超小型衛星メッカ構想

経団連が出している「会報宇宙」に、拙文を載せていただけることになった。

新しい宇宙の法律ができて、新しい宇宙開発が始まるので、特別号なのだそうだ。

その本を入手できない方もたくさんいらっしゃると思うので、ここにアップロードしておく。

超小型衛星メッカ構想


「超小型衛星」という、これまでになかった小さな衛星が、
従来とは違う「手の届く宇宙開発」を可能にしている。
すでに11基の大学衛星が軌道投入に成功した。
その原動力となっているのは、大学や高専の学生という若い力。

民間の気象会社が自前の衛星を持とうとしている。その衛星を
作っているのは、ほんの数年前まで学生だったエンジニアたちの
ベンチャー会社。学生時代に超小型衛星を作った経験を、もっと
社会のために役立てたいと考えて、ベンチャーを作った。

宇宙は「夢」ではなくて、「現実」。
そして、その現実を作っているのは、普通の若者たち。

夢をみるのでなく、現実を作る。
現実を作ることによってのみ、新しい世界は開ける。
ほしいものは、誰かがくれるのでなく、魔法のように出てくるのではない。
自分で工夫して、ほしいものを作りだし、それを分かち合う。

かつて、日本はそういう国ではなかったか。
いったい、いつから、楽をして金をもうければいいというふうになったのか。
嘘をついてもごまかしても、自分さえよければいいというふうになったのか。

自分の足で立ち、自分の頭で考え、自分の手で未来を創る。
宇宙に行くモノたちを作るリアルな宇宙プロジェクトは、そんな若者たちを育てている。

UNISECは、そんな若者たちを応援し、ともに学び成長するNPOである。

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暗幕の王子

ウェザーニューズさんとのミーティング。
今回は、幕張の「海の見えるオフィス」へお邪魔した。広々とした空間に、大きな窓。日ごろ小さなところにいると、身のおきどころがないような気が一瞬するのだが、そこはアメーバ・カメレオン体質なので、こちらの感覚がすぐに変化して、ジャストフィット。とても心地よくすごさせていただいた。

Wni
WNI衛星の模型がドンとおいてある。何でも、アクリルの透明な台が少しお値段が張るそうだが、なかなかよいできばえ。10センチ角と20センチ角では、なんと大きさが違うことだろうと、頭ではわかっているが目で見るとさらに納得できる。

ミーティングは、順調に終わり、帰り際に「レーザーの実験室を見ませんか?」ということになり、ミーティングルームとは別のオフィス空間に移動。

Anmakuoji
おお、これは!!というような黒い小屋(?)がオフィス空間に出現している。そして、「危険」マークがちゃんとそこには貼ってある。暗幕の中で窒息しないように、空気を送り込む装置も作ってある。この小屋は、すべて手作り。
ビバホームで購入したというパイプ材で枠が組んである。暗幕は、それ用の生地を購入して、「週末の夜、ミシンを持ち込んで縫いました」とのこと。

Room
暗幕実験室製作者にして、衛星プロジェクト担当の原山博士。ドイツで博士号を取得して、ウェザーニューズに入社された。ドイツで勉強しているとき、週末にオフィスで暗幕を縫っている自分を想像できただろうか。人生は何があるかわからないが、何があってもそれを楽しめるといい。

実験室の中も、すでに準備万端。3月中にある程度の結論を出す必要がある。
レーザーの実験は、目をやられる可能性があるので、暗幕実験室がどうしても必要なのだそうだ。暗幕の中に入るときも、特殊なサングラスをかけないといけないとのこと。

Harayama_2
「暗幕の王子」のこれからの活躍に期待しよう。

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クローズアップ現代

NHKの「クローズアップ現代」。
この番組が、「超小型衛星」をとりあげてくださって、昨日(1月27日)放映。

年末の大掃除+忘年会の日に「どうしてもおうかがいしたい!」とおっしゃられて、バタバタしている事務所にお越しいただいてから、ちょうど1ヶ月。H2Aロケットが23日に無事に打ちあがり、新しく生まれた衛星くんたちががんばっているところで、実にタイムリー。(タイムリーにするために、どれほどの見えない努力と犠牲が必要なのかは、経験された方ならわかるだろう)

Wnihqs
タイムリーといえば、この日はちょうど、ウェザーニュース(WNI)さんと、「WNI衛星」の定例ミーティングの日。

WNIさんは、幕張の海が見えるオフィスが本拠地なのだが、もともとは赤羽橋に本社があり、今も本社はここにある。今日のミーティングは、このリニューアルされたばかりの美しいオフィスで行われた。

「さわる地球」がどーんと置いてある。せっかくなので、地球にさわってみる。手の圧力のかけ方で、地球がどの方向にでも回る。

その後、「新年会」をすることにしていて、番組の放映時間は、中華料理の真っ最中。

Oneseg
せっかくなので、「ワンセグで見ましょう」ということになったものの、「最先端技術」を誇るアクセルスペース側は、誰一人ワンセグ携帯を持っておらず、ウェザーさん側がお持ちの4台を、中華料理の回転テーブルに載せて、顔を寄せ合って見ることに、、、、。


内容は、NHKのWEBによると、以下のとおり。(http://www.nhk.or.jp/gendai/より)

1月23日、種子島から打ち上げられたH2Aロケットには、JAXAの大型の温室効果ガス観測衛星に加えて、7つもの「小型衛星」が相乗りする。それぞれ中小企業や高等専門学校、大学などが作った衛星だ。重量は数kgから100kg。通常の大型衛星に比べ大きさ10分の1以下、コストも100分の1程度だ。安価に短期間の準備で打ち上げられる小型衛星は、企業や宇宙開発新興国に新しい可能性をもたらすものとして世界で注目されている。イギリスの大学発ベンチャー企業は安価な地球観測衛星をアフリカやアジアの発展途上国から受注するなど、世界の衛星保有国地図が大きく変わろうとしている。日本でも小型衛星開発のベンチャー企業が去年夏に立ち上がり、気象情報会社と再来年の打ち上げを目指して独自の衛星開発を始めた。小型衛星の登場で変わろうとしている宇宙開発の新しい動きを伝える。 (NO.2688)

NHKの方々は、イギリスのサレー大学までいって取材をされたとのことで、「衛星があがってよかったねー」というような番組の切り口とは一味違っている。残念ながら、音が少し小さくて声がよく聞き取れない。

WNIさんとのビデオ会議も取材されたのだが、それも放映された。テレビに映っている人が同じ顔で目の前に座っているのは不思議な感じ。

「たまたま」、WNI衛星のメンバーの方々といっしょにこの番組を見ることができたなんて、偶然にしては素敵すぎる。

素敵なことが起こったら、素直に感謝しよう。

そうして、いつも「素敵なことを起こす」ことを考えたい。


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祝!打ち上げ成功

本日、打ち上げの日。

大学衛星が4つも打ちあがる。
こんな日がくるなんて、信じられない。

そういう大事な日なのに、私は風邪でダウン。
熱があって、ふらふらする。今日は長い一日になりそうなので、午前中は布団にくるまってうつらうつら。
午後から事務所に行く。

ちょうど打ち上げが成功した直後。
打ち上げを見逃してしまった。

14時25分のパス。
東大ではとれなかった。
仰角が低いから、というものの、他の衛星がとれたという知らせはあちこちから来る。
東大以外の大学は、みんな受信できたそうな。。。

プロマネの小松さんの後姿が険しい。
この瞬間、どんなにか、背中に重荷がかかっていることだろう。きっと肩が凝っておられることだろう。背中をさすってあげたい気持ちをおさえながら事務所に戻る。

そして、18時過ぎ。
嬉しい知らせが入ってきた。

キルナ局でとれたというのだ。
スウェーデンでPRISMのビーコンがとれたという知らせ。

ほっとする。
こういうときにはホットチョコレート。

今晩22時と23時40分にまたパスがある。
23時40分のほうは、条件がよいパスらしいので、きっと東大局でも受信できるだろう。

今日はあちこちで祝杯があがるのだろう。
もちろん、これからが衛星にとっては本番なのであって、ビーコンがとれたくらいで喜んではいけないかもしれないけれど、まずはおめでとう!

風邪もふっとんでしまいそう。
ヨカッタヨカッタ。

PRISMのブログはこちら。

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PRISM出発式と缶サット甲子園

Prism

来月打ち上げ予定の東大の人工衛星「PRISM」の出発式が12月7日に行われたので、出席させていただいた。

PRISMを「体で表現する」皆さんは、開発にあたってきた学生さんと卒業生の方々。右から、程さん(通称りゃんさん)、江野口さん、千倉さん、稲守さん、田中さん、三川さん。なぜか、左にいくほど学年が下だ。

みんな、いい味を出している。Sの字がなかなかいい感じ。

Komatsu

このプロジェクトは実は2002年から始まっていたので、関係者は多数。出発式にも、懐かしい顔ぶれが集まった。

プロマネも何人もが交代した。

現在のプロマネは小松さん。写真撮影のために、安田講堂に移動する際、PRISMのエンジニアリングモデルを大事に抱えて運んだ。8キロもあるので、けっこう重いらしい。

UNISECの加盟大学が打ち上げた衛星は、これまでに7基。(ロケット失敗で軌道投入に失敗したのをいれると8基)どうやら、この数字はこれからどんどん更新されていく模様。

来年1月21日(予定)には、4基の打ち上げが予定されているし、2010年には6基予定されている。工学部のある大学なら衛星を持っているのが普通、というような時代がもうすぐ来るのかもしれない。

PRISMの出発式と同じ日、ほぼ同じ時間に、「理数が好きになる教育実行委員会」のイベントがすぐそばで行われた。ここにもちょっとだけ顔を出す。

こちらは、制服姿の高校生たちがたくさん。カンサットは、いまや高校生が競い合う時代となり、「缶サット甲子園」なるものまで実施されている。

彼らのカンサットは、この夏、能代で、あの「カムイロケット」で打ち上げられた。30分間隔でポンポンと打ち上げられるロケットを、高校生たちは、「当然のことのように」受け取ったかもしれない。

たくさんの小さな星たちが無事に生まれて、りっぱにお仕事ができますように。

Continue reading "PRISM出発式と缶サット甲子園"

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英国宇宙事情

グラスゴーで開催されたIACという会議のレポートを、マイコミジャーナルに掲載していただきました。よかったら、お読みください。

英国の宇宙会議体験記 - 英国の宇宙事情

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UNISASイベント

本日、UNISASイベント。

UNISASというのは、UNISECの卒業生組織のこと。
UNISEC総会の前日くらいに、学生を対象としたイベントを企画している。

Unisas1

ここのところ、恐ろしく忙しくて、ほぼ毎日深夜帰宅。
明日のUNISEC総会と理事会の準備も、ぎりぎりで終了。

けれど、今日は、このイベントの場にいられて本当によかった。

ここまで本音の話で、かつ愚痴ではない前向きな話が聞ける場はそうそうないだろうと思う。
一般公開せず、UNISECの学生会員とその紹介がある方に限ってのイベント。

UNISECの卒業生は、実にさまざまなところで活躍している。
4人の方が講演された。それぞれのバックグラウンドは以下のとおり。

官庁、宇宙機関、民間会社、MBAで勉強中

いずれも、私もとても勉強になる話ばかり。

お昼はUNISEC御用達(?)の京樽さんのオニギリ。中身は6種類。
いずれも魅力的だったが、6個食べるわけにもいかず。。。
ふんわり握ってあって、とてもおいしかった。

昼の休憩に、オニギリでもつまみながら、OB/OGとの交流を深めてもらおうとの企画。

そして、午後からは、OBを囲んで小グループに分かれての懇談会。
なんとも贅沢な時間。
私が学生だったら、こういうのがあったら絶対出たいなと思う感じ。

Unisas2

会が終わってから、卒業生の皆さんは、大反省会。
何がよかったか、改善点は何か、どうすれば来年もっとよくなるかなど、いろいろ話し合う。

それも、私にはとても勉強になった。

いつも前向きに、建設的に。
そうしにくい環境にいるとしたら、心だけはそのように保ちたい。

勤務先の種子島から、このイベントのために休みをとってきてくださった方がいらして、ちょっと感激。

皆さんの将来がとても楽しみ。
よき未来が開けていきますように。

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祝!キューブサット5周年

2003年6月30日。
日本の大学生が作った小さな衛星、キューブサットがロシアのプレセツクから宇宙へ打ち上げられた。

あれから5年。
いまでも、そのときに打ち上げられたキューブサットXI-IV(東大)とCute-I(東工大)は、元気に地球を回っている。

1歳の誕生日を迎えることだって夢のような話だったのに、5歳の誕生日をお祝いすることができるなんて、素晴らしすぎて、何も言えない。。。

しかし、キューブサット開発の初代メンバーの一人で、今は中須賀研究室の助教(少し前まで助手といっていたが、今は、助手→助教、助教授→準教授と呼び名が変わっている)として活躍中の酒匂氏によると、

「2003年6月30日に打ち上げたから、2008年6月30日に5周年があるのではない。2008年6月30日のこの日があるから、2003年6月30日の打ち上げがあったのだ」そうだ。

Star
本日、東大中須賀研究室では、巨大なケーキでお祝い。
果物たっぷりで、とてもおいしくいただいた。

毎年、ケーキを用意するのは、酒匂さん。
星型のプレートには、東工大のCute-I の名もいっしょに書いてもらった。
大切なライバルであり、仲間でもある。
彼らがいたからこそ、前へ進むことができた。

Cake
大きなケーキの横に10センチ角(まさしくキューブサットサイズ)のチョコレートケーキ。
これは、やはり初代開発メンバーの一人で、衛星メーカーで数年仕事をした後に退職して大学に戻り、博士号を取得し、明日から東大岩崎研究室で助教となる宮村典秀さんのために用意されたもの。リボンが結んであるように見えるのは、実は全部チョコレートで作ってある。

宮村さんは、お子さんも生まれて、ハッピーづくし。
人生には、いろんなときがあるけれど、幸せなときは、素直に幸せを感じるといい。

梅雨時とは思えない青空が広がった午後だった。
天からの祝福をいただいた、と勝手に解釈しよう。

5年前の今頃、ドキドキしながら、たくさんの方たちといっしょに研究室にいたことを思い出す。

あれから5年。
この5年の間に、研究室の顔ぶれは大きく変わった。
(現在のメンバーはこちら
UNISECの学生さんは、ほとんど全員変わった。

これからの5年はどうなるのだろう。
本当に楽しみだ。

何はともあれ、キューブサット5歳の誕生日、おめでとうございます!

Cake1
ちなみに、これは、一人当たりのケーキの量です。
ちょっと食べすぎ。。。この研究室にそういう語彙はありませんが、、、、

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山梨の星

山梨県立科学館でお会いした、素敵な方のご紹介をしたい。

高橋真理子さん。
なんともパワフルな方である。
(写真は、お仕事中のところを無断で撮影したものです)

Marikosan
まず、そのプライベート生活がすごい。
結婚生活11年の間、研究者のご夫君と一緒に暮らしたのは1年3ヶ月しかないのだそうだ。
お子さんが2人いらっしゃる。産休と育休のときだけ一緒に暮らせたそうだが、「仕事をやめる」とか「仕事を変わる」という選択肢はどうやらありえなかった模様。

名古屋大でオーロラの研究をしておられて、博士課程の3年生のときに、科学館の就職を探して、たまたま創立準備中だった山梨にご縁があった。創立から関わって、現在にいたる。

研究職と今の仕事を比べると、「出会える人種が違う」ので、今の仕事が気に入っているそうだ。
この仕事に出会えてよかったという笑顔はホンモノ、に見えた。

プラネタリウムという場があるからこそ、できるいろいろなことがあるのだそうだ。
そこではコミュニケーションのやり方が違ってくる。

暗闇が作れて、丸い場所で、星を映せて、音楽も映像も自在に使える。

「星の元では、思考の位相が違ってくるように思います」

誰もが、心の中に「星」を持っている。
天文の知識があろうがなかろうが、星を語らせれば、誰もがすばらしい語り部になる。
ということで、4年前から「星の語り部」という市民グループが科学館で活動している。

彼らの存在が、彼女の行う企画に大きな影響を与えているという。
戦場に輝くベガ~約束の星を見上げて」という作品も、大きなきっかけの一つに、星の語り部の作品があったそうだ。山梨の上映後、徳島、東京都中央区と続
き、今夏には福島で上映されるそうだ。

「星の語り部」のメンバーには、視覚障害者の方もいらっしゃるのだそうだ。
プラネタリウムで見えない人には、何を伝えられるのか。

それで、星の話をする。
「いままで、こんなふうに自分に星の話をしてくれたことはなかった」というその方の人生観は、星を知ることで、宇宙の存在を知ることで、変わったかもしれない。

高橋さんからは、山梨ならでは、山梨だからこそ、という気迫が伝わってくる。
山梨出身ではないけれど、今自分がいるところをとても大切に想っておられる様子。その気迫が、仕事ぶりにはっきりと表れている。

山梨県立科学館のプラネタリウム番組はオリジナル作品が多い。
この少ないスタッフでどうやって作っているのかと思ったけれど、こういう人がいるからできるのだと思った。

平原綾香さんが歌う「星つむぎの歌」は、JAXAの宇宙連詩プロジェクトにヒントをもらって、山梨独自で展開した結果、生まれたと聞いていたが、その陰には、やっぱりこういう敏腕プロデューサーがいた。

この夏休みには、開館10周年記念として、「プラネタリウム・セレクション~山梨の宝石箱」を企画している。これまでの作品から選りすぐったものを週代わりで投影するそうだ。

お勧め作品を聞くと、「オーロラストーリー」(7月26日から8月1日まで)と「戦場に輝くベガ」(8月9日から15日まで)かなあと言いながら、こんなふうに語ってくれた。

「オーロラは、自身の当時の最大の渾身作であることには変わりはないし、今でも見るとほんとに青春時代(笑)を思い出すのですが、今になってみると、やはり番組としての完成度はまだまだだったなあ、と思います。
他の、『星と話す人々』、『最強宇宙線のなぞ』、『星月夜』、『光がはじまる』を振り返ってみると、それなりの自身の進化過程が見えます。特にお勧めというと、うーむ、どれを選びますかねえ。相手によって勧めるものが違う、というのが本音です」

これまでの彼女の作品は、こちらで見られる。

山梨では、「星が住める空」を目指して、ライトダウン甲府バレープロジェクトも1999年から行っている。お店やホテルや会社など、とても協力的なのだそうだ。山梨にきらりと輝く星は、どうやらけっこうたくさんありそうだ。

高橋真理子さんをはじめとする、科学館の素敵なスタッフの皆さんの、これからのますますのご活躍を祈念したい。

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プラネタリウムという場

山梨県立科学館へ行ってきた。
結論からいうと、「行ってよかったー!」である。

歩いて行くという無謀なことはせず、甲府駅からバスに乗ることにしたのはよいけれど、乗客は私一人。。。。
なんだか申し訳ないような気持ちがしつつ、急斜面をバスで登る。(確かに急な斜面であった。。。徒歩で登るのはメタボ対策にはよさそうなので、今度余裕があって天気がよいときにやってみよう)

キューブサット物語のプラネタリウム版は、すばらしかった。
みなさんに見てほしいと、心から思った。

少なくとも、キューブサット関係者の皆さんは絶対に見るべき、と思った。
7月13日までの投影だそうなので、ぜひぜひいらしてください。

今回は、アマチュア無線家の岩下さん(わざわざ山梨までいらしてくださったそうだ)にお会いしたり、静岡から来たというグループの皆さんや、甲府工業高校の先生、キューブサットを作りたいという山梨大学の女子学生など、楽しい出会いがたくさんあった。

科学館のスタッフがまたすばらしい。
山梨の科学館には何か不思議な力があると思っていたが、たぶんスタッフに恵まれているのだろう。
このあたりは、いろいろお話をうかがったので、後ほど、ご本人の了承を得てからご紹介したい。

プラネタリウム番組の話に戻るが、最後の場面がとてもいい。

東工大の研究室(にしつらえた地上局)で、ファーストボイスを受信したときの喜びの様子。
松永先生が飛び上がらんばかり。
全員がこれ以上はないだろうというような嬉しそうな顔をしている。

そして、その場面の後に、地球を背景に二つの小さなキューブサットが、飛んでいる場面がくる。

それを見ていると、この5年間、休みなく飛んで、ずっと電波を送ってきている小さな衛星くんたちの働きに拍手を送りたくなる。

あのとき、Cute-Iにカメラは載っていなかったから、写真はとれなかった。
5年たった今、Cute1.7はこんなにすばらしい写真をとっている。

プラネタリウムという「媒体」は、実はすばらしい場のように思う。
映画よりももっと向こうから近寄ってくるように思う臨場感がある。
そして、丸い天井、丸い会場がかもし出すなんともいえない安心感がある。
そのすばらしい場に、キューブサットがつないでくれたご縁で、私もうかがうことができた。

世の中のご縁の不思議さ、出会いのすばらしさに、あらためて感謝。
みなさん、ありがとう!

Unisectshirts
科学館では、なんと、キューブサットTシャツを、こんなふうに展示してくださっていた。
嬉し恥ずかし、、、。

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山梨県立科学館へ

明日(6月21日)、甲府へ行く予定。

山梨県立科学館で行われる「星空トークショー」とキューブサット物語のプラネタリウムを見に行くことにした。

トークショーは、「キューブサット物語」の登場人物、というよりは、キューブサットの初代開発者の一人、永島隆さんがお話をしてくださるそうだ。

夜なので、東京に戻れるかと思ったが、9時過ぎのスーパーあずさに乗れば、新宿に22時37分に着くようなので、問題なさそう。


早めの午後に行って、科学館の展示などいろいろ楽しませていただいて、などと考えている。。。が、余計なストレスはかけずにのんびりいくことにしよう。

お時間とご興味のある方がいらっしゃいましたら、ぜひ、山梨県立科学館にいらしてください。
現地でお会いしましょう。

※プラネタリウムの詳細は山梨県立科学館のHPをご覧ください。
http://www.kagakukan.pref.yamanashi.jp/cms/event.php?id=250

また、キューブサット物語の編集者、今村さんのブログで、とてもよくわかる内容紹介があるので、こちらもご参照ください。
(見ると聞くとはたぶん違うので、ぜひ、自分の目で見たいところです)


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ラストボイス

Ajisai
HITSAT のラストボイス。

本日13時13分に、北海道工業大学の地上管制局でCW受信。
HITSATの声はこちらで聞ける。やや弱々しいような気もするけれど、なかなかいい声。

14時40分のパスでは、本家の管制局では受信できなかった模様だが、アマチュア無線家の方は一部を受信したらしい。いつもながら、アマチュア無線家の皆様の実力と根性には脱帽。

好きでやる人たち、意気に感じてやってやろうという人たちの力を結集できると、相当にすごいことができると思う。

UNISECの学生さんたちは、誰に強制されているのでもなく、手伝う大人たちも誰に命令されているのでもなく、喜んでやっている(ように見える)。

喜びがなくなるほどに疲れたときは、休むといい。
喜びを感じられなくなったら、やめてみるといい。
やめてみると、自分にとっての意味がおぼろげにわかってくる。

日本初の大学衛星(東大XI-IV、東工大Cute-1)が打ちあがったのが2003年6月30日。
もうじき5年。投入軌道がよかったせいもあって、いまだに元気。

当時の関係者たちは、すでに、あちこちでプロとして活躍中。
みなさん、会うたびに立派になって、いつも嬉しい驚きをくださる。
卒業生の活躍のおかげで、大学の宇宙プロジェクトはけっこういいかもしれないという評判ができつつある。

5年の間に、7基の大学衛星が軌道投入に成功している。
そして、これから、もっといろいろなプロジェクトが立ち上がろうとしている。

宇宙基本法が制定されて、新しい宇宙大臣(正式名ではないが)も誕生した。
日本の宇宙開発もこれから大きく変わっていくのかもしれない。

本質的な価値を持つものは、語らずとも価値がある。
言葉でデコレーションしなくても、価値があるものは、それ自体で光る。

そして、何事でも、誰でも、何でも、「ラストボイス」のときはやってくる。

衛星は、物理的存在としては、なくなったら新しいのを打ち上げればいいと思われるかもしれないが、自分が全身全霊をかけて関わった衛星は特別な存在。その人にとっては、ずっととっておきたい永久欠番として記憶に残るのではないだろうか。それは、中途半端に関わった人や、外から見ていた人には、たぶん決してわからない気持ちだろうと思う。

HITSATのラストボイス
最後の声を聞くと、何かを感じ取れるかもしれない。
ぜひ、聞いてみてほしい。

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HITSAT、大気圏へ

HITSATは、明日、大気圏に突入して、その命を終えるらしい。北海道工業大学の佐鳥先生からメールを頂いた。

2006年9月23日にM-V型ロケット7号機のサブペイロードとして打ち上げました北海道 初の超小型人工衛星HIT-SATは、明日18日(水)夜に大気圏に突入することがほぼ確 実となりましたのでお知らせします。

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SpaceTrack予測: 2008-06-18 09:32:00 GMT +/- 24 Hours
         = 2008-06-18 18:32:00 JST
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HITSAT関係者の皆さんは、どんなお気持ちなのだろう。
日本の大学衛星では、初めてのこと。
大気圏突入ということは、この小ささであれば、ほぼ燃え尽きてなくなるということを意味する。
デブリにならない模範的な衛星とも言えるけれど、いつもいたものがなくなってしまうのは、やはり「喪失感」を伴うのだろうか。

機会があれば、うかがってみたい。

私はといえば、今は、父のこともあって、センチメンタルな気持ちがいっぱいなので、やはりそういうふうに思えてしまう。「命には限りがあるのだなあ」というような。

想いをこめて作ったものには、命が宿るような気がする。
そういう意味では、衛星には確かに命が宿っているように思えてならない。

運用の手間がなくなって、楽になるという考え方もできるけれど、「入院患者の家族」から「遺族」になった経験からすれば、単純にそういうものでもなさそうだ。

手をかけた人ほど、想いが強かった人ほど、寂しさは大きいと思う。
けれど、なくしたものを嘆くよりは、そこにできた大きな空っぽのところに、もっといいものが入ってくるのを楽しみに待ったほうがいい。

各地で、どんどん衛星ができつつあって、今年の末か来年には、香川や仙台生まれの衛星が打ちあがる予定。

北海道の次の衛星は、どんな衛星になるのだろう。
楽しみに待ちたいと思う。

最後のCW受信。。。。うんと楽しめますように、お祈りしています。


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星空トークショー(山梨)

「キューブサット」をプラネタリウム番組にしたものが、ただいま山梨県立科学館のプラネタリウムで放映中。
なかなかの人気だそうで、ヨカッタヨカッタ。

そして、その上に、星空トークショーというのまで行われるのだそうだ。
トークするのは、「キューブサット物語」の登場人物の一人、永島隆さん。

プラネタリウムも上映されるとのことだし、土曜の夜なので、お時間のある方はぜひご参加ください。

星空トークショー「超小型衛星が拓く"みんなの宇宙"」

日時:2008年6月21日(土) 18:30~20:30(受付18:00~)
場所:山梨県立科学館 スペースシアター
対象:小学生以上
費用:一般・大学生500円 高校生300円 小中学生200円
申込:電子メールまたは往復ハガキに、代表者の方のお名前、ご住所、お電話番号、参加人数を明記の上、下記あて先にお申し込みください。5月21日(水)より受付を開始します。定員に達しましたら受付を終了いたします。

〒400-0023 山梨県甲府市愛宕町358-1
山梨県立科学館「星空トークショー」係
E-Mail:starmail@kagakukan.pref.yamanashi.jp
(@を半角に変えてください)

※詳細はHPをご覧ください。
http://www.kagakukan.pref.yamanashi.jp/cms/event.php?id=250


本日の衛星くんたちはますます好調のようでよかった。
ただし、受け手の側がちょっとうまくいかないようで、アマチュア無線家の皆様のご協力に支えていただいている様子。本当に、皆さんありがとうございます。。。。

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コミュニケーション

本日の衛星くんたちの様子。

日大SEEDSは、やっと、見つけてもらえた様子。
アマチュア無線家の方から、「オブジェクトJがSEEDSではないか」と連絡を受け、Jを追いかけるようにしたら、かなり通信がうまくいくようになったとのこと。これまで、いろいろ試した中では、一番反応がよいらしい。

「ウチの子はどれ?」なのかを突き止めていく作業がまた楽しいのだそうだ。

東工大では、またまた地上局のアンテナ改修をしたもよう。
大学の屋上のアンテナに登って作業している図はなかなか。今回は、夕方バージョン。(前回の写真は暗闇バージョンだった)

コミュニケーションが重要なのは、衛星も人間も同じ。衛星と地上との通信がうまくいかないと、他のすべてがうまくいっても、意味がなくなってしまう。

地上のアンテナが衛星のほうをちゃんと向いていないと、いくら衛星が話しかけても聞き取れない。会話が成立しないと、お仕事をするどころではない。

ノイズが大きいと、聞き取るだけで時間とエネルギーを使ってしまう。聞き取れないこともある。都会は違法無線が多く、宇宙からの衛星の声ではなく、地上の話し声が聞こえてきてしまったりする。

スイスイとコミュニケーションがとれるようになるといい。
地上の違法無線によるノイズがちょっと遠慮してくれるといい。

明日も元気にコミュニケーションがとれますように。


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連休終了

なんだか、バタバタとしているうちに、連休終了。
病院と事務所と自宅と実家を行き来しているうちに終わってしまった感じ。

衛星くんたちは、ちゃくちゃくと成長を遂げている様子。

東工大のCute1.7は、もうミッション部分のAPDモジュールの電源をいれたらしい。そして、すでにデータがとれはじめているとか・・・・
もうじき「定常運用」に移行するのだそうだ。写真も「ジグソーパズル」のように現れつつある。いったい何が見えているのだろう。ジグソーパズルの完成が楽しみ。

日大のSEEDSは、うまく受信できたりできなかったり、の様子。
日大地上局大改修も行われるのかもしれない。

それにしても、今、宇宙で飛んでいるSEEDSくんは、もともと予備機だった。2年前のロケット失敗のときに、製作したOBの方が「これもいらなくなったね」といって、手で気軽にいじっていたものだという。それが、いまや「押しも押されもせぬホンモノの衛星」さまになって、宇宙を飛んでいる。

開発者の皆さんは、どんな気分なのだろう。

「自分たちの衛星が、そこ(軌道上)にいるっていうだけで、なんか、嬉しいんだよね」というようなことを以前に聞いたことがある。

こういう不思議な感覚を皆さんは味わっておられるのだろうか。
あるいは、そんな気分を味わう暇もなく、運用計画を練り、ノイズに頭を悩ませ、その一方で大学の勉強をこなし、論文も書き、次の衛星を考えたりしておられるのだろうか。

連休が終了して、これからが「子育て(?)」の本番。
衛星のお父さん、お母さんたちの奮闘にエールを送りたい。


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つつじ祭り

Tsutsuji
午前中、けっこうな雨だったが、午後にはあがってきて、夕方には晴れていた。
ゴールデンウィークなのだが、入院患者の家族としては、病院に行かねばならず、仕事もせねばならず、なかなかお休みの気分にならない。父はちゃんと息をしてくれているだけでも嬉しいのだが、今日はおかゆを少し食べたとのことで、よかった。

病院から帰るとなぜか、何もしていないのにけっこう疲れているのに気づく。
こういうときは、気分転換に限る。ちょうど晴れてきたので、根津神社のつつじを見に行く。
うーん、やっぱり素敵。とてもきれいで、目の保養ができた。

昨日は、自分を元気づけるために、バラの花を買って帰った。
Rose
一輪挿しにさすだけで、なんとなく気分がよくなるのはなぜだろう。
幸せな気分で花を眺める。
状況がどうであっても、心は自由であっていい。

ゴールデンウィークと関わりなく仕事をしている人たちは、たくさんいらっしゃるだろう。休日というのは、実は電話もなく、メールも少ないので仕事ははかどるのだ。

日大と東工大の衛星運用メンバーの皆さんは、たぶん連休とは無関係。連休の意味があるとすれば、「授業がなくて運用に専念できて助かる」という感じなのではなかろうか。

東工大ブログによると、今日も地上局の大改修を行ったとのこと。各種センサー(たくさん積んでいらっしゃる)もきちんと動作しているみたいで、ヨカッタヨカッタ。

日大ブログによると、6回のパスをすべてしっかり使って、いろいろ試しておられる様子。アップリンクが通ったり通らなかったり、電波の状況もあって、なかなか一筋縄ではいかないらしい。

「ハンディー八木アンテナ」での受信も試されたようだ。ハンディーといっても、ちょっと外でやるには目立ちそう。
もっとおしゃれで目立たないアンテナがあるといいのに。。。(どなたか作ってくださいませ)

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1苦あれば3楽あり

救急車で父が運ばれたとの連絡にびっくり仰天して、病院へ。
C型肝炎→肝臓がん→肝硬変というお決まりのコースにのっているので、何かあってもしかたないとは思っているのだが、突然、救急車との話にやや混乱。

C型肝炎に感染してから、50年も生きているので、父は同じ病気の方には「大丈夫」メッセージを送っているといってもよいと思う。大丈夫、感染しても、ちゃんとこんなに長生きできるケースもある。

しかし、救急車に乗るようなことは起こりえないはずなので、どうしたのかと思ったら、「免疫療法」というのを受けにいっていて、その病院にいくときの電車の乗り換え駅でふらついて歩けなくなってしまったらしい。直接の原因は、たぶん糖尿病のためにうっているインシュリンがききすぎて、低血糖になったためらしいが、たぶん全体的にバランスがくずれているのだろう。
でも、おかげで入院できてよかったのかもしれない。
すべては、最善のタイミングで起こるものだ。
最近、食欲が著しく落ちているので、点滴で栄養補給をしていただけるのはありがたい。

というわけで、本日の新人衛星くんたちの様子をチェックするのが遅くなってしまった。

東工大のほうは、アマチュア無線家の皆さんのご協力をいただきながら、運用をがんばっているみたい。東京は何かと違法無線などがあって、ちゃんと受信できないことが多い。アマチュア無線家の皆さんが送ってくださるデータはとても役に立っている様子。
キュート1.7はどうやら元気らしい。PDAも起動したとのこと。最近の子(衛星)は、成長が早い。。。

地上局補修の写真がのっているのだけれど、闇夜にライトアップされた(?)アンテナによじのぼっている姿がなんともいい感じ。

日大のほうは、電圧もいい具合になったみたいで、なんと、すでにデジトーカをはじめたらしい。今日は、4パス目と5パス目の二回、行ったそうだ。宇宙からの声は格別だったらしい。
デジトーカというのは、音声再生装置だそうで、アマチュア無線家でもそうでない人でも楽しめるもの、らしい。(ここの説明がわかりやすい)

。。。え、じゃあ私も楽しめるのだろうか?どうやって?やっぱりアンテナはいるような気はするが、、、

いろいろあるけれど、まあ、前向きに。
本日残念だったのは、新宿の「カムイロケット祭り」に参加できなかったこと。永田節が炸裂していただろうに、まったく残念だった。。。

しかし、ひとつつらいことがあると、3倍の嬉しいことがあるので、楽しみに待っていよう。

「1苦あれば、3楽あり」
(レイランドでは、そのように決まっております。。。)


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砂漠でカンサット発見!

アメリカのブラックロック砂漠というところで、カンサットが発見されたとの報。
毎年、アマチュアロケット愛好家の皆さんにお願いしてカンサット実験をさせていただいているのだが、ときどき、飛びすぎたりして、カンサットを回収できないチームが出てくる。

そういうとき、チームの皆さんは泣く泣く、かわいいカンサットを置き去りにして帰国する。
ときどき、それを発見してくれて、連絡をくださる場合がある。

今回も連絡をいただいた。
「黄緑色のパラシュート」のカンサットは、東工大のものだった。
今年のアメリカでの打ち上げのときに、もらってくるとのこと。無事に持ち主がわかってよかった。

究極の「カムバック」に成功したカンサットは、迎えにきてもらうのを楽しみに待っているに違いない。

今日の衛星ベビーちゃんたちの様子。

東工大のブログによると、なんと、ミッション部分の動作確認が今日のパスでできたのだそうだ。すごい。

まだ4日目。
生まれたばかりの赤ちゃんに、「ハイハイして、さあ立って、ほら歩いて!」というふうにも見えないわけではないのだが、これは、「学生衛星の第一世代」を見ていたところからくる感覚なのかもしれない。すべてがはじめてのことだったので、初期運用の間は負担がかかることは一切せず、衛星がどんな状況にあるのかを必死で探っていたような記憶がある。

「第二世代」は、たぶんそのあたりのところはもう自信があるのだろうか。ハイペースでどんどん進んでいっている様子。

日大SEEDSのほうは、こちらは太陽電池が発電しすぎて、「電力過多」になっているとのこと。この状況はとてもよくないそうだ。電池に負担がかかって壊れてしまうこともあるらしい。(ミルクの飲みすぎで肥満。。。心臓に負担がかかっているようなものだろうか?)

それで、もっと運動をさせて電力を使うために、長時間のFM運用をするとのこと。
ダイエット、ダイエット。。。

生まれて4日目の赤ちゃん衛星は、地上にいる親たちにたいへんな思いをさせながら、地球のまわりを回っている。どんな景色が見えているんだろう。

明日も元気でいてくれますように。


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インド便り

東工大のブログによると、CWは聞こえているらしいので、キュートは大丈夫に違いない。これから7時半過ぎに午後の第一パスがくるとのこと。

東工大も日大もFM運用をするらしい。FM運用をすると、電気を使ってしまうみたいなのでちょっと心配だけれど、なんとかがんばってほしいところ。

日大のブログは二つある。
SEEDS専用と、研究室のブログ

後者は、宮崎先生が更新しておられる様子。
インドでの打ち上げ経験がとても楽しく綴られている。
インドの美人(?)技術者のこととか、ごはんのこととか、今回の打ち上げアレンジをしてくれたトロント大の方のこととか、打ち上げが成功したせいかもしれないけれど、肩の荷がおりたというか、胸のつかえがとれたというか、そんな雰囲気が伝わってくる。

ブログによれば、打ち上げ後、とても心配な50分間があったそうだから、なおさらだろう。以下、日大ブログから無断転載させていただく。

打ち上げ後のシーケンスは順調に進んでいたのですが,ディスプレイに「CUTE SEPARATION」の文字が出た後,他の衛星の分離確認の文字が出てこなかったんですね.これで,一気に我々周辺はどんよりとした雰囲気になり,周囲がロケットの成功で大喜びしているのとは対照的な,なんとも言えない状況になりました.

結論としては,テレメトリデータの受信があまりうまくいっていなかっただけで,後で解析した結果(他の局のデータもあわせたのかな?),ちゃんと分離できていたことは確認できましたし,NORADからもそういう情報が来たのですが,それまではなかなか微妙な空気でした.

コントロール・ルームでFreddyがネットでやりとりをしているのを,ガラス越しに見守る状況が続いたのですが,打ち上げから1時間ちょっとしたところで,Freddyから「カール(Cal Poly)とUT Austionが受信した」との言葉を受け,ほっと安堵しました.その後,コントロール・ルームに入れてもらって(この時点ではロケット関係者はもうほとんど誰もコントロール・ルームにいなかった...),ISROの関係者と話をしながら,Freddyのパソコンを見守っていました.

で,徐々に情報がチャットで入ってきて,SEEDSの状態は正常,という感じになってきました.

分離が確認できなかった約50分間は,さすがにロシアでの打ち上げが頭によぎり,「次はどうしよう」と頭を悩ませましたが,とりあえず,今は「安堵」の一言です.

痛い経験は人生に必要なのかもしれないけれど、嬉しい経験のほうがやっぱりいい。悲しいことやつらいことがあったなら、それ以上の喜びがあってほしい。(個人的には、3倍返しと思っているので、つらいことがあると、その3倍の嬉しいことが起こることになっている)

インドのご飯は本当においしそう。
それにしても、日大メンバーの片山さんはインドでの写真に本当に違和感なく写っておられる。不思議なくらい、雰囲気にあっている。

皆さんが無事に帰国されますように。
新しく宇宙で命を得た10基の衛星たちがそれぞれ元気でお役目を果たせますように。。。


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受信協力のお願い

今日は父の見舞いにいっていて、戻ってきたら、Cute1.7が大変になっている。

東工大ブログによると、電圧が異常に低下しているとのこと。心配。受信協力のお願いが出ている。私が受信してさしあげられるとよいのだけれど、そういう技術はないので、全国のアマチュア無線家の皆様にお願いするしかない。

その前には、オランダのデルフト工科大学の衛星Delfi C-3が緊急状態になったとのこと。とりあえず、復旧したようだけれど、いろいろある。

打ちあげが成功してから落ち着くまでは相当に大変。この間、気をぬけない状況が続く。関係者の皆さんは、夜も眠れない日が続くだろう。

日大のブログによると、インドでは今回の打ち上げ成功の記事がトップニュースとして、新聞の一面をにぎわしているとのこと。インタビューも現地で受けたらしい。

確かに、昨年のIAC開催でも、相当にメディアでとりあげられていた。日本の福岡で開催したときとのメディアの温度差はなんだろうと思った。

インドでは、宇宙開発が確かに「みんなのため」なのである。
日本とは違って、地上インフラが発達していないので、衛星をあげたら助かる人がたくさんいる。
ロケットとミサイルは同じで、軍事の必要性からミサイル開発は重要だから、ロケット開発にも力がはいる。
それに、国威発揚にもなるし、国民の士気もあがるし、科学技術先進国になれるし、すべてが宇宙開発は是であると言う方向にある。

そんな中で、日本で大学・高専の宇宙開発プロジェクトを支援する意味はどこにあるのか。

考えてみれば、ロシアで初めて衛星打ち上げを経験した日本人は学生だったし、今回のインドでの衛星打ち上げも学生が初めての日本人経験者となった。たぶん、これからも同じことが起こっていくだろう。

そのことだけでも、相当に大きな意味があるとはいえないだろうか。
もちろん、工学教育とかものつくりナントカとか、いろいろなことは言えるのだけれど、学生だからこそ、大学・高専だからこそ、既成の枠を飛び越えていけるのかもしれない。ありえないといわれたことが、次々と実現していっているのを見るのは、驚きでもあり、喜びでもある。もちろん、その裏にある多くの方々の表に出ないたくさんの努力と協力の大きさははかりしれないものではあるのだが。。。

。。。それにしても、生まれたての衛星くんたちが心配。。。なんとかサバイブしてくれるといいのだけれど。。。

23時30分の日大ブログによると、SEEDSくんは元気いっぱいらしい。よかった。

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朝パス

今日初めてのパスも無事に終了した模様。

日大の学生さんの喜びの声(UNISECのメーリングリストに投稿されたもの)を無断転載させていただく。
衛星は宇宙にいくまでは、「星」ではない。

初めて,宇宙からのSEEDSの声を聞いた時には,なんとも言えな い感情がこみ上げて来ました. これで,SEEDSは衛星になれました.

前回のことがあるから、今回の喜びはひとしおだろう。


東工大のブログによると、「ウチの子はどれ?」という同定作業中のようである。今回は10基の衛星がいっしょに打ち上げられたので、どれが自分の衛星なのか、すぐにはわからない。

NORADというところが出してくれる情報があり、たとえば以下のような形で示される。

OBJECT C
1 32785U 08021C 08119.87823554 .00000714 00000-0 10000-3 0 107
2 32785 098.0018 179.9128 0013187 284.9790 074.9959 14.80601310 107

今朝のパスでは、オブジェクトCが自分たちの衛星だと想定して、運用したのだそうだ。感触はなかなかよかったみたいだけれど、ほかのでやればもっといいかもしれないので、まだこれが本当にCUTEかどうかは不明。

いずれにしても、「やることがある」のは幸せなこと。

ヨカッタヨカッタ。。。。


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パス!

最初のパスが日本上空を通過した。18時52分。

地上局ネットワークというのがUNISEC内にできていて、各地の大学で受信協力を行った模様。
北海道から九州まで、みんなが電波を待ち受けているのを想像するのは、楽しい。

参加した大学は以下のとおり。

 Cute1.7+APDII 東工大・創価大・九大・道工大
 SEEDS 日大・東大・香川大・道工大

ホスト局(つまり日大と東工大)では、なぜかうまく受信できなかったのだそうだ。
しかし、協力局の創価大、道工大、東大で無事CWの受信に成功したとのこと。

SEEDSは、二回目のパスでアップリンクに成功。これで、衛星とのコミュニケーションがとれる。ヨカッタヨカッタ。
祝い樽も用意されていたようで、お祝い。でも、すぐに三回目のパス(22:03:09)がくるので、臨戦態勢。

CUTEのほうは、二回目のパスで、CWがとれたとのこと。次はアップリンクが通るといい。

今日は、新しい衛星くんたちが誕生した日。
関係者の皆さんは、この日をどれだけ待っていたことだろう。
打ち上げを見ずに卒業していった学生さんたち、打ち上げ失敗のつらいところだけを体験して卒業していった学生さんたち、それやこれやが一気に吹き飛ぶのがこの日だ。

宇宙開発は、実は「個人的な体験」なのだなあという思いを新たにした。そこからはじめないといけない。

もう少しで三回目のパスだ。
地上局の皆さん、アマチュア無線家の皆さん、がんばってください!


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祝!ファーストボイス

日大のキューブサット、SEEDSから電波がとれたとの連絡があったとのこと。
カリフォルニアのCalpolyという大学がとってくれたそうだ。
日本時間で2時。打ち上げから1時間ちょっと、というところか。

Calpolyは、キューブサットコミュニティというのを作っていて、「世界中のキューブサット開発者のために」というスタンスのところだ。2年前、日大のSEEDSがロケット失敗で消えてしまったとき、いっしょに悔し涙を流したところでもある。当時、Calpolyがキューブサットのとりまとめをしていたために、やり場のない無念さをぶつけられたこともあったようで、相当に大変だったらしいけれど、元気に開発を続けているのは、さすがである。

東工大のCute1.7+APDII からも電波がとれたらしい。

ヨカッタヨカッタ。

夕方に日本でパスがとれるらしいので、そのときを楽しみに待とう。

「ファーストボイス」の感激は半端ではない。
衛星を作る人は、その瞬間の凝縮された喜びを知っている。
その瞬間に、本当によいエネルギーが放出される。

たくさんの人に味わってもらいたい、と思う。


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祝!打ち上げ成功

日大と東工大の衛星が乗ったインドのロケットの打ち上げが成功した模様。

東工大のブログで、刻々と状況がアップされている。
http://lss.mes.titech.ac.jp/ssp/cute1.7/blog/

宇宙から、かわいい産声が聞こえてきますように。。。

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打ち上げは28日!

日大と東工大の衛星の打ち上げ日が決まったとのこと。
両方の学生さんが、UNISECのメーリングリストに情報を流してくださったのをまとめると以下のようになる。

打ち上げ予定時刻
 2008年4月28日 03時53分 (UTC)
 2008年4月28日 12時53分 (JST)
打ち上げ場所
 インド サティシュダワン宇宙センター
打ち上げロケット
 PSLV-C9
打ち上げ予定衛星 
 インドのCartosat-2と他2機の衛星と
 カナダのUTIAS/SFLがコーディネートするNLS-4(下記の6機の衛星)

 SEEDS (日大・日本)
 Cute-1.7+APD II (東工大・日本)
 CanX-2 (トロント大・カナダ)
 Delfi-C3 (デルフト工科大・オランダ)
 AAUSat-II (オールボー大・デンマーク)
 COMPASS-1 (アーヘン工科大・ドイツ)


詳しい情報は,両方の大学のブログでリアルタイムでわかるはず。

日本大学CubeSatプロジェクトウェブサイト
http://cubesat.aero.cst.nihon-u.ac.jp/
最新の情報は,SEEDS Weblog
http://cubesat.aero.cst.nihon-u.ac.jp/japanese/blog.html

東工大
Cute-1.7 + APD II Project:
http://lss.mes.titech.ac.jp/ssp/cute1.7/index.php
ブログもある
http://lss.mes.titech.ac.jp/ssp/cute1.7/blog/

両大学とも、今回は捲土重来の打ち上げ。
日大は、2年前にロシアのロケットの打ち上げ失敗で、無念の涙をのんでいるし、東工大は、前のときには打ち上げには成功したが、ミッションの遂行ができなかった。

それにしても、東工大は、今回でなんと三基目の衛星の軌道投入。たった5年の間に、なんということだろう。いまのところ、日本の大学で最多記録となる。

今度こそ、の想いが届きますように。
そうして、嬉しい感激の声が聞けますように。

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プラネタリウム内覧会

4月11日に、キューブサット物語からヒントを得たというプラネタリウム番組の内覧会があって、行くはずだった。、、、が、しかし、ひどい風邪をひいてしまって、いけなくなった。

お誘いしていた編集者の今村さんの日記を拝見。

あー、おもしろそうーだったなー、いきたかったー! 

風邪を早く治して、絶対に行こうと思う。

しかし、今村さんの詳細報告を読むと、「徒歩」で向かうのは、かなり無謀な様子。
(ハイヒールではたぶん無理?)

「歩いていくのも楽しそうです」と能天気なメールを今村さんに送ってしまったせいか、今村さんは歩いていかれたたご様子。。。スミマセンです。。。。

プラネタリウム番組の紹介はこちら

7月13日まで上映しているそうなので、ぜひぜひ、足に自信のある方は徒歩で、そうでない方はタクシーで、山梨県立科学館へいらしてくださいませ。土日祝日はバスもあるそうです。


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インドで打ち上げ

東工大と日大のキューブサットがインドへ行っている。
もうじき打ち上げの様子。(4月下旬とのことだが、変更の可能性もあるそうだ)

日本からカナダへ行き、そこからインドへと向かった衛星くんたちはたぶん大丈夫そうだが、日本からインドへ行き、そこからバスで長い道のりを移動する皆さんは、きっとお疲れのことだろう。

東工大のCUTE1.7ブログには、松永先生がじきじきにアップされているようだし、日大ブログには、SEEDSページへのリンクがはられている。

こことかここで、インドでも元気な学生さんたちの顔が見られる。緊張しているのだろうけれど、ひょうきんな笑顔を見せてくれているのは山崎さんと片山さん。

20歳そこそこの若者が海外の射場から自分たちが作った衛星を打ち上げる。
それは現実として目の前にあることなのだが、やはり信じがたい気もするのである。

インドの打ち上げは、セキュリティが厳しくて、カメラの類はすべて禁止らしい。
日本では誰も、一度も衛星を打ち上げたことのない場所から、大学生が衛星を打ち上げる。そんなことがあるのだろうかと思うけれど、それは現実に起こっている。

全員、元気で無事に帰国しますように。
そうして、衛星打ち上げが成功して、無事に電波がとれて、それぞれのミッションが成功しますように。


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キューブサットがプラネタリウムで!

なんと、キューブサット物語にヒントを得たというプラネタリウム番組を作ってくださった方がいらっしゃる。
4月12日から7月13日まで山梨県立科学館で上映される。

作ったのは、山梨県立科学館の信清憲司さん。
東北大学のT先生の奥様が科学館の同僚で、その方から「キューブサット」の話を聞いて、プラネタリウム番組制作を思いついたとのこと。何がどこでどんなふうにつながっていくのか、運命というのはわからないものだ。

信清さんは、拙著「キューブサット物語」も読んでくださり、何度も取材にいらしてくださった。

プラネタリウムは星を見るものだろうというのは、古い時代の常識らしい。いまや、映画のような番組がいろいろと作られているのだそうだ。子供の教育用というのも古い常識で、今はデートコースにも使われる由。

宇宙作家クラブの大阪例会で、大阪のプラネタリウムのすごさを体験させていただいたことがある。
映画館とは違う圧倒的な迫力がある。
山梨のはどうだろうか。

ぜひ、上映中に一度は行ってみたいものである。

上映予定は以下のとおり。

平日 15:50~
(月曜日は休館、月曜日が休日の場合は火曜日が休館)
土、日、休日 13:10~ 15:50~
※7月13日(日)まで投影します。以後は別番組。

「上がれ!空き缶衛星」は、書店ではもうお求めいただけないと思いますので、新品がほしい方は、私までご一報を。

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Across the Universe

春分の日
昼の長さと夜の長さが同じになる。
そして、これから昼の長さがどんどん長くなっていく。

柔らかな日差しは、あっというまに強烈な夏の照りつけになり、そして、またそのうちに、穏やかな秋の日差しになって、また冬がやってくる。

そんな繰り返しの中で、人は出会ったり別れたり、新しい命が生まれたり、消えていったりする。

最近、近いところで、新しい命が誕生した。(詳細はこちら
まだ写真でしか見たことがないけれど、かわいらしくて、見ているだけでこちらがうれしくなるのが不思議。おなかにいるときから知っている赤ちゃんの誕生は、とても他人事とは思えない。

その一方で、消えていく命もある。
突然の訃報を聞くと、ご本人の無念さとそのまわりの方々のご心痛はもとより、その後にまわりの方々にふりかかってくる膨大な事後処理を思うと、とても他人事とは思えない。

「あなたのお葬式のときに、どんな人だったと言われたいですか?」という質問は、今の生き方を自問するにはとてもわかりやすいので、悪くない質問である。

けれど、それは「人から見た自分」であって、「本当の自分」であるとは限らない。
本当の自分がどんな人間であるのかは、ほんの少しの「心の違和感」に意識をきちんと向けるようにすると、少しずつわかってくる。

最近、ネガティブなこと、自分の本心と違うことを言うと、心がきしむのを感じる。
事実をそのまま口に出すと、ネガティブに聞こえるようなことが多い中で、自分の心のきしみとどう向き合えばよいのか、思案中である。

いま、ここ、に生きていれば、そのような「きしみ」はなくなるのかもしれないのだが、凡俗ゆえ、なかなかそれが難しい。

不思議なことが世の中にはある。

NASAは、設立50周年を記念して、北極星(North Star)に向けて、ビートルズ(The Beatles)の「Across the Universe」を発信した。GMT5日午前0時(日本時間5日午前9時)、北極星に向けて光速(秒速約31万km)で発信したそうだ。地球から431光年の距離にある北極星に楽曲が到達するのは、431年後になるとのこと。

不思議なのは、その日、そのメッセージが、遠い宇宙に向かって発信されたその日、その歌詞の中にあるサンスクリット語の言葉 'Jai Guru Deva, Om...' をビートルズに教えたといわれるMaharishi Mahesh Yogiが、瞑想しながら静かにその肉体を永遠に離れたということ。

ただの偶然といえば偶然かもしれないけれど、何かを感じるのは私だけだろうか。

ほんの少しだけ、意識を少しだけ、高いところに持っていって、ものごとを見つめなおしたい。


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アーサー・C・クラーク

アーサー・C・クラーク(Arthur C. Clarke)氏がなくなられた。

「2001年宇宙の旅」シリーズをはじめとして、多くの傑作を書いた方だ。
映画になった「2001年宇宙の旅」を初めて見たときは、子供だったので、たぶんよくわからなかったのだろうし、少し恐ろしかったような記憶がある。あの独特の雰囲気と音楽。大人になって再度見たときには、相当に衝撃を受け、かつ感動した。

氏は、想像力豊かなSF作家であるというだけでなく、静止衛星を使った衛星通信システムの考案者でもあった。

90歳ということなので、大往生されたといってもよいのだろうけれど、残念だ。
一度でもお会いできたら、どんなによかっただろうと思う方の一人だ。
同時代に生きていられたのに、直接お目にかかることはできなかった。

彼の想像力が描き出した世界に、私たちはまだ到達していない。
2001年はもう過ぎ去った過去になってしまったけれど、木星はおろか、かつては行けていた月にさえも行くのがおぼつかない。

お金がかかりすぎるとか、目に見えるリターンがないとか、いろいろなことが言われる。しかし、本当の理由は、そういうところにあるのではないような気がする。

「宇宙時代」というけれど、実は「地球にいたい」と思う人が大半なのではないだろうか。

以前、国際宇宙大学のサマーセッションで学生にアンケートをとったことがある。

そのとき、「火星ミッションに選ばれたら、行きますか」という質問をしたら、半分くらいしかYESをいわなかった。
宇宙に夢中のはずの人たちの中で、こういう結果が出たことに、私は驚きを感じたのだが、一般の人たちと違って、「火星ミッション」の何たるかがわかっているからこそ、そういう結果になったとも言える。一度行けば、何年も帰ってこられないとわかっていれば、恋人の顔がちらついたりもするだろう。

けれど、この結果は、現実をうつしているのではないだろうか。

宇宙旅行を夢見る人たちは、たぶん、地球に帰ってこられる旅行を考えておられるだろう。
たとえば、一生、地球に帰ってこられないような仕事があったら、志願する人は果たしているだろうか。

家族や友人と別れてもそれをやりたいという人は、いったいどれくらいいるだろうか。

それが少数なのであればあるほど、共感する人は少ない。
そういうプロジェクトは、たぶん長続きしない。

けれど、その一方で、共感されることばかり、一般受けすることばかりを追い求めていくのも、いかがなものかと思う。収束していくその先にあるものはいったい何なのか。

クラーク氏の名作「幼年期の終わり」のラストシーンのような地球になってしまっては、ちょっと悲しい。

彼が遺してくれた多くの刺激的なアイディアを、本を通して受け取ることのできる幸せに感謝したい。

ご冥福をお祈りします。

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星つむぎの歌(宇宙連詩から)

宇宙連詩のシンポジウム。
お台場の科学未来館にて開催。

日曜の午後。さわやかな晴天。

司会はNHKの桜井洋子アナウンサー。
谷川俊太郎氏に大岡信氏、さらに「千と千尋の神隠し」の主題歌の作詞家である覚和歌子氏までいらしている。

この豪華メンバーを集められるのは、さすがである。

まずは、二期目だという宇宙連詩の発表会。24の詩が選ばれ、作者自らが読み上げる。作者が来られない詩は、桜井アナウンサーが読み上げる。

その間、メガスターによる星空の投影。といってもプラネタリウムではないので、500万個の星を体感するのは難しいけれど、星が飛んでいる雰囲気は十分。

星と言葉が空間を飛んでいる中にいるのは不思議な感じ。悪くない。

そのあと、作者の方々がステージに並ばれて、桜井アナウンサーがインタビューなどしてから、シンポジウムに入る。

桜井アナウンサーが大岡信氏にまずはインタビュー。

桜井氏:(マイクをぐっと近づけて)「講評をお願いします」
大岡氏:(後ろにしりぞいて)「や、やめて。。。」
桜井氏:(さすがプロなので、うろたえない)「やめて?その心は?」
大岡氏:「読んだんですけど、ぜんぜん頭に入ってこなくて、、、。長すぎるんです。皆さん、言いたいことがたくさんあるんでしょうけど、自分には物足りないというくらい短くするほうがいいんです」

大岡氏によると、連詩のコツは、①短くすること、②元の詩を裏切ること、なのだそうだ。

「連詩は、単独の仕事でなく複数の人の仕事」で、「前の詩を裏切らないと、続けられない」。裏切ることによって、自分のものが生きてくるのだそうだ。素直に続けるだけでは続かないというところ、なかなか人生にも通じるところがあって、深い。

海外の方からの投稿も多かったようだが、それはすべて日本語になっている。「裁き手」と呼ばれる選者が多少の補正修正を加えているらしく、あまり違和感はない。

山梨の小学生たちや慶應義塾女子高校の取り組みも紹介された。素敵な先生たちがいらっしゃるものだと思いながら、ここまで仕上げるには相当なご苦労があっただろうとも思う。

この「宇宙連詩」から歌までできているのだそうだ。
しかも、平原綾香さんが歌い、財津和夫さんが作曲だという。
「山梨県が誇る詩人」といって、覚和歌子氏を「裁き手」にお願いした山梨県のご担当者の読みは、その読みを超えて、たぶんJAXA殿の思惑を超えて、どんどん進んでいっているらしい。

平原綾香さんのビデオメッセージもあり、歌も聞かせていただいた。
「一人では生きていけない」「愛さずにはいられない」というのがサビの部分なのだそうだ。
ヒットするかどうかはよくわからないが、「これで紅白へ」という意気込みらしい。

「星つむぎの歌」

それから、谷川俊太郎氏と覚和歌子氏の対談。
漫才のごとくにおもしろくて、爆笑。

谷川氏:連詩のご経験があると、さきほどおっしゃられておられましたけど。
覚氏:そこはあまり深くつっこまないでください。
谷川氏:詩に曲をつけられると、どうして、こんなにしてくれたかと思うこともあるんですよ。どれとはいいませんけどね。
覚氏:はい、どれとは聞きません。

覚氏:でも、どうして、宇宙連詩なんでしょうね。だいたい、四字熟語って、硬いんですよね。

谷川氏:宇宙ステーションにおいてある間はいいですけどね、これが宇宙空間を漂っていって、誰かが読むとしたらねえ。誰が読むんでしょうね。宇宙人?
覚氏: 私、今、谷川さんにソックリな宇宙人が読んでいるのを想像してしまいました。宇宙人に似ているっていわれません?

(会場、笑い)

谷川氏:私は日本語が宇宙人に伝わると思っているんですよ。いえね、波動としてね。
最初の詩集「20億光年の孤独」では、火星語を書きました。ネリリ・キルル・ハララ、ですね。
そのあと、火星人がいないとわかって、がっかりしました。

(注:発言内容については、録音を禁じられていたため、正確ではありません。違っていたら、ごめんなさいです。)


なんでも、この宇宙連詩は、アフリカのウガンダの中学校へ行って展開することになっており、来年の世界天文年にも公式にとりあげられるそうだ。

ひとつだけ、とても残念だったのは、こんな豪華メンバーですばらしいシンポジウムで、たぶんかなりお金もかかっているだろうに、ホールの半分くらいしかうまっていなかったこと。こんなことなら、もっと宣伝してさしあげればよかったのかもしれない。

しかし、そういう小さいことは気にせず、「つながりを作る」活動をされている関係者の皆様は、のびのびとやっていっていただけるといいと思う。

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カムイ君のひな祭り

本日、3月3日早朝、カムイロケットの打ち上げが無事成功した模様。(十勝毎日新聞の記事はこちら
ヨカッタヨカッタ。おめでとうございます。

大樹町は快晴だった模様。
白い雪原から青い空に向かっていくカムイ君は、きっと最高に気持ちよかったに違いない。
カムイスペースワークスブログで、植松さんが写真をアップされている。見るからにすがすがしくて、気持ちがよさそうな青い空だ。

HASTICの伊藤先生からは、打ち上げのご連絡をいただいていた。今回の打ち上げは、「安全対策」重視で、特に技術的に新しいことに挑戦してはいないとのことだが、この後に続くであろうことをほんの少しでも知っていれば、この打ち上げ成功には実はとても大きな意味があることがわかる。

「さらりと」成功することが、どうしても必要だった。

本日、3月3日はひな祭り。
ロケットは、雄雄しいもの、「男の子の夢」というようなところがある。
「昭和のロケット屋さん」を読むと、元「男の子」たちが熱狂して取り組んでいるのがよくわかる。そうして、そういう話を聞いて熱狂するのも、男の子たちである。カムイチームもほとんどが「男の子」である。

カムイロケットは、その常識を打ち破っていくかもしれない。
宇宙開発は、垂直方向にいきがちで、そのこと自体は悪くない。
宇宙開発は国家プロジェクトだったから、水平方向への広がりなど、これまで不要だった。むしろ、「ロケット技術が広まったら、テロに使われる」などといわれて、抑えられてきたともいえる。

水平方向への広がりがどんな未来を創っていくのか。
あるいは、それはいったい必要なことなのか。あるべき姿なのか。

これから、大樹町では、東海大が彼らのハイブリッドロケット打ち上げ実験を行うことになっている。3月7日から10日まで、2本の打ち上げが予定されている。30人以上の大学生が北海道へ行ってロケットの打ち上げ実験をする。

打ち上げの日、晴れますように。
みんな、元気で無事に帰ってこられますように。
そうして、できましたら、ロケット打ち上げが成功しますように。

****

「昭和のロケット屋さん」は、お勧めです。
「キューブサット物語」でお世話になった編集者さんのセンスと工夫が随所に光っています。
お宝映像DVDつきです。ぜひご一読を。


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甘えの構造とUNISEC

「甘えの構造」と「続・甘えの構造」を読んだ。
前者が書かれてから30年後に書かれたのが後者。

1950年代にアメリカへ行ってカルチャーショックを受けた精神科医、土居健郎氏が、「甘え」という日本語に特有の言葉に注目して、自身の研究と広くて深い読書と思索と思惟を経て書いたもの。

「甘え」とか「甘える」という言葉は、英語の語彙にはない。
ちょうど、プライバシーとかアイデンティティという言葉が日本語の語彙にないのと同じ。

国境はないとはいっても、住んでいるところによって、ものの考え方は大きく違う。
こんなに感性や考え方が違う人たちがいっしょに仕事をしたり、友達になったり、結婚したりしている現実に改めて驚く。

著者は、「甘え」は悪くはなく、信頼関係を作り、精神的に発達するために必要だという。しかしながら、大人になって、「甘えている」という自覚がないままにそうしているのは問題、とも言っている。

「健康な甘え」が否定されていったために、「病的な甘え」がはびこるようになったと著者は指摘する。
「病的な甘え」が「健康な甘え」を駆逐したのかもしれないのだが、そのあたりの因果関係は不明。

この本を読んだのは、別の必要性があってのことなのだが、UNISECの存在意義を最近考えていたところだった私に、大きなヒントになることがあった。

70年の安保闘争や当時の若者の体制への反抗について、筆者は以下のように洞察する。(『「甘え」の構造』229ページ)

大体青年が自らの力を過信するに至れば、彼らが攻撃している勢力者たちともはや区別がつかなくなるではないか。彼らが真に必要とするものは、それによって自らの限界を知ることができる力試しである。しかし、今日の社会で誰がその機会を青年に与えられるのであろうか。誰が彼らにとって父親となり、権威と秩序の意味を新たに説くことができるのであろうか。見渡したところ、大学教授にも、政治家にも、思想家にも、宗教家にもいない。この点で現代はまさに絶望的である。事実は一にぎりの青年たちだけがアナキーなのではなく、時代全体の精神がアナキーなのである。であるとすると現代の青年はいつ果てるともわからぬ力試しに、まだ当分は明け暮れせねばならぬのではなかろうか。

筆者は、桃太郎の寓話を例にとりながら、論を展開していくのであるが、安保闘争のころからすでに40年近くがたっており、現在の日本の状況は、「戦う相手、乗り越えるべき存在」に関する議論さえなくなった世界になったといえるかもしれない。

成長のためには、力試しの場、限界を知る場が必要。
UNISECや学生の宇宙プロジェクトが提供しうるのは、まさしく、そういう場ではないだろうか。

相手が必要なスポーツやゲームとは違い、自分たちがどれだけがんばったかによって、衛星もロケットも成否が決まる。相手を倒さなくとも、自分が勝つことはできる。全員が「勝つ=成功する」ことだって可能だ。その一方で、自分の努力とは無関係のところで、失敗も起こり、すべてが無に帰することもある。

それでいて、妙な平等主義とも違うのは、低きにあわせる必要はなく、できるところは、突出してすばらしい衛星やロケットを作ってもいいのだ。画期的なアイディアを出し、実現すれば、賞賛される。経験の少ないところは、自分たちなりのことをして、成果を出せば、それも賞賛される。

みんなで仲良くゴールインというのは、すべての人に欲求不満を起こさせるのではないかと、個人的に思っている。

UNISECの標準は、常に最高地点。「標準」は「平均」とは違う。
トップランナーがより早く走ることで、後続のランナーも早く走れるようになるのだ。そういう意味では、トップランナーの責任は重い。でも、トップランナーは、そんなことは気にせず、自分たちの信じることを、何のてらいもなく、どんどん実現していけばいい。

皆の手本になるような団体があちこちに林立している、という状態が理想的。
どんぐりの背比べでなく、多様な植物が育っている、という状況が続いていけば、熱帯雨林のような「やせた土地なのに信じられないほどの豊かな恵み」が自然循環していく。

そんなことを意識して活動していたわけではないのだが、超特急で成長していく学生さんたちの姿を見るにつけ、この場は、もしかするとそういう場として機能していたのではないか、と思ったりする。

名著というものは、分野を超えて、ヒントをくれるものらしい。
「甘えの構造」「続・甘えの構造」を読んで、いろいろなことを考えた。まだ整理がついていないけれど、確かに何かの手がかりを得たように思う。

ご一読をお勧めしたい。

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プルコギの夜

レイランドにインターナショナルなお客様。
"A little late New Year's Party for International Members of N-Lab"
ということで、N研究室に海外からいらしているメンバーをご招待。

食材の買出しに行って、お酒類は、カクヤスで注文。
カクヤスは、こんなに簡単に配達してもらえていいのかしらと思うくらいに簡単。こういうサービスが出てきたら、店に買いに来なさいという商売では成り立たなくなるだろう。時代はどんどん変わっている。

ベジタリアンもいらっしゃるので、メニューをいろいろ考える。

メインを普通の日本の鍋料理にしようと思っていたが、直前に「韓国料理を作ろう」と思いたち、インターネットで検索。プルコギの作り方を見つけ、食材もあることを確認して、それから、牛肉をタレに漬け込んだ。
(韓国の方々に聞くと、ナシをいれたほうがよくて、一晩くらいはつけこんでおいたほうがよいそうだ。次回はそうしよう)

カナダ、イギリスから1名ずつ、韓国から3名。
韓国からいらしている方々は、日本語も英語もペラペラ。
優秀な方々が世の中には多い。

一番若いKim君は、日本のアニメとテレビで日本語を覚えたそうで、会話にはまったく不自由しないのだが、読み書きにかなり不自由しているそうで、新時代の国際人はこういうふうに育つのかと思った次第。

プロジェクトの話から、身の上話から、文化の話から、話はあちこちに自在に飛ぶ。
私は料理を作りながら、片付けながら、ときどきお話に参加させてもらう。

彼らにとって、ここは外国。どんなふうにこの国を見ておられるのだろうか。
日本を離れるときに、「この国、けっこう好きだな」と思っていただけると嬉しいのだが。。。

皆さんの手相を拝見した。本当に、人によってさまざま。
3年前に見せてもらった方の手相を再び見る。かなり変化している。
「奨学金に受かった前後で、この線が・・・」とか、「ああ、もうこの結婚線のチャンスはいってしまった」という非科学的な会話を、科学を学ぶ方々とするのは、本当に楽しい。しかし、潜在意識が手相に影響するか何かの関係があって、まだ科学で解明できていないだけではないかと私は勝手に思っているのであるが。。

ものごとは、解釈によってどうにでもなる。見方によってどうにでも変わる。
大事なのは、「今、こうだ」から、じゃあどうするか、ということをしっかり考えることだ。
結婚線がないとか、ありすぎるとかいうことが問題なのではなくて、自分はどんな人生を送りたいと思っているのか、自覚することだ。

幸せの形は人によってさまざま。
「生かされている」と思える人は幸せだろうし、「自分の力で生きている」と思っている人も幸せだろう。
感謝して暮らしている人は幸せだろうし、感謝されて暮らしている人も幸せだろう。

不幸だと思うときがあったとしても、それは一時のこと。
夜明け前が一番暗いというのは、何度も経験する人生のレッスン。

プルコギのタレには、梨をすりおろしていれるし、キムチには、牡蠣をそのままいれるのだそうだ。
隠し味があるから、おいしいものができる。

いろいろなことがあるのは、人生をもっとおいしくするためのもの。
そう思っていれば、きっと人生はとてもおいしいものになるに違いない。

隠し味のない初心者のプルコギもそれなりにおいしかったが、次回のプルコギはもっとおいしくできると思う。それは、今回プルコギを作ったから言えること。何もしなければ、何も起こらない。

たくさん挑戦して、たくさんつまずいて、たくさん失敗して、たくさん泣いて、たくさん考えて、たくさん笑って、たくさん「ヤッター」と思って、そうして、おいしい人生を創っていけるといい。

本日のメニュー

ゆで卵のファルシー
ポテトサラダ
バンバンジー

さつまいものレモン煮
鶏ひき肉の揚げ包みと大根のおでん風

プルコギ
白いご飯
キムチ

日本茶

おみやげの高級巨大イチゴ

ワイン(おいしいフランスのワインを二本いただいて、そのあとは3リットル入りの箱入りワインで心ゆくまで)
チーズとクラッカー
ポップコーン(カナダのお客様にご教授いただいて、フライパンで作りました)
豆(マレーシアで買った、名前のわからない豆が二種類)

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ニクの日

2月9日はニクの日。
やはりこの日はニクを食べよう。
というわけで、ビーフシチューを作った。

C型肝炎を患っている父の見舞いを兼ねて、実家へ。
10年くらい前に、彼の肝臓はガンになって、手術をした。
切り取ったガンをそのときに見せてもらった。ガンは、意外に白くてきれいだった。

それから、インターフェロンとか塞栓法とか再手術とか、ありとあらゆる治療法を試みてきた。
そして、どうやら、「もう治療法は・・・」といわれているらしい。

ニクは、肝臓に負担を与えるらしい(不確かですが)ので、あまりたくさん食べてもいけないのかもしれないけれど、彼はこういうものが大好き。あったかいシチュー系のものが昔から好きだった。
煮込みがやや足りなかったけれど、それなりのものが完成。
喜んで食べてくれた。

ガンは「善意の細胞」なのだと聞いたことがある。(医学的知識ゼロですが)
そのあたりの調子が悪いから、別のものががんばって出てくるのだとか。

ときどき、UNISECの活動をしていて、もしかして、これってガンみたいなものなのかなと自戒することがある。
宇宙業界の調子が今ひとつだから、別のものががんばって出てきているのかもしれない。

組織は本当はないほうがいい。
昨日書いたことと矛盾するようだけれど、組織は本当はなくていい。
組織を守るために、どれほど多くの無駄なことが行われているか、私たちの多くが知っている。

UNISECは、活動の主体は各団体においているので、本部が肥大化することはないけれど、それでも会員数が増えていくにつれて、「管理」しなければならないことが多くなっていく。

UNISECがガンみたいなものなのか、あるいは、もっとよいものなのか、いつかわかるときがくるだろう。 
ことが始まるのは必然性があってのことだが、終わるのもまた必然性がある。

もしも100年も続くようなことがあるとすれば、それはたぶん、個人のエゴを超えた何かがあるということだろう。
その片鱗が、ときどき見えるような気がすることがあるのだけれど、錯覚かもしれないし、幻想かもしれない。

今問われれば、続けていく価値はあると思っている。
そして、UNISECの活動は、世界に広がる価値のあるものだと思っている。

ニクの日は、UNISECを立ち上げた中心人物の一人、東大の中須賀先生の誕生日でもある。
相変わらずお忙しそうだけれど、からだに気をつけて、ニクをしっかり食べて、元気にがんばっていただきたいものだ。

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UNISEC5周年記念事業

今度のバレンタインデー(2月14日)に、UNISECがNPOになってちょうど5周年を迎える。

5周年記念事業として、板チョコを会員の方々にお贈りした。バレンタインデーにちょっとだけひっかけてのこと。
購入先の小さなコンビニエンスストアで、板チョコを大量購入したので、やや目を丸くされた。この板チョコは「手作りチョコ」の原料として人気があるとのことで、バレンタイン割引が適用になっていた。

90年も続いている歴史ある板チョコは、派手さはないけれど、飽きないおいしさを持っている。続くものは、たぶんこういうものだろう。

UNISECは、活動としては地味で、華々しいことはやってこなかった。
けれど、5年たって、あちこちで成果があがっているのが見える。大学で宇宙開発をするなんてありえないと言われた時代があったというのが嘘のようだ。

何よりうれしいのは、卒業生が、今度は学生を支援しようと考えて行動にうつしていることだ。
UNISASという卒業生のグループができて、社会人として忙しい毎日の中で時間を作って、活動を続けておられる。

支援は、目に見えるものだけでない。UNISECで、目に見える支援はむしろあまり多くない。

「大学生の教育」は、宇宙開発予算をまわしにくいところらしい。「小中高」と「大学院」は、宇宙教育の対象になっているが、大学はすっぽりとぬけおちている。「文言にない」中で予算を回していただけているのはたいへんありがたいけれど、この予算で、450人の学生の宇宙開発プロジェクトの財政的支援をするのは、あまり現実的ではない。

しかし、すべてをあるがままに受け止めると、そこから未来が見えてくる。
「こうであるべき」と「現実はこうだ」ということのギャップが大きいとき、前者を捨てるとストレスが激減する。

現実からしか、未来は開けていかない。
「夢」という言葉の持つ、甘美な曖昧さに耽溺してはいけない。

UNISECに入れば支援を受けられるのだと自動反応的に考える方々は、最初は落胆するらしいけれど、だんだんにわかってくる。

本当に必要なのは、「真剣に立ち向かえる場」なのだということを。

そして、真剣に立ち向かっているとき、涙が出るほどうれしいものは、たとえば、一通のメールだったり、先輩に何気なくかけてもらった一言だったり、ほかの大学の先生にもらうアドバイスだったり、他大学の学生からもらう情報だったり、あるいはエネルギーのようなものだったり、オトナの方が「いいよ、やってやるよ」といってくださる具体的な手助けだったりする。

現実を見て、それを認めて、その中に価値を見て、そこから進もうとするとき、壁だと思っていたことが壁でなくなることがある。思い込んでいたことが、そうではないかもしれないことに気づくことがある。

ささやかな5周年記念事業は無事に終了。

華美でなく奇をてらわず、「実現する」ことを大切にして、息長く活動を続ける。
UNISECが、100年近く愛されている板チョコのような組織に育っていくといいと思う。
今、20歳の学生会員が115歳まで生きてくれたら、UNISEC100周年のときにどうなっているか、見てくれるだろう。

そのために、今、何をすべきか。
100年後の未来のために、今、何をなすべきか。
現実をしっかりと見極めたい。そのためには、きちんと人の話を聞こう。表面的な言葉でなく、その裏にある情報が感じ取れるように、しっかりと聞こう。

この5年間(UNISEC前身のUNISATから数えると7年)にお世話になった方、力になってくださった方は数知れず、お礼も言いそびれていることもあるかもしれない。この場を借りて、感謝の意を伝えたい。

多謝!

<お知らせ>
2月28日、29日にNICT鹿島宇宙通信センターで開催される
宇宙・航行エレクトロニクス研究会(SANE)・衛星通信研究会(SAT)共催のワークショップ
「UNISECミニワークショップ」をしていただけることになりました。

こんな企画をしていただけること自体、最初から関わっている人間には、信じられないことですが、現実をそのままありがたく受けとめさせていただきます。


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新年初出勤

本日、初仕事。(これを書いているのは土曜日なので、昨日が初仕事だった)
今日は誰もいないので、落ち着いていろいろ片付けようと思っていたら、ある報告書の締め切りが今月18日というメールがきていて、やや動揺。書かないといけないとは知っていたのだが、今月18日というとあと2週間。この土日は報告書を書こう。

報告書の嵐シーズンはもう少し先だと思っていたが、すでに前哨戦が始まっている模様。

学生さんには、「早めに」「締め切りを守って」「ごまかさないで正直に書く」などとえらそうなことを言っている手前、やはりきちんと書かねばなるまい。

それはそれとして、うれしいお便りをいただいた。

UNISEC出身の卒業生からだ。メールでなくて手書きのお手紙なのがなんともいい感じ。かわいらしい便箋に丁寧に綴っていただいた。彼女は、就職活動の際には、求人も出ていないのに、自分で目をつけた宇宙関連の会社に電話をして、自ら仕事を勝ち取った猛者である。卒業後、UNISECの正会員になり、ワークショップや卒業生イベントでも活躍しておられる。本人は、「まだまだ正会員としてお役に立てるほど、ものがわかっていないので、せめて少しですが寄付させてください」といたって謙虚。

UNISECの活動で学んだことは

「自分の頭で考え抜くこと」
「未来を他人の手に委ねないこと」
「あきらめないこと」

なのだそうだ。

「未来を他人の手に委ねず、」「自分の頭で」「あきらめずに」考えることは、ふつうの生活の中ではなかなか難しいことだ。

「誰かが言ったから」というだけのことで、どれほど多くの「判断のチャンス」を失っていることだろう。私たちは、「自動反応」する機械になりがちだ。そのほうが楽だし、まわりもそれを期待している。違うことをいうと、「空気を読まない」などといって、蔑まれる。

適応力があるのはよいが、適応しすぎると、滅びるのが自然界の掟、と何かで読んだことがある。

空気を読んで、まわりが喜ぶようなことばかりしていると、自分は本当はどう感じているのか、わからなくなってしまうことも多い。いやなのにいやだと言えず、がまんしているうちに、「そんなにいやじゃないかもしれない」から「これいいのだ」と思い込んでしまう。そうして、今度は、「これいい、正しい」とまわりに喧伝するようになる。そして、「これは正しい」ことを証明してくれる言説を探すようになる。

表面的な感情はだませても、心の奥はだませない。そのうちに、からだのほうが悲鳴をあげるようになる。精神がまいってしまうこともある。でも、原因はなかなか探り出せない。

この恐ろしいサイクルから脱するには、どうすればよいのだろうか。
私が試みているのは、意識して、遠くから自分を見るようにすること。自分のまわりにゆとりをおくこと。リラックスする時間を作ること。お掃除すること。不要なものを処分すること。そして、気づきを与えてくれる本を読むこと。

ちょっといい本を読んだ。よき人間関係(特にパートナー)を創りたい方には特にお勧めだ。
タイトルは「私をコントロールしないで!ーあなたを支配するパートナーとの縁の切り方」(Stop controlling me!)と、ややショッキングなものであるが、内容はいたってまじめでまとも。アマゾンの読者書評が秀逸。71人中66人が「参考になった」のボタンを押したのがよくわかる。

2008年は、よき人間関係を築いていきたい。
そのためには、気づき、認めることがまずは必要と教えてくれる本に出合えたことに感謝。

必要なものは、いつもそこにある、と思えることにも感謝。いま、ここにいられてよかった。

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仕事納めの日

いちおう、仕事納めの日。

すっきりとした気持ちで、新年を迎えられるよう、整理を試みる。
「整理の神様」がつくと、猛然と整理ができる。
「掃除の神様」がつくと、猛然と掃除ができる。

どちらの神様もお忙しいようだが、それなりに助けてくださって、机の上はある程度きれいになった。

お片づけモードの最中に電話。
某新聞社の経済部の方。

頭をからっぽにしているときには、ちょっと難しすぎる質問をいただいた。

「宇宙産業はこんなに小さいのに(産業として成立していないのに、とはさすがにおっしゃらなかった)、どうして衛星やロケットを作る大学が増えているのか」

日本の宇宙開発は産業規模としては、チョコレート産業(年間売り上げが3000億円程度)くらい。
宇宙開発で食べている人は1万人もいない。数え方によるだろうけれど、たぶん6千人くらいか。

UNISECの参加大学は30を超え、学生会員は450名ほど。全員、会費を払って活動に参加している。ものすごくがんばって勉強して研究して開発しているのに、彼らの中で、どれだけの人が宇宙業界に就職できるかというと、本当に数えるほど。

宇宙工学はシステム工学だから、汎用性がある。だから、どの業界にいっても使える人材であることは確かなので、救いはある。しかし、もしも宇宙の世界によい就職口があったら、やっぱりそこで働きたいのではないだろうか。

うーん。

ビジョン作りの神様にご光臨いただいて、2008年からのすばらしい未来図を描きたいものだ。

お正月に考える楽しみがまたひとつ増えた。

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宇宙人宣言

突然ですが、宇宙人宣言をすることにしました。

「宣誓。私は、宇宙に生まれてきたヒトとして、生命を全うし、幸福に生きることを誓います」

(注:「生命を全うし」て「幸福に生きる」のは、時間軸からすると論理破綻しているようですが、「生命を全うする」という前提があるからこそ、「幸福に生きる」ことができると思うので、この順序にしました)

同じような宣誓をしてくれるヒトがいたら、ぜひお仲間になりましょう。

そういうヒトが日本に100万人(それでも人口の1%未満です)になったら、
日本はあったかい国になるでしょう。

嬉しいことが増えるでしょう。
祝う言葉が満ち溢れるでしょう。

これまでつらかったヒトは、これからは喜びに満ちた人生を
これまで悲しかったヒトは、これからは笑いにあふれた人生を
これまでガマンしていたヒトは、これからはのびのびとした人生を
これまで孤独だったヒトは、これからは愛にあふれた人生を
これまでうまくいかないと思っていたヒトは、これからはスイスイの人生を

せっかくこの広い宇宙に生まれてきたのだから、
その命を、思い切り輝かせましょう。

そのための、「宇宙人宣言」。

「幸福」でいるのは、選択。
それを選択し続けるのは意志の力。

あと2週間となった2007年。
けれど、たとえばこれから2週間の旅に出ると考えれば、けっこうな旅ができる。いろんなプランが立てられるだろう。どこへでも行ける。

宇宙に生まれてくる方法はいろいろあったのだけれど、ヒトとして生まれたことに感謝したい。
おかげさまで、とても楽しい。出会うヒトにも恵まれて、幸運だと思う。

突然の宇宙人宣言。
別に気がふれたわけではないし、UFOからおりてきたという気もないので、誤解などなさいませんよう。
また、火星人と交信もできません。念のため。

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日大でワークショップ

UNISECワークショップは今年は船橋の日大で開催。先週の週末は船橋にいた。

Eki
「船橋日大前」という駅の目の前に、日本大学があって、そこが今年のUNISECワークショップの会場。6回目だけれど、毎回会場が違うので、いつも新鮮。

日大にうかがうのは、初めてのこと。知らない大学に行くのはいつも楽しいのだが、ここは行って見てびっくり。
なるほど、日大の学生さんたちの大きくてユニークな発想は、こういう環境ではぐくまれていたのだなあと納得。

Load
1)滑走路が構内にある!
  えーっというような広い道路があって、これは何かと思ったら、滑走路なのだそうだ。大学の中に滑走路があるなんて、、、ここはどこ?日本だったっけ?という気分になる。ヘリポートらしきものも見える。

2)女子高生が構内を歩いている!(付属の高校が敷地内にあるので当然なのだが。。)
  理系学部ばかりというのを聞いていたので、制服姿のかわいらしい方々が普通に歩いているのを見ると、やや違和感。先入観は持ってはいけないのかも。

3)建物が旧東ドイツ系に見える
  整然と並ぶ大学の建物は、なにやら旧東ドイツの住居用アパートのように見える。無駄なくシンプルに作られているのだろうけれど、同じつくりのものが同じ向きに並んでいるのを見るのは少し不思議。


二日とも快晴。
UNISECのイベントは、大雨だったり地震だったりすることが多いのだが、今回はなぜか天候には恵まれた。

ワークショップは午後からだが、その前に「教員ミーティング」。めったに顔をあわせることのない先生たちが一堂に会する貴重な機会だ。話すことが多すぎて、翌日の「学生討論」の時間に再度集まることになり、散会。ワークショップ会場へと向かう。「階段教室」という名前の建物が会場。

Kanban
日大の学生さんたちは、この日はスタッフとして大活躍。表示用の立て看板を立てたり、「人間案内板」になったり、受付から会場の準備、お弁当の手配、懇親会の準備にいたるまで、走り回ってくれた。そういう人たちがいて、こういう場が持てるのだということを知ることは大切だ。一度でも、「そういう人たち」になってみると、その苦労と「ちょっとした喜び」がわかる。

ちょっとした喜びをきちんと味わうのは大切なこと。どんなときも、苦労だけしかないということはない。苦しいときに小さなことでも喜べるような体質を作っておくのがいい。気分の切り替えがしやすくなるし、ビクテム(犠牲者)症候群にはまらなくていい。

さて、そのワークショップ。
出足が鈍いと思ったけれど、200名近くの人が参加してくださった。

「宇宙基本法」の講演を、筑波大の鈴木一人先生にお願いしていた。IACで同じホテルに泊まっていたのがご縁。このご講演は、なかなか刺激的で、「宇宙基本法」という言葉の裏にある背景や動きがわかってよかったという声を後でたくさんいただいた。周波数についてのご講演をいただいた総務省の方からは、後ほど、「ただならぬ熱気に驚きました。少ししか参加できなかったのが悔やまれます」というコメントをいただいた。

Yamamiyazaki
今回の仕切りの中心になってくださったのは、日大修士一年の山崎さん。よく気がついて、フットワークが軽い。こういう人がいると、プロジェクトはうまくいくことが多い。(写真は、宮崎先生とのツーショット)そして、すばらしいチームワーク。

「ああすればよかった、こうすればよかったと思うことがたくさんあります」と言いながらも、無事に二日間を終了させたのは見事。

宇宙プロジェクトでは、「ああすればよかった」と思うことがあったら、たいていは手遅れ。行ってしまったら、もう手を出せないのが宇宙のものづくり。行く前に、すべてを見越して、すべてを仕込む必要がある。だから、経験がものをいう。どこに気をつけなければいけないのか、どこは適当にしても大丈夫なのか、ということは、マニュアルに書ききれない世界だからである。

学生のうちから、たくさん経験を積んでいる方々が中核になっていけば、かなりすごいことができるかもしれない。

二日目の最後に、全員投票で最優秀団体を決める。
今年は東工大の松永研が選ばれた。3年連続優勝の東大中須賀研は準優勝。

卒業生が選ぶUNISASアワードでも、東工大が選ばれた。来年は打ち上げもあるし、ますますの頑張りが期待できそうだ。

Uketsuke

最初から最後まで、受付でがんばってくれた方々にも感謝。
受付は、寒いし、発表も聞けないし、お金のやりとりがあって、けっこう大変なポジション。
けれど、誰かがやらないといけない。リアルなプロジェクトには、そういうポジションがたくさんある。

リアルなことに取り組んでいると、リアルな問題が出てくる。「後の調査を待ちたい」というような逃げが許されない世界。常に現実に直面せざるをえない世界。何かをすれば、直接の影響が目に見える世界。そんな世界がここにはあるのかもしれない。そして、そういう世界にひきつけられる若い人たちがこんなにたくさんいる。そのことに、どれほど大きな価値があるのか、後になったらわかる、と思う。

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カムイ君のメッセージ

12月8日にカムイロケット打上。
8日と9日は、ちょうどUNISECのワークショップの日で、多くの大学が「ロケット打ち上げ」についても発表をしていた。各地で大学生がロケット打ち上げに挑戦している。

今回、カムイ君は、「失敗」したそうだ。

新聞記事をよく読むと、カムイ君としては、打上には成功したようなのだが、パラシュートが開かずにおりてきてしまったらしい。さらに、おりた場所がたいそう気まずく、カムイ君のために仕事をしている人たちのいるテントだったらしい。

幸いなことに、狭いテントに8人もいたのに、誰にもあたらなかったのだそうだ。怪我がなくて何よりだが、カムイ君はいったい何を言いたかったのか。同じ日に、宇宙工学を学び、宇宙ものづくりに勤しむ学生たちが集まるワークショップを開催していたのは、偶然だったのか?

モノは正直。決してウソをつかない。間違ってプログラムされたら、正しく動くことはない。
ヒトは誠実。間違ってプログラムされても、良心に従って、正しく動こうとする。

リアルなプロジェクトには、リアルな問題が発生する。
光をあてれば、影ができる。光と影はいつも表裏一体。

すべてのことは、絶妙のタイミングで起こる。

何を学べといわれているのか。
何に気づけといわれているのか。

9日のUNISEC教員会議では、実験の安全対策について議論になった。「ヒヤリ集」を作ろうという具体的な提案もなされた。ワークショップの最後の挨拶(東海大の遠山先生=UNISEC副理事長)でも、カムイ君のことについての言及があった。すでに、安全対策について、UNISEC内では具体的に動き始めている。

メッセージは、受け取る側によって、全く異なる意味になる。受け手の心情や状況や知識がメッセージに影響を与えるからである。意識が高い人は、意識の高いメッセージを受け取る。「やめたい」と思っている人は、「やめなさい」というメッセージを受け取るだろう。

私は、何のメッセージを受け取ろうとしているだろう。

「危ないから、もうやめたほうがいい」だろうか。
「もっと真剣に取り組んだほうがいい」だろうか。
「とまって考えたほうがいい」だろうか。
「多少の犠牲が出ることを覚悟したほうがいい」だろうか。
「方法論を考え直したほうがいい」だろうか。

あるいは、もっと何か別のメッセージだろうか。
「はやく、カムイロケット物語を書きなさい」
という声も聞こえないわけではない。なんとか時間をひねり出したいものだ。

大学生の宇宙開発は、いまのところ極めて脆弱な基盤の上に成り立っている。
支えているのは、学生さんたちの意欲と頑張りと先生たちの熱意と誠意、そして卒業生や支援をしてくださる方々のサポート。

宇宙開発で食べているプロの人たちは知っている。
夢や気合いだけでは、宇宙へいけないということを。

確かな技術力があって、はじめて宇宙へ行けるものが作れるのだ。
では、そのような技術力はどうやれば持てるのか。

たぶん、今、選別の時期にきている。
続けられる人と、そうでない人と。
続けられる体制と、そうでない体制と。

「宇宙基本法」が制定されたら、宇宙の世界は大きく変わる。
そのこととは別に、法律とは関係のないところで、これまでの宇宙コミュニティは、崩壊しつつある。

人の為と書いて、「偽」という字になる。
今年のキーワードの一つといわれている字だ。
うそをつくとき、たいてい、人は誰か別の人の為にそうする。

誰かの為でなく、自分の為にどうなのか。
一人ひとりが、そのことを真剣に考えるときなのではないだろうか。

組織のためでなく、家族のためでなく、会社のためでなく、地域のためでなく、国のためでなく、人類の未来のためでなく、いま、自分の為にどうなのか。

誰かに刷り込まれた「信念」あるいはプロパガンダを反芻するのでなく、自分はそれをしていて幸せなのか、本当に幸せなのか。しっかりと自分の頭で考え、見極め、そして決めていくことだ。そうすれば、何が起こっても、後悔することはない。

カムイ君のメッセージを真摯に受け止めたいと思う。

カムイ君を支える人たちが、カムイ君といっしょにいて、とても幸せなのであれば、きっと次回は大きな喜びに包まれることだろう。3月の打上げに期待しよう。


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UNISECワークショップ

今週末(12月8日、9日)に、UNISECのワークショップが行われる。
今年で第6回目ということなので、これまでに5回行っていることになる。
これまでの5回は、東工大、道工大、九大、東海大、東北大にて開催。いずれも、担当大学が事務局となって、しっかりと回してくれる。

毎年、各地の大学で開催しているが、今年は日本大学が担当。責任者となった学生さんの、細かな気配りには脱帽。
それはそれは周到な準備をしてくださっているようで、驚くばかり。

最初のころにUNISECに参加していた学生さんは、もう立派な社会人。
それぞれの職場で活躍しておられる。その彼らは、UNISASという卒業生組織を作って、今年はなにやらxxxxを企画している模様。(言いたいけれど、ワークショップの当日に発表だそうなので言えない)

今年はどんなワークショップになるのだろう。

参加した人が、よいエネルギーを自ら発せるような場となることを祈りたい。
よいエネルギーの相乗効果が生まれて、みんな元気になるといい。

宇宙開発をするということは、きっとそういうことなのだ、と思う。
重力に逆らって、少し昔の常識ではありえなかったことを実現していく力は、「科学技術」だなどといわれるけれど、「科学技術」とはいったい何なのか。結局のところ、それはすべて人が創り出す力にほかならないのではなかろうか。


一般の方の参加も歓迎しているので、お近くの方も遠くの方も、ぜひお越しください。
(ほとんど自分たちで切盛りしているので、登録料が少しかかってしまいます、、、ごめんなさい!)


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北九州の鳳龍

北九州へ。
九州工業大学に呼んでいただき、学生さんたちと楽しい時間を持った。

噂に聞く「黒い飛行機」スターフライヤーを利用。羽田空港のはじっこにカウンターがある。ゲートが「1」番。
椅子は黒の革張り、客室乗務員は黒のスーツ。びしっときまっている。コーヒーサービスはタリーズのコーヒーだそうだが、カップも黒。こころなしか、カップが小さめ。
Umi

椅子に埋め込まれた画面で、ビデオを見る。
なぜ雷が発生するかという、科学番組。雷の原因は宇宙線だということを知って、ちょっと感動。行きの飛行機でこんなおもしろい番組を見られるなんて、ラッキー。

1時間40分の空の旅はあっというまに終わり、ふと気づくと、海。
晴天のときの海は、文句なしに美しい。
空港からはバス。バスからの景色がまた、文句なく美しい。
紅葉もなかなかいい感じで、行楽気分。いやいや、今日はこれから講演。

Kit
小倉駅でお昼を食べてから、JRで移動。九大の平山先生に駅でばったり、と思いきや、我々の「講演」を聞きにいらしたとのこと。九大から学生さんも来られるとのこと。

九工大前駅という名前の駅があって、そこでおりる。いい感じの商店街をぬけると、すぐに門があった。
学生さんが迎えにきてくださっていて、道案内をしてくださる。なんと親切な方々。

向った先は、図書館。
ここに広めの講義室のようなものがあって、そこが会場。
会場の入り口で、アマチュア無線家の方に会う。大学衛星の世界では有名な方。衛星からのデータをとってくださる方々が、日本全国のあちこちにいらっしゃる。リアルにお目にかかる機会はあまりないので、実際にお会いするのは楽しい。

Nakamura
今回の講演は、超小型衛星に取り組んでいる学生さんたちを「チアアップ」してほしいとのこと。
そうはいっても、皆さん、技術的なことを聞きたいに違いない。
技術的な質問に答えられる自信は皆無なので、キューブサットを二機も打上げ、今は超小型衛星事業化プロジェクトに取り組んでいる中村友哉さんをいっしょに呼んでいただくことに。私の読みはピタリとあたり、中村さんは講演とその後の学生さんとの懇談会、さらにはその後の懇親会にて、大活躍。

Horyu
九工大が開発している衛星は「鳳龍」というスゴイ名前。中華料理屋さんかと思ったが、大学のマークがこれなのだという。
ということは、東大だったら銀杏衛星、北大だったらエンレイソウ衛星ということか。

それはさておき、鳳龍は、まだBBMも完成しておらず、麗しいイメージ図も作ってもらえていないが、モックアップはできている。「宇宙用材料暴露試験」を超小型衛星でやろうとしておられる。宇宙用材料をむき出しにしておいて、その変化をカメラで撮影するのだそうだ。技術的には相当にチャレンジングなミッション。
2009年が開学100周年の年だそうなので、2009年に打ち上げたら、すてきな記念事業になりそうだ。

Lab
九工大には、「宇宙環境技術研究センター」というすばらしい設備が整っている。
どれくらいすばらしいかというと、日本の宇宙機関の方までが、この施設を借りて実験をするのだそうだ。

Puromane
おみやげに、「キューブサット物語」と「上がれ!空き缶衛星」を寄贈させていただいた。
また、キューブサットで撮影した写真を使ってデザインしたTシャツも寄贈。
プロマネとサブプロマネの二人がさっそく着てくださった。
頼まなくてもちゃんとポーズをとってくれるあたりがなんともいい。

Cho
今回、我々を呼んでくださったのは、趙先生。
10数年前に国際宇宙大学で学んでいたとき、お世話になった方だ。

そのときと何も変わっていないように見えるのだけれど、責任の重さは当時とは比べ物にならないだろう。

Nomikai
夜は楽しい懇親会。
小倉の夜には、九大の方々もご参加いただき、四方山話に花が咲く。

いつのまにか、日本のあちこちで、「衛星開発」だの「ロケット開発」だのが、行われるようになっている。
少し前には信じられなかった世界が、今、広がりつつある。


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11時間半の宴会ミーティング

11時間半 - お客様のレイランド滞在時間。最長記録かもしれない。
昨夜というか、今朝まで、レイランドにお客様。

本日は、N研究室の学生さんをご招待。
PRISMという衛星の開発メンバーの皆さん。
16日に迫ったCDR(= Critical Design Review 設計審査会)を目前にして、多忙を極める皆さんは、時間をやりくりしていらしてくださった。

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7時開始。
準備ができていなかったので、生ハムのサラダをいっしょに作っていただく。
ゆでた卵とじゃがいもの皮をむいていただく。そして、きれいにデコレーションしたあとで、生ハムを一枚ずつはがして、美しく盛り付けていただく。ドレッシングは、タイ産のちょっと辛いドレッシングを使ってみた。生ハムと野菜の相性は抜群。

本日のメインは鳥鍋であるが、N研究室の方をお呼びする場合は、通常の3倍の量を用意すべしという過去の経験則をもとに、食材を大量に準備。前日に骨付きの鶏肉は2時間ほどかけてじっくり煮込んで、あくをとってある。この一手間だけで、不思議なくらいに味がぐっとよくなる。

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「本能のままに」飲み、食べ、語りながら、夜は更けていった。
本当に皆さん、よく召し上がっていただき、お鍋は買いおいてあった豚肉まで投入。最後にうどんをいれる。最後のうどんは、だしとからまって、実においしい。

最後に希望者にのみ、カレー。なぜ、これだけ食べた後でカレーが食べられるのか不思議なのだが、彼らに不可能という文字はないらしい。

コーヒーと紅茶。コーヒーは豆をひいて。紅茶は頂き物の高級品。

11時半過ぎに、衛星運用を終えたメンバーが加わり、ワインを飲み始める。(6リットルのワインが消費された模様)

午前2時を回ったあたりから、プライベートな話に移行。
「キューブサット物語」では、いわゆる「恋愛物語」はあまり書かなかったのであるが、やはりお年頃の皆さんのことで、実はいろいろある。書けないけれど、せつないお話をいろいろとうかがう。衛星開発は、こんな中で行われているのだなあと、パラレルに進行している物語が無数にあることを改めて実感する。

人生は複雑。その複雑な人生がからみあっているのが、世の中。学生といえども、複雑であることに変わりはない。その中で、衛星という新しい命を生み出そうとする努力をしているわけで、それは一筋縄でいくものではない。

朝6時半。
皆さん、いっこうに帰る気配がない。このあまりすわり心地のよくない椅子に11時間半もすわっているのに、疲れた気配もまったくない。
「あと十二時間くらいなら、軽くいられます」という不気味な発言。朝ごはんを出したら、昼ごはんを出すようになりそうだ。

さすがに私も眠くなってきたので、そろそろお開き宣言。

雨の中、明るい笑顔になって帰っていく皆さんを見送って、ほのぼの気分で後片付け。

たまには、こんな夜もいい。
皆さんのプロジェクトがうまくいきますように。


本日のメニュー

生ハムとジャガイモのサラダ
サツマイモのレモン煮
豆もやしとわかめときゅうりの和え物
栗入り五目たきこみごはん
カリスマ豆腐

鳥鍋
カレーライス

果物
コーヒー、紅茶
チョコレート

ワイン
クラッカー

バターブレッド


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北海道で学会

札幌で行われた宇宙関係の国内学会に参加。
たくさんの見知った顔に出会う。この世界が狭いのか、私の顔が広くなったのか。。。
この学会は、「出された論文はすべて受け取る」システムなのだそうで、今回もたくさんの発表件数があり、セッション数も多い。学生さんもたくさん参加していて、なかなか楽しい。

3日間のセッションの中で一番印象に残ったのは、「旭山動物園の園長さんのご講演」だというのは、我ながら情けないが、事実なのでしかたない。動物のお話を聞くのはそれだけで楽しいのだが、園長さんはお話が上手で、動物たちへの愛情にあふれていて、ついつい引き込まれてしまう。

会議終了後、テクニカルツアーが予定されていた。
私は、赤平の植松電機さんへのテクニカルツアーに参加。30人以上の参加があった。
植松専務のご講演は相変わらずすばらしかったし、無重力実験の落下塔のデモンストレーションもいつもどおりすばらしかったし、カムイロケットエンジンの燃焼実験も至近距離で見せていただき、鼓膜が破れるかと思うほどの迫力だった。

しかし、最高に楽しかったのは、子供用のモデルロケット製作と打上げ。
実は、初体験だったのだが、これは文句なしに楽しい体験だった。
手順は明確だし、簡単にできるし、わからなかったら、植松電機の社員の先生たちが親切に教えてくださるし。。。

Dscf1993


お昼休みにやりたい人だけ、ということだったのだが、はっと気づくと、ほぼ全員が。。。
業界では有名なエライ先生たちも、ほとんど全員が参加。
作っている顔は、童心に帰ったようで本当に嬉しそう。完成して記念撮影するときの笑顔など最高!

Dscf1979


冷たい小雨の中、植松電機の敷地で打ち上げていただいた。
(雨の中、燃焼実験・落下塔デモンストレーションやモデルロケット打ち上げ・回収作業をしてくださった植松電機の皆様、北大の学生の皆様、ありがとうございました!)

自分で発射スイッチを押すときなど、ドキドキだし、ちゃんとあがると感激だし、パラシュートを開いてちゃんとおりてきたりすると、小さなロケットがいとおしくなるあたり、しっかりはまってしまったらしい。もちろん、大事に持って帰ってきた。他の皆様も同様。

Photo

「ああ、こんなことが人は(大人でも)嬉しいのだなあ」と、少しとまどいながら、その事実を受け入れる。


東京に戻ってきてから、植松さんの講演で感じたこと、モデルロケット打ち上げ体験で感じたことなどを含めながら、考えた。

本当にやりたいこと、自分が信じられることをやるべきだ、と。
しかし、それが何なのか明確になっている人は少ない。オタクと呼ばれる人ですら、まったく揺らがずに信じているかというと、そういうわけでもない。みんな、多かれ少なかれ、揺らぎながら、迷いながら、歩いている。
(オリンピック金メダルの荒川静香さんも、スケートがいやになってやめていた時期もあると言っておられた)

けれど、それ(やりたいこと・信じられること)はどこか外にあるわけでなく、自分の中にある。自分と真正面に向き合って、心に問いかければ、出てくるはずだ。

そのために、今、3つの質問を自分に投げかけている。

1)人に誇れる得意なことは何か?

2)最も夢中になれることは何か?

3)何をしているとき、一番幸せを実感できるか?

急がず、ゆっくり時間をかけて答えを出そう。
ないものを求めるのはやめて、事実に身をまかせよう。

ともあれ、とても楽しく、学ぶところの多かった北海道滞在だったことに感謝したい。

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異星の踏査

「異星の踏査」というスゴイ名前の展示が、東大の博物館で行われている。秋田大の某先生のお勧めに従って、行ってみた。(「異星の探査」と思っていて、失礼いたしました。ご指摘くださった方、ありがとうございます。)

ちょっと見てきたのだが、これはなかなかお勧めである。
「アポロからはやぶさへ」というキャッチフレーズの意味はよくわからないのだが、要するに、人類が他の星へいって探査しているのだということらしい。小さな空間にぎっしりとエッセンスがつまっている。これで無料なのだから、お得感は最大級。大学の博物館、恐るべし、といったところか。

ロケットや火星の映像をまず楽しむ。よく見ているものなのだが、こういうふうにしつらえてあると、ちょっといい感じに思える。「月の石」の展示もある。

月面探査機かと思う車がおいてあって、よく見ようと思ったら、「セコム」と書いてある。見学者が中に入らないように監視するためのものらしい。すぐにボランティアのやさしそうな女性が飛んできて、「すみません、中にお入りになれないんですよ」と申し訳なさそうにおっしゃる。

このあたりはまだまだ前座。はやぶさの展示があって、それから、目玉は「彗星の塵」。スターダスト探査機が取ってきたものなのだそうだ。

しかし、、、ガラスケースにおさまっているのは、白いケシゴムに恐ろしく細いガラス管が3本ささっているもの。まったく、塵など見えない。小さすぎて肉眼では見えないらしい。「なーんだ」と思うのは早計で、ちゃんと顕微鏡(?)で見ることができる。

画面にうつった「彗星の塵」は、なんだか虹色にきらきらとして、とてもきれいだった。「結晶体」になっていると書いてあったが、そのせいなのか、「塵」と呼んではいけないような輝きを持っている。

いっしょに行った方々と、精神的な満腹感を共有しつつ、感想を述べあう。これも楽しい時間。

「異星の踏査」以外の通常展示物もせっかくなので見る。
植物の進化の展示でちょっとインスピレーションをいただいた。

Adaptive Radiation(適応放散)とConvergence(収斂)。

キク科トウヒレン属の植物は、環境に適応して、どんどん形が変わっていく。ルーツは同じでも、それぞれの環境に適応して、まったく違う植物になっていく。多様化の方向。

一方、水生植物の場合、ルーツが違っていても、水の中で生きやすいように同じような形になっていく。もともとは全く違うものなのに、見たところは似たものになる。収斂の方向。

いかに環境が生物に影響をおよぼすか、というところは驚くべきであるが、これを人間社会にあてはめて考えると、ちょっとぞっとする。

健全な社会では、多様化の方向が許されるし、歓迎されると思う。

UNISECは、それぞれの地方で、それぞれの強みを生かして、それぞれの大学が独自にやっていくという方向で始まった。当初から多様化の方向を目指している。

環境が厳しいとき、生き抜くために収斂の方向に行くのはいい。けれど、通常の状態で、収斂の方向にいくとしたら、そこに明るい未来を見つけるのは難しい。ひとりひとりが持っている力が発揮できないような状況になっているということだからだ。

熱帯雨林のように、多様な植物が繁茂して、全体として豊かな森になっていればいい。

流れに沿って泳ぐのは、「死んだ魚だけ」。
懸命に泳ぐ人たちを応援したい。そして、それは自分自身が同じように懸命に泳ぐことによってのみ、可能なのだということを肝に銘じたい。


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インドの宇宙会議体験記

インドの会議体験記がマイコミジャーナルにアップされましたので、よかったらごらんください。

インド旅行記は、ぼちぼち書いてまいります。

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インドその1

インドは二回目。
一回目は、添乗員つきのツアーで、かゆいところに手が届く、いたれりつくせりの旅だったので、テレビでインドを見たのとか、インド料理屋さんでインド料理を楽しんだ、ということとあまり変わらなかった。安全で楽しい旅だった。

二回目の今度は、現地で目的があるので、のんびり自由旅行というわけにはいかず、個人で移動せざるをえず、かなり緊張した。

出発が9月19日。
18日には、それでなくても時間がないのに、15日に発症した湿疹をみてもらうために、皮膚科へ。たいそう繁盛している皮膚科のようで、2時間待って、5分で終了。でも、人気があるのがわかるようなとてもやさしいお医者さん。
これは相当に強い薬を使わないといけないとのことで、1週間だけぬりなさいとステロイド剤をもらった。大丈夫かと想いつつ、考える余裕はない。

なんといっても、荷物はもちろん、現地でのワークショップの準備も、その後の会議の発表準備も何もできていないのである。日本での仕事も終わっていないのはいつもどおりなので自業自得だが。。

今回の目的は3つ。
キューブサットワークショップ、IAC参加、そして、打上のスロット探し。

最初の目的地はVellore(ベロー)。バンガロールから車で3時間くらい。車で迎えにきてくれるというので、安心していたら、なんと、「やっぱり迎えにいけない」とのメールが!じゃあ、バンガロールのホテルを探してといったら、「それはできない」とのこと。バンガロールから勝手に来なさいということらしい。

乗り換えのタイのバンコクの空港で、私は宿探し。タイで待ち時間がけっこうあったので、とても助かった。無料の無線LANがある空港にくると、その国自体がすばらしい国のように思えるから不思議。うまい具合に、電源も近くにあって、同行の日大の宮崎先生の延長コードをお借りして、ネットでインドのディスカウントホテルエージェンシーと連絡がとれて、なんとかなりそうな感じ。

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深夜にバンガロールに到着して、ドキドキしながら、「プリペイドタクシー」を申し込む。悪いうわさをたくさん聞いていたのだが、無事にホテルに到着。Comfort Innの系列で、Vijay Regidency という名前。けっこうまともなホテルで、wifi も無料にて使える。ベッドも快適。無事に着けたことに感謝しながら、眠りにつく。

午前中、朝食の後、少しバンガロールの街を歩いてみる。うーん、これがインドか。。。エネルギーにたじたじとなりながら、そぞろ歩き。悪くない。

昼間から、気持ちよさそうに外で寝ている人がけっこういる。渦巻くエネルギーと静かな眠り。対照的なようでいて、実は根の部分は同じなのだろうか。

Imgp3662


そして、横断歩道とか信号というものがほとんどない中を、車とオートリクシャーと人と、ときには牛がいっしょに移動して、まがったり、道を渡ったりするのだ。コツは、流れに身をまかせること。決して急がないこと。しかし、行きたい方向には行くこと。それだけで、行けてしまうのはなぜだろう。

日本でこれをやったら、たぶんドライバーから怒鳴られ、パトカー(救急車か?)がくるだろう。

いつもの日本での生活となんと違うことだろうと思いながら、人の流れにくっついて、ふらふらと移動する。


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ホテルでインド風(?)中華料理を食べてから、午後、アメリカから参加のKirkさんと駅で落ち合い、いっしょに列車に乗って移動。ワークショップをいっしょにオーガナイズすることになっているので、さっそく打ち合わせ。

4時間しかないワークショップを、いかに充実したものにするか。参加者の人数もバックグラウンドもあまりよくわからないのだが、知恵を絞る。けっこう楽しい。プレゼンだけだと退屈だろうから、参加型のものにしたいというところでは意見が一致。若くて優秀なオーブコムの技術者としては、いろいろ難しいことをさせたいようだが、私のほうがたぶん現実を知っている。初めて会う人とチームを組んで、一時間くらいで結果が出せるものにしないといけない。

その間、ひっきりなしにお茶やお菓子を売りにくる。検札もある。
Eチケットを、出発直前にKirkさんがいっしょに購入してくれたのを、出発直前の早朝、事務所でプリントアウトして持ってきていてよかった。これがなければ、検札でひっかかるところだった。


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インドから無事帰国

インドより無事帰国。

某旅行社の信じられないミスによって、予定より一日早く帰国。旅程表でもらっていた航空券の日程とは違う航空券が発券されていた。たまたま確かめたので、予定を変更して飛行機に乗ることができたけれど、確かめなかったら、いまごろは恐ろしく高いノーマルチケットを購入して帰国する羽目になっていたに違いない。。。。しかし、予定していたことをキャンセルせざるを得ず、精神的にちょっとまいって、帰国。成田でちゃんと荷物が出てきたときにはほっとした。

まあ、何事もきちんと自分の目で確認することの大事さを教えてくださったのだと前向きに考えよう。

報告書と記事をまとめつつ、考えることがいろいろある。あまりにいろいろありすぎて、自分の中で収拾がついていない。おいおいに書いていくこととしよう。

戻ってきて一番ショックだったことは、編集者のOさんが脳内出血で倒れたとの報。
幸い、一命はとりとめたとのことだけれど、本当に驚いた。
若くてフットワークが軽くて、相当に大変な仕事でも飄々とこなす方で、しかも恐ろしいほどの気配り上手で、編集者というのはすごいなあとよく思っていた。かくなるうえは、素敵な作家の奥様と二人三脚で「病院モノ」の傑作を出版していただきたいものだ。

何もできないけれど、せめて、一日も早い御快復を心より祈りたい。
そして、私にできること、一日一日を精一杯、大切に生きることをしていこう。

2007年10月4日
スプートニク50周年の日。
そして、「かぐや」月周回軌道投入成功の日。
今日から、きっといいことがあると思って、ひとつひとつやっていこう。


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インドの宇宙開発

インドの宇宙開発が元気だ。

衛星打ち上げ事業にも参入して、しっかりと顧客も確保している。先日の打ち上げも成功した。
月にも行くといっている。

なんといっても、「ゼロ」を発明した国なので、アタマのよい人はたくさんいそうだし、国策として宇宙開発をやる、という意志があるので強い。

中国やインドは、ふつうの分け方でいえば、発展途上国に分けられるのかもしれないが、宇宙業界では、宇宙にアクセス手段がある先進国といってよいだろう。

東工大と日大の衛星も、インドのロケットで打ち上げてもらう予定になっている。

東工大のブログ日大のブログも、なかなかよいので改めて紹介しておく。東工大のは、バイリンガルになっていて、海外向けにも気をつかっている。情報発信がこんなに簡単になったのは、喜ばしいことである。透明性の高い社会は、善き方向に向かっていくと思う。

そのインドで、今月下旬に学会がある。IACという、かなり大きな宇宙関係の学会で、あまりに広範囲の学会なので「お祭り」と揶揄されることもあるが、そこに行けば、たいていの情報は入手できるし、コンタクトを取りたい人には直接会って話ができるし、行って損はない。毎日コミュニケーションさんで記事も書かせていただけそうだし、楽しみにしている。

しかし、論文がまだかけていない。締め切りは延びたが、月曜日。明日だ。
UNISECの紹介とか、教育的にどうか、というようなことはすぐに書けるのだが、今回は、「発展途上国」のセッションに出したので、かなり難しい。

UNISECのような学生の宇宙プロジェクトを支援する組織を作ったらいい、と簡単にいっても、日本と発展途上国ではインフラがまず違う。裕福さも違う。日本の学生さんたちは、ちょっとアルバイトをすればたとえばアメリカでのカンサット実験の旅費くらいは自分で稼げる。そうでない国がどれほどたくさんあることだろう。

いやしかし、それでもどこの国の学生でもカンサットとかキューブサットを作るチャンスがあったほうがいいに決まっている。仲間と力をあわせて一生懸命やって、成功したときの喜びは、何者にもかえがたい。

いやしかし、、、、というわけで、南北問題を抱えて考えるには短すぎる時間の中で、どう落としどころをみつけるか、考えあぐねている。

宇宙の世界でグラミーンバンクのようなことができるとよいのだけれど。。。今日の4時までには片をつけて、共著者に送る予定。あと4時間。ブログを書いている場合ではない。

しかし、そんな熱いインドの会議へのJAXA学生派遣プログラムが、今年はキャンセルになった。開催地はHyderabad(ハイデラバッド)。そこでテロがあったので、安全を考えてのことだそうだ。JAXAさんの立場では、そうせざるをえなかったのかもしれないけれど、インドのホスト側の気持ちや、行く気満々だった学生さんの心中を考えると、なんとも複雑だ。

私はというと、IACに出るだけでなく、ご丁寧にも、その前に、SEDS(Students for the Exploration and Development of Space、本部はMIT)という1980年に設立された国際的な学生支援組織が主催するワークショップのために、Bangalore(バンガロール)から車で3時間くらいというVellore(ベロアー)という町に行くことになっている。

テロがあろうとなかろうと、死ぬときは死ぬ。交通事故もあれば、飛行機事故もあれば、自分で転んで打ち所が悪かったということもある。そういう心配をして動かないでいるよりは、すべきことがうまくいくように行動するほうがいい。

というわけで、インド行きを楽しみにしているのだが、まずは論文を仕上げねばなるまい。行動の優先順位はおのずから決まっている。


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ロケット職人の夢

カムイロケットの開発物語がテレビで放映された。
TBS系の「夢の扉」ではなくて、日テレ系の番組だ。

NNNドキュメント「宇宙に1番近い町工場 ロケット職人の夢」。

「町工場」という言葉とか「ロケット職人」という言葉に、ちょっと違和感を感じながら見たが、STV(札幌のテレビ局)のスタッフが、そうとうに丹念に取材をしたんだろうなーというところが、随所に見られてよかった。

8月4日の打ち上げの瞬間を、ちょっと高いところから撮影しているのが、とてもいい。なるほど、この絵が撮りたかったのだなーと納得。この目線感覚はプロならではのもの。

植松電機の社員、鈴木さんがクローズアップされて取材されている。
アメリカ出張の場面も出てくる。ということは、アメリカまでくっついていって取材したのだろう。アメリカで、ロケットは大人気。子供に取り囲まれて、日本語でサインをしている場面が、なかなかいい感じに撮れている。

鈴木さんは、先日、いろいろおしゃべりしたので、こうしてテレビで拝見するのは不思議な感じ。

8月半ばに安中さん・五十地さんと3人で、JAXAさんのコズミックカレッジリーダー養成講座に参加のため、上京された際、拙宅にてご接待。いろいろお話が聞けて楽しかった。

夜は、早い時間には体が液体しか受け付けないという特異体質(?)の鈴木さん。ビールは受け付けてもらえた様子。

まだ26歳の若さだが、19歳のときから、植松社長(植松さんのお父様)に鍛えられていて、経験は十分。根性も十分。それに、4人のお子さんのパパ。お子さんの名前が、ロケットにかかわりはじめたころから、宇宙っぽくなっているのが楽しい。「星(あかり)ちゃん」など、ちょっと素敵すぎる命名。

元、ラーメン屋さんだったというのだが、どこにいても、できる人はできる。まかされる人はまかされる。そして、そういう人がいなくなったら、店はつぶれたりもする。

ラーメン屋では、先輩は決して調味料の割合など教えてくれない。どうやって覚えたかというと、もとの量をはかっておいて、使ったあとの量を調べて、ひとつひとつ自分のものにしていったという。そして、半年で、すべての仕事をマスターした。

植松電機に入社できたのは、専務と誕生日が同じだったから、と笑う。
8月17日生まれ。「わー、いいな」と読める。
もちろん、冗談だろうけれど、何が人生を決めるかはわからない。

資材の調達や管理は、ラーメン屋さんのときの経験が生きているという。
「ラーメン屋とおんなじなんですよー。在庫チェックして、必要なものを注文して・・・」と屈託がない。

「神様はいると思いますか?」という質問に対して
「いると思う」と力強い答え。

でも、その理由がふるっている。
「仕事でうまくいって、家に帰ったら、家が大変なことになっているんですよ。だから、神様はいると思う」

8月4日のカムイロケットの打ち上げが終わって、帰宅したら、お子さんがおたふくかぜ。疲れたといっている間もなく、すぐ車で病院へ。寝たくても寝られない。幼い子が4人もいれば、次々といろいろなことが起こるだろう。

けれど、それをマイナスに考えないところがいい。

植松電機の方々は、特別な人でなく、普通の人だという。
本当にそうなんだろうか。
もしかしたらそうではなくて、「それをするために必要な人たちが、何かの力で集められた」、のかもしれない。

そう思えるようなグループが、あちこちにできていったとき、すばらしいことが起こる、と思う。 


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おめでとうの日

本日、ピグへ。
ピグというのは、N研究室御用達の、ニクメニュー中心の店のことだ。

学生さん向けなので、安くておいしくて量が多い。たいそうリーズナブルなところで、ニク好きなN研究室は、何かあるとここにいく。

私も呼んでいただいたので、インドでの学会発表の論文の締め切りが延びたのをいいことに、ホイホイとうかがう。(本当は明日が締め切りだったので、それどころではなかったのだが)

今日は、大学院の入試の発表日。研究室の4年生4人の運命やいかに、というところだったのだが、全員合格の報。ああよかった。

「おめでとう」、というのは、それを言う側にもどれほど喜びを与えてくれるのだろう。
そして、そういうことが本当の意味でわかるようになるまで、どれほどの涙を流す必要があっただろう。

「おめでとう」と言われる人の陰に、泣いている人がいる。努力が足りなかったんだろうという言い方は冷たすぎる。椅子の数が決まっているところでは、必ずすわれない人が出てくる。人への思いやりがありすぎると、すわれないことがよくある。

けれど、すわらなかったことで、新しい場所へ向かえることもある。その場所のほうが、その人にとってずっと幸せなことだってある。

自分の椅子をとれなかったことを、祝うか呪うか。

呪と祝は、似た字だけれど、どれほど違う未来を作ることだろう。

同じことが起こっても、どちらを選ぶかで、その後の人生は違ってくる。
自分がつらい目にあったら、人はそういう目にあわないように祈れるかどうか。
祈れる人は、そういう行動がとれる。そういう行動がとれる人は、「祝」を道にふりまきながら歩いているようなものだ。

願わくば、「祝」を選び続ける自分でいられますように。 
そして、「祝」であふれる世界でありますように。

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マイコミジャーナルに掲載!

カムイロケットの取材原稿が、マイコミジャーナルに掲載された。

本来であれば、4日に打ち上げなので、5日は原稿ができているのが普通のプロライターであるが、私の場合は、いろいろと考えてしまって、なかなかかけず。。。カムイロケットは、UNISECとしても応援したいし、北海道出身者としても応援したいし、超小型衛星ビジネス化を推進する人間としては、将来のロケット確保につながるのだから、早期に成功してもらいたい。いったい、どの立場で書けばよいのか。ジャーナリスティックな話ではなくて、主観を入れて書いてくださいとのリクエスト。どうでも立ち位置を決めねばなるまい。

そんなこんなで、どういった切り口で書くのかを決めるのに時間がかかってしまった。しかし、怪我の功名で、赤平の植松電機さんまでうかがった話までいれることができたので、まあよかったとしよう。

この原稿は、本当は宇宙作家クラブの別のメンバー(大塚実さん)が書くことになっていたのであるが、彼が行けないので、よかったら書かないかと声をかけていただいて、チャンスをいただけた。

しかし、ビデオを持っていったのに、うまくとれず、打ち上げの写真もとれず、途方にくれていたところ、植松電機の安中さんが、画像も動画も提供してくださって、本当に助かった。そうでなければ、打ち上げ準備中の写真のみで構成するしかなかった。

植松電機さんもHASTICさんも、いまどき珍しいくらい「譲り合う」人たちで、写真にクレジットを入れるのは、どこにしましょうと聞いたら、互いに「あちらをいれてください」とおっしゃる。結局、「カムイスペースワークス」で入れることにして、一件落着。こういうやりとりは楽しい。

そして、マイコミジャーナルの担当編集者の千葉さんにも無理を聞いていただき、素人写真をセンスよく配列していただき、感謝である。WEBジャーナルは、慣れないと難しい。というより、たぶん、文章を書く以外のセンスが必要とされる。で、私はそのセンスはどう考えても発展途上。ブログで適当に写真をはりつけるのとは違う。

いずれにせよ、拙ブログのたぶん何百倍も何千倍もアクセスがあると思うので、多くの方にカムイロケットのことを知っていただけると思う。

少しでもお役に立つことができれば、こんな嬉しいことはない。

よろしかったら、どうぞマイコミジャーナルの記事をお読みください。打ち上げの感動的な動画が見られます。(Quick Time が必要です)

たったの7年で、こんなふうになるのだと、本当に感心すると同時に、暖かな希望の灯火がぽっとともったような気がする。

ただただ、感謝、である。
すばらしい方々との出逢いに恵まれていることの幸運に、ひたすら感謝である。

(ところで、記事でお気づきの点がありましたら、ぜひ教えてください。気をつけてはいるのですが、いろいろミスもあるかと思います)


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7年目の8月4日

カムイロケットの打ち上げが無事終了し、本日は、大樹町の歴舟川清流まつりへ。

ペットボトルロケットコンテストの中で、カムイロケットの燃焼実験を公開ですることになっているそうなので、こちらもいっしょに取材。きびきびと動く植松電機と北大の「若い衆」が小気味よい。

そして、もちろん燃焼実験は迫力タップリ。轟音と炎の数秒のあとに沸き起こる歓声と拍手の嵐。

打ち上げの感激さめやらぬ昨夜は、焼肉屋さんにて、植松電機の若手の皆さんといろいろお話ができて、有意義だった。あまりにも不思議な縁があちこちにはりめぐらされているのがわかって、なんとも不思議。

カムイロケットの三度目の正直の打ち上げは、8月4日に行われた。これは、誰も何も意図したわけではない。

「お盆にかかると困るし、土日でないと、許可をいただかないといけない先が増えるし、協力してくださる方々も自分も時間がとりにくいしで、8月4日の土曜日にしました」と永田先生。

植松電機の社員でも、あまり知る人はいないという「開所記念日」。

もともと芦別にあった会社を、赤平に移転して、開所した日。開所式の日。

その日は、7年前、つまり2000年の8月4日だったのだという。誰も意図も意識もしなかったのに、7年後のその同じ日に、制御機能つきのカムイロケットは打ち上げに成功した。

すべてのことは、全きことのために、最善のタイミングで起こる。

私がブログに書いたこの言葉を、皆さんが大切に想ってくださっていることを知って、本当に嬉しかった。自分のささやかな気持ちが、誰かに届いていることを知るのは、幸せなことだ。

秋田大の学生さんたちが植松電機さんに泊めてもらうというので、私も便乗させてもらうことにして、彼らといっしょに赤平にやってきた。UNISEC学生理事の小林さんの初心者マーク運転は、植松電機さんの車に誘導していただいて、無事に到着。お疲れ様でした。

晩御飯は、滝川の「松尾ジンギスカン」へ。食べ放題飲み放題コースで2650円也。やはり、ここのジンギスカンは素敵だ。タレもよし、肉もよし、野菜もたっぷり、で大満足。

そして、今、植松電機さんの部屋でこれを書いている。インターネットも貸していただき、簡易ベッドも寝具も調理器具一式もあって、快適。シャワーもあびてすっきり。後は仕事を片付けて寝るだけ。

不思議な偶然がたくさん見え隠れしている。
そういう中では、「意味」を探すのは、あまり難しくない。
「意味」がはっきりと見えたとき、余計なものはそぎ落とされて、本当に大事なものだけが残っていくように思う。

カムイ君のますますの成長と今後の活躍を祈念したい。


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祝!カムイロケット、打ち上げ成功!

カムイロケットは、無事に打ち上げられた。

朝からやっぱり雨が降っていて、風も強くなってきていたのだが、無事に打ち上げられた。
詳細は、別のところでご紹介することにして、今は、緊張がとけるようなことを書きたい。

その1)
 「絶対ダイジョウブ」と永田先生。
 天気がどんどん悪くなり、顔がだんだん険しくなっていく中でのコメント。

 その根拠は、「永田晴紀」という名前。
 今後は、「ナガタハレノリ」と名乗られるとか。

その2)
 台風接近中の危ない中で、打上げられた幸運について。

 「やっぱり日ごろの行いがいいんですよ」と、某学生氏

 「本当に日ごろの行いがよかったら、台風にあたらないでしょ」と、私。
  (北海道に台風が来るのは珍しいことなので、まずめったにこういうことは起こらない)

お天気がよければ、なんでもないことが、恐ろしく困難なことになってしまう不思議。そんななかで、必死に打上げた人たち。

ウサギ台風のせいか、打ち上げ後に目が真っ赤になっている人たちがちらちらと見えた。

回収はうまくいかなかった模様だけれど、まずは、打ち上げが成功して本当によかった。

おめでとうございます!
関係者の皆様は、まずはゆっくりお休みください。

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大樹町到着

大樹町に無事到着! 
パチパチパチ。飛行機が飛んだだけでもよかった。
帯広空港からタクシーで9800円也。初乗り520円なのにこの値段。
ちょっと高いが、しかたない。

ランチャーの設営を見学。といっても、ほとんど完成状態だったが。。。
白と青でなかなか素敵。

小雨が降っていて、肌寒い。
そして、海が荒れている。

懐かしい顔にたくさん出会う。いつのまに、私はこんなにたくさんの人と知り合いになっていたのだろうと、ちょっと驚く。

「夢の扉」大撮影隊も出陣中。
見ようによっては、ドラマのロケのようにも見える。

ともかく明日の朝、ちょっとだけでいいので、打ち上げのウインドウが開くといい。

夜を徹しての組み立て作業がこれからはじまろうとしている。。。

→と思っていたら、10時20分には、本日の全ての作業が無事終了。
明日3時まではゆっくり眠れる予定。3時間もある。よかった。

しかし、台風が北海道を直撃という天気予報。こちらはちょっと心配だ。


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ウサギ台風

台風5号がきている。
その名は「ウサギ」。台風にはちゃんとそれぞれ名前がついているのだそうだ。

そのウサギ台風が、これから下手をすると北海道にいってしまうらしい。

現在の予想図を見ると、大樹町のあたりは、台風直撃の様相。
今も雨が降っているようだ。
勢力は衰えるかもしれないが、台風は台風。

明日の打ち上げはできるのだろうか。
一日の順延は予定されているけれど、その先は聞いていない。砂漠で勝手に打ち上げるのとは違って、手続きや関係諸方面との調整が必要なので、じゃあ来週また、というわけにはなかなかいかない。

心配にならないわけではないけれど、その場その場で精一杯のことをやるしかない。

宇宙開発は科学の先端とはいっても、天候に左右される。天候を左右できるようなものにはなっていない。もっとも、左右してしまったら、またあちこちでひずみが生まれて大変だろうけれど。

カムイスペースワークスのブログに植松さんが書いておられる。

台風を食い止めるためにも、下記をクリックお願いします。

ブログランキングへ

ブログランキングを押せば、台風を食い止めることができるのか。
彼の気持ちとしては、みなさんの応援が力になる、ということなのだろうか。

工学部出身の彼がそう言うのだから、文学部出身の私は、もっとぶっ飛んでもよさそう。

ウサギ年生まれのみなさんには、ここでちょっとがんばっていただきたいものだ。
ちょこっと、台風を遅らせるか、進路を曲げるか、なんとかしていただいて、無事に打ち上げができますように。

もしできなければ・・・・

そのときは、またやり直すだけだ。
これまでもそうしてきたように。そして、これからもそうしていくように。

何度でもやり直す。
淡々と受け入れて、やり直す。

そうできることがどれほどすばらしいことなのかは、そうしている人たちにはきっとわからない。

けれど、後になってみると、そのこと自体にとてつもなく大きな意味があったことがわかる。

そろそろ私も出発しよう。
とりあえず、飛行機がちゃんと帯広空港に着きますように。


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大樹町へ

カムイロケットの大樹町での打ち上げを見に行くことにした。

昨日決めて、航空券の手配をした。宿はなし。寝袋を持っていくので、どこかでコロンと寝よう。

カムイ君の今後の成長が、日本の宇宙開発の方向性を左右するかもしれないので。。。などと大それたことは言うまい。

北海道生まれの私は、夏の東京には弱い。
いつも、涼しいところへ逃げることを夢みながら、ジリジリと焼けるアスファルトから立ち上る熱気の中で、めまいを覚えながら、過ごしている。

涼しい北海道で、カムイ君の勇姿を見るという、たまの贅沢をさせてもらっても罰はあたるまい。

記者会見なども見せていただきたかったので、いちおうプレスで申し込み。
そうしたら、WEBニュースのお仕事をいただけるかもしれない状況になってきた。取材道具はすべて持っていこう。そうそう、三脚を忘れずに持っていかねば。

一般の見学も可能だそうなので、ご興味のある方は、ぜひぜひ大樹町にいらしてください。
現地でお目にかかりましょう!

詳細はHASTICのホームページでどうぞ。

以下は、カムイスペースワークスのプレスリリースから転載。

-CAMUI打上げ取材・見学予定の皆様へ-

・ 打上げスタッフは8/3(金)午前に大樹町入りし、大樹町航空公園格納庫を準備作業本部として準備作業を行います。取材および見学の方は準備作業本部までお越しください。航空公園の詳細はこちらをご参照ください。googleマップでの場所の確認はこちらからどうぞ。
・ 8/4(土)の打上げは7:30を予定しています。射点への車両の乗り入れは、HASTICから許可を得ている取材車両以外はご遠慮ください。準備作業本部から射点までは砂利道を 2 km 程度です。6:00頃より、準備作業本部から射点まで大樹町のワゴン車でピストン輸送を行いますのでご利用ください。射点への進入路は7:00に閉鎖致します。
・ 取材申込みは現地でも可能です。準備作業本部において 8/3(金)午後から受付けを開始致します。NEW
・ 8/5(日)に順延となった場合は、打上げを6:00に行います。ピストン輸送は4:30~5:20、進入路閉鎖は5:30となります。
・ 8/3(金)17:00より、航空公園で記者説明会を予定しています。


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夢の扉、再び

今年のUNISEC総会は日曜日だった。
もう第5回目。設立総会をいれると6回目。

当然雨だと思っていたが、雨は朝に少し降っただけだった。
200名もの参加をいただいた。その4分の1は東海大だというから、その巨大さに驚く。東海大は、今年は学生理事も出したし、衛星も始めるというし、ロケットは100キロ到達を目指すというし、相当に気合がはいっている様子。

総会はいつもどおり30分でささっと終了し、あとは活動報告会と大懇親会。

活動報告会は、講演と各団体の今年の目標やら、学生プロジェクトの採択結果など、盛りだくさん。

仕切りは新しい学生理事
「新人なので初々しい」と言いたいところだが、すでに貫禄ありで、余裕の運営。近頃の若い者は、度胸があってすばらしい。

講演では、3人の講演者が登壇。北大の永田先生、東大の中村さん、それに総務省の田野様。
新しい宇宙開発の道を切り拓こうとしている人たちと、できる限りサポートしようとする人たち。
それぞれの持ち場で最高のパフォーマンスができるといい。

永田先生には、打ち上げを間近に控えているカムイロケットの話をしていただいた。相変わらずのスリムさは、学生さんとあまり変わらない。毎日一キロ泳いでおられるとかで、ますます身が引き締まってこられたようだ。ちょっと見習わねば。

TBSのテレビ番組「夢の扉」の取材のため、製作ディレクターさんがカメラをかついで来られていた。カムイロケットは、一度登場したのだけれど、打ち上げ延期になったので、再登場するらしい。

ディレクターの柳瀬由紀子さんは、笑顔がくっきりと印象に残る素敵な女性。
昨年の打ち上げ延期のとき、感情移入してしまって、とても苦しい想いで、「泣きながら」編集されたそうだ。

「宇宙戦艦ヤマト」世代なので、永田先生や植松さんとはヤマトの話で盛り上がったとのこと。
今年の打ち上げがうまくいくことを、心の底から祈っておられるのが伝わってくる。

メディアの方がそんなふうに思ってくださるのは、きっと永田先生や植松さんや、関わっている学生さんや植松電機の社員の方々の熱意が伝わっているからだと思うけれど、「青空に向かって飛んでいくもの」を、人間という生き物は好きなのではないのだろうかと思ったりもする。

以前、スペースシャトルの打ち上げを見に行ったとき、「感動しました」といったら、「Why?」と聞かれ絶句したことを覚えている。感動したから感動したのであって、理由など必要ない、とそのとき思ったのであった

永田先生のご講演の中で印象的だったのは、失敗を重ねる中で、元に戻ってやりなおそうとしたとき、2年前にできていたことができなくなっていて、愕然としたというところだった。大学の技術開発の難しさが凝縮されている。学生がどんどん入れ替わってしまう中で、技術伝承は難しい。

これは、各大学の共通の悩みであるが、ここで、永田先生は決心する。大学じゃなくて、会社として技術開発をしたい、と。そして、自分は経営はできないから、植松さんに泣きついた・・・。

そうしてできたのが、カムイスペースワークス、なのだそうだ。

こうしたいと思っても、永田先生お一人では、決してできなかったこと。
植松さんがいたから、できたこと。

この二人のコンビが巻き起こすことは、たぶん外からはメカニズムが見えにくい。一人ではありえないことが、二人なのでスイスイといっている・・・それ以上のケミカルが働いているのだろうけれど、それが何かはおそらくご本人たちにもわかっていないだろう。

この先に何があるのかわからないけれど、時の流れの中で、すべては通過点。どのようになろうとも、それは通過点なのだから、かまわない。大きな分岐点であろうと、ただの通過点であろうと、過ぎてしまえば、過去。だからこそ、ひとつひとつ、一歩一歩を大切にしたいもの。その通過点には二度と戻れない。

そのときそのとき、精一杯考えて、決めたことなら、そこから未来は開けていく、と思う。

その後の発表を聞いていると、「精一杯やっている」活動がひしめいていて、ちょっとゾクゾクした。こんなに意欲が高い優秀な若い人たちが全国各地にいて、それぞれにがんばっているというのが、信じがたいくらいだ。

北大の混沌系研究室の学生代表の松島さんの発表が傑作だった。
「北大といえば、カムイと思われがちですが、僕たちは衛星をやっています。北大はロケットだけじゃないんです!それを言いたくて北海道から来ました」

彼らは、カムイロケットに関わっている学生さんと同じ北大生。
北海道工業大学といっしょに衛星を作っている。
もう、一機目(HITSAT)は宇宙へ行っている。

けれど、「夢の扉」の取材は彼らのところには来ない。

So What?

真実はいつもシンプルだ。
注目されようがされるまいが、己の信じることをやりぬくと、最高の充足感を得られる。
どんなに注目されてももてはやされても、自分のハートからずれていると、空しさだけが残る。

人の評価でなく、自分の中心にあるハートの部分で感じることを大切にしたい。

カムイロケットの中心にある価値はなんだろう。

打ち上げに向けての調整をしつつ、関係者のハートも、同じベクトルを向き始めるのだろう。

そして、関係者全員のハートが一点に集まる瞬間が来る。

8月4日早朝。
お天気がよいことを祈ろう。


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レイランドに法律家

台風が接近して大雨だった土曜日、レイランド開店。

本日のお客様は、法律関係の方々。

クラスターローンチのロケットはまだ見つかっていないが、実行することになれば、お金のやりとりが発生するので、契約書が必要になる。契約書を作るには、その根本の考え方をしっかりさせないといけない。

というわけで、弁護士の卵様やら、中央省庁のエリートの卵様(すでに孵化しているかも)やら、商法の世界では有名なK先生など、豪華メンバーにお集まりいただいた。ミーティングは大学でみっちりとして、その後、雨の中を歩いていらしていただいた。こんなに法律関係の方がお越しになるなど、初めてのこと。

たたき台を作ってくださったのは、その昔、UNISECの前身であるUNISAT時代に、初めての板倉コンペ(カンサットのカムバックコンペ:2002年)のときにお世話になったロケットボーイズのメンバーの一人。当時は学生だったけれど、今は弁護士の卵様。びしっとスーツで登場された。

(私は台風用に長靴で登場。もっとちゃんとしてくればよかった。。。ボロは着てても心は錦、といつもの呪文を唱える)

あのときから5年。
あのころ、たくさん宇宙関係の団体が出来たのだった。UNISECもできたし、HASTICもできたし、学生団体もたくさんできた。法律関係の皆さんは、SDFというところで大活躍をされていた。

5年の間に、いろんなことがあった。
たくさんの出逢いがあり、卒業されていく方々との別れがあり、再会があり・・・。 
大学が宇宙開発のプレイヤーになるなんて、誰も思わなかった時代があったことなど、今の学生さんたちは知らないだろう。

卒業生がUNISECの会員になって、サポートする側に回ってくれているのを見るのは、嬉しいことだ。そうして、若い人たちは何と早く成長するのだろう。たくさんの悩みや喜びを経て、どんどん大きくなっていってほしい。

いつも応援している。
私のこのスタンスは、たぶんずっと変わらないと思う。

人生は自分で切り開くしかない。誰かがかわりに生きてくれるということはありえない。けれど、応援してくれる人たちがいるだけで、どれほど救われることか。応援しあう仲間がいるだけで、どれほど勇気づけられることか。

多くの人たちに、そんなすばらしい出逢いを持ってもらえれば、と思う。

本日のメニュー

(まずはビールで乾杯!)

スモークサーモンのマリネ
生春巻き(チキンのタイ風サラダ、春雨ときゅうりのサラダ、エビ、しその葉、水菜、レタスなどを好きにはさんで)
紅茶ブタとコンニャクの辛子醤油
ビーフのガーリック酢漬け
ニラ豆腐

ここで、元SDFの皆さんは後輩の就職祝いとやらで退場。
これからがいいところなのに、残念。
先に肉じゃがを出してあげればよかったとちょっと後悔。ゆっくり煮たので、味はきっとしみこんでいるはず。先に言ってくだされば、先に出したのに。。。

残った4人で、お酒を変えて、深い話に入っていく。すべてオフレコ。

(ここから日本酒でしっとりと)

カリスマ豆腐
肉じゃが
枝豆入りさつま揚げ
蒸し鶏のゴマソース
白いごはん
おつけもの
梅干
日本茶(谷中の茎茶)

(さらに赤ワインで盛り上がる)

チーズとクラッカー


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夏のカムイロケット

カムイロケットが、8月4日早朝に打ちあがるとの連絡をいただいた。

HASTICの伊藤先生からのご連絡だが、カムイスペースワークスブログでは、カムイロケット開発者の永田先生じきじきのコメントが読める。日経BPにも紹介されている。

今度は高度10キロメートルをねらっていて、初めての洋上回収だそうだ。

カムイロケットが衛星の軌道投入をできるようになったら、世界は変わる。少なくとも、大学の衛星開発は大きく変わる。好きなときに好きなところに打ち上げができるようになれば、超小型衛星が打ち上げの主体になれる。もしコストがそれほど高くなければ、海外から学生たちがキューブサットを抱えて千歳空港に降り立つことになるだろう。

そうはいっても、宇宙は遠い。突破しなければならない壁がたくさんある。衛星打ち上げに使うには、軌道投入ができなければならないが、その前に、解決すべき技術的課題がたくさんある。そんなに簡単なことではない。

けれど、それにチャレンジしようという人たちがいる。
そのことだけでも、すばらしいことではないだろうか。

本番の打ち上げに向けて、それはそれはたくさんの努力がなされていることと思う。
たくさんの人たちの想いと献身的な努力が、実を結びますようにと祈らずにはいられない。

そして、大きなプレッシャーを背負いながら、それをプレジャーに変えてしまう永田先生の強さに拍手を送りたい。宇宙開発技術者は、プレッシャーをプレジャーに変えるコンバーターを心の中に創っていく必要がありそうだ。

「夏のカムイロケット」が、今度は実現しそうだ。

打ち上げ成功を、心よりお祈り申し上げます。

===
HASTICのホームページは、最新ニュース以外は消されていってしまう仕組みのようなので、ここにそのまま転載しておく。

HASTIC TOP NEWS  (2007.7.12)
気象観測用ロケットCAMUI 打上げ実験のお知らせ

 異常燃焼の頻発により平成18年3月と7月に相次いで実施見送りとなった実用気象観測用小型ロケット「CAMUI型ハイブリッドロケット」の打上げ実験を、8月4日早朝、北海道大樹町で実施します。この打上げ実験は、平成16、17年度経済産業省「地域新生コンソーシアム研究開発事業」に採択された「ハイブリッドロケットによる成層圏観測、微小重力環境提供事業の創出」プロジェクトで開発された無火薬式小型ロケット「CAMUIロケット」の打上げ環境におけるエンジン作動実証実験と超音速飛行環境における詳細な飛行履歴の取得を目的として、到達高度10 km規模で実施するものです。
 実験場所までのアクセスは狭い未舗装路のみで、駐車スペース(15台)も限られています。実験に支障が生じないよう、取材頂く場合には必ず申込書により事前に取材申込みを頂けますようお願い申し上げます。一般の方の見学も可とします。


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クラスターローンチ

打ち上げロケットを探している。
来年打ちあがる予定のH2Aのピギーバックに選ばれなかった衛星たち。光と影は、いつもどこでもあるらしい。

クラスターローンチ(いくつかの衛星をいっしょにして打上げること)にして、どこか海外のロケットであげてもらえればいい、などと甘く考えていた。

しかし、ロケットが見つからない。
見つからないというのは本当ではなく、見つかっているのだが、値段が折り合わないのである。

ちょうどよい時期に見つかったのはよいけれど、「60万ユーロ」っていくらだっけ。。。

電卓をたたいて、ゼロの数を数えてひっくり返る。

「い、一億円、、、」

宝くじでもあたらねば、とても打ち上げは無理。10個いっしょに打上げたとしても、キューブサット一個の打ち上げ費用だけで1千万円。大学の研究室で出せる額ではない。

最近、ロシアはたいそう強気で、値段をどんどんあげてきている。しかも円がこんなに弱いときている。

日本のロケットがもっと充実していれば、と思ってしまう。
日本語で作業ができて、輸出手続きをしなくていいというだけでも、日本の衛星を日本で打上げる価値は高い。何よりも、ノウハウがどんどんたまっていく。

衛星の鍵は、ロケットだ。
どんなに衛星をがんばって安く作っても、打ち上げ費でひっくり返ってしまう。

しかし、20もの大学が、衛星を打上げたいと切望しているのであるから、ここはなんとしてもロケットを探さねばなるまい。

というわけで、ロケットを探している。探せなければ打ち上げはない。打ち上げがなければ、作ったものはいつまでも衛星になれない。

さて、ここからは、議論の分かれるところだろう。某新聞の方にも電話でいろいろ聞かれたけれど、そのときにははっきりと言えなかった。

しかし、この状況にあっては、やはり大きな声で言おう。

2000億円もある宇宙予算のうち、0.1%くらい、大学生の宇宙開発支援に使ってもらえないものだろうか。たった0.1%の予算で、どれくらいすばらしいことができることだろう。

H2Aに載せていただけることになったのは、すばらしい。しかし、先日のパリのエアショーだけで30数本の受注があった(数字は又聞きなので、要確認)というアリアン(400億円もするのだが)などと違って、H2Aは打ち上げ自体が少ない。情報収集衛星には載せてもらえないから、次はいったいいつになるのかわからない。そうこうしているうちに、学生さんたちは卒業してしまう。

H2A搭載が可能であろうとなかろうと、1億円で打ち上げスロットを毎年確保したい。

MHI(H2Aの製作会社)が打上げてくれるのであれば、1億円をMHIに支払う。今後、GXが打ちあがるのであれば、GXに支払ってもよい。新しい固体ロケットがあるのであれば、そこに支払ってもいい。(安定打ち上げができるようになるまでは、リスクが大きいので無料にしていただきたいが)

それだけで、学生さんたちの頑張り具合がどれほど違うことか。
がんばれば打上げてもらえると思うだけで、どれほど力が入ることだろう。
そうして、打ち上げることに無上の喜びを感じる人が多く関わることで、ロケット開発側にも、どれほど目に見えない力を与えることか。

学生の宇宙開発は、試行錯誤が可能で、しかも手が多い。
大学ごとに違うやり方でやってみることが可能。
技術革新をどんどんやれる環境が、宇宙開発の世界にも必要だ。コストが高い世界なので、プロの世界ではなかなかやりにくいけれど、学生の世界ではどんどんやれる。

残りの1億円で、衛星開発やロケット開発ができるポスドククラスの優秀な人材を雇用し、彼らが思い切り仕事ができる場を創る。プロのエンジニアスタッフが10人いれば、相当なことができる。ここでは、ペーパーワークは極力少なくして、実際の開発作業にあたってもらう。彼らがプロマネになって、学生たちをひっぱっていけば、相当に大きなプロジェクトもできるだろう。

そんな世界が作れないものだろうか。

たった0.1%の投資で、人材は育ち(根性と実力のあるエンジニアになっているはず)、革新的な技術開発が安価にでき、宇宙開発に興味を持つ人たちが、指数関数的に増えていくのである。真剣に打ち込む家族や友人を見て、「何がそんなに嬉しいの」と思う人たちが増えていくのはまちがいない。自分の息子や娘や兄弟姉妹がやっていれば、ちょっと応援してやろうかという気にもなるだろう。

現在、UNISECの予算は、年間で1000万円程度。そのうち、宇宙予算から頂いているのは800万円程度。これで、400人以上いる学生さんたちの活動をサポートし、事務局を運営しているのである。人件費もそこから出しているのである。そして、驚くほどの成果をあげている。そのことは、誇ってよいことだけれど、いかんせん、打ち上げには費用がかかる。

みんなが手弁当でがんばってできるところと、そうでないところがある。

衛星の軌道投入に関しては、そうでない。学生さんたちがバイト代を集めても、1億円集めるのは難しいだろう。

宇宙予算の0.1%を、次世代の教育に使わせていただきたい。

夢を夢みるのでなく、夢を現実にすることを堅実にやっていける若い人たちを、社会はどれほど必要としていることか。そうやって育った人たちは、すぐに社会の中堅となって、世の中に貢献していくのである。

これほど費用対効果の高い投資を私は知らない。

こういったことを、誰に言えばよいのかわからないので、とりあえず、このブログに書いておく。

いつかこういう世界が出現したとき、ニヤリとする日を楽しみに、日々精進していこう。

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パエリアの夜

Paella
パエリアを作った。

UNISECの新旧学生理事の皆さんやOBの皆さんが、ミーティングのために集まってくれたので、拙宅で「ご接待」。おいしいものを囲んで話すと、いい結果が出るのはいつものこと。椅子が足りなかったので、事務所から持ってきてもらった。そうか、「最大収容人数」というのは、こうすれば簡単に突破できるらしい。

今週二回目のお食事会。
一週間に二回して、数名がかぶっているので、メニューはかぶらないように気を使う。

今回のメニューはこんな感じ。

豆もやしとわかめときゅうりの和え物
ポテトのざく切りサラダ
練り製品のサラダ
紅茶ブタとコンニャク
ササミの紫蘇チーズはさみフライ
カリスマ豆腐
パエリア

パエリアは、エビアレルギーの方がいらっしゃるので、エビなしで。
これは、作っている間じゅう、いいにおいがしているのが、また別のご馳走。
皆さん、喜んでくださって何より。

その後に用意していたパスタまでは到達せずにお茶とお菓子。

8人のお客様は、家が遠い順にぱらぱらとお帰りになる。

これから、UNISECはどんな方向へ行くのだろう。

「作って、打上げて、動かす」という基本をはずさず、地道にやっていくのが私はよいと思うけれど、そうでない考え方もあるだろう。

UNISECの創立から関わっているメンバーは、いまやマイノリティ。学生さんたちは、ほとんど入れ替わっている。2001年に筑波で行った最初のワークショップは、いまや神話。あのときに感じたエネルギーは、ますます大きくなっているように思う。

衛星を打上げたい大学の調査をしたら、20大学が手をあげるすごい時代になった。

新しい学生理事になって、また新しい時代が開かれていくのかもしれない。
「学生がUNISECの運営に関わるべきだ」と主張する新しい世代からは、「もっと学生に期待してください」という力強い言葉が出てくる。

学生が卒業して、UNISECのスタッフになるような道が開かれていくといい。
それには資金源が必要。ここは、夢を見る場ではない。現実の目標を達成していく場だ。

「宇宙?夢があっていいですね」という言葉に対して、ずっと居心地の悪さを感じてきた。甘い夢などない。ここにあるのは、建設的な現実。現実をひとつずつクリアしていく中で見えてくる新しい道。それを探しながら、丹念に織り上げていこう。そうして、いつか、「そうか、これを創っていたんだね」と言える日がくるといい。

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新しい道

新しい道を創る。

口で言うのはたやすいが、実際にそうしていくのは大変なこと。

小型衛星という新しい世界を創ってきた方のお話をじっくり聞く幸運な機会を頂いた。

マーティン・スィーティング氏。 (敬称にSirがつく)
1950年生まれというから、今、50代の半ばというところか。

日本で歩いていて全く違和感のない、小柄な英国人だ。
スプートニク以来、大型化の一途をたどってきた人工衛星の世界で、80年代に誰も見向きもしなかった小型衛星の世界を切り開いてこられた。

Personal Pain (個人的な痛み)とSacrifice(犠牲) という言葉が、話の中によく出てきた。

開発途中の失敗や遅れは、感情面で大きな痛みを個人に与えると同時に、それを取り返すために物理的な痛みと犠牲を個人に強いる。時間も家族も趣味も、ほかのことすべてが「犠牲」となる。

そして何よりも、新しい道を歩もうとするとき、孤独に耐えなければならない。まわりじゅうが「バカなことをやっている」と言っても、自分は信じ続けなければならない。そして、その結果を引き受けなければならない。

だから、宇宙の世界で新しい道を進もうとする人には、「悪いことは言わないからやめておきなさい」とアドバイスするのだそうだが、ご本人はいまだにやる気満々。チャレンジ精神にあふれている。

次のターゲットは月らしい。
「宇宙探査のコストを下げるために」、小型衛星を使って月探査を行うのだそうだ。
「2010年にペネトレーターミッション、2013年には軟着陸」をするとのこと。

「朝8時から夜2時まで」仕事をするのを続けてきた彼は、もうすっかりそういう体になっているらしい。
食事は一日一食でOK、ベッドに入ったら30秒で熟睡できるワザを身につけ、そして競歩のごとくに早足で歩く。

世の中にはスゴイ方がいらっしゃるものだと思いつつ、いろいろと学ばせていただく。
私の場合は、おやつをいれると、一日5食くらい食べているので、ちょっと減らさねばと思ったりする。

ついでに手相も見せていただいた。こういうときにはたいそう役立つスキルである。どんな手相だったかは個人情報なので、言わないでおこう。

今、小型衛星よりもっと小さな超小型衛星の事業化を進めている。
優秀な学生さんたちが、優秀なエンジニアとなったときに、存分に力を発揮できる場を創りたい。

そう想いながらも、亀の歩みのごとくにのろのろとしている。
四方八方、高い壁に囲まれているように感じるときがよくある。

そんな中で、たくさんの勇気とヒントが頂けたのは、本当に嬉しく、ありがたいこと。

高い壁にはドアがついているかもしれないし、抜け穴があるかもしれない。押せば倒れるかもしれない。
東西ドイツの壁のように、ある日、壊されるかもしれない。

新しい道は、前向きに歩くに限る。

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ガンダムエースに登場

恥ずかしながら、ガンダムエース7月号に写真入りで登場。
冨野監督との対談(恐れ多いことだが)の記事。
お送りいただいて、ありがたく読ませていただいた。

写真が大きい。
私の顔は、なんとN先生の顔より大きい。
まさかと思ってみていたら、もっとまさかのことが、、、。

私の名前が違っている。
「川島レイ」でなく、「川嶋レイ」さんになっている。

ご担当の方に連絡すると、たいそう恐縮したお返事が返ってきた。

何度見直しても、ミスはある。
これは私も経験があるので、とても人様を責められない。
しかし、たいそう目立つ場所でのミスなので、自分が編集の立場だったら、落ち込むだろうなあと思う。

私としては、冨野監督とお話できただけで感激なので、名前のミスなど、小さなこと。
どうぞ気になさらないでくださいね。

キューブサット物語~超小型手作り衛星、宇宙へ」の宣伝もしていただけて、感謝。

上がれ! 空き缶衛星」は、6月に再販されなければ、絶版になるらしい。(と新潮社さんから通知があった。お求めになりたい方はお早めにどうぞ)

初めてのカンサット実験から8年。
強烈な体験も、風化していくのだろうか。

登場人物たちは、もうみんなオトナになったけれど、あのころのキラキラした情熱は、まだ持っておられるだろうか。人生こんなものさ、という悪魔のささやきに耳を貸していなければいいけれど。

冨野監督との対談中、ずっと感じていたのは、「宇宙開発がこんなものであっていいわけがない」という監督の熱い想いだ。

その想いに応えることができるのは、GSE(Genuine Space Engineer)だろう。

ホンモノで居続けることは、どの世界でも難しい。できない言い訳はいくらでもみつけられる。志を持っていても、すぐにまわりに引きずり落とされる。志を持ち続けるには、孤高の人でいる覚悟が必要だ。

日本は、「成功したら妬まれ、失敗したら蔑まれる」文化を持っているのだそうだ。(加藤諦三氏の著書「格差病社会―日本人の心理構造」より)

だから、勝っても負けても幸せでない。うまくいっても失敗しても幸せになれない。

そんな文化はもうたくさんだ。
「成功したら祝福され、失敗したら励まされる」文化を持つ社会のほうが、どんなにか幸せに過ごせるだろう。

まずは、自分から。
人の成功を心から祝福し、失敗した人を暖かく励ます。(注:甘やかすのではない、念のため)
そんな温かな場を創れるといい。


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ベルリンその7

4月25日(水)

シンポジウム最終日。

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裏方の方々全員に、花が贈られた。こういう気配りは、本当におしゃれで素敵だ。

会議の裏方の仕事は、けっこうきついのである。朝早くから夜遅くまで、準備に追われ、うまくいって当然、うまくいかなければクレームの嵐というプレッシャーに耐えなければならない。一度でも自分で責任を持ってやった人であれば、その苦労はたぶんわかるだろう。

私のホテル予約のミスについても、丁寧にお詫びをしてくださって、恐縮。ベルリンの写真集までいただいてしまった。

今回お世話になった会社の方と最後の打ち合わせ。

東ドイツ出身の社長さんは、会議会場の向かいにある荘厳な感じの音楽堂のほうがよいといい、西ドイツ出身の若い女性社員は、ベルリンフィルの現代風の建物のほうがよいという。

「ほら、東西対立は続いているのよ」

みんなで爆笑。
こんな冗談が言えて、笑いあえる関係になっているのはいい。
つらい過去をなかったことにするのでなく、そのままにおいておいて、笑い話にできるといい。


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プログラムはドイツ語だったので、購入せず。
何の曲目かよくわからないけれど、どちらかというと現代音楽風。

美しい女性がチェロを持って登場。
チェロって、こんな楽器だったのだと思うようなすばらしい演奏。すごい!の一言。
指揮者兼第一バイオリンの方と結婚されているとかで、アンコールのときの二人の合奏がとても素敵だった。あんなふうにアンサンブルができたら、どんなにいいだろう。

ここで演奏しておられる方は、全員が一流なのだと思う。しかし、一流の中でも、第一バイオリンを弾く方と、後ろのほうで弾いている方とは、弾き方が違う。第一バイオリンの方は、体全体が楽器になっているように見えるのである。

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休憩時間。
このホールは、うまく設計されていて、どこにすわっても、演奏がよく見えるようになっているそうだ。

今回のベルリンは、オペラも室内楽も存分に楽しめて、本当によかった。

明日は帰国。

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相乗り衛星決定

H2Aの相乗り衛星が決まった。
JAXAのホームページによると、東大阪宇宙開発共同組合、東北大、ソラン株式会社、東大、香川大、都立産業技術高専(元の都立航空高専)の6つが選ばれた模様。

H2Aの相乗りなんて、夢のまた夢だったのに、たくさんの方の努力によって、実現した。隔世の感がある。

選ばれたところは、打上時期(たぶん来年夏くらい?)までに、JAXA標準の試験にすべてパスすれば、GOSATといっしょに、H2Aで打上げられる。パスしなければ、地上においていかれる。

打上基準をクリアするのは、相当に大変らしいので、選ばれたところはこれからが勝負。皆さん、からだを大切にして、がんばっていただきたいものだ。

選定結果について、評論家だったら、いろいろとコメントをつけたいだろうけれど、私は評論家ではないので、来年の結果をただ楽しみに待ちたい。打上が決まってからの「がんばれる度」は、桁違いに大きくなるから、開発が間に合わないように思えても、信じられない力が出て、間に合うかもしれない。(もちろん、技術開発の世界はそんなに甘くないが)

今回選ばれなかったところも、たくさんある。
残念という言い方もできるが、別のチャンスができたともいえる。どちらがよかったかは、たぶん最後までわからない。

打上スロットのリサーチは、着々と進行中。
リサーチしなくてもよい時代(つまり、自前のロケットがポンポンと打ちあがる、という状況)がくるとよいのだけれど、そのような大それた夢は夢として楽しく絵に描いておき、今は目の前のことに集中しよう。

まずは、選ばれた皆さん、おめでとうございます!
元気な衛星たちの誕生を心待ちにしています。

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ベルリンその5

4月23日(月)

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これから3日間にわたり、小型衛星シンポジウムに参加予定。

ベルリンの音楽堂の向かいにある、由緒正しそうな建物が会場。(写真は音楽堂)

ホテルからは、地下鉄で3駅。
初めてのところだから、少しはやめにいく。
朝のお茶サービスがある。コーヒーをいただきながら、旧知の方々にご挨拶。

「髭剃りが壊れたの?イギリスでは、ヒゲはそらないの?」と、10年来の知人をひやかす。
「朝一番に、女性にそんなことを言われるなんて!」と、寝過ごしてヒゲを剃れなかったらしい英国紳士は笑う。
10年前には、学生だった人が、今はこうして第一線で活躍している。今、学生をしている人たちは、10年たったらどんなにりっぱになることだろう。

オープニング。
基調講演は、小型衛星の世界では有名な英国サレー大学のSweeting教授。
80年代の初頭から、小型衛星の開発を手がけ、いまや社員は250名。

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小型衛星の強みを生かすには、コンステレーションが有効だとのこと。
確かにそうだけれど、そのためには、軌道が選べないといけない。主衛星の「お気に召すまま」に打上げるしかないピギーバック頼みでは、思うようなコンステレーションは難しい。うーん、ロケットがほしい。

この会議は、朝のお茶サービス、午前中のコーヒーブレイク、そして豪勢なランチ、さらに午後のコーヒーブレークと、いたれりつくせりのサービスがある。

ランチのあとのコーヒーは、展示コーナーにおいてある。
だから、コーヒーを飲みたい人は、展示コーナーに移動する。そして、自然の流れで、展示を見ながらコーヒーを楽しむことになる。この動線の作り方はなかなか。

そして、午後の開催時間には、展示コーナーと会場との仕切りにさーっと幕がおりて、切り替えがぱっとできるようになっている。

「はじめますから、席にすわってくださーい」と叫ぶ必要はない。このあたりも、なかなかいい感じ。

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この日の夜、懇親会。貸し切りバスで移動。

隣にすわったオランダの方といろいろ話す。
彼曰く「画期的な」スタートラッカーを開発中とか。スタートラッカーといえば、デンマーク工科大学のが有名だが、あれは大きすぎるとのことで、「画期的技術」で、小型化を目指しているらしい。ヨーロッパは、けっこう元気な開発者があちこちにいるらしい。

Deutsches Technikmuseum Berlin という博物館が会場。
飛行機やら舟やらが展示してある。おもしろいのは、失敗してめちゃめちゃに壊れた飛行機も丁寧に展示してあるところ。いいところだけを見せるのでなく、すべてを見せているあたりがすばらしい。失敗したらどうなるのか、ということを知っていることは大切だ。失敗しないようにするにはどうすればいいのか、真剣に考えるようになる。

ここでも楽しいおしゃべりとおいしいお料理の合間に、しっかり情報収集もして、収穫は大。
やっぱり、動いてみるものだと思いながら、ホテルに戻る。部屋を変えてもらったので、本日よりバスタブにつかって疲れもとれそう。

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ベルリンその2

4月20日(金)

本日は、Astrofein社へと向かう。8時半の電車に乗ると、最寄駅にどなたかがお迎えにいらしてくださっているとのことで、指定の電車に乗る。なんとありがたいことよ。

ホテルから電車の駅までは少し歩く。ベルリンの街は、どこもかしこも工事中で改築中。この駅も、すぐそこに見えているのだが、道路が工事中なので、かなり遠回りをして到着。

ドイツ語はわからないので、やや緊張して電車に乗る。アルファベットなので、駅名は読めるから、ひとつずつ確認していく。なんとなく楽しい。

駅には、昨日の方とは別の方が迎えにいらしてくださって、そして会社まで歩く道すがら、いろいろ教えてくださる。

「今日は長い一日になるので、始まりの時間を少し遅く設定しました」

「遅い」といっても、9時5分には最初のミーティングが始まったのである。どうやら、本日は一日びっしりと予定が組まれている様子。

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Astrofein社は、1993年設立。DLRから独立したエンジニアたちが作った会社。東西ドイツの統一により、旧東ドイツの宇宙機関the German Academy of Sciences は、the Berlin- Adlershof center of the German Aerospace Research Establishment (DLR)となった。DLRはサイエンス中心なので、エンジニアとしてはいまひとつだったので、起業することにしたとのこと。社長をはじめ、ほとんどが東ドイツ出身のエンジニア。

1994年には5人だった従業員が、2002年には25人になり、現在は52人。Adlershofというサイエンスパーク(450社くらいが集まっていて、DLRもそこにある)に会社はある。

ミーティングルームには、美しく飾られた果物とクッキーが。
こういうセンスは日本もほしいものだと思いながら、朝食バイキングで食べ過ぎているので、お茶だけを頂く。

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ここの社長さんには、来日された折に一度お会いしたことがある。この方は、英語をあまり話されないので、通訳を介してお話する。

一日びっしりと施設の見学と、入れ替わり立ち代りの説明をうかがう。この会社は、Quality Assurance に配慮しており、多くのCertificateをもらっているらしい。

「顧客の標準が、我々の標準」がモットーだそうだ。

そして、超小型衛星用のホイールの実物を見せていただく。本当に小さい。


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姿勢制御のシミュレーション設備を最近作ったそうだ。
BIRDの姿勢制御のシミュレーションをするときに作った設備をもとにして、姿勢制御に関するすべての試験が自動でできるようなものを作り上げたとのことだ。地下には、たくさんの精密加工機械があって、何でも自社で作れる。

うーん、こういう中小の会社がドイツにはいくつもあるのだとすると、けっこうな底力だ。

産業として成功するには、層の厚さが必要だ。
日本には、そういう層の厚さがあるだろうか。

たいへん残念ながら、日本の宇宙機器輸出高は減少の一途をたどっている。世界の市場は右肩上がりだというのに、そして、円がこれほど安くなっているというのに。

うーんとうなりつつ、夕方から市内観光に連れていっていただく。

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ベルリンの壁はもうないのだが、記念のために、一部だけが残っている。意外に低くて、簡単に超えられそうに見える。当時は、その上に鉄条網がはりめぐらされていたし、決して超えられない壁になっていたのだろう。

壁はたぶん、まず人の心の中にできて、それが現実化しただけのこと。壁があると思うときには、まず自分から壁を壊すことが必要なのかもしれない。

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壁があったことを忘れないために、道路には印がずっとつけられている。

あったことを「忘れない」ような努力がずいぶんとなされている。

なんでも水に流してしまいたがる日本とはずいぶんと違うように思える。どちらがいいのか、本当のところは、わからないけれど。

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ユダヤ人虐殺の悲しい歴史も、忘れないように、モニュメントが作られている。
棺を思い起こさせる形のものが、たくさん並べてある。

忘れないように。
自分たちがしたことを、忘れないように。

それが、ごく日常の風景になっている。

何かを感じながら、おいしい料理とワインで、楽しい夜を過ごす。
Lutter und Wegener というレストラン。現代絵画が壁にかけられていて、美術館の中で食事をしている感じ。
すすめられるままに、イチゴの食前酒を注文。甘くておいしい。

巨大なわらじのごときシュニッツェルと、白いアスパラガスが絶品。
アスパラガスはシーズンだそうで、太くて長くて白くて、そしておいしい。

このディナーは、忘れない。
幸せな食事は、いつもどこでも心を満たしてくれるものらしい。

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ベルリンその1

4月19日(金)

朝9時にベルリンに到着。パリ乗り継ぎだったが、時間通り到着し、しかも荷物もちゃんと出てきた。何があるかわからないのが飛行機なので、それだけで感謝。

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空港に迎えに来てくださっていたのは、スラリとしたドイツ美人。笑顔がとってもキュート。空港にお迎えにきていただけるなんて、なんという光栄。まずはホテルへということで、ホテルへ直行。

しかし、彼女に迎えに来ていただいていてよかった。ホテルに着いたら、なんと私の名前の予約はないというのだ。ホテルのアレンジをしてくれた彼女は青くなって、あちこちに電話。どうやら、旅行社とホテルの間でミスコミュニケーションがあったらしい。結局、私は別のホテルに予約されていた。まあ、どこでも泊まれればよいとしよう。

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その日は、ベルリン工科大へ。そこで教えている友人がホテルまで迎えに来てくれて、「観光案内」。ホテルはとてもいい場所にあって、しかも地下鉄の駅前。ブランデンブルグ門に着くまでに、博物館やらオペラハウスやらフンボルト大学やらがあって、お天気もよくて、気分は最高。

今は平和な街にしか見えないのだけれど、ほんの15年前には冷たい壁があったのだ。一夜にして築かれたという壁に引き裂かれた家族がいるとか、壁を越えようとして殺された人がいるとか、壁がなくなった今は、そんな歴史があったのだということが信じられない。その当時のこのあたりの空気はどんなだったのだろう。重苦しかったのだろうか。悲しみに満ちていたのだろうか。あるいは、その日の生活に精一杯だったのだろうか。

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私の友人は、東ドイツの出身。東西の壁がなくなった日のことを、それは嬉しそうに話してくれた。それは本当に唐突に起こった(と東側の人は感じた)らしい。東西ドイツの分裂と統一。その歴史をくぐりぬけてきた人たちとベルリンの街。そこにいなかった人には決してわからない深い悲しみと、それをはるかに超える大きな喜びを経験してきたのだろう。

そんな話をしながら、ベロタクシー(Velo Taxi)に乗る。これは自転車のような形で後部座席が二人がけになっている。自転車の速度でゆっくり走る。まわりの景色を楽しみながら、運転手さんとのおしゃべりを楽しみながら、風に吹かれて優雅に後部座席に座っているのは、王侯貴族にでもなった気分。

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ベルリン工科大に到着。ここは、相当に広いキャンパス。いくつ建物があるのか、ちょっと見当がつかない。しかし、目指すはカフェテリア。航空宇宙学科のビルのすぐそばのちょっと高級だというカフェテリアにつれていっていただく。

「スープの小」と「サーモンのクリームソース」を注文。
スープの小というのは、コーヒーカップくらいだろうと思っていたら、堂々たる量。トマトシチューといってもいいぐらい実だくさんのスープ。これとパンくらいでよかったと思いながら、意外なおいしさに、サーモンとほうれん草の炒め物にポテト(いずれも大量)のかなりの部分を食べてしまった。

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この建物のエレベーターが傑作。8階のボタンだけ、8の字が横になっている。「無限大」と形が似ているから、無限大としゃれているんだとの説明に思わず拍手。なんと楽しいエレベーターだろう。そういう遊び心を大切にするなんて、なんと素敵な大学だろう。

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航空宇宙の建物は、なぜか水色。研究室でキューブサット(こちらではパイコサット=PicoSatと呼ばれている)のEMを見せていただいた。超小型のホイールを使って、姿勢制御の実証実験をするのだそうだ。

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彼は、もともとDLR(ドイツの宇宙機関)の小型衛星BIRDのプロマネをやっていたので、衛星に関してはプロ。しかし、学生とのプロジェクトが楽しくてたまらない様子。いっしょに教えているという同僚の先生も実に熱心。整然とした研究室に驚愕。来年くらいには打上げたいとのことだが、打ち上げロケット不足の悩みはどこも同じ。

昨年7月のGSNワークショップに参加した学生さんに再会。とても元気そう。日本の修士号にあたるディプロマを取得して、今は教える仕事をしているそうだ。この方は、実はドイツ人ではなくて、ウズベキスタンの出身。ウズベキスタンのメロンと桃がいかにおいしいか、収穫の季節には、あたり一面がどんなによい香りに包まれるかを教えてくださった。ウズベキスタン・・・一度行ってみたいものだ。

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ここの地上局は、彼が中心となって作り、もう完成していて、東大や東工大のキューブサットの電波もとっているとのこと。

晩御飯は、なぜかイタリアン。おしゃべりしながらの楽しい時間。しかし、さすがに眠くて、私の口数は少なくなる。

ホテルに着いて、ショックなことが二つ。
私のリフレッシュの元であるバスタブがない!こちらの方は、シャワーで十分なのだろうけれど、私はお風呂が大好きなのだ。温泉大浴場というような贅沢は言わないが、お風呂につかりたい。そして、インターネット接続が有料(1時間8ユーロ=1300円くらい)だということ。ネット接続にお金を取るなんて、なんとがめつい。しかも、毎回クレジットカードの入力が必要。かなりショックを受けたが、この日のところはもう仕方なく、シャワーを浴びて眠る。

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ベルリン

ベルリンから帰国。

例年にないという好天続きだったベルリンから戻った東京は寒く感じられた。

とても悲しいことがあると、言葉がうまく出てこなくなる。

ベルリンに発つ前に届いた悲しい知らせ。
能代宇宙コンペをボランティアで手伝ってくださっていた若い方が、4月14日に急逝された。「手伝い」というには、あまりにも大きすぎる存在だった。実質的にも、精神的にも、だ。(秋田大の秋山先生のブログをご参照ください)

村田晃太郎さん。享年27歳。

本当に、これから、というときだった。
どうして、こういうことが起こってしまうのだろうと思う。
ご家族も、ご友人も、もちろんご本人もさぞかし無念だったろう。

悲しい気持ちを抱えたまま、18日にベルリンに出発。

東西に分けられた悲しい歴史を持つ街と、そこで出会った人々に、私はなぜかとても癒された。

悲しみも痛みも、そこにそのままあっていい。忘れたり、消え去ったりするものではないだろうから。

じっとそこにいて、逃げずにしっかり見つめるところから生まれてくる何かがあって、それが、本当の傷の癒しになるのではないか。そんな気がしている。

ベルリン報告は、連休中に少しずつアップしていきたい。

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デブリバスターズ

少し前の中国の衛星爆破実験は論外として、デブリ(宇宙ゴミ)はいつも話題になる。

デブリが衛星や宇宙ステーションにあたると大変なことになるし、船外活動中の宇宙飛行士にあたると、生死にかかわる。

衛星もロケットも、お仕事が終わるとゴミになって宇宙空間を漂う運命。

宇宙なので、「土に返る」ことはありえない。そのうち大気圏に突入して燃えるハズなのだが、「そのうち」というのが、かなり長い。この世界では、25年くらいで落ちるとしたら、優等生。たいていは、私たちが生きているうちには落ちないものばかり。

そんなわけで、デブリをなくすための研究がいろいろと進められている。

宇宙掃除機のようなものがあるとよいのだが、それはかなり難しい。ならば、最初からゴミにならないような仕掛けを仕込んだ衛星を作ればよいのではないか、と考える。

衛星が地球方向に向かってくれれば、大気圏に突入する際に燃えてしまうので、「ゴミ処理」が完了する。それには、地球のまわりを回るスピードが遅くなればよい。

どうすれば、そうなるのか。
最近、それを研究している方々のお話を聞く機会があった。

有力候補はインフレータブルとテザー。

宇宙空間で膜のようなものを広げて、抵抗を大きくしてスピードを落とすのがインフレータブル。
地球方向にひもをたらして、「ローレンツ力(電磁場中で運動する荷電粒子が受ける力)」を利用するのがテザー。

10年後の世界を席捲しているのは、どちらだろう。

宇宙ゴミとはあまり関係ないが、JAXAの環境報告書が環境goo大賞で2006年度の奨励賞を授与された。おめでとうございます!と言いたいところだが、講評を読むとなかなかに厳しい。以下、講評を引用する。

取り組みがユニークであることは十分に伝わってくるが、ウェブという双方向のメディアは、単に伝えるだけでなく、それを見てくださった方との交流を促す接点でもある。そのことを再確認した上で、個々のプロジェクトや取り組みに、市民がどう参加し、かかわり続けるべきなのかを定め、その機能を盛り込んだサイトへと改善してほしい。

審査概要では審査委員のコメントが読める。いわく、「国の機関なんだから当然、双方向性がない、エラそう、外を巻き込む力はない、広報はするけど、「公聴」はしたくないんでしょうね」などなど、相当に手厳しい。

「宇宙環境goo大賞」というのは聞いたことがないけれど、環境問題は結局は自分に返ってくるもの。ツケはいつかは返すものなのだ。環境問題の場合は、将来世代にツケがいくことになっているが、「輪廻転生」があるのなら、将来世代とは今生きている我々かもしれないのである。

JAXA殿は、環境問題にしっかり取り組んでおられるようだから、宇宙ゴミ問題についても、しっかり対策を講じてくれているのだろうけれど、市民レベルでも学生レベルでも、「誰かがやってくれるだろう」というのでなく、自分のレベルで考えることが必要なように思う。


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ドアが開くとき

2週間ほど前のことになるが、懐かしい顔がたずねてきてくださった。しかも、彼女を連れて二人で。
こういうサプライズは嬉しい。

キューブサット物語の登場人物の一人。卒業してから、もう2年になる。

ブラジルからの国費留学生だった彼は、無事に修士号を取得して、今は浜松の会社に勤めている。

いろんなことを思い出す。

来日前にブラジルからかけてきた電話の向こうの不安そうだった声。
砂糖を大匙三杯も入れた甘いコーヒーを飲んでいたこと。
ブラジルに残してきた恋人にかける電話代の高さを嘆いていたこと。

彼の嘆きのせいか、ブラジルで栄養士をしていた日系人の彼女は、名古屋で仕事を得て来日。
今度は名古屋までの新幹線代の高さを嘆くようになった。

「二週間に一度は行っていたから」

今は、これまでで一番近い。名古屋と浜松。

就職して2年が無事に過ぎ、そろそろ3年目に入る。
最初の1年は必死だけれど、だんだん慣れてくると、このままでいいのだろうかという疑問が頭をもたげてくる。

これは、ごくノーマルなこと。

社会貢献をしたいという彼。

「ボーイスカウトをやっていたので」そういう気持ちが自然に沸き起こるらしい。

日系人だけれど、将来はブラジルへ帰りたいという二人。
二人とも日本語は流暢だが、二人の間の会話はポルトガル語なのだそうだ。

「だって、母国語ですから」

ブラジルは、ロケットの射場も作って、宇宙開発ではやる気満々に見える国。
新興国だからこそ、失敗を恐れずにやりたいことがやれるかもしれない。

「じゃあ、ブラジルで衛星を打ち上げることがあったら、現地で会いましょう」といったら、嬉しそうな顔をしていた。

人生のドアはたくさんあるように見えて、実は一つしか開かない。ブラジルに帰れば、日本でのキャリアはないし、日本にいればブラジルでの生活はない。

タイミングと縁と運と自分や周りの人たちの気持ちと、それからもしかしたら見えない何かの力と。

彼らの未来には、どんなドアが開くのだろう。

おみやげの浜松名物「うなぎせんべい」をおいしくいただきながら、ブラジルの宇宙開発に大きな影響を与えるかもしれない彼らの未来を考えて、なんとなく嬉しくなった。

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カンサットワークショップ

2月23日と24日、International CanSat Workshop開催。かわいいロゴは、UNISECのWEBマスター氏の作。海外参加者にも大好評で、Tシャツも作ることになった。(予約受付中!

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朝から大雨。
そういえば、UNISECのイベントは、雨や雪のことが多い。いつぞやの総会では、地震まで起こった。

ものは考えよう。すべては気づきと学びのため。

宇宙技術開発は、雨でも雪でも台風でも、そのためなら喜んで出てくるような人でなければ、続かない。

この世界では、何かをしようとすれば、どちらを向いても、壁だらけなのである。技術開発だけを一生懸命やっていればいいというわけでなく、打ち上げ手段の確保、インターフェイス調整、そして周波数の国際調整、法的問題のクリアなど、実際に何かをしようとすると、面倒なことがたくさんある。協力していただかないといけない人がものすごくたくさんいる。やりたいと思ったからといって、簡単にできるものではない。(ということを身にしみて理解するまでに、何年もかかる)

技術開発では、目立たない地味な努力を恐ろしいほど積み重ねることが必要。今の技術の世界は、作ってしまってから不具合を直せばいいというのが主流。しかし、宇宙の世界は根本的に違っている。宇宙へ行ったら、もう手が届かない。その場へ行って、修理することなど不可能だから、あらゆることを想定して、すべてに対応できるところまで徹底的に作りこむことが要求される。どんなことがあっても壊れないように作るのが使命でもある。

そうやって考えられる限りの努力を積み重ねても、成功するかどうかはわからない。自分がどんなに一生懸命やっても、何かの具合ですべてがパーになってしまう世界でもある。そうなっても、人を恨まず、そこからまたやり直すだけの精神力が必要とされる。

カンサットは、エントリーレベルの衛星トレーニング。
失敗しても、回収できるので、何が悪かったのかがわかる。この段階で、うんと失敗して、悔し涙を流して、それでもやっぱりやりたいと思う人だけが、宇宙開発の世界に行くといい。夢やあこがれだけでできる世界ではない。

こう書いてきて、この世界は、かつて私が関わっていた会議通訳者の世界に似通っているような気がしてきた。

会議通訳者養成所のマネジメントをしていたころ、「英語が好き、あるいは”できる”」という理由で会議通訳者を目指そうとする人にどれだけ会ってきたことだろう。そして、彼らのどれだけが挫折していったことだろう。いや、挫折という言葉は似合わない。もっと別の道を選んだ、ということだ。フリーランスの会議通訳者をし続けるには、相当に強靭な精神力というか、これを天職あるいは自分のミッションと思うような何かが必要らしい。でも、そういう人たちが確かに存在するのも事実だ。

宇宙エンジニアであり続けることは、それが職務の上では公務員であれ、会社員であれ、厳しいことだ。良心を持ち続けることで、その人はずっと矛盾に悩み続けることになる。エンジニアとしての良心と、組織の論理は違う軸の上で動くからだ。そうでない場を創れないものだろうか。

ここで、私の役割は何だろう。それは、いったい私が進むべき道だろうか。私が背負うべき荷物だろうか。

そんなつまらぬ思考を吹っ飛ばしてしまうメールをちょっと前にもらった。日大の学生さんからのメールだ。

彼は素直にカンサットワークショップが作り出した場について感謝を述べ、そうして、
「Twiggs先生に日本で会えるなんて!」と書いてくれた。

まったく同感。
1999年以来、カンサットの発案者であるTwiggs先生にはお世話になるばかりで、何ひとつお返しができなかった。今回、日本にいらしていただくことができて、カンサットの広がりを実感していただくことができて、本当によかった。Twiggs先生もアマチュアロケットグループの方々も、初来日だという。初めての日本を楽しんでいただけただろうか。

Twiggs先生のすごいところは、いまだに自分でレンタルトイレを手配したり運んだり、当日の参加費や打ち上げ費を自ら集めたりするのを全く厭わず、軽々とやってのけるところだ。そろそろ引退というご年齢なのだが、決してえらそうにすることなく、自分が手を動かして活動を続けているという姿勢には、頭が下がる。そして、日本の学生の成功を、自分のことのように喜んでくれるのも素敵だ。自分がこの年齢になったとき、そんなふうに軽々と動けているといいなと思う。

そうだ。
ものごとは、すべからく単純に考えたほうがいい。複雑に考えるから、複雑になるのかもしれない。先を心配するから、心配な未来が出現するのかもしれない。

そうして、何事もやらないより、やったほうがいいのだろう。

やってみよう。
心の声を聞きながら。
その声にノイズが入らぬよう、気をつけながら。

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ガンダム!

ガンダムエースという雑誌の企画で、冨野監督とお会いした。N先生とN研究室の修士1年の学生さんといっしょに冨野監督と「対談」。

あのガンダムの監督との対談だなどと、なんと恐れ多いことよと思いながら、うかがった飯田橋の立派なビルの豪華会議室。黒いレザーのゆったりとした椅子にすわる。春のような陽気で、窓をあけていただく。

胸のポケットにオレンジ色のガーベラの花を何気なくさした監督は、一言でいうと、とても軽やかな方だった。あのような作品を創る方なのだから、とても深いものをお持ちなのはもちろん伝わってくるのだが、全体的な印象としては、軽快な自転車のようなすがすがしい感じ。

とても気さくで、かつ歯に衣着せぬ監督とのお話は、たいそう楽しいものであったけれど、雑誌に載るとなると、私のほうはあまりモノがいえない。もっと言いたいことはたくさんあったのだが。。。なぜモノが言えないかというと、、、、。理由はわかっているが、その理由が正しいものなのかどうか、もう少し考えてみたい。

それはともかく、ガンダムと宇宙は切り離せない。

17歳のときに読んだヘルマン・オーベルトの「宇宙への設計」が、その後の人生に大きく影響したという監督。

そのころの「宇宙の常識」からすると、今の宇宙開発は、どうしようもなく遅れている。当時の常識からすれば、21世紀の宇宙でできるはずだったことはたくさんありそうだ。

監督の素敵なところは、その大切な秘蔵本をちゃんとカバンに忍ばせてお持ちいただいたところ。17歳の少年だった監督が、一生懸命に読んで、「月着陸船」などの概念を理解しようとがんばった形跡がそこかしこに見える。こういうのはいい。ずっと後で、人に見せたくなるような本を私は持っているだろうかと、ふと考える。

「ボクはインタビュアーじゃなくて演出家なんだから」と笑いながら、自由に対談を進めていかれる。それもとても軽やか。いちおうシナリオはあったようなのだが、シナリオからたぶんかなり逸脱。

きく8号のことや、最近の中国の衛星爆破実験のことや、キューブサットのことなど、お話は飛び跳ねながら、進んでいき、あっというまの2時間だった。

最後に全員で記念撮影をして、終了。たぶん、この写真が掲載されるのだろう。

今思えば、監督に乗せられて、いろいろとりとめのないことをしゃべってしまったような気がする。ライターの方は、これをどのようにまとめられるのだろう。

非日常の体験は、楽しい。その体験を、別の方が文字にしてくださる。

不思議なことが起こり始めているような気がする。
もちろん、いい方向に、だ。

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ケニアへ

ケニアへ行く。
それがもう今晩に迫っている。

仕事は終わっていない。
荷造りはもちろんまだだ。

しかし、明日の夜には、ちゃんと荷造りができて、仕事もいちおうのかたをつけて、飛行機に乗っているに違いない。

昨年のランカウイに続いてのエコツアー。
同行者はほとんどが環境関係者。こういう集まりにいると、「宇宙関係者」は相当に肩身が狭い。肩身が狭くてもニコニコしてその場にとけこめる自分のキャラに感謝。

宇宙関係者だって、環境問題を心配していないわけではない。地球を飛び出して宇宙へ行けば問題は解決するなどと安易なことを考える人はたぶん少数派。どこへ行っても環境問題はついてくる。

アフリカはかつて、恵まれた土地だった。エネルギー的には、循環型の理想的な生活を送っていたのだそうだ。

それがいまは、疲弊していると聞く。

今回の旅は、大いなる空っぽとともに行く。
空っぽが大きければ大きいほど、入ってくるものも大きい。入ってきたものは、すぐに出す予定。そうしてこそ、私のまわりの小さな宇宙は循環型になる。

メールも電話も通じないようなところで過ごす1週間。
自分がどう変わるか、あるいは変わらないか、楽しみにしていよう。


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上野公園で月見

思いがけずの素敵な月見を楽しんだ。

上野公園の忍ばずの池。
おわんのような半月がくっきりと空に浮かんでいた。

今年初めてのシタールのレッスン。
師匠が歌い、それをシタールで拾う。そして記譜。何度も書き直してやっとOKが出る。

もっとうまくなりたいな、と最近思うようになった。
前は、ひいているだけで楽しかったので、あまりそういうことは考えなかった。
シタールの音は本当に美しくて、下手なりにうっとりできる。共鳴弦が鳴ったりしたら、もうそれだけで満足できていた。

人は変わる。
変わって、当然だ。
成長しているのだから、前と同じもので満足できるはずはない。大きくなれば、大きなサイズの服がいる。

上手になりたいと思えば、上手になる。

そんなことを考えながら、いつもは東京から中央線に乗るのに、ボーっとしていて、山手線に乗ってしまった。ちょっと遠回りになる。

上野でやけに長く停車。
地下鉄に乗り換えるつもりだったが、ここから歩いて帰ろうと急に思い立った。

上野公園の中を歩く。忍ばずの池に街の明かりが反射してとてもきれい。
そして、池をはさんだ向こう側に、半月形の月が、この世のものとは思えないくらい美しく輝いていた。

しばらく立ち尽くして、見とれる。

なんという幸せな時間だろう。
空に浮かぶ月を美しいと思える心模様でいられることに感謝。

つらいときは、何をみても灰色に見える。そういう時期もある。
今は、素直に月がきれいだと思えることが、嬉しい。

そして、私の電車の乗り間違いに感謝。間違わずに電車に乗っていたら、この美しい情景には出会わなかった。

月は、近くて遠い。

今の学生さんたちにとって、アポロは神話だ。アポロ月着陸は話として聞いているだけで、まるで実感はないだろう。その後、誰も月へ行っていないのだから。

今年は、セレーネが月へいく。すばらしい映像をとってきてくれるらしい。
インドや中国でも人を月へ送り込む計画ができている。

月見がますます楽しくなりそうだ。

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祝!カムイ打ち上げ成功!

23日の未明に打上げられたカムイロケットは、二本とも成功したようで、ヨカッタヨカッタ。吹雪の中を無事に帰還されたのも、本当にヨカッタ。

23日の午前2時から24日の午前2時まで、長い一日を過ごした皆さんは、クリスマスイブの朝をどんな気持ちで迎えただろう。植松さんは、酔いがさめぬままに目覚めた様子。ブログの文章も千鳥足。

永田先生の書き込みによれば、植松さんのこういう姿を見たのは二回目。一回目は、異常燃焼のため打ち上げ延期を決めた日のことだという。

この二人、なんともいいコンビに見える。
互いの人生や生き方を変えるような出逢いは、人生の中でそんなにあるわけではない。心の底から信頼しあい、支えあえる人を得られた人はすばらしく幸運だといっていい。

以下、永田先生のブログへの書き込みから転載。「BC」の定義が傑作。

植松さんと出会ったのは2004年の4月。まだ3年も経っていないのに、凄く濃密な時間を過ごしてきたことを実感します。青年会議所の皆さんからCAMUIロケットと関わる前の植松さんの話を聞くと、この出会いは神の采配だったような気がします。因みに僕は1998年にCAMUIロケットが誕生した以前のことを "BC" と呼んでいます。紀元前の意味ですが、"Before Christ" ではなく、"Before CAMUI" です。人生においてそのくらいのインパクトがこのロケットには有るような気がします。

H2ロケット8号機が打上げに失敗して以来、旧NASDAの研究予算がH2の信頼性向上に集約されるようになり、大学に流れる研究予算が大幅に削減されました。これを機に経産省系の予算獲得を目指して産学連携チームの構築を考え始め、赤平に宇宙好きな電気屋さんがいるらしいという情報を頂いてコンタクトを取ったのが出会いのきっかけです。当時はアビオニクス(航空電子機器)系の企業を探しており、植松さんにはその担当をお願いしました。「いいですけど、僕はどっちかというと機体の方をやりたいんですよねえ」という返事だったように記憶しています。会社にお伺いしたら工場が並んでいてびっくりしたものです。

私が永田先生に出会ったのは、2002年の4月。大学の衛星グループとロケットグループを合併して、UNISECを作ることになったときのこと。当時には考えられなかったことがあちこちで起こっている。

今日はクリスマスイブだが、世間のクリスマス的イベントとは無縁。
おかげで、カムイロケットの成功をしみじみと味わい、お祝いすることができた。

北海道の真ん中にある、小さな町、赤平(あかびら)。
私が生まれ育ち、そして二度と戻ることはないと思っていたその町で、カムイロケットは製作され、燃焼実験も行われている。

永田先生の口から「赤平」の名前を聞いた日の驚きは、今も忘れない。そして、カムイロケットはアメリカのベンチャーと提携するなど、次から次へと驚きの種を提供してくれる。

「カムイロケット物語」のエピソードはどんどん増えている。
これからどうなっていくのか、楽しみ。
この本を書きたいな。

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カムイ、23日に打ち上げ

カムイスペースワークスの最初の打ち上げが、12月23日に行われる。
というと、もうあさって。

HASTICの伊藤先生からはプレスリリースを、カムイスペースワークス(CSW)社長の植松さんからはメールをいただいた

赤平の植松電機には、カムイチームとHITSATチームが集まり、どたばたと準備をして、睡眠不足の皆さんを車に乗せて、大樹町までひた走る。CSWのブログも開設されたとのこと。今、無事に到着したらしい。


以下、植松さんのメールから引用。

現在、カムイスペースワークスでは、CANSATの支援を事業の最初の柱にしようかなと思っています。 CSWは、50mの落下試験塔(横風の影響がない)、大型ジェットラジコン機による250mまでの安価な放出実験、 そして、カムイロケットによる1000mから4000mまでの打ち上げ試験、の3つを輸送手段として提供しようと思っています。 この三つを一社で提供できるのは、CSWだけじゃないかと思います。

新型カムイロケットは、絶好調です。
実は今回の機体は、φ120mmですが、エンジンはワンサイズ下のφ100です。
φ120にぴったりフィットするエンジンを作ると、その到達高度は、 4000m~6000mになると予測されます。
また、技術進歩により、エンジン部分も含めて、ほとんどの機体を複合材で作ることが出来るようになりました。すなわち、モデルロケットのカテゴリーに入れてしまえるような状態です。これで、「金属弾」とか呼ばれないようになります。

火薬も使わない、機体はプラスチック製、なんて安全(っぽい)。
これによって、海外での打ち上げも出来るんじゃないかなともくろんでいます。
来年のXprizeCupあたりを目標にしましょうかと思っています。

23日には、秋田でロケットガールズ養成講座の公開講演会が開かれるそうだ。

最近、雪国が熱い。先日の東北大のワークショップも寒かったのだが、皆さんの発表は熱かった。

南のほうも、相変わらず熱いみたいで、今日も某放送局の某地方局から、「衛星打ち上げについて」いろいろと問い合わせがあった。地名を聞けば、どこの衛星のための取材なのか明らか。しかし、知らぬふりをして、いちいちお答えする。

作って、打上げて、思い通りに動かす。

宇宙開発の基本はここにある。ここを忘れた宇宙開発は、いまのところありえない。
魔法はない。近道もない。ひとつひとつやっていくしかない。そして、成功の保証はない。

それでも、やりたいという人たちがこんなにもたくさんいる。
そのことに意味がある、と思う。

まずは、23日の打ち上げが成功するように祈ろう。

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カムイスペースワークス誕生!

UNISECワークショップで、永田先生から耳寄り話を聞いていた。

カムイはいよいよ会社としてスタートするのだそうだ。
明日、赤平で記者会見を行うとの連絡をいただいた。

二度の打ち上げ延期を経て、永田先生たちは、一から出直した。その結果、カムイロケットのエンジン君は「教育の甲斐あって」、ずいぶんと信頼性があがったそうだ。

「思うとおりに燃えてくれる、いい子になりました」

最初のお客さんは、はこだて未来大学。学生さんたちが作ったカンサットを打ち上げるそうだ。お値段は二機あげて125万円。

カムイスペースワークスの社長は植松さん。
「大学の先生が経営するのは難しいので、経営はプロにまかせます」と永田先生。

明日はH2Aの打ち上げもある。
未来は少しずつ、でも確かに開かれていっているらしい。

楽しみだ。

以下、プレスリリースを許可を得て転載。
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平成18年12月11日
報道関係者各位

宇宙開発ベンチャー企業「(株)カムイスペースワークス(略称:CSW)」
設立記者会見のご案内

(株)植松電機専務取締役 植松 努
北海道大学大学院工学研究科教授 永田 晴紀


 このたび,北海道発宇宙産業の創造に寄与することにより宇宙開発の夢を北海道民全体で共有できる財産とし,同時に地域社会に支えられた新しい宇宙開発の姿を我が国に実現することを目的として,以下のようにベンチャー企業を設立いたします.

(1) 会社名: 株式会社カムイスペースワークス
(2) 本店所在地: 079-1101 北海道赤平市共和町230番地50
(3) 出資者: 植松 努,永田晴紀
(4) 代表取締役: 植松 努
(5) 会社設立の目的:
① 宇宙関連機器の研究開発及び製作販売
② 宇宙関連の実験装置の研究開発および製作販売
③ 宇宙関連の実験の請負
④ 教育教材の研究開発
⑤ 宇宙関連機器のリース
⑥ 宇宙関連機器の修理整備

本ベンチャー企業の初業務として,12/23(土)に北海道大樹町で予定されているCAMUI型ロケットによるはこだて未来大学のCANSAT(空き缶サイズのモデル衛星)打上げ実験業務の実施を,NPO法人 北海道宇宙科学技術創成センター(HASTIC)から受注します.

つきましては,以下のように株式会社カムイスペースワークス(CSW)の設立記者会見を開催致しますので,是非ともご来臨いただけますようお願い申し上げます.

日 時: 平成18年12月16日(土)14:00~
場 所: 植松電機株式会社(北海道赤平市共和町230番地50)
趣旨説明: 植松 努(株式会社カムイスペースワークス代表取締役)
永田晴紀(北海道大学教授・CAMUI型ロケット開発者)
伊藤献一(北海道大学名誉教授・HASTIC副理事長)


【問合せ先】
植松電機専務取締役 植松努
(Tel: 0125-34-4133,E-mail: nyg1t10@seagreen.ocn.ne.jp)
北海道大学教授 永田晴紀
(Tel: 011-706-7193,E-mail: nagata@eng.hokudai.ac.jp)

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雪のち晴れ

週末は仙台へ。
UNISECのワークショップ。

「牛タン食うぞー」と言って乗り込んだ方もいらっしゃると漏れ聞いてはいるものの、それは番外編。

本編については、秋田大学の秋山先生がすでに実況放送ブログをアップされている。パソコンを開いてずっとパシャパシャやっておられたのは、これだったらしい。すばらしいレポートに感謝。

新幹線から見える景色はどんどんと寒そうになり、いつのまにか雪景色になった。仙台駅を降り立つと、雪が真横に降っている。傘は役にたたない。

東北大は山の上だから、たぶんもっと寒いはずと覚悟を決めて、大学に向かう。

10時には、全国各地から集まった学生代表の会議が開かれ、11時半からは教員ミーティング。20名を超える教員の皆さんが続々と集まってくださった。お昼を食べつつ、盛りだくさんの議題をこなす。来年は、船橋の日本大学で開催することになった。来年は、SEEDS2号機をインドから打ち上げというし、日大のブログは相変わらずおもしろいし、ちょうどいいタイミングかもしれない。

そして、いよいよワークショップ。

私は雪国の生まれだから、雪には慣れているが、仙台は雪国とそうでないところとの境目。雪国ではありえない建物の配置(トイレに行くのに外に出ないといけない)に驚きつつ、寒さ(エアコンが不調だったらしい)に震えつつ、学生さんの発表を聞く。

あまりに寒かったものだから、二日目はホカロンが全員分用意された。ホストの東北大の皆さんの暖かな心遣いに感謝。暖かな飲み物がいつも飲めるようにという配慮も嬉しい。

懇親会は、前日にオープンしたばかりという学内の施設。なかなかおしゃれ。しかし、15分で食べ物が「蒸発」してしまうのには、慣れていても、やはり驚く。しかし、すべては次のよきことのために起こるのである。

その後、「牛タン食うぞー」の某先生や筑波大の未成年女子学生たちと仙台のおいしい牛タン屋さんへ。懇親会であまり食べられなかったからこそ、ここの分厚い牛タンをたっぷりおいしく頂けるわけだ。麦飯にとろろにテールスープ。至福。

二日目は晴天。気持ちのよい青空が広がった。仙台は二回目だけれど、前も雪だった。ここは雪が降っていないときは、こんなに美しい景色だったのだと改めて認識。

今回は裏番組も充実。これだけのメンバーが一堂に会することはめったにないので、ここぞとばかりに、周波数やら地上局やら、必要に迫られている人たちはミーティングを開く。会って話すと理解度が違う。今回は総務省から周波数担当の方がいらしてくださっていたので、手続き関係のこともバッチリ。

OB組織(UNISASという名前)もできて、学生とOBとの交流もはじまりそう。今回は、OBが三人きてくださった。一人は某J○X○の方。捻挫をされたとのことで、松葉杖をついての登場。ご苦労さまです。一人はたいそう美しくなって、まばゆいばかりの女性エンジニア。もう一人は、学生時代とほとんど変わっていないように見えるが、実は中央省庁で活躍中のバリバリのキャリア。

大学を超えて、学年を超えて、業種を超えて、つながりができていくといい。宇宙開発は本当に厳しい世界だけれど、支えあう仲間がいることで、どれほど救われることか。

学生討論に導入したFuture Search。
15人のモデレーターさんは、それぞれに個性的にチームをひっぱってくれたので、同じテーマで討論して、まったく違う15の提案が出てきた。
皆さんのクリエイティビティに乾杯!
このうち1つでも具体的なアクションにつながっていけば嬉しい。

ワークショップは、雪のち晴れだった。
雪の後だから晴れが嬉しいのだ。
ずっと晴れている砂漠にいたら、晴天はちっとも嬉しくないだろう。

雪もよし、雨もよし、曇りもよし、晴れもよし。
大切なのは、そのときしかできないことをしっかりとすること。
そのときに起こったことを恵みと思って受け取ること。

そんなことを考えながら、笹かまぼこを買って東京へ戻ってきた。いっしょにいった方々が、ずんだ餅や「萩の月」を買ってこられたので、翌日は、「仙台物産展」のごとくであった。再び至福。


個人的な番外編。

大学時代の友人が仙台の公民館で青少年教育関係の仕事をしていて、なんとUNISECワークショップに参加してくださった。子供向けの宇宙関係の講座のようなものができないかと構想中だそうで、さっそく東北大学の熱い学生さんをご紹介。

素敵なことがあちこちで起こっていくといい。


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アルケミスト

スウェーデンからお客様。Swedish Space Corporationの方。
東北大と千葉工大の方々がミーティングをされるというので、同席させていただいた。

スウェーデンは極に近い地理的条件を上手に生かして、衛星運用ビジネスではちょっと知られている。ホテルやレストランなども完備していて、世界中から衛星運用のために人がやってくるそうだ。まだ衛星を打ち上げてはいないそうだけれど、強みを知り、それを生かした宇宙開発に取り組んでいるあたり、さすがだ

大学衛星はお金がないので、このサービスを利用できるかどうかはわからないが、どこで何がつながってくるかわからない。

ミーティングが終わってから、お茶でもさしあげようと、お時間のある方々を事務所にお招きする。皆さん快くいらしてくださって、狭いながらも楽しいオフィスはあっというまに満員。皆さんがコーヒーとおっしゃる中、スウェーデンのお客様は日本茶がよいとのこと。なんとなく嬉しいのはなぜだろう。

日本の伝統菓子といって、「かりんとう」をお出しする。

彼女といろいろ話をする。ちょっとした偶然が楽しい。

ブラジルの作家でパウロ・コエーリョさんという方がいらっしゃる。ちょっと不思議な作風で、ファンが多い。かくいう私もその一人。童話のようでもありファンタジー小説のようでもあるが、たぶんもっと精神性に富み、深く、そして愛に満ちている。

彼の作品に、「アルケミスト」(錬金術師)という本がある。

話しているうちに、彼女が、その本のことを知っているかと聞いてきた。私が言ったことで、その本に書いてあることを思い出したのだという。

宇宙業界の方と、この本の話をしたのは初めてのこと。話ができる人が現れたことに驚いた。そういったら、彼女は「わかるわ」と一言。

主人公は羊飼いだった少年。宝をさがして旅に出る。そして、多くを学び、愛を知り、宇宙とつながり、宝をさがしあてる。こう書いてしまうと冒険小説みたいだが、一つ一つの言葉に深い意味があって、短い小説なのに、私は読み終わるのにとても時間がかかった。

主人公はアルケミストに会って、砂漠の旅を導かれる。最後のほうにアルケミストが実際に金を作る場面がある。そのとき、アルケミストは、少年にできるのだということを見せたかった、という。

「できるのだということを見せる」

この一文に、私はとても惹かれる。
本当にそうだ。できるのだということを見せられないアルケミストは、アルケミストでなくてただのほら吹きだ。

本の中で、アルケミストが少年に言う。少年が風になれなければ殺されてしまう場面だ。

「その時は、おまえは夢を実現する途中で死ぬのだ。それでも、自分の運命が何か知りもしない何百万人よりかは、ずっと良い死に方なのだよ」

続けて言う。
「しかし、心配することはない。普通、死の脅威は、自分の人生について、人に多くのことを気づかせてくれるものだ」

もうダメだと思うとき、知恵が湧き出してくることがある。あるいは授けられるといってもいいかもしれない。

明日から、東北大でUNISECワークショップ

UNISECの活動の中で、「ただの学生」が「すごい学生」に変わるのを何度も見てきた。
「普通の先生」が「すごい先生」になるのも見てきた。

今年は過去最高の180人近くが参加と聞いている。一人ひとりが「すごい人」になっていく場にいられるのは、本当に幸せなことだ。

明日はかなり早起きをして、仙台に行く。たくさんの元気な顔に出会うのが楽しみだ。

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ひので君のパパ

ひので君のパパこと、小杉健郎先生が、、、。
あまりに突然のことで、信じられない。宇宙作家クラブのメーリングリストで回ってきた悲しい知らせ。

「衛星のパパ」シリーズもなかなか楽しそうだから、皆さんにお話を聞いて、などと思っていた矢先のことだった。

9月のひので君(SOLAR-B)打ち上げのときに初めてお目にかかって、一言二言言葉を交わして、そうして11月に逝ってしまわれるだなんて、あまりに早すぎて言葉もない。

Kosugi

ユーモアたっぷりに松葉杖をついて歩いておられたお姿、打ち上げ成功のあとの嬉しそうな記者会見でのお姿、ひとつひとつが鮮明に思い出される。ほんの数時間しかこの世でごいっしょしてはいないのに、なぜこんなに記憶が鮮明なのだろう。

享年57歳。
脳溢血で倒れ、意識が戻ることはなかったとのこと。(訂正:脳溢血ではなくて、脳梗塞であった由。失礼しました)(再び訂正:意識は一度戻られたそうです。重ねて、失礼しました)

もしかしたら、笑顔の奥で相当に無理を重ねておられたのかもしれない。多忙であられたことは間違いない。ストレスフルなこともたくさんあっただろう。そう思うと胸が痛む。

でも、それでも、ひので君を無事に打ちあげたいという想いが実現できてよかった。
ひので君のパパは、ひので君といっしょに宇宙におられるのだと、そんなふうに思いたい。心ゆくまで、太陽の観測をしておられるのだと思いたい。

ご冥福を祈ります。
そうして、ひので君がすばらしい成果を出せるように、お守りください。

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きらりちゃんの思い出

ナノジャスミンのPDRの後のお茶のみ話第二弾は、きらりちゃんのこと。

<きらりちゃんとの思い出>

きらりちゃんのことは、パパからではなく、一ヶ月だけ週に2回、目に見えない糸電話ならぬ「光電話」で遊んだという方にお話をうかがった。

きらりちゃんは、 2005年8月24日、カザフスタンのバイコヌール生まれ。
光衛星間通信実験衛星(OICETS:オイセッツ)という長い名前を持っている。何万キロも離れたところを高速でブンブン飛んでいる衛星同士の通信を光を使って行うという実験にチャレンジして、見事成功したのだという。(普通は電波を使う)

Crl002
そして、衛星と地上の間での通信にも成功した。
きらりちゃんとの通信ごっこに参加していたのが、NICTの木村さん。地上にある1.5メートルの大きな光アンテナ(実は望遠鏡)から「きらりちゃーん!」と呼びかけると、きらりちゃんがそれに気づいて、声のしたほうに向かって、「なぁに?」と地上に答えてくれるという仕組み。動画を送って、きらりちゃんに見てほしかったけど、東京は天候不順が多くそこまではできなかったとのこと。しかし、通信品質が十分に使えるのもであることを世界で初めて確認できた。

ところで、この通信ごっこがどれくらい難しいかというと、「1キロ離れたところにある五円玉の穴を通る」くらいなのだそうだ。しかも、衛星は高速で飛んでいるし、光は曲がるから、綿密に計算をして、どこにどのように当てればいいかを予測しないといけない。

「夜の10時くらいに集まって、11時半とか1時にきらりちゃんが来るのを待つんです」(注:脚色あり)

そういえば、その実験が行われていたという9月には、木村さんがいないことが多かったような。きらりちゃんからの光が初めて受かったときには、「ウワー!」と深夜に歓声があがったとのこと。深夜に騒ぐなんて、ご近所迷惑もいいところだが、まあ大目に見てあげよう。

きらりちゃんのパパの一人(普通、衛星には、たくさんパパとママがいる)、豊嶋さんなどは、おうちを離れて一人旅をしているきらりちゃんが、パパの呼びかけに、すねないで返事をくれた時、思わず目がウルウルしてしまったとか。でも、素直にウルウルできない豊嶋パパは、その後のスパークリングワインの祝杯でワーワー騒いでごまかし、かげでそっと涙をぬぐったそうな。

きらりちゃんが生まれる前にはいろんなことがあって、とっても難産だった。生まれるかどうかも危ぶまれていた時期があった。きらりちゃんが生まれるために、たくさんの人たちが手を尽くしてくれた。だから、こんなふうに無事に生まれて、活躍しているきらりちゃんと直接やりとりができただなんて、パパたちにとっては、涙なしには語れないお話らしい。

「だって、絶対最初は無理だろうって言ってたんです」

そんなことを話すとき、木村さんの顔はふにゃふにゃと嬉しそうに崩れる。
きらりちゃんは、ほんの一ヶ月の間に、たくさんの思い出を残してくれたらしい。

きらりちゃんは、まだまだ元気盛りなのだが、お守りは大変だったらしく(お金がかかるのかな?)、運用は11月で終了してしまった。もっともっといろんなことをしてきらりちゃんと遊びたかった木村さんは、残念そう。

こういうのがスイスイうまくいくようになると、周波数取得の苦労はいらなくなるのだろうか。衛星ビジネスの一番のネックといってもいいのが周波数取得。光通信ができれば、その心配はなくなる。ただ、光通信の弱みは、曇っていると通りにくいこと。でも、いつも通信しなくてもいいお仕事もあるだろうから、そういうときには大手を振って使ってもらえるかもしれない。

きらりちゃんが残してくれたものは、きっと大切に使われて、パパたちや遊んでくれた人たちが、ウルウルを隠しきれないようなことにつながっていくに違いない。

(注:写真は、NICTのGOLEMプロジェクトフォトライブラリページから、許可を得て転載したものです。この写真のときは、アルゴンレーザ(波長0.5μm)というのを出していて、はっきり目で緑に見えたそうですが、きらりちゃんとの時は、目には見えず、カメラでのみ撮影できるものだったそうです。ビデオ画像あり。)

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あかりちゃん誕生秘話

ナノジャスミンのPDRのあと、審査員数名とコーヒーを飲みながらおしゃべり。

あかりちゃんときらりちゃんの裏話を聞く。まずはあかりちゃんから。

<あかりちゃん誕生秘話>

あかりちゃんは、今年の2月22日に内之浦で生まれた。生まれる前には「ASTRO-F」あるいは IRIS(Infrared Imaging Surveyor)という難しい名前で呼ばれていた。700キロメートルの高さの軌道をぐるぐるまわりながら、望遠鏡で遠くの銀河を観測する。星の一生が追えるそうで、活躍が期待されている。

「(自称)あかりちゃんのパパ」こと松原英雄先生によれば、今年2月にあかりちゃんが生まれてから、心臓がきゅんとなるような心配事がたくさんあったのだという。

「あかりの目が見えないのがわかったときは、ショックでした」
(注:脚色あり)

あかりちゃんは、なぜか生まれたときから目が不自由だった。望遠鏡をどっちに向けるかを決めるのに、太陽がどっちにあるかがわからないといけないのだが、あかりちゃんにはわからない。太陽センサを積んでいるのだが、これがなぜか動かなかったのだそうだ。間違って太陽のほうに向けて望遠鏡の蓋をあけてしまったら、中を冷やすのに使っている液体ヘリウムがみんな飛んでいってしまうから、どうしても正しい方向を向かないといけない。

あかりちゃんには、万一に備えて、別の目もついていた。でも、本当は太陽センサは丈夫で長持ちのはずで、それがあればもっと楽にすぐに進めることができたはずだった。別の目は、星を見て位置がわかるスタートラッカー。これは、優秀だが繊細で、宇宙線にめっぽう弱い。しかし、なんとかそれを使って方向を決めることに成功。

今年の2月に生まれて、望遠鏡の蓋を開けたのが4月中旬。その間はずっと初期運用。初期運用というのは緊急運用と同じくらい大変。

蓋をとったら、その反動で衛星の姿勢が狂うから、狂わないように同時に噴射も行う。あかりちゃんは、その難しいパフォーマンスに見事に成功。蓋がとれて、900キロ以上あった体重はちょっと減って800キロ台に。

「蓋ですか?40キロくらいあってね。パーンと飛ばして、デブリ(宇宙ゴミ)作っちゃったんです。つけといて、また閉じたりしたら困るから」

あかりちゃんのパパは、粗大ゴミを宇宙に捨ててしまったことを、申し訳なさそうに言う。

なぜそんなごっつい蓋をつけていたのかといえば、観測装置を冷やすための巨大な魔法瓶に「あかり」の望遠鏡は入っているので、いわば「魔法瓶の蓋」が必要だったのである。

目が少し不自由というハンディを乗り越えて、あかりちゃんは、遠くの銀河の写真を撮ったりして、少しずつ成果をあげている。あかりちゃんのパパは、そんなあかりちゃんの能力をこれから存分に引き出していくつもりらしい。

ゴルフの世界では、さくらちゃんのパパはさくらちゃんのおかげでいい目を見ている。
宇宙の世界でも、娘のおかげでいい目を見せてもらうパパがたくさん出てくることを祈ろう。

がんばれ、あかりちゃん!

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ナノ・ジャスミンのPDR

ナノ・ジャスミンのPDR(基本設計審査)。
午後2時から6時過ぎまでびっちり。審査する側と審査される側の机は分けられ、別々にすわっている。その他大勢は、まわりにすわって見学。私もその他大勢に入れていただいて、見学。

関係者の皆さんは、ここ数日というもの、目の下に隈を作って、資料の作成に追われていた。卒論の締め切りを1週間後に控えた4年生の稲守さんは、卒論そっちのけで準備にあたっていた。今日から泊り込みで卒論にとりかかるらしい。

審査のために呼ばれた方々は、この世界ではよく知られた方ばかり。ついこのあいだまで学生だった方もまじっていて、懐かしい雰囲気。筑波JAXAからはN田さんとT木さん、NICTからはK村さんとM下さん、ISAS・JAXAからはM原さんとT田さん。

審査される側は、天文台の郷田先生をはじめとするジャスミンチームの皆さんと、中須賀研究室のナノジャスミンプロジェクトチームの皆さん。D2の初鳥さん、M1の田中さん、4年生の稲守さん。ミッションや設計について、次々と発表していく。

酒匂プロマネが仕切っているので、進行はきわめてスムーズ。本日は紺のスーツにネクタイでびしっと決めている。ヒゲはいつもどおり。進行を仕切りながら、お茶やコーヒーの気配りも忘れないのが酒匂流。スターバックスのコーヒーまでちゃんと用意されているあたりがすごい。

どんな厳しいことを言われるかと思っていたが、PDRは、Positive Design Review の略だったのかな、というくらいに前向きなコメントが多く、ちょっと拍子抜け。

2008年に打ち上げの希望。H2A打ち上げ公募でも、Aランクの評価をいただいているそうだ。

PDRの後に、ピザとビールで簡単な懇親会。

素人の私がコメントすることはないので、懇親会でうかがったコメントをいくつか載せておこう。

「ついに、ここまできたかという感じです。今まで、(大学衛星は)動けばいいというレベルだったのが、これは完全にオトナになって、このままではうかうかできないな、と思いました」(審査員)

「はしにも棒にもひっかからなかったら、誰も何も言わない。できそうだから、みんな言うんです」(審査員)

「難しいけれど、物理的に不可能とは思わない。2008年?うーん」(審査員)

「2個作るというのがいい。1個あげて、不具合を直してまたあげればいいからね」(審査員)

「大成功まちがいなしです」(天文台)

「Yくんがなんと言おうと、精度を下げてでもやる。やってみるということが大事」(天文台)
(注:Yさんは、この精度が出なければやる意味がないとずっと主張しておられる)

「PDRまで到達したのがすごい」(どなただったか記憶が不明)

懇親会のあと、ナノジャスミンの検討会が引き続き行われ、審査で指摘されたことについて、議論されたらしい。

PDRが終わって、これからがプロジェクトの本番。実際に衛星を作っていくフェイズに入る。

もし、これが成功したら、実はすごいことなのだそうだ。
天文台ミッションとしては、もちろん世界初の成果となるが、工学的技術的な成果としても大きいものになる。

なぜなら、このミッション要求にこたえるためには、超小型衛星での3軸姿勢決定・制御、温度制御が必要で、それを2年で実用化しなければならない。これは、普通なら、チャレンジすることも思いつかないような高い壁である。

「工」という字は、「天と地を結びつける人の営み」を意味するそうだ。天と地を結びつけるのは「人」。
(引用:「宇宙樹」p63、竹村真一著)

天と地を結びつけるには、そびえたつ高い壁があったほうが結びつけやすいのかもしれない。高い壁は、きっとそのために与えられるのだろう。

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祝!XI-V打ち上げ一周年

キューブサットXI-Vが一歳のお誕生日を迎えた。おめでとう!!! 
北海道のHITSATも一ヶ月を過ぎて、電力も安定してきた様子。ヨカッタヨカッタ。

中須賀研究室では、ケーキでお祝い。みんなで記念撮影

NHKの教育テレビ「サイエンスゼロ」でもとりあげられたが、いまや、日本の大学衛星は5基も地球のまわりを飛んでいて、来年には日大と東工大の打ち上げが決まっている。

2003年に初めてキューブサットが打ちあがったときと、状況は大きく違ってきている。あちこちからサポートをいただけるようになった。アマチュア無線家の方々の強力なバックアップもあれば、企業や関係省庁のご理解とサポート、一般の方々からのご寄付や励ましの言葉など、嬉しいことがたくさんある。XIサポートなど、一年に3回もご寄付をくださった方もある。中須賀研の次の衛星PRISMに期待しよう。

2006年の今、これから先のことをしっかり考えたい。

コンピューターは大きいものという世界観は、ガレージで若者が作ったアップルのPCによって、根底から覆された。

宇宙開発の固定観念は、誰が、いつ、どんな形で、覆すのだろう。UNISECはその前身から数えると、もう5年。開発は試行錯誤しながら、加速度的に進んでいる。むろん、常に試練にさらされ、どうやってもうまくいかず、ということを多々抱えながらのことだ。

間違っていい。
失敗は成功の糧だ。

優秀であればあるほど、間違いを恐れる。間違ってはいけないという文化で育ってきているから、当然だけれど、間違いは悪くない。悪いのは、間違いを隠すこと。間違いをむやみに批判すること。隠すと、そこから学べるはずのことが学べない。批判されると思えば隠したくなるのが人情。

間違いは、そこでどう動くかを考えさせてくれる貴重な機会。「間」がちょっと違っていただけのこともよくある。

たくさん間違って、たくさん成功に結びつく学びをして、そして、自分たちが誇りに思えるような花を咲かせることができたらいい。


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Future Search

本日、レイランド開店。メニューはトリ鍋。

Future Search の手法を少しとりいれたワークをしたあとに、レイランドにて反省会。

Future Search は、アメリカで開発された合意形成の手法。本当は二泊三日くらいでやるそうだが、2時間くらいに凝縮して試験的にやってみた。12月のUNISECのワークショップでやれるかどうかを見極めるため、一度やってみることにしていた。

参加者は、学生理事2名とOB・OG、現役学生。私を入れて8名が参加。進めかた自体にもコメントできそうな、慣れていそうな方にお願いした。

やり方はふつう、4つのステップを踏む。模造紙を用意して、どんどん書き入れていく。最終的に実行可能な行動計画を作るのが目標であるが、そのプロセスにおいて、ともに抱えている問題やおかれている状況など、共通基盤が参加者の中で共有されていく。だから、プロセスもとても大切。

1)過去の共有 
スプートニクから50年間の世界、日本、個人の宇宙開発について年表に書き入れていく。「個人」というのは、いつなぜ宇宙開発に興味を持つようになったか、というような個人的イベントを書いてもらう。参加者同士が個人的な過去を共有することで、ディスカッションはぐっとやりやすくなる。Future Searchは、本来利害関係が対立するような人たちが参加して行うものなので、気持ちをほどくためにも、こういうところは実はとても重要。

2)現状の認識
今回は、二つの手法を使ってみた。ひとつは、マインドマッピング。UNISECがテーマなので、UNISECに影響を与えたこと、与えるであろうことをそれぞれ書いていく。政治的・経済的なことから、モチベーションに関わることなど、さまざまなことが書かれる。もうひとつは、SWOT分析。強み、弱み、機会、脅威を考えていく。いろいろでてきておもしろかった。

3)望ましい未来
そして、いよいよ望ましい未来を考える。こうだったらいいのに、ということを遠慮なく出しあっていく。皆さん、結構控えめ。現実的というか、地に足がついているというか、最近の若い方はたいそうしっかりしているのを再認識。もうちょっとドンキホーテ的な夢を見てもいいかなあと思いつつ、これくらいのほうが前進しやすいかもしれないと思い直す。

4)行動計画つくり
そして、行動計画。このまとめがけっこう難しくて、何の行動計画かを絞らないと、作りにくい。今回はOB・OGが多かったので、OB会についての行動計画を作ってみた。意外なところで悩んでいるみたいで、事務局でほんのちょっとお手伝いすれば、かなり楽にできそうにも見えた。

それから、トリ鍋を囲んでの反省会。
まず、トリのモモ肉を使って、水だき風。その後、トリミンチのダンゴをいれる。そしてお野菜ときのこにお豆腐をトリのだしで楽しみ、最後の締めにおうどん。

お忙しい方が多いと見えて、2人がトリミンチが練られているのを横目で見ながら、別件があるとのことでリタイヤー。お鍋は時間の経過とともにだしが出ておいしくなるというのに、お気の毒に。

残った5人で、トリミンチのダンゴがいっぱいのおなべをつつく。
ポン酢に「ゆずこしょう」か「かんずり」(寒造里、唐辛子とゆず、塩で作られた香辛料)をお好みで入れていただく。地方にいったときに、見たことのない香辛料を買って帰るのは楽しみの一つ。かんずりは初めての味。美味。
いつもどおり、おなべはなかなか好評。だしの昆布も食べてくださった方がいらして、食材たちは嬉しかったに違いない。

Future Searchも、おなべのようなもの、と思う。

それぞれ違う個性のものをいれていくなかで、とてもおいしいものができる。12月のワークショップでFuture Searchをすれば、100人以上の個性が入ることになる。今年は東北大でワークショップの予定。12月の仙台も楽しみだ。


○ 本日の献立

もやしのナムル風
ひややっこ
きゅうり、にんじん、ダイコンのディップ添え
チョリソーのマスタード添え
厚揚げのニンニク醤油
トリ鍋
デザートにりんご

(作りそこなったもの:ちぢみ、焼きそば:この原因は、O氏の不参加によるところが大きい。また来てくださいませ)

実は、昨日もレイランドではディナー・ミーティングがあって、小さな台所は大活躍してくれたのであった。
台所くんの健闘をたたえて、昨日のメニューも念のため書いておこう。

ソーセージ
きゅうりとにんじんの味噌ディップ添え
水菜の中華風サラダ
紅茶ブタ
厚揚げときのことピーマンのオイスターソースいため
栗ごはん
釜揚げうどん


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湖のほとり

スペインの後に、ドイツへ。
フリードリヒスハーフェンへ向かう。ここに来た目的は、ある会社を訪れるため。大企業からスピンアウトしてエンジニアたちが作ったベンチャー会社だ。

二回乗り換えで、ほぼ一日がかりの移動。バレンシアを出たのはお昼くらいの飛行機で、着いたのは夜9時半くらい。バルセロナでちょっとドジをふみ、簡単な乗り換えをたいそう面倒なものにしてしまったが、ちゃんと次の飛行機に乗れたので問題なし。

翌日、その会社でミーティング。
10時から食事をはさんで6時まで。早く終わったら観光しようなどという甘い考えはふっとび、ドイツ流のやり方を学びつつ、意見交換をする。といっても、とても意見交換をするレベルではないので、一方的に吸収させていただく。もちろん、宿題のリサーチにもご協力いただく。

ここのオフィスは、普通の一軒家。二階建てのその家は、言われてみなければ会社だとは気づかない。広々としたガラスのテーブルがおかれたところが会議室。

窓の外はりんご畑。なんとものどかなここが、最先端の宇宙技術ベンチャーだというのが、なんともいい。この雰囲気といい、環境といい、とっても気に入った。手狭になってきたのと、やっぱりクリーンルームがほしいとのことで、近々、新社屋を作る予定だそうだ。

ランチは、湖のほとりのかわいらしいホテルで。
このあたりは、この季節、霧が出ることが多いらしい。午前中は霧だったのが、だんだん晴れてきて、ランチどきには快晴。戸外で太陽の光を浴びながら食事。

食後、湖のほとりを散歩しながら、スピンアウトしたエンジニアに聞いてみる。大企業に勤めていて、名もないベンチャー企業で仕事をするのはどんな気分なんだろう。本当にやりたいことはできているんだろうか。

「後悔したことはないですか?」

「一度もない。今のほうがずっといい」

「何がいいんですか?」

「責任の重さ。たとえば、契約がとれなかったとしたら、大企業だったら、上司のところへいって、次の仕事をくださいというだけだけれど、ここでは、そんなわけにいかない。それから、技術だけでなく、いろいろなことを自分でできることも気に入っている」

技術者として20年以上のキャリアを持つ方だからこそ言えるセリフかもしれない。また、いろいろなことをこなせる優秀な方だからこそ、それを楽しいと思えるのかもしれない。

企業統合の嵐が吹き荒れて、ドイツの会社でなくなってしまった元の会社は、エンジニアにとってあまり快適ではない環境になってしまったらしい。いろいろな国の損得勘定と駆け引きの中で、エンジニアの良心を殺して生きるよりは、新しい環境を自らつくることを選んだ人たちは、まったくの少数派。

3年前に設立したころ、ドイツ国内の仕事が多いと見込んでいたのが、ふたをあけたら、海外受注が8割。特にアジアのマーケットがよい感触なのだそうだ。確かな技術力を持っていればこそ、であろう。

6時になって、ビールを頂く。冷蔵庫にはちゃんとビールが冷えている。夕陽を見ながら、外で頂くビールの味は格別。

その帰りみちに、今回のミーティングをセットしてくださった方のご自宅にうかがう。この方の奥様が日本人で、3人のお子さんもみんな日本語が上手。かわいい犬がいる。

「何ヶ国語できるの?」と聞くと

「ドイツ語、日本語、英語、フランス語。このあたりでは普通です」との答え。日本語はちょっと特殊だが、スイス国境がすぐそこにあるこの地域では、バイリンガル・トリリンガルは普通なのだろう。ああ、なんといううらやましい環境。

日本で買ってきたという梅酒をいただき、おいしいドイツパンのオープンサンドイッチを頂く。

日本語、英語、ドイツ語が飛び交うなかで、ちゃんとおしゃべりは成立していて、楽しい時間を過ごした後、ホテルまで送っていただく。ありがたいことだ。

この方は、実は空港まで私を迎えにきてくださっていたのだという。私は知らずにタクシーでホテルへ向かってしまって、入れ違いだった。そういうときに限って飛行機は定刻より早く着き、そういうときに限って荷物はさっさと出てきて、そういうときに限ってタクシーにはすぐに乗れるものらしい。本当に申し訳なかった。

その翌朝、飛行機の時間までぶらぶらする。
湖のほとりのその町は、おとぎの国のような美しさ。対岸はスイス。
朝焼けを見ながら、湖に突き出た展望台を登る。上までいくと、急に見晴らしが開ける。

ここまでこなければ見えないものがある。
登らなければ見えないものがやっぱりあるのだなあと思いながら、360度に広がる景色を、ただ眺める。目が喜ぶものを見せてあげられてよかった。

ツェッペリン博物館のすぐ近くのホテルにいながら、行く時間がなかった。指をくわえながら、窓の外からちらりと見る。説明はすべてドイツ語だそうだが、やっぱり行ってみたかった。しかし、これは、また行くチャンスがあるのだと前向きに考えよう。

そう、すべては、次のもっとよきことのために。

湖のほとり・・・いつか住んでみたいところの一つだ。


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バレンシアの空

スペインはバレンシアへ。
IACという宇宙関係の会議があって、参加。教育セッションで論文発表するほか、リサーチの宿題も抱えてのことで、さらには、UNISECの活動がグローバルになりつつあって、なにやらバタバタとしているうちに1週間がたってしまった。

10月1日の夜遅くに到着。奇跡的に荷物が出てきた。奇跡的というのは、ロンドン乗換えだったから。1時間ちょっとしか乗り換え時間がないためか、ほとんどの人は荷物が届かなかったそうだ。たまたまこの日は、ロンドンーバレンシア間の飛行機がシステムダウンで1時間半ほど遅れたため、十分に荷物の乗り換え時間もあったらしい。

バレンシアは、年間日照率が300日という、毎日が晴天の地域。10月とは思えないくらいの暑さ。大雨だったという日本のことを想いながら、太陽の恵みを尻目に、会議場の中で過ごす。

ここの会議場は、会議場として作られたところではなくて、博物館。セッション会場は、運がよければ屋内、運が悪ければ、屋外に作られたプレハブ小屋になる。いずれも、遮音性があまりなくて、小さな会場でもマイクが必要。

このあたりはパエリアで有名。4日の夜には、近くの公園でパエリアがふるまわれた。騒音といってもいいぐらいのボリュームで、歌が歌われ、フラメンコが舞われる。いずれも、まあね、という感じであったが、最後がちょっとすごかった。

花火。日本ならありえないくらいの至近距離で打上げる。相当な迫力。
「下がってください」と何度も言われた意味がやっとわかった。

空一面に星が広がるような花火。ため息がもれる。
一瞬で消えていくものが、価値がないわけではないと想えるものに出会えるのは幸せだ。

Baloon
会議は金曜日に終了。
土曜日に、能代コンペでの優勝チームがヨーロッパでデモをする機会があった。
日本から持ってきた黄色い気球は、バレンシアの青い空にたいそう映えた。風もなくて最高のコンディション。

ローバーのマモルくん(東北大)は、安定した走りを見せ、大人気。パラフォイルのウルブズ(慶応大)は、あまり調子がよくなかったのか、ちょっと飛びすぎて木にひっかかってしまった。いろいろ道具を借りてきて、無事におろせたときには、一同胸をなでおろした。

たくさんの方に出会い、意見交換ができるのが、こういう会議のよいところ。海外の方はもちろんだが、日本の方でも、なかなか会えない方が、こういった場では簡単に会える。いろいろな視点の方からお話をうかがえるのは、貴重。自分はどんな視点を持っているのか、相対化して考えられる機会を多く持つことで、新たな視野が広がっていく。

これから、どんな視点を持てるだろう。楽しみだ。

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MV-7 打ち上げ動画

編集者Iさんのおかげで、持参してまわしていたビデオが少しは役にたてるようになった。YouTubeという便利なサイトを教えていただき、感謝。編集者さんのさりげない気配り・心配りには、いつも学ぶところ大である。

まずは、打ち上げの動画。
これは、三脚を忘れたために、手で持って、ロケットを手動追尾したもの。手ブレもなんのその、かえってダイナミックな動きがよく撮れているように思うのは気のせいか。バリバリという音も入っていて、臨場感もたっぷり。(これぞ、破れかぶれの自画自賛)

それから、こちらは編集者Iさんの編集方針に従って、私が切り出したもの。新しいロケットにMの名前をつけたいか、という質問に対して答えた森田実験主任の感動スピーチ。記者会見の途中で大きな拍手が起こった。要旨は以下のような感じだが、やはりご本人の表情や言葉のトーンとともに映像で見ていただきたい。

宇宙ファンとしては、MVは世界一の固体ロケットだから、生かしていきたいが、ロケット技術者としては、いつまでもMVにぶらさがっているわけにはいかない。いつかはそこから巣立っていかないといけない。50年の歴史があるからこそ、雨が降っても動じずに打てた。MVを生かして、MVより立派なロケットを作りたい。皆さん、ぜひ応援してください。

応援したくなるところがたくさんあるのは、嬉しいことだ。
応援団も増えていきそうで、そちらも楽しみだ。

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MV後継機のポジショニング

MV-7号機の大成功。すばらしかったけれど、それだけで終わってはいけないような気がしている。

善き未来を創るための努力を惜しんではならない。今、しっかり考えて納得してコミットできる状況を作ったほうがいい。

MV-7号機の後のシナリオについては、笹本祐一氏が最悪バージョンを発表しておられる。(宇宙作家クラブの掲示板 #1077参照)このシナリオでは、日本は打ち上げ能力を失うことになる。一国ですべてをまかなえる能力を自ら手放すという、よくいえば国際協調型宇宙開発、悪くいえば他国依存型宇宙開発への移行という「悪い未来」を予見している。

悪い未来は、予見することによって、対応することができるので、防げる可能性が出てくる。だから、それを予見するのは重要である。

しかしながら、悪い未来の予見者は、あたってもあたらなくても不幸になるという宿命を持っている。悪い話を聞いて嬉しい人はいない。また、あたれば悪い未来が実現してしまうということであり、あたらなければ自分が間違っていたということになる。それをおして、あえて悪い未来シナリオを発表した笹本氏の勇気に敬意を表したい。

もうちょっと前向きなシナリオを作れないものかと思って、これまでの情報を整理しようと思う。整理にあたっては、マーケティングの手法を使ってみる。今回の決定には、どうやら「市場原理」的な論理がおおいに係わっているらしいので、分析もその手法を使うのは悪くあるまい。

(興味のある方のみ、続きをお読みください。)

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祝!HITSAT受信成功

HITSATもどうやら成功した模様で、ヨカッタヨカッタ。

午前9時43分に北海道工業大学の佐鳥先生からメール。

本日9月23日午前6時36分に鹿児島県の内之浦宇宙空間観測所からM-Vロケット7号機のサブペイロードとして北海道初の超小型人工衛星「HIT-SAT」が打ち上げられました。

同日7時43分にアメリカのフロリダ州とアイオワ州のアマチュア無線家によりHIT-SATからの電波を受信したという連絡を受け、HIT-SATからのコールサイン(JR8YJT)に間違いないことを確認しました。

以上の事実により、HIT-SATが地球周回軌道上で正常に作動していることを確認できましたのでお知らせ致します。

午後4時22分に北海道工業大学管制局の武岡さんからのメールがUNISECのメーリングリストに流れた。

最初のパスで、無事にHIT-SATのCW受信に成功しました。 CWは現在解析中です。 皆様、ありがとうございました。

今回は、北海道周辺のみの通過でしたが、
次のパスは、日本全土が可視範囲になります。
よろしくお願いいたします。

地上局関連は、北海道工業大学の三橋研究室が中心になってやっているらしい。地上局での待機の様子の写真から、受信情報まで、WEBで公開されている。

明日は午前6時過ぎの運用とのこと。
衛星は打上げてからが本番。北海道の皆さんの活躍に期待。

こちらも本当におめでとうございます!

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MV-7、打ち上げ成功!

長い一日。午後2時にして、すでに本日活動を始めてから、12時間経過。早朝の打ち上げに向けて、2時半には宿を出発して、3時過ぎには現地でスタンバイ。ランチャーが整備等から出てくるのを眺める。大粒の雨がぽつぽつと降ってきて、車に退避。その直後に冷たい風が吹いてきて、打ち上げ延期も心配されたのであるが、夜明けごろにはすっかり雨もあがり、予定どおりの打ち上げ。

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ロケット打ち上げは美しい。
美しいという言葉を超えた何かはもちろんある。その瞬間、すべてが震えて、その振動が伝わってくるとでもいったらいいだろうか。言葉で伝えられる自信は毛頭ない。その場に来て、全身で感じる以外に、何か伝える方法があるとは思えない。

今回は、宇宙作家クラブの取材班にいれていただいて来たので、「報道陣」として、記者会見等の一部始終を見ることができた。なかなかの収穫。

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記者会見は二部構成。一部は、理事クラスや文科省の方など、フォーマルな感じ。二部はプロマネのお歴々がずらりと並び、成功の誇らしさをにじませながら、技術的な質問に嬉々として答える。

森田ロケット主任によれば、雨にも風にも「動じずに」、無心に打ち上げられたとのことであるが、その裏では気象班が心配そうにウロウロしていたとの情報もある。この方の前向きな態度は本当にすばらしくて、元気を頂いた。技術者・研究者は、どんな状況にあっても、こういう態度でいてほしい。そうしたら、まわりは喜んで協力するだろう。

今回のSOLARーBのプロマネである小杉先生は、なんと、打ち上げ直前に、平らなところで転んで骨を折るという、「8年間の骨折りを形にして、厄落としをする」という役を買って出た(?)そうである。松葉杖姿で、ニコニコと歩く姿はなかなかユーモラスでいい感じ。

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今回はMVが最後ということもあったのか、広報は大サービスをしてくれた。打ち上げ後には、ランチャー班のご協力をいただいて、整備塔からランチャーが本番どおりに出てきて、82度に傾くところまで、再演していただけた。打ちあがったばかりの焼けたような匂いが残る中で、それを見せていただけるなど、めったにないことだそうだ。

MVロケットは廃止だそうなので、もうここに主が戻ることはない。せっかく作ったのにもったいないことだと思いながら、その大きなロケットの家(?)を見上げる。

長い一日は、まだ続く。

これから、港で地元の方々との交流会があるとのことで、お出かけ。

この成功が、いろいろなよい方向に向かっていけますように。
ともかく、おめでとうございます!

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内之浦へ

鹿児島内之浦へ。

19日に鹿児島市内のビジネスホテルに午前1時までいて、それから1時半発の桜島フェリーに乗って、内之浦へは未明に到着。片道航空券より安い格安パックで来るために、こういう旅程となった。普通なら、鹿児島空港から内之浦へ直行するところなのだが、おかげでいろいろ楽しい初経験ができた。寄り道バンザイである。

まず、鹿児島駅前のホテルの横にあった居酒屋。深夜1時の出発だから、ささっと食べることにして、近くの店へ。これが大当たり。9時まで料理は全品半額。そしてこれがおいしい。料理の腕もあるのだろうけれど、たぶん素材がいい。

お刺身類はもちろんすべてマル。ブタもトリも、味が濃くてしっかりしている。「きなこ豚」をその場で焼いていただく。脂身がとろけるようにおいしい。トンカツのまあジューシーなこと。そして、かかっているデミグラス系のソースが絶妙。トリのお刺身に、この地方特有の甘い醤油がよくあう。

野菜もすごい。トマトサラダのトマトときたら、トマト嫌いのイラストレーターNさんが、追加注文をしてパクパク食べるほどのおいしさなのだ。

「野菜嫌いの子供には、おいしい野菜を食べさせるに限る」

同行者が3人。歯医者さんにしてイラストレーターでもあるKさんは、お酒は飲まないがグルメ。

その彼が、「もうここで帰ってもいい」というくらいだったので、いかにおいしい店だったかがわかろうというもの。

この経由のツアー提案者にしてドライバーでもある編集者Iさんに感謝。この方は、「キューブサット物語」を世に出してくださった方。企画がいいと、できあがりもよくなるのは、ツアーも本つくりも同じらしい。

夜の桜島フェリーはなんともロマンチックで素敵だった。二十四時間運行というのがいい。船室にいるのがもったいなくて、外で風に吹かれる。こんな時間でも、ちゃんと船内のうどん屋さんは営業している。(さすがに食べられなかったが)

朝6時にMV-7号機の打ち上げリハーサルがあって、プレス説明会があるとのことで、それに間に合うように来た。MVロケットの最後の打ち上げ。あのはやぶさも、これで深宇宙へと旅立ったのだと思うと、なんだかもったいないような気もする。

射場プレスツアーのあとの質疑応答が宇宙作家クラブの掲示板にアップされている。

MVは、やっと安定してきて、これからが本番というところなのだという。現役真っ最中に引退しろといわれたようなものなのだそうだ。MVを廃止して、2010年を目処に新小型ロケットを開発するらしい。このあたり、なぜこうなったのかはよくわからないが、大学衛星にとっては、打ち上げ手段が減ることになるので、痛手。大学生の寿命は短いから、4年間打ち上げがないというのは相当に痛い。H2Aの打ち上げ公募はありがたいけれど、すでに21件もの応募があるから、全部載せてはもらえまい。

今回は、HITSATもいっしょに打上げてもらう予定。北海道で作られた初めての衛星が宇宙へ行く日はもうすぐ。道工大と北大の皆さんも現地入りして調整に励んでおられる。今は、先のことをあれこれ心配するより、まずはこの一歩を着実に進められることを祈ろう。

いつも、未来は、今ここから始まるのだから。

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メディアの力

東京新聞に、大学の衛星開発の記事が掲載された。

たくさん取材をしてくださったようで、大学の名前もたくさん出ている。日大メンバーの写真が出ている。知った顔がいるのが楽しい。彼らのコメントがかっこいいが、実物もなかなかである。かつて、工学部の学生というのは見かけにはあまりかまわないというのが標準だったのに、最近の学生さんはみなこぎれい。

木下延昭さんは「失敗から立ち直るという経験は貴重」と前向き。宮崎康行助教授は「宇宙へ行くのは大変なことだとあらためて感じた。学生は毎年入れ替わる。続けていくことが大事」と意欲を見せている。

UNISECの贅沢な悩みは、がんばっている大学が多いので、お話しても、全部書いてもらいきれないことが多いこと。名前が出ていない大学について、書いた記者さんにうかがうと、スペースの問題で他意はないとのこと。

JAXAの打ち上げ機会公募には、21件も応募があったそうだ。2008年には何基載せてもらえるのだろう。もれてしまった場合に備えて、代替案も考え始めておかないといけないだろうか。宇宙開発は、うんと心配性でちょうどいいくらいだから、たくさん心配しておこう。

それにしても、メディアの力は大きいと思う。

何が大きいといって、大学生の場合は、親兄弟や親戚縁者・友人が、突然理解を示してくれるようになるのである。これまで、宇宙開発はとても遠いものだったから、自分の息子や娘や隣の研究室の人がやっているといっても、にわかには信じられないのが普通だろう。新聞やテレビを通してその情報を受け取ると、これがにわかに本当だと思えるらしい。

メディアの方々に取り上げていただけるような開発があちこちでできていくといい。
等身大で報道されて、皆さんが「やるじゃない」といってくださるようなことができていくといい。

ほんの少しだけ背伸びして、地に足をつけてやっていこう。
ジャンプするのは、本当に宇宙に飛び上がるときだけでいい。


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カムイロケットが夢の扉に

日曜日の昼下がり。上野公園の中にある奏楽堂で、パイプオルガンのミニコンサート。日曜の午後2時からと3時からの二回、芸大の学生さんが弾いてくださる。

奏楽堂の建物の雰囲気もよいし、パイプオルガンを聞くのも大好き。入館料300円なりで楽しめるのも魅力。一度行ってみようと思っていたのが、あっけなく実現。通りかかったらやっていた。黒いパンツ姿の芸大生が、そのかわいらしい容姿からは想像できないような荘厳な音を創る。

たいそう得をしたような気分で、花など買って帰る。
食事の前にメールのチェックをしようと思い、パソコンをあける。あけてよかったと思うことはときどきあるが、今回は特別。

なんと!
本日、カムイロケットがテレビ放映のお知らせ。これは見逃せない。

TBSの「夢の扉」がカムイロケットを取材しているのは知っていた。
打ち上げが延期になったので、放映も延期になるのかと思っていたが、これまでとりためた分だけ、先に放映されることになったらしい。

ともかく、間に合いそうなので、宇宙作家クラブのMLにもお知らせする。

見知った顔がテレビに出るのは不思議。ほぼリアルタイムのことがこうやって報道されるのも不思議。観客席と舞台がつながったような感覚。みなさん、やけにりりしくかっこよく映っている。俳優さんのようである。

打ち上げ延期にいたるまでのことが、丁寧に描かれている。うまくいったときの笑顔といかなかったときの苦渋に満ちた顔。

永田先生の大学時代の同級生、野口宇宙飛行士との電話の様子も映される。

「追い詰められてる・・・」
「シャトルもいつもそうだから」

そういえば、スペースシャトル・アトランティスの打ち上げも延期になった。

打ち上げ予定日から1週間前の燃焼実験。
伊藤さん(北大大学院生)は、一日延期したほうがいいと主張。永田先生は決行を主張。

「2秒だけ燃やそう」(永田先生)
「そんなのは意味がありません」(伊藤さん)

このやりとりが緊迫感があって、なかなかなのである。
結局、2秒だけでなくて全面的に決行した燃焼実験は失敗。よい燃焼は、炎がひし形になるそうだが、悪い燃焼はさまざま。今回はエンジンが爆発してしまった。

「・・・打つ手がない」

打ち上げを目前に控え、GOかNO-GOかの最後の決定を下すのは永田先生。3月の打ち上げを延期して、7月に予定した打ち上げ。

「二回も打ち上げ延期だなんて、屈辱的」

映画のセリフのようにつぶやかれる言葉は、映画ではなくて現実。
こんなふうにほぼリアルタイムに、一般視聴者に宇宙の現実が届くようになったのが不思議。宇宙はこれまで、手の届かない遠い人たちのものだったのに。

いまのところ、宇宙へは、魔法では行けない。
行くためには、一つ一つ技術を積んで、モノを創るしかない。
そして、その一つ一つがすべてうまくできて、なおかつ組み合わせたときにきちんと動いて、さらにたくさんの関門を無事に通過して、そして初めて宇宙に行くことができる。

雨ニモマケズ、雪ニモマケズ、カムイロケットを宇宙へ行かせるための努力は、今日も行われているのだろう。
こういう映像を見ると、日ごろ当たり前だと思っていることが、実は小さな努力の積み重ねだと、ほんの少しだけわかる。飛行機も新幹線も自動車も携帯電話も、当たり前のように思えているけれど、実はそうではない。毎日食べているご飯だってそうだ。

すべてのことは魔法ではなくて、誰かが何かをした結果。

カムイロケットは、勇気ある後退を決め、小さなエンジンからやり直すのだそうだ。

夢の扉は、もうきっと開いていて、ただ歩き続けることだけが必要なのだろう。

自分のペースで歩き続ける決心をした永田先生たちは、次の打ち上げ日を決めることはしない。打ち上げ準備ができたら打ち上げ日を決めるのだそうだ。

楽しみを先に延ばすのは、悪くない。
「2015年までにCAMUIロケットを実用化し宇宙開発をみんなに手渡したい」というのが永田先生の「My Goal」。

打ち上げ成功の興奮を想像しながら、楽しみに待つことにしよう。

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能代宇宙イベント無事終了

Genba
能代から無事生還。
大げさに聞こえるかもしれないが、気持ちとしてはそういう気分。もちろん、いい気分。

現地入りした17日はフェーン現象で、気温は36度。新聞ネタになるくらいの暑さ。東北地方は東京よりは涼しいのではなかったかと思いながら、まずは飲み物を購入。現地へ行って、状況を見る。草はすっかりなぎ倒されていて、いい感じ。(うつっているのが、草ふみ用に使われたものらしい)夜は冷房なしでも寝られたので、やはり東京よりは過ごしやすい。

18日は午前中はよい天気だったが、午後から台風の影響で豪雨。こんなにひどい雨は生まれて初めて見た。どれくらいひどい雨だったかというと、数時間で電車がとまり、高速道路が閉鎖されるくらいの雨。車で来た人は、前が見えないような道路をノロノロ運転し、電車で来た人は途中でおろされてバスで代替輸送。九州から参加の学生さんは、なんとか飛行機には乗れたものの、到着が夜中の1時。お疲れ様でした。

全員が当日無事にそろったのは奇跡的。みんな参加できてよかった。

Kikyu
19日の本番は、暑かった。
前日に降った雨がじわじわと足元から蒸発し、草いきれがムンムンするような暑さ。ビニールシートで屋根を作ってくださっているのだが、透過率がどうやら高いようで、相当に暑い。

私のお仕事はカムバックコンペのカンサットの計量と時間チェック。1050グラムを越えても、5分遅れても失格という厳しい条件なので、よけいなこととは知りつつ、「●●大学~!あと○分ですよ~!!」と叫んで回る。

詳細は、別途UNISECのホームページにアップすることとして(といって、実は1ヶ月前からアップすべきものがたまっているのであった。。。。反省)、まずは無事に終了したことに感謝しよう。
(アップしました。こちらをどうぞ)

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日ごろ会えない方にお会いできたり、ゆっくりお話したいと思っていた方とお話できたり、こういう「非日常」でないと起こりえないことが、あちこちで起こる。野尻抱介さんまでいらしてくださって、楽しくおしゃべり。この方はやはりタダモノではない存在感がある。ちなみに一緒に写っているのは、内之浦から視察にこられたM山さん。(野尻さんのすばらしい能代宇宙イベントレポートは必見)


普通のお仕事と同様に、研究や技術開発は、ほとんど毎日が「ケ」。イベントはたまの「ハレ」。
暑い中、必死に調整を繰り返し、不具合を直し、走り回る学生さんたちの顔を見ていると、やっぱり「ハレ」の日も必要だと思う。

「ハレ」を作るための裏方がどれほど大変かは、やった事のある人ならわかる。けれど、裏方は同時に場のクリエイターでもある。そして、やったことがなければ決して理解のできない醍醐味もある。

能代宇宙イベントの立役者であるakiakiさんからのメール(あまりにいいので、勝手に転載します、ごめんなさい)

ところで能代イベントの一番の醍醐味って知ってますか?片付けがすべて終わった後で、風車の音を聞きながら、誰もいない会場を眺める瞬間なんですよ。まるであの熱狂が幻だったかのように、静かに能代の風が草原を駆け抜けていきます。<中略>その感じを味わいたいが為だけにイベントをやってるようなものなんです、ホントは(笑)

忙殺されることがあるのは、実は幸せなことかもしれない。
いつか、そうやって風を感じるときがあると思って、この山積みの仕事を、嬉々として片付けよう。

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週末は能代!

週末は能代で過ごす予定。
のんびり夏休み・・・・ではなく、今年も能代宇宙イベント(クリックして、最初に出てくる写真にカーソルをあわせると、あら不思議)が行われるのである。

すでに、先発準備隊は能代入りしているし、地元秋田大の皆さんは、もう2ヶ月前からこれにかかりきりといってもいいくらいに準備に没頭しておられる。テストは大丈夫だったのかな、などとつい心配してしまうのであるが、優秀な皆さんのことだから、きっと大丈夫だったろう。akiaki先生は、会場の草刈(草ふみ?)から、渉外から、学生の指導まで八面六臂の活躍をしつつ、前向きで建設的な妄想もちゃんとたくましく育てておられる。このバイタリティはすばらしい。

私も17日(明日だ!)には現地いり。
それまでにやらなければならないことのリストをみると、愕然とするのであるが、いつものこと。だいたい皆さん似たり寄ったりと思うので、気にせず、ただひたすらに片付けよう。

今年は、カムバックコンペは14チーム・ローバーコンペ6チームと、20チームが出場。それぞれに工夫を凝らしたカンサットを持ってきてくれることだろう。ロケット打ち上げもある。学生さんたちにとっては真剣な実験なのだが、見ているほうにとっては、なかなかおもしろい。

心配なのはお天気。土曜日は雨が降るかもしれないとの天気予報。どうぞあたりませんように。
ロケット打ち上げに対応できるような超巨大ドームでもあれば別なのだが、いまのところ屋外でやる以外の選択肢はない。

なんとかお天気がもってくれますように。
天気予報がはずれるのは、こうやって、天気予報を覆すような祈りがあちこちで行われているからかもしれない、などと非科学的なことを考えるのは、なかなか楽しい。

秋田近辺の皆さん、ぜひ見にいらしてくださいね。
遠い皆さんも、よかったらいらしてくださいね。


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日大プレスリリース

日大キューブサット「SEEDS」の報告と今後について、プレスリリースが出た。メディア関係者にはお知らせのメールを打ったが、ここでもご紹介しておこう。

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HITSAT、9月に打ち上げ

Hit_antenna
日曜日(6日)の午後、北海道工業大学(佐鳥研究室)へ。
HITSATという名前のキューブサットが、9月23日の打ち上げを目指して、最終製作中。

2003年にここでワークショップをしたときに訪れたことがある。そのときは冬だったから白いイメージが残っている。今は緑豊か。いまや北海道で乗降客数は第二位を誇るという手稲駅におりる。

北海道がこんなに暑いなんて、信じられないくらい暑い。大学は寒冷地仕様だから、冷房はない。佐鳥先生の部屋でお話をうかがう。扇風機の風がゆったりしていていい感じ。


Hit_clean
いろいろと興味深いお話をうかがった後で、研究室を見学させていただく。
道工大の学生さんばかりか、北大の先生や学生さんもいらしている。日曜日というのに、皆さん熱心だ。
冷房のないクリーンルームで、手袋に長靴に帽子にマスクを着こんでの作業。これはかなり暑いに違いない。今まで見せていただいたクリーンルーム衣装(?)の中で、ここが一番厳しく管理されているように見える。
しかし、皆さん、嬉々として作業をしている。
この類の人たちは、世の中にはけっこうたくさんいるようである。

Hit_cube_1
これがフライトモデル。二機同時に作っている。
これから宇宙へ行くという緊迫感のようなものはあまり感じられないが、着々とできている模様。
こんな光景を北海道で見ることができるのは、道産子の私には嬉しい限り。こういう感情は理屈抜きのもの。住んでいるところ、住んでいたところ、旅行で気に入ったところ、友人や家族が住んでいるところには何か理屈抜きの愛着のようなものがある。また、行ったことがなくてもなぜか心引かれる場所もある。

これからは甲子園のごとくに、都道府県ごとに衛星を作って競い合うくらいになるといい。それぞれが、それぞれのベストを尽くす中で、技術も精神も高まっていくといい。


Hit_gs

実は、研究室も見学させていただいたのだが、厳重管理のクリーンルームと比べて、あまりに散らかっていたので、写真には撮ったものの、研究室の皆さんの名誉と将来を考えると、とてもブログには掲載できない。「20人が使っているのでこうなる」のだ