイクルを何代にもわたってやってきていると、まずい店は存在を許されないし、おいしい店もますますの努力をするようになる。

厳しい目、肥えた舌、伝達能力の高い口、そして、シンプルな行動が、あの食い倒れ文化を創ってきたのだろうか。おいしいものが食べたいという欲求の強さが、このような文化を創ったのだろうか。

つまらぬ「思い込み」が壊れていくのはなんと気持ちがいいことだろう。

11月11日は、カレーうどんのmy常識が打ち破られた記念すべき日。大阪の食文化とその担い手の方々に感謝。これからもいっそうおいしいものを生み出して育てていっていただきたいものだ。

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