MV後継機のポジショニング

MV-7号機の大成功。すばらしかったけれど、それだけで終わってはいけないような気がしている。

善き未来を創るための努力を惜しんではならない。今、しっかり考えて納得してコミットできる状況を作ったほうがいい。

MV-7号機の後のシナリオについては、笹本祐一氏が最悪バージョンを発表しておられる。(宇宙作家クラブの掲示板 #1077参照)このシナリオでは、日本は打ち上げ能力を失うことになる。一国ですべてをまかなえる能力を自ら手放すという、よくいえば国際協調型宇宙開発、悪くいえば他国依存型宇宙開発への移行という「悪い未来」を予見している。

悪い未来は、予見することによって、対応することができるので、防げる可能性が出てくる。だから、それを予見するのは重要である。

しかしながら、悪い未来の予見者は、あたってもあたらなくても不幸になるという宿命を持っている。悪い話を聞いて嬉しい人はいない。また、あたれば悪い未来が実現してしまうということであり、あたらなければ自分が間違っていたということになる。それをおして、あえて悪い未来シナリオを発表した笹本氏の勇気に敬意を表したい。

もうちょっと前向きなシナリオを作れないものかと思って、これまでの情報を整理しようと思う。整理にあたっては、マーケティングの手法を使ってみる。今回の決定には、どうやら「市場原理」的な論理がおおいに係わっているらしいので、分析もその手法を使うのは悪くあるまい。

(興味のある方のみ、続きをお読みください。)

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マーケティングのデモ授業

土曜の午後、麹町へ。
ビジネススクールの通信コースの説明会。マーケティングのデモ授業を頼まれていたので、出かける。このあたりは、なじみのあるところだが、変化も大きくて、知らないところにいるような錯覚を覚える。お屋敷町だったのが、今はビルだらけ。

13年前にアパートの一室ではじめたというビジネススクール事業が、いまや大会社。真新しいビルに広々とした吹き抜けを持つすごいところになっている。玄関を入ると、ここはどこだろうとクラクラする。私が通っていたころは、もっとこじんまりとしていて、教室も少なくて、どちらかというと家庭的な感じもしていたものだ。

13年間変わらずに笑顔で受講生に接し続けているスタッフの方の顔を見て、ほっとする。見えないところでいろいろなサポートをし続けておられる人たちを見ると、いつも頭が下がる。通信コースのスタッフも、とてもサポーティブな方々だ。

私はここで、マーケティングの通信コース講師を担当させていただいている。いってみればアルバイトだが、自分の勉強にもなるし、力作答案を見るのは楽しいので、続けている。通信コースなので、受講生と顔を合わせることはないし、ましてや授業をすることはなかった。だから、反応がすぐにわかる教室でデモ授業をするのはとても新鮮な体験。ちょっとドキドキ。でも、基本的に「人」が好きなので、ワクワク。

30分のデモ授業で、「ポジショニング」の説明をして、実際に皆さんにポジショニングマップを作っていただく。
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングというこの3つはセットにして覚えておくと、わかりやすい。セグメンテーションで市場をどのように切るかを考え、ターゲティングで市場のどの部分を狙うかを考え、ポジショニングで、自分の製品をどんなふうに顧客の心の中に位置づけてもらうかを考える。

理論はわかっても、現実に落とし込んで考えようとすると、試行錯誤の連続。実際、今作っているビジネスプランのマーケティング部分は、まだうなっている最中で、できていない。人様にお教えするなど、100年早いと思ってしまう。毎日が勉強。広い視野を持って、よき未来につながるようなプランを作りたいものである。


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マーケッターとリサーチャー


結局、山積みの仕事は終わらず、日曜日の今日も仕事。
マーケティングの添削をする。

すべての職業がそうであるように、マーケティングにむいている人とそうでない人がいる。
マーケティングは、リサーチの仕事とは根本的に異なる。

リサーチの仕事は、「この市場はかくかくしかじかの理由でダメ」「この商品は、アンケートの結果、ダメ」というのが仕事だが、マーケティング担当者は、そんなことは言っていられない。なんとか、売れる道を必死で探す。そのうちに、知恵が出てきて、新市場を掘り起こすこともある。

また、情報が不足していても、決断しなければならないし、その決断を、営業に伝え、説得しなければならない。いかにうまい方策を考えても、動いてくれる人たちにわかってもらえなければ、宝の持ち腐れになってしまう。

マーケットは生き物で、いっときもじっとしていない。消費者動向というわかったような言葉も、実態がなくて、常に変化し続けている。その中で、先を見通して、「これは売れる」と思える人が、マーケッターに向く。そして、売れなかったときに、めげずに挽回策を練る、撤退の判断を下す、などのリスクをとれる人が、マーケッターに向く。

自分はどちらかというと、マーケッターのほうだと思う。そのせいか、リサーチに終始し、そこで満足している答案をみると、歯がゆい。なんとしても売るのだという強い意志がないと、あまり高くもないそのハードルは乗り越えられないらしい。

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